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楼主: かもんさ

[大专专业课] 09年新版 日语报刊电子版(全)

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 楼主| 发表于 2009-7-18 11:43:12 | 显示全部楼层
(21)
慶大が入学金40%削減、近く全廃「優秀な学生集めたい」
 慶応義塾大学(東京、安西祐一郎塾長)は21日、平成21年度から入学金を約4割引き下げ体育実習費を廃止するなど学費の抜本見直しを発表した。安西塾長は「国際的に優秀な学生を集めるため、諸外国にない入学金を近く廃止する一歩としたい」と説明。徴収趣旨があいまいとの指摘もある入学金廃止を視野に、世界標準の学費制度で人材を集めるねらい。
 文系学部では授業料が引き上げられ、4年間の学費総額はアップするが、奨学金制度の拡充や家賃補助の創設で支援する。
 現行34万円の入学金を20万円に引き下げ8000円の体育実習費も廃止する。ただ、文系学部の場合、年間73万円の授業料を78万円に、施設設備費8万円を18万円に引き上げる。在籍基本料6万円を創設し、留学などで休学した場合、施設設備費と、現行の授業料に代わって在籍基本料を払えばよい。
 初年度納入金は122万円(20年度比4・3%増)、4年間の納入額は428万円(同17・8%増)となるが、項目を簡素化し、「グローバルな学費体系にした」(安西塾長)。
 一方、学生の負担軽減のため、20年度から1人当たり年12万円の家賃補助を開始。1学年当たり約400人、総計約1600人に4または6年間支給する。また、留学生を対象に10億円の奨学基金を創設する。
 慶大では現在約870人の留学生を27年度までに1500人に増やしたいとしており、優秀な留学生を集める“切り札”に、との思惑もある。6年後には約25億円の増収になるが「教育内容などで学生に還元したい」としている。
 優秀な学生を集めようとする動きは他大学にも広がっており、東京大では20年度から家庭年収が400万円未満の学生は授業料53万5800円を免除する。東京工業大も博士課程に進学する学生に授業料(同)相当額を報酬として支給し、事実上免除する。
2008年3月21日『産経新聞』
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 楼主| 发表于 2009-7-18 11:44:15 | 显示全部楼层
(22)
私は「悪ガキ」しか信用しない
人の2倍以上働く若者達――そんな誰もが欲しがる優秀な人材を集める。菅原社長の眼鏡にかなった「人材」は、枠にはまらない「悪ガキ」達。
なぜ「悪ガキ」なのか?独自の人物鑑定眼の秘密を解き明かす。

 「会社のカネを盗んでいなくなる。そんな奴もたまにいるけど、好んで「悪ガキ」を採用している。彼らは心に火が点くと凄い力を出すんだ」
 従業員の選び方を尋ねると、玉子屋(東京都大田区)社長の菅原勇雄(すがはら・いさつぐ)は、満面の笑みを浮かべてそう話した。
 玉子屋は、仕出し弁当の製造・配達を手掛け、首都圏のオフィスや工場で繰り広げられるランチ戦争の「勝ち組」企業。一日に配達する弁当の数は平均5万5000食で、国内有数の規模を誇る。売上高は70億円(2004年5月期見込み、グループ全体)で、前期比4億円の増収を見込む。
 その強さはユニークな超効率経営にある。弁当の原価率は同業他社より2割以上も高い54%で、こだわりの食材を使う。
配る弁当の数は普通の2倍
その一方で、従業員達が効率的に働くことで材料費以外のコストを切り詰めている。
例えば、玉子屋の配送スタッフが一日に配る弁当の数は1人当たり400~450食で、同業他社のおよそ2倍。さらに、新規顧客の開拓や、顧客から弁当の感想やライバルの動向を聞き出す営業活動まで、配送以外の仕事もいとわない。盛り付けの現場でも、自主的なミーティングを開き、作業の効率を徹底的に追及する。
 その結果、従業員は一人で何役もこなし、同業他社の2倍以上働くという精鋭部隊になっている。現在の従業員数は500人(グループ会社を含む)。そして、その中核が「悪ガキ」達だ。
 菅原が言うところの「悪ガキ」とは、「学校で落ちこぼれたとか、夢を追って破れた奴」のこと。元暴走族から、高校・大学を中退したフリーターまで幅広く含む。
「養殖」と「天然」で 歴然とした差が出る
 ではなぜ、「悪ガキ」が力を発揮するのだろうか?
