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楼主: ophelia

枕草子(清少納言)

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 楼主| 发表于 2004-1-21 23:00:00 | 显示全部楼层
一五 淵は



 淵は かしこ淵は、いかなる底の心を見て、さる名を付けけむと、をかし。な入りその淵、誰にいかなる人の教へしけむ。青色の淵こそ、をかしけれ。蔵人などの具にしつべくて。隠れの淵。いな淵。

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 楼主| 发表于 2004-1-21 23:00:00 | 显示全部楼层
一六 海は



 海は 水うみ。与謝の海。かはふちの海。

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 楼主| 发表于 2004-1-21 23:00:00 | 显示全部楼层
一七 みささぎは



 みささぎは うぐひすのみささぎ。かしはぎのみささぎ。あめのみささぎ。

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 楼主| 发表于 2004-1-21 23:00:00 | 显示全部楼层
一八 渡りは



 渡りは しかすがの渡り。こりずまの渡り。水はしの渡り。

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 楼主| 发表于 2004-1-21 23:00:00 | 显示全部楼层
一九 たちは



 たちは たまつくり。

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 楼主| 发表于 2004-1-21 23:00:00 | 显示全部楼层
二〇 家は



 家は 近衛の御門。二条。みかゐ。一条もよし。染殿の宮。せかゐ。菅原の院。冷泉院。閑院。朱雀院。小野の宮。紅梅。県(あがた)の井戸。竹三条。小八条。小一条。

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 楼主| 发表于 2004-1-21 23:00:00 | 显示全部楼层
二一 清涼殿の丑寅の隅の、



 清涼殿の丑寅の隅の、北の隔てなる御障子は、荒海の絵(かた)、生きたるものどもの恐ろしげなる、手長、足長なろをぞ、描きたる、上の御局の戸おしあけたれば、常に目に見ゆるを、にくみなどして笑ふ。

 高欄のもとに、青き瓶(かめ)のおおきなるを据ゑて、桜のいみじうおもしろ枝の五尺ばかりなるを、いと多くさしたれば、高欄の外まで咲きこぼれたる昼つ方、大納言殿、桜の直衣のすこしなよらかなるに、濃き紫の固紋(かたもん)の指貫、白き御衣ども、上には濃き綾のいとあざやかなるを出だしてまゐりたまへるに、上の、こなたにおはしませば、戸口の前なる細き板敷に居たまひて、ものなど申したまふ。

 御廉の内に、女房、桜の唐衣どもくつろかに脱ぎ垂れて、藤、山吹など、色々このましうて、あまた、小半蔀(こはじとみ)の御廉よりおし出でたるほど、昼の御座(おまし)の方には、御膳(おもの)まゐる足音高し。警蹕(へいひち)など、「をし」と言ふ声聞こゆるも、うらうらとのどかなる日のけしきなど、いみじうをかしきに、果の御盤取りたる蔵人まゐりて、御膳奏すれば、中の戸よりわたらせたまふ。御供に、廂より大納言殿御送りにまゐりたまひて、ありつる花のもとに帰り居たまへり。

 宮の御前の、御几帳おしやりて長押のもとに出でさせたまへるなど、ただなにとなく、よろずにめでたきを、さぶらふ人も思ふことなきここちするに、「月も日もかはりゆけども久に経る三室の山の」といふ言を、いとゆるるかににうちいだしたまへる、いとをかしうおぼゆるにぞ、げに、千年(ちとせ)もあらまほしき御有様なるや。

 陪膳つかうまつる人の、をのこどもなど召すほどもなく、わたらせたまひぬ。「御硯の墨すれ」と、おほせらるるに、目は空にて、ただおはしますをのみ見たてまつれば、ほとど継ぎめも放ちつべし。白き色紙おしたたみて、「これに、ただ今おぼえむ古き言、一つづつ書け」とおほらるる。外に居たまへるに、「これは、いかが」と申せば、「とう書きてまゐらせたまへ。をのこは言加へさぶらふべきにもあらず」とて、さし入れたまへり。御硯とりおろして、「とくとく、ただ思ひまはさで、難波津もなにも、ふとおぼえむ言を」と責めさせたまふに、などさは臆せしにか、すべて面さへ赤みてぞ思ひ乱るるや。

 春の歌、花の心など、さ言ふ言ふにも、上臈二つ三つばかり書きて、「これに」とあるに、



 年経れば齢(よはひ)は老いぬしかはあれど花をし見ればもの思ひもなし



といふ言を、「君をし見れば」と書きなしたる、御覧じくらべて、「ただこの心どものゆかしかりつるぞ」と、おほせらるるついでに、「円融院の御時に、草子に『歌一つ書け』とおほせられければ、いみじう書きにくう、すまひ申す人々ありけるに、『さらにただ、手のあしさよさ、歌のをりにあはざらむも知らじ』とおほせらるれば、わびて皆書きけるなかに、ただ今の関白殿、三位中将と聞こえける時、



 潮の満ついつもの浦のいつもいつも君をば深く思ふやはわが



といふ歌の末を、『頼むむやはわが』と書きたまへりけるをなむ、いみじうめでさせたまひける」など、おほせらるるにも、すずろに汗あゆる心地ぞする。年若からむ人は、さもえ書くまじきことのさまにや、などぞ、おぼゆる。例いとよく書く人も、あじきなう皆つつまれて、書きけがしなどしたる、あり。

 古今の草子を御前に置かせたまひて、歌どもの本(もと)をおほせられて、「これが末、いかに」と問はせたまふに、すべて夜昼心にかかりておぼゆるもあるが、け清う申し出でられぬことは、いかなるぞ。宰相の君ぞ、十ばかり、それもおぼゆるかは。まいて五つ六つなどは、たおぼえぬよしをぞ啓すべけれど、「さやは、けにくく、おほせごとを映えなうもてなすべき」と、わびくちをしがるも、をかし。知ると申す人なきをば、やがて皆読み続けて、夾算(けふさん)せさせたまふを、「さてこれは知りたることぞかし。など、かうつたなくはあるぞ」と、言ひ嘆く。なかにも、古今あまた書き写しなどする人は、皆もおぼえぬべきことぞかし。

 「村上の御時に、宣耀殿(せんやうでん)の女御と聞えけるは、小一条の左の大臣殿の御娘におはけると、たれかは知りたてまつらざらむ。まだ姫君と聞えける時、父大臣の教へきこえたまひけることは、『一には、御手を習ひたまへ。次には琴(きん)の御琴を、人より異に弾きまさらむとおぼせ。さては、古今の歌廿巻を皆うかべさせたなを、御学問にはせさせたまへ』となむ、聞えたまひける、と、きこしめしおかせたまひて、御物忌なりける日、古今を持てわたらせたまひて、御几帳をひき隔てさせたまひければ、女御、例ならずあやし、と、おぼしけるに、草子をひろげさせたまひて、『その月、なにのをり、その人の詠みたる歌は、いかに』と、問ひきこえさせたまふを、かうなりけり、と心得させたまふも、をかしきものの、ひがおぼえもし、忘れたるところもあらば、いみじかるべきこと、と、わりなうおぼし乱れぬべし。その方におぼめかしからぬ人、二三人ばかり召し出でて、碁石して数を置かせたまはむとて、強(し)ひきこえさせたまひけむほど、いかにめでたくをかしかりけむ。御前にさぶらひけむ人さへこそ、うらやましけれ。せめて申させたまへば、さかしう、やがて末まではあらねども、すべてつゆたがふことなかりけり。いかでなほ、すこしひがごと見付けてをやまむ、と、ねたきまでにおぼしめしけるに、十巻にもなりぬ。『さらに不用なりけり』とて、御草子に夾算さして、大殿护辘踏毪狻ⅳい趣幛扦郡筏贰¥い染盲筏Δⅳ辘破黏丹护郡蓼丐毪恕ⅳ胜郅长韦长取伽霖摛堡胜皮浃蓼护郡悉唷ⅳい趣铯恧贰ⅳ趣啤⑾陇问畮啢颉⒚魅栅摔胜椁小悿颏猡疽姢郡蓼窑ⅳ悉工搿ⅳ趣啤ⅰ航袢斩à幛皮唷护取⒋蟮钣
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 楼主| 发表于 2004-1-21 23:00:00 | 显示全部楼层
二二 生ひ先なく、



 生ひ先なく、まめやかに、えせざいはひなど見てゐたらむ人は、いぶせく、あなづらはしく思ひやられて、なほ、さりぬべからむ人のむすめなどは、さしまじらはせ、世の有様も見せならはさまほしう、内侍のすけなどにてしばしもあらせぱや、とこそ、おぼゆれ。