 菅原は、魚の「養殖」と「天然」を例に説明する。
 「養殖の魚は、生け簀の中で餌をもらって育つ。人間で言うと、親や学校の先生が敷いたレールの上を走るタイプのことで、人間自身が持っているエネルギーが少ない。一方で、天然の魚は自ら餌を取る。人間なら、自分で物事を考えて決めてきたタイプのこと。悪ガキ達はこれに当たる。そういう人間は心の中に大きなエネルギーを持っているんだ」
 そして、そのエネルギーの差は仕事を身に付ける中で、「能力の差」として現れてくるという。  
まず「悪ガキ」達の方が仕事を覚えるスピードが早い、と菅原は説明する。
 例えば、玉子屋では、弁当を配送するライトバンは、一日の内に何回もルートや配る弁当の数が変更される。こうした時に、機転を利かせててきぱき動けるのは、天然タイプの「悪ガキ」達だという。
 「養殖タイプは、指示通りにやろうと考え過ぎるから、何か変更があると、動揺して的確な判断が下せない」
 そして、顧客志向という点でも、「悪ガキ達は優れている」と菅原は力説する。一般的な会社員は顧客からの評価より、上司からの評価が気になる。ところが、「悪ガキ」は上司より顧客が気になるというのだ。
 「悪ガキというのは、人に誉められたことがほとんどないから、お客様に誉められると本当にうれしいんだよ。だから、お客様のためなら上司とケンカするのも平気なんだ」
 実際、玉子屋では従業員が、もっとお客のために業務を改善したいと言って、上司を突き上げることが日常茶飯事で起きる。
 「上司の顔色をうかがう気がない。あるいは、それさえ気付かないほど、素直な子達なんだ」
 さらに、実力主義を受け入れ、たとえ一時的に左遷されても、腐らずに働くのもまた、「悪ガキ」達だという。
 玉子屋では7年程前から、本格的に実力主義の人事を導入している。実績さえあれば、アルバイトでも配送スタッフの班長といった管理職に抜擢する。
 その結果、上司と部下が入れ替わる「下克上」の人事が発生することも少なくない。それでも会社の雰囲気が悪くなることはないという。
 挫折を経験したことのある「悪ガキ」は、失敗から立ち直る術を知っている。だから降格されても、一からやり直そうと前向きに捉えることができるというのだ。実際、降格後に努力し、再び元のポストに戻るのは、「悪ガキ」達がほとんどだ。
一見、アバウト 実は緻密な入社試験
 とは言え、菅原の言う「悪ガキ」の定義はやや曖昧だ。人は生きていれば、失敗や挫折の経験を持つ。どうやって素質のある「悪ガキ」を集め、会社組織の中で活かすのか。その秘密は採用にある。採用ルートは新卒、中途、アルバイト・パートの三つ。重視するのは面接だ。合否に明確な基準があるわけではないが、必ず不採用になるのは、「前の会社では、自分なりに頑張ったのに認めて貰えなかった」といったネガティブな回答。ここまではどこの会社でも同じだろう。
 ユニークなのは、志望動機の評価基準だ。「配達で体を鍛えられるから」「昼代が浮くから」といったシンプルな回答を喜ぶ。その理由は、「過去の経験から、単純な奴の方が伸びるからだ」。
 合格ラインを超えた入社希望者から、菅原はこれまでの半生を聞き出す。
 例えば、菅原は「彼女がいるかどうか」をよく聞く。別に彼女がいないと不合格というわけではない。
 「若いのに1人の女性と長く付き合うタイプは、真面目な半面、融通が利かないことがある。一方で、常時、2、3人の女性と付き合うようなタイプは、口がうまくて要領が良いから、営業に最適。でも、ルーズなところがある。配置や指導をする時に、それぞれ注意しなければならない」
 なぜここまでするのか。それは、細かく性格を分析しなければ、最適な指導法や配属先は分からない、と菅原が考えているためだ。その結果、「他の会社ではどうしようもなかった奴が、うちでは活躍している」と菅原は話す。
 「悪ガキ」達を集め、育てる過程の中で、玉子屋は普通では想像も付かないリスクをあえて受け入れてきた。それは冒頭でも触れた、会社のカネを使い込むというトラブルだ。かつては、集金で手にした100万円、200万円というカネを使い込む人間が少なからずいたという。
 「これまでに何人いたかは、多過ぎて分からない」。菅原は笑いながら教えてくれた。