 宮仕へする人をば、あはあはしう、わるきことに言ひ思ひたる男などこそ、いとにくけれ。げに、そも、またさることぞかし。かけまくもかしこき御前をはじめたてまつりて、上達部、殿上人、五位、四位はさらにも言はず、見ぬ人はすくなくこそあらめ。女房の従者、その里より来る者、長女、御厠人の従者、たびしかはらといふまで、いつかはそれを恥ぢ隠れたりし。殿ばらなどは、いとさしもやあらざらむ。それも、ある限りは、しか、さぞあらむ。

 上などいひて、かしづき据ゑたらむに、心にくからずおぼえむ、ことわりなれど、また、内裏の内侍のすけなどいひて、をりをり内裏へまゐり、祭の使などに出でたるも、面立たしからずやはある。さて、こもりゐぬる人は、まいてめでたし。受領の、五節出だすをりなど、いとひなび、言ひ知らぬことなど、人に問ひ聞きなどは、せじかし。心にくぎものなり。

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 楼主| 发表于 2004-1-21 23:00:00 | 显示全部楼层
二三 すさまじきもの



 昼ほゆる犬。春の網代。三、四月の紅梅の衣。牛死にたる牛飼。ちご亡くなりたる産屋。人おこさぬ炭櫃、地火炉。博士のうち続き女子生ませたる。方違へに行きたるに、あるじせぬ所。まいて節分などはいとすさまじ。

 人の国よりおこせたる文の、物なき。京のをも、さこそ思ふらめ。されどそれは、ゆかしき事どもをも書き集め、世にあることなどをも聞けば、いとよし。人のもとに、わざときよげに書きてやりつる文の返事、今は持て来ぬらむかし、あやしう遅き、と、待つほどに、ありつる文、主文をも結びたるをも、いときたなげに取りなし、ふくだめて、上に引きたりつる墨など消えて、「おはしまさざりけり」もしは「御物忌とて取り入れず」と言ひて持て帰りたる、いとわびしく、すさまじ。

 また、かならず来べき人のもとに車をやりて待つに、来る音すれば、「さななり」と、人々出でて見るに、車宿にさらに引き入れて、轅ほうと打ちおろすを、「いかにぞ」と問へば、「今日は、ほかへおはしますとて、わたりたまはず」など、うち言ひて、牛の限り引き出でて去ぬる。

 また、家のうちなる男君の、来ずなりぬる、いとすさまじ。さるべき人の宮仕へするがりやりて、はづかしと思ひゐたるも、いとあいなし。ちごの乳母の、ただあからさまにとて出でぬるほど、とかく慰めて、「とく来」と言ひやりたるに、「今宵は、えまゐるまじ」とて、返しおこせたるは、すさまじきのみならず、いとにくくわりなし。女迎ふる男、まいていかならむ。待つ人ある所に、夜すこしふけて、忍びやかに門たたけば、胸すこしつぶれて、人出だして問はするに、あらぬよしなき者の名のりして来たるも、かへすがへすもすさまじといふはおろかなり。

 験者の、物怪調ずとて、いみじうしたり顔に独鈷や数珠など持たせ、せみの声しぼり出だして誦みゐたれど、いささかさりげもなく、護法もつかねば、集り居、念じたるに、男も女もあやしと思ふに、時のかはるまで誦み困じて、「さらにつかず。立ちね」とて、数珠取り返して、「あな、いと験なしや」と、うち言ひて、額より上ざまにさくり上げ、欠伸おのれうちして、寄り臥しぬる。いみじうねぶたしと思ふに、いとしもおぼえぬ人の、押し起して、せめてもの言ふこそ、いみじうすさまじけれ。

 除目に司得ぬ人の家。今年はかならず、と聞きて、はやうありし者どものほかほかなりつる、田舎だちたる所に住む者どもなど、皆集り来て、出で入る車の轅(ながえ)もひまなく見え、もの詣でする供に我も我もとまゐりつかうまつり、物食ひ酒飲み、ののしりあへるに、果つる暁まで門たたく音もせず、「あやしう」など、耳立てて聞けば、前駆追ふ声々などして上達部など皆出でたまひぬ。もの聞きに宵より寒がりわななきをりける下心小ⅳい趣猡螒nげに歩み来るを、をる者どもは、え問ひにだに問はず、外より来たる者などぞ、「殿は、なににかならせたまひたる」など問ふに、答へには「なにの前司にこそは」などぞ、かならず答ふる。まことに頼みける者は、いと嘆かしと思へり。つとめてになりて、ひまなくをりつる者ども、一人、二人すべり出でて去ぬ。古き者どもの、さもえ行き離るまじきは、来年の国々、手を折りてうち数へなどして、ゆるぎありきたるも、いとほしう、すさまじげなり。