 使い込み発覚後の行動は人によってまるで異なるそうだ。姿を消す者、返済して辞める者、使い込んだカネをきちんと返して、そのまま会社で頑張る者と様々だ。
絶体絶命の危機を救ったのも悪ガキ達
 菅原は、使い込みを反省し、カネを自力で完済したケースを高く評価する。
 「カネを返すには、働く時間を増やさなければならない。朝4時から調理や盛り付けをやって、8時から通常の配達・営業をやる。さらに、土曜日も会社に出てきて仕事をして、日曜日は別会社で働く。うちの業務の流れを全部知っているんだから、素晴らしい営業マンになる」
 にわかには信じがたい話だが、実際にこうした事件を起こしながら、玉子屋を支えるエース級の人材に育った例も少なくないという。
 菅原の息子で、副社長の勇一郎が笑いながら話す。
 「社歴が浅い人は知らないから、まさか自分の上司が、昔、200万円も使い込んだと聞いたら驚くだろうな」
 いつからここまで「悪ガキ」を集め、育てるようになったのか。
 一つの契機となったのが、1985年に起こした食中毒事件だ。新聞沙汰になり、1週間の営業停止になった。絶体絶命の危機に、苦労して採用したはずの学卒者が次々に辞め、残ったのは菅原が言う「悪ガキ」達だけだった。そして、その「悪ガキ」の一人が担当する大口顧客が、事件以後も注文を出し続けてくれたことで生き残ることができた。
 その後も、最前線で八面六臂の活躍をするのは「悪ガキ」達ばかり。その姿を見る度に、菅原は自分の考え方は正しいとの思いを強めてきた。
 「彼らが成長していく姿は、驚きの連続で本当に楽しい」と菅原は話す。
 菅原独特の人物鑑定眼は、すべての企業に応用できる方法とは言えない。しかし、常に従業員達の本質を理解しようと努め、ふさわしいチャンスを与える菅原の姿勢に、学ぶべきことはたくさんある。
菅原社長が見抜いた「悪ガキ」達の3つの長所
1、実は「勉強熱心」
学校という場で「お勉強」をする機会がなかっただけで、仕事を覚えるスピードは早い。
2、実は「顧客志向」
人に感謝されることが何より嬉しい。お客のためなら上司とけんかするのも平気。
3、実は「逆境に強い」
年下でも力のあるものが上に立つのが当たり前だと考えている。降格人事でもやる気を失わない。

NIKKEI VENTNRE 2004.4
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 楼主| 发表于 2009-7-18 12:14:21 | 显示全部楼层
(23)
自信過小、自分探し世代の憂鬱

20代おおう「心はニート」
厚労省は学校を出ても働かないニートを52万人と算出した。でも、いま働いている人の中にも「もしかしたら自分も」という不安を抱えている人は少なくない。
編集部 内山洋紀
 彼に出会ったのは、去年の11月ごろだった。
 都内の専門商社で営業職正社員として働くトシオさん(28)は、得意先回りを終えて、会社に向かっていた。戻れば、上司に誰と会って、どんな話をしたということを細かく報告する決まりだ。上司は、それに逐一細かい「指導」を入れてくる。
 ああ、やだ。毎日毎日報告して楽しい話なんてねえよ――。
 午後4時、会社に近いターミナル駅を降りたところで、30代ぐらいの若いホームレスの男がいるのを見つけた。自転車でいっぱいの駅前広場のベンチに寝っ転がり、スポーツ新聞を見ていた。長身でメガネ、両耳からあごまでずっとヒゲが生えている。何となく自分に似ているような気がした。
 この人には、誰かに報告することなんてないんだろうな――。
 週日の反動か、トシオさんは週末はずっと家で引きこもる。土曜の午後遅く起きたら、缶ビール片手にファンタジー小説を読む。
50万の通帳見るだけで
 それからしばらく、駅を通るたびに「彼」の姿を探した。ひと月ぐらいたち、雨の中に白いものが混じる頃、姿が見えなくなった。
 まさか――。
 たぶん、別の場所に移動したのだろう。でも、トシオさんはその冬、ボーナスで買おうと思っていた液晶テレビをあきらめて、貯金に回した。
 現在残高50万円ちょっと。通帳を見ながら、今退職しても、半年は何もしないで生きていける、と考えるだけで、ホッとする。
 若い会社員の離職率は、不況にもかかわらず増えている。厚生労働省が若年者の離職理由を調べたところ、貸金や労働条件の不満もあるが、「仕事が自分に合わない」「人間関係がよくない」「キャリア形成の見込みがない」などといった理由が上位に並ぶ。
 独立行政法人労働政策研究・研修機構の副統括研究員、小杉礼子さんは昨年から今年にかけて、無職か不定期アルバイトなど「定職を持たない」若者50人に聞き取り調査をし、理由をまとめた。
「人間関係が不安」「一度就職したが自信喪失」「やりたいことがわからない」「刹那的」
 四つの分類は、先に挙げた離職理由と重なる。
 学校などを卒業(または中退)していながら、仕事をしていない若者を今、ニート(NEET)と言う。英語の「Not in Education, Employment or Training」の頭文字を取った言葉だ。
 厚労省は今年9月、日本にいる15歳から34歳までの「ニート」の数を52万人と算出した。ただこの数字には、ハローワークに通ったり、就職情報誌を眺めたり、年に一度でも就職活動した人は含まれないから、実際働いていない若者は、もっと多いはずだ。
 さらに、今は働いていてもトシオさんのように「できればやめたい」と思っている、いわゆる「潜在的ニート」が20代の間に広がっている。
 都心にある超高層ビル。静かな室内には、パソコンのキーをたたく音だけが響く。ウェブサイトの制作に携わるショウコさん(27)は、同じ部屋にいるはずの同僚と、メールで会話をする。
「例の案件だけど……」
 打ち合わせは、いつのまにか自分たちの将来の話に。
「いつまで、この会社にいるつもり?」
「やばいよね―。このままじゃ」
 入社4年目。そろそろ転職して、新しい経験を積んだほうが将来のためになる。そんな思いが強い。別に会社の業績が悪いわけでも、キャリアアップしたいという強い欲求があるわけでもない。だが、なんとなくこのままではいけないのでは、と不安になる。
 疲れ切って帰宅した後、寝る前に、転職情報サイトを眺めるのが日課になった。でも、知るのは現実の厳しさだ。
「ホームページ制作」で探すと、今の給与水準よりも高い求人は、高度な技術がいるものばかり。自分の実力で応募できそうなものだと、月収は3分の2ほどになり、アルバイトや契約社員が多い。
「ああ、自分は他の誰かに簡単に置き換えが可能なんだ」
何で仕事続けてるのか
 そもそも、今の仕事は本当に「自分のやりたいこと」だったのだろうか。転職サイト巡りは、いつしか別の業界へ。でも、また考える。アルバイトから始め、正社員を目指し、一人前になるまで5年はかかるかな。アルバイトのまま、クビになるかもしれない。今の正社員の地位を捨ててまで、飛び込む成算はない。
 じゃあ、今の会社でこつこつ頑張って出世を目指すかと言えば、何か違う。成果主義だから、頑張れば信頼は上がり、責任も増えるのに。上の世代を見ても、目指す理想像が見当たらない。
「私、何で仕事してるんだろう」
 学生時代は違った。都内の国立大で、演劇活動に熱中、役者も裏方もこなした。将来はキャリアウーマンになると決め、結婚退職する「腰掛けOL」こそが、女性の地位を下げている原因だと思っていた。しかし、今はできれば早く結婚して、会社をやめたい。
 実家に帰った日曜日、居間のテーブルで両親とテレビを見ながら、ついつぶやいた。
「今の仕事を続ける意味がわからない。やめたい」
「真面目にやってれば、どこかで誰かが見ててくれるはずだ。我慢しなさい」
「終身雇用でもないのに、そんなことあるわけない。自分の業績を大げさにアピールできて、はじめて評価されるんだよ」
 他人を押しのけてアピールするのも嫌だ。それにそこまでするような仕事なんだろうか――。
「やりたいことがわからない」「やりたいことが絞りきれない」と悩む若者は多い。
 30歳未満の若者を対象にした「ヤングハローワーク渋谷」でカウンセリングをしている臨床心理士の菊池尊さんによると、相談の3割はそんな悩み。芸能界やファッション業界などを挙げて「どうしたら就職できるのか」と相談する人も、3割近いという。