 よろしう詠みたりと思ふ歌を、人のもとにやりたるに、返しせぬ。懸想文は、いかがせむ。それだに、をりをかしうなどある返事せぬは、心劣りす。また、騒がしう、時めきたる所に、うち古めきたる人の、おのが、つれづれと暇多かるならひに、昔おぼえて異なることなき歌詠みておこせたる。

 もののをりの扇、いみじくと思ひて、心ありと知りたる人に取らせたるに、その日になりて、思はずなる絵など描きて、得たる。

 産養(うぶやしなひ)、馬のはなむけなどの使に、禄取らせぬ。はかなき薬玉、卯槌など待てありく者などにも、なほかならず取らすべし。思ひかけぬごとに得たるをば、いと興ありと思ふべし。これはかならずさるべき使と思ひ、心ときめきして行きたるは、ことにすさまじきぞかし。

 婿取りして、四、五年まで、産屋の騒きせぬ所も、いとすさまじ。大人なる子供もあまた、ようせずは孫なども這ひありきぬべき、人の親どち、昼寝したる。かたはらなる子どものここちにも、親の昼寝したるほどは、寄り所なく、すさまじうぞあるかし。師走のつごもりの夜、寝起きてあぶる湯は腹立たしうさへぞおぼゆる。師走のつごもりの長雨。「一日ばかりの精進解斎」とやいふらむ。

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 楼主| 发表于 2004-1-21 23:00:00 | 显示全部楼层
二四 たゆまるるもの



 精進の日の行ひ。遠きいそぎ。寺に久しく护辘郡搿
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 楼主| 发表于 2004-1-21 23:00:00 | 显示全部楼层
二五 人にあなづらるるもの



 築土の崩れ。あまり心よしと人に知られぬる人。

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 楼主| 发表于 2004-1-21 23:00:00 | 显示全部楼层
二六 にくきもの



 急ぐことあるをりに来て、長言するまらうど。あなづりやすき人ならば、「後に」とても、やりつべけれど、さすがに心はづかしき人、いとにくく、むつかし。硯に髪の入りて、すられたる。また、墨の中に、石のきしきしときしみ鳴りたる。

 にはかにわづらふ人のあるに、験者もとむるに、例ある所になくて、外に尋ねありくほど、いと待ち遠に久しきに、からうじて待ちつけて、よろこびながら加持せさするに、このころ物怪にあづかりて困じにけるにや、居るままにすなはち、ねぶり声なる、いとにくし。

 なでふことなき人の、笑がちにて、ものいたう言ひたる。火桶の火、炭櫃などに、手のうらうち返しうち返しおしのべなどして、あぶりをる者。いつか、若やかなる人など、さはしたりし。老いばみたる者こそ、火桶のはたに足をさへもたげて、もの言ふままに押しすりなどはすらめ。さやうの者は、人のもとに来て、居むとする所を、まづ扇してこなたかなたあふぎちらして、塵はき捨て、居もさだまらずひろめきて、狩衣の前巻き入れても居るべし。かかることは、いふかひなき者の際にやと思へど、すこしよろしき者の、式部の大夫などいひしが、せしなり。

 また、酒飲みてあめき、口を探り、鬚ある者はそれをなで、盃、異人に取らするほどのけしき、いみじうにくしと見ゆ。「また飲め」と言ふなるべし、身ぶるひをし、頭ふり、口わきをさへ引き垂れて、童の「こう殿にまゐりて」など謡ふやうにする。それはしも、まことによき人のしたまひしを見しかば、心づきなしと思ふなり。

 ものうらやみし、身の上嘆き、人の上言ひ、露ばかりのこともゆかしがり、聞かまほしうして、言ひ知らせぬをば、怨じそしり、また僅かに聞き得たることをば、わがもとより知りたることのやうに、異人にも語りしらぶるも、いとにくし。