「でも、就職するために、具体的な努力をしている人はとても少ない。何となく就職が難しい華やかな業界に絞ることで、無自覚のうちに『現実的な選択』から逃げてしまっているようです」
自分らしさの強迫観念
 ニートを分析した共著『ニート』を執筆した東大助教授の玄田有史さんは、次のように分析する。
「失われた10年で、社会が一人前の大人を育てる自信を失った。それがそのまま若い人の自信のなさにつながっている。とはいえ自信のなさは、実際には『自分はもっとできるはず』とか根拠のない自信と表裏一体です。できないことを認めて、開き直ることができない。『自分らしい生き方』を探さなければという強迫観念が強い」
 番組制作会社に勤めていたヒロシさん(27)が、会社をやめて「失踪」したのは今年初めのことだ。携帯の電源は切ったまま、親にも友人にも言わずに、飛行機で沖縄に飛んだ。
 社会人3年目で、念願だったこの業界に転職した。小さな会社で、即戦力として期待されていた。と言っても、映像の専門学校に半年通っただけで、業界用語も機械の使い方もわからなかった。経験不足をカバーするために、誰よりも先に出社し、雑用は自分から何でも引き受けた。頑張りから、15分間のコーナーを任された。
 編集スタジオに入るのは、いつも深夜未明だった。機材に慣れておらず時間がかかるからと、先輩が会社にいる間は遠慮する。疲れ切った体で、自分のイメージ通りに番組ができない。
「わかりにくいなあ」
 先輩からそう言われた番組も、時間がなく、そのまま放映された。自分で見ることができなかった。嫌な考えが渦を巻き始め、止まらない。自分はダメ人間だ。もうダメなんだ――。
ニートの気持ちわかる
 過去を振り返っても、自分の人生は、周囲の期待に応えるために努力してきた。高校で父親が死亡。「おれが大学に行けなかった分、お前には大学に行って欲しい」が口癖だった父親のために、受験勉強を頑張った。
 卒業後、菓子メーカーに就職。営業を希望したが、配属は店舗での販売。売り上げデータを見ていて、自分よりも同期の女子社員のほうがレジの売上額が多いことに気づき、自信を急になくした。
 沖縄では8カ月、ホテルでアルバイトとして働いた。そのうち、ちゃんと働きたいという思いが募り、帰ってきた。ただ、次の仕事選びはまだしていない。
「もう2回も仕事を辞めましたからね。今度こそ自分に合った一生やれる仕事につきたい。急いで決めて失敗するのは嫌です」
 小杉さんはこう話す。
「労働市場の流動化で、転職組正社員に求められるスキルは上がる一方。若い人には、以前と比べて相当厳しい状況だと思います」
 千葉県市川市で、ニートやひきこもりからの就労を手助けするNPO法人「セカンドスペース」を運営している成瀬栄子さんは、企業に対して、ニート経験者の雇用を進めてくれるよう呼びかけている。しかし、ある企業では、
「今は、大学新卒でも、派遣社員が当たり前ですからね」
と、苦い顔をされた。
「結局のところ、働こうと思っても、壁が高すぎて手が届かない。それで自信をなくして、ますますニート状態が長期化するというのが、現実なんです」
 一方、玄田さんは同じ若者からの「共感」に期待している。玄田さんのもとには、『ニート』を読んだ若い会社員から、
「ニートになる人の気持ちはわかる」「ニートの人たちのために何かがしたい」
 そんな手紙が届いているという。
(文中カタカナ名は仮名、次の記事も)
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 楼主| 发表于 2009-7-18 12:14:42 | 显示全部楼层
(24)
ニートと負け犬の共通点
「働く意味」と「結婚の意味」
豊かになった社会では生活のための仕事も、結婚も実感しにくくなった。
ニートと負け犬には、豊かさ社会を反映する共通点がある。

 働いていない若者を取材していると、共通のキーワードに気づく。「やりたいこと」と「仕事の意味」だ。
「就活はしませんでした。周りでは『やりたいことは何か』を真剣に考えている奴ほど、就活を途中でやめていました」
 今春大学を卒業したヒロシさん(23)は言う。フリーター生活に終止符を打ち、26歳で就職した資材の卸問屋を2年で辞めたミチオさん(31)は、
「営業のノルマに追われていると、『仕事の意味ってなんだろう』と考えてしまった」
 豊かな時代になって、働くことと食べることは直結しなくなった。
「やりたいことをやれ」という理解ある親も多いが、
「親が言う『やりたいこと』も非常に抽象的。自分には出来なかったことがあるような気がするから、子どもにはやりたいことをやらせたいという感じです」
 ニート問題に詳しい千葉大の宮本みち子教授は指摘する。その結果、子どもたちのやりたいこと探しもますます抽象化し、答えが出るまで就職活動は中止、となる。
 一方で、ニートたちは自立のプレッシャーに押しつぶされそうにもなっている。本人たちに会うと、
「自立しなくては」「働かなくては」という思いが強すぎて、空回りしている感じだ。
 生真面目な彼らは、世の中で強まる競争・効率第一主義に圧倒され、立ちすくむ。中途採用は即戦力中心となり、空白期間の理由を聞かれる面接には怖くていけない。なんとか就職できても、競争のプレッシャーと長時間労働に疲れ果てて辞めてしまう人も多い。
「選択肢が広がっているように見えるだけで、実際は異様なハードワークの正社員か使い捨てのフリーターか、選べる道は相当限られている」(宮本教授)
選択の自由という幻想
 ニートの背景にある選択の自由という幻想と自立・競争のプレッシャーは、30代・未婚・子なしという「負け犬」の置かれた状況と、とても似ている。
 結婚や出産は個人の選択とされ、無理強いしない「理解ある親」も増えた。女にとって結婚も「食べること」に直結しなくなったから「結婚する意味」を考え、たどり着くのは大抵「愛情」という答え。取材した女性たちは、「結婚はしたい。でも先に結婚ありきじゃない。結婚したいと思えるほど好きな人じゃないと」「つらいことも好きだったら乗り越えられる」と異口同音に言った。ニートの「つらい仕事でも『やりたいこと』だったら乗り越えられる」という論理と似ていた。
 会社員のマユミさん(35)は、
「自立が当たり前と思ってきたけど、30代に入って私が求めていたのは、専業主婦になることだったと気付いたんです」
 と打ち明けた。「負け犬」には「バリバリ働いている」イメージとは裏腹に、結婚に関してはおっとり型が多い。宮本教授は、今は結婚も競争市場だと指摘する。専業主婦を狙えば、妻子を養える経済力を持つ希少な男をめぐる激しいバトルとなる。しかし「負け犬」たちは「本当に好きな人と結婚したい」とのんびり構え、気がつくと、理想の男はいない状態なのだ。
 グローバルな競争下での苛酷な職場環境も縁遠くなる一因だ。IT関係の仕事をするケイコさん(38)は、ため息をつく。
「対等な関係を結べる人が条件。育児や家事を分担してもらいたいし。でも職場にいる独身男は、疲れきっていて『癒し』を求めてくる依存タイプばかり。そういう人にはモテるんですけどね」
 外資系企業に勤めるチカさん(36)は仕事で午前様の帰宅が続く。相手を探す時間が物理的にない。
「同じようにハードワークに耐えてきた友達が結婚して不妊に悩んでいるのを見ると、ペースを落としたいと思う。でも将来、出産で仕事を失わないためにも、今キャリアを中断できないし、一生一人かもしれないというリスクを考えると、老人ホームの資金のためにも仕事はやめられない」
 ニートも負け犬もそこから脱したいと願っている。しかし競争の激化で選択肢は狭まり、出口はますます見つからない。
編集部 内山洋紀 ライター 石臥薫子
Asahi Shimbun Weekly AERA 2004.11.8
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 楼主| 发表于 2009-7-18 12:15:04 | 显示全部楼层
(25)
人気企業80社調査でわかった新傾向「会話力」の現場
内定とれる面接
自己PRも志望動機も覚えてくるな――。
人気企業80社調査で明らかになった面接官のホンネだ。
では、どうすればいいのか。何を見られるのか。
それは「会話力」だった。臨機応変な受け答えを面接官は望んでいるのだ。
編集部 太田匡彦 ライター 関口久子