 もの聞かむと思ふほどに泣くちご。烏の集まりて飛び違ひ、さめき鳴きたる。

 忍びて来る人、見知りてほゆる犬。あながちなる所に隠し臥せたる人の、いびきしたる。また、忍び来る所に、長烏帽子して、さすがに人に見えじとまどひ入るほどに、ものにつきさはりて、そよろといはせたる。伊予簾など掛けたるに、うちかづきて、さらさらと鳴らしたるも、いとにくし。帽額の簾は、まして、こはしのうち置かるる音、いとしるし。それも、やをら引き上げて入るは、さらに鳴らず。遣戸を、荒くたてあくるも、いとあやし。すこしもたぐるやうにしてあくるは、鳴りやはする。あしうあくれば、障子なども、こほめかしうほとめくこそ、しるけれ。

 ねぶたしと思ひて臥したるに、蚊の細声にわびしげに名のりて、顔のほどに飛びありく。羽風さへ、その身のほどにあるこそ、いとにくけれ。

 きしめく車に仱辘皮ⅳ毪摺⒍饴劋踏摔浃ⅳ椁啶取ⅳい趣摔贰¥铯瑏りたるは、その車の主さへにくし。また、物語するに、さしいでして、我ひとりさいまくる者。すべてさしいでは、童も大人いともにくし。あからさまに来たる子ども、童を見入れ、らうたがりて、をかしき物取らせなどするに、ならひて、常に来つつ居入りて、調度うち散らしぬる、いとにくし。

 家にても宮仕へ所にても、会はでありなむと思ふ人の来るに、そら寝をしたるを、わがもとにある者、起しに寄り来て、いぎたなしと思ひ顔に引きゆるがしたる、いとにくし。今まゐりの、さし越えて、もの知り顔に教へやうなること言ひ、後見たる、いとにくし。

 わが知る人にてある人の、はやう見し女のこと、ほめ言ひいでなどするも、ほど経たることなれど、なほにくし。まして、さしあたりたらむこそ、思ひやらるれ。されど、なかなか、さしもあらぬなどもありかし。

 はなひて誦文する。おほかた、人の家の男主ならでは、高くはなひたる、いとにくし。蚤もいとにくし。衣の下に躍りありきて、もたぐるやうにする。犬の諸声に長々と鳴き上げたる、まがまがしくさへにくし。

 あけて出で入る所、たてぬ人、いとにくし。

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 楼主| 发表于 2004-1-21 23:00:00 | 显示全部楼层
二七 心ときめきするもの



 雀の子飼。ちご遊ばする所の前たわる。よき薫物たきて、ひとり臥したる。唐鏡のすこし暗き見たる。そき男の、車とどめて、案内し問はせたる。頭洗ひ、化粧じて、香ばしうしみたる衣など着たる。ことに見る人なき所にても、心のうちは、なほいとをかし。待つ人などのある夜、雨の音、風の吹きゆるがすも、ふと驚かる。

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 楼主| 发表于 2004-1-21 23:00:00 | 显示全部楼层
二八 過ぎにしかた恋しきもの



 枯れたる葵。雛遊びの調度。二藍、葡萄染めなどのさいでの、押しへされて、草子の中などにありける、見つけたる。また、をりからあはれなりし人の文、雨など降りつれづれなる日、さがし出でたる。去年のかはほり。

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 楼主| 发表于 2004-1-21 23:00:00 | 显示全部楼层
二九 心ゆくもの



 よく描いたる女絵の、言葉をかしう付けて多かる。物見の帰さに、仱辘长埭欷啤ⅳ颏韦长嗓猡い榷啶⑴¥瑜浃胝撙巍④囎撙椁护郡搿0驻瑜菠胜腙懓录垽恕ⅳい趣い燃殼Α伽悉ⅳ椁坦Pして、文書きたる。うるはしき糸の練りたる、あはせ繰りたる。てうばみに、てう多く打ち出でたる。ものよく言ふ陰陽師して、川原に出でて、呪詛の祓へしたる。夜、寝起きて飲む水。

 つれづれなるをりに、いとあまりむつまじうもあらぬまらうどの来て、世の中の物語、このころある事のをかしきもにくきもあやしきも、これかれにかかりて、公私おぼつかなからず、聞きよきほどに語りたる、いと心ゆくここちす。

 神、寺などにまうでて、もの申さするに、寺は法師、社は禰宜(ねぎ)などの、くらからずさはやかに、思ふほどにも過ぎて、とどこほらず聞きよう申したる。

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