 その男子学生はひとりでもう3分間は話し続けていた。
「また就活用演説のスイッチが入ってしまったか……」
 大手損害保険会社の面接官を務めるA氏は、不満そうな顔を浮かべた。男子学生の「演説」は、こんな質問がきっかけで始まった。
「ちょっと自己PRを聞かせてください。学生時代、どんなことをがんばりましたか?」
 待ってましたとばかりに、男子学生は満面の笑みを浮かべた。
「持ち前のリーダーシップでテニスサークルを立ち上げました。人間関係で悩んだときはコミュニケーション能力を発揮しました。いつでも前向きで慕われています」
 A氏の表情が曇っていくのにも構わず、男子学生は話し続けた。
質問に答えられない
 同社では確かに、求める人材像としてコミュニケーション能力やリーダーシップという項目をホームページ上で公開していた。だがA氏はいう。
「一方的に『コミュニケーション能力がある』といわれても、それが本当かどうかなんてわかりません。私の質問に答えられていない時点で、コミュニケーション能力に疑問があります」
 この男子学生は残念ながら次の選考に進むことができなかった。
 2006年4月に新入社員となる大学3年生たちの就職戦線が、本番を迎えている。05年4月入社組の内定率は74.3%(厚生労働省調べ、昨年12月1日現在)と前年同期を0.8ポイント上回り、06年組はさらに改善するとみられている。
 就職戦線に薄日が差し始めたといえるが、早期選考自粛を求める日本経団連の『倫理憲章』の影響で、今年も4月以降に面接などの選考活動が集中する。複数の会社から内定をもらう勝ち組学生と負け組学生との間で、格差が広がる傾向は強まっている。
 アエラでは人気企業80社に、「採りたい学生」と「採りたくない学生」の分かれ目はどこなのか、アンケートを行った。キーワードは、「会話力」だった。
採りたい学生の会話力
「暗記してきたことを一方的に話し続ける学生がいるが、会話のキャッチボールになっていない時点でダメだと心得てほしい。私たちは会話がしたいのです」
 三井住友海上火災保険人事部の樋口哲司課長はそう断言する。
 例えば、こんなやり取りができる学生を「採りたい」と感じるという。
面接官「大学に入ってがんばったことはなんですか」
学生「子どものころからサッカーをやっていて、大学でも体育会でがんばりました。キャプテンも務めました」
面接官「キャプテンになったのはどうしてですか」
学生「自分が一番うまかったからです」
面接官(自信過剰な学生かな……。でもスポーツマンはたいていそんな傾向があるよな。ちょっと聞き方を変えてみるか)
「そうなんだ。でもうまいというだけで、みんながきみを選んだの?」
学生「人一倍練習をやってました。試合でも苦しいときにほかの人を元気づけるようなプレーができるからだと思います」
面接官(なるほど、ねばり強いし達成意欲も強いと見える。それにまわりの学生から信頼も得ているみたいだ。よし、もう少しつっこんでみよう)
「じゃあ、精神的にも強そうだね」
学生「実は精神的に弱いところがあって、試合前は緊張してあがってしまうんです。しかしキャプテンが弱気なところを見せるとみんなに影響するので、つねに気合を表に出すようにしています」
面接官(ほー、自分から弱みがいえるのはコミュニケーションがとれる証拠だな。弱点を克服する努力をしているのも好感が持てるな。うん、この学生なかなかいい)
具体的体験ないとNG
「採りたくない」と感じる学生は、最初の質問で演説に入ってしまうことが多い。精密機械メーカーの採用担当者も、
「一方的な演説から伝わってくるものはありません」
 と話す。
 そうでなくても、いくら質問を重ねても具体的な体験エピソードがないとNGだ。
「サークルの代表だったのでコミュニケーション能力があります」
「いつも幹事役を務めていたので、責任感があります」
 人材コンサルタント会社「リンクアンドモチベーション(L&M)」の原幸子さんは、面接でうんざりするほど学生からそんなフレーズを聞かされる。「採りたくない」と感じる典型だ。
「具体的な経験をほとんどまじえず、自分の所感ばかりを話すので、『自分はこう見られたい』という意思表示にしか思えません。その項目に○印をつけてほしいのでしょうが、具体的な経験を伴っていなければ逆効果です。学生の能力は、私たち面接官が具体的な経験を会話のなかで聞き出し、判断することです」
 なぜ面接官から問われたことにストレートに答える会話ができないのか。ジェーシービー人事部の久保寺晋也氏は、こう指摘する。
「自己PRや志望動機という単語やそれに近いニュアンスの質問を発すると、スイッチが入ってしまう。自己PRと志望動機を完壁に暗記している学生ほどスイッチが入りやすい」
 多くの学生が手にする就職マニュアル本では、「面接でいうべきことは二つだけ。自己PRと志望動機がいえれば合格する」
 という趣旨のことを説いている。学生はこれを真に受ける。自己分析をして強みを抽出し、短い時間でも言い切れるように単純化して「自己PR」「志望動機」としてまとめあげ、覚えてしまう。だから会話にならない。
「頭のなかの作文を読んでしまう。それは会話ではありません。本当は優秀な学生でもマニュアルに頼ってしまったせいで、会話ができなくなっている人がたくさんいます」(L&Mの原さん)
 国際協力機構(JICA)人事部の飯村学氏も演説型学生に批判的だ。
「会社側の求める人材像で使ったキーワードをちりばめてくる学生が多い。では具体的にその能力をいつ発揮したのかをたずねると出てこなくなるのです。だから会話形式で、何をしてきたかを丁寧に問いていきます。その経験から、会社で働いたときの様子を類推し、合否を判断します」
どんな人かわからない
 また、ベネッセコーポレーション人財部の飯田佳子採用課長もこう話す。
「自己PRというかたちで話をされるときれいな言葉ばかりが並び、表面的な部分しか語らず、どんな人なのかわからないことが多い。本来、その人の強みは実際の経験から推察するしかありません」
 学生たちが良かれと思って自己PRと志望動機を暗記してくることが、いかに面接官の理解を妨げているかがわかる。なかには、
「志望動機や自己PRは極力たずねないようにしていますが、会話が続かなくてこれはダメだと思ったら、仕方なくきくこともある。とたんに流暢に話してくれるから時間はつぶせます。そこから評価が逆転する学生はほとんどいませんけれど」(食品メーカー)
「自己PRと志望動機は質問しません。あまり意味がないからです」(ミキハウス)
 といった会社のように、会話の内容を重視して判断する企業が増えている。

就活後の目標が決め手
 では、会話力のある学生とはどんな学生なのか。
 日本ロレアルの面接で、
「まわりを巻き込んで企画を進めていくリーダーシップと起業家精神があります」
 と自己PRをした女子学生がいた。リーダーシップ――よくある自己PR言葉だ。このままだと次の選考に進むのは難しい。
 面接官は質問を重ねる。
「それでは、いままでに自分が成し遂げたことはなんですか」
 女子学生は、大学の学園祭で「1000人パレード」を企画、実施した体験談を話し始めた。
「彼女の場合は、面接の冒頭に話した『まわりを巻き込む』という体験を実際にしていたことで、評価ができました」
 と人事本部の高嶋愛美さん。ここで会話に復帰できた。加えて評価を高める要素になったのが、起業家精神を裏づける話ができたことだった。
「就職活動が終わったら、本の編集に携わると話していました。就職活動をゴールと勘違いし、そのために体験を作ってくる学生が多いなか、就活後に何をしたいかまで話せることが好印象でした」
 この女子学生は結局、面接官と会話を成立させ内定を得た。面接官に強みを引き出してもらったことが決め手になったといえる。
 会話力がある学生は、面接官への質問でもポイントが稼げる。
「何か質問はありませんか?」
 面接官がそう投げかけてきたときも試されていると思ったほうがいい。
 ある住宅メーカーの面接で、
「○○が御社の弱みだと思うのですが、今後はどのような施策を考えているのでしょうか」
 そう切り返した学生が面接官たちの目にとまった。面接官は、
「よく研究している。するどい考え方をする学生だ」
 と感じ取ったのだ。

話の引き出しが必要
 近畿日本ツーリスト人事部の倉西芳次課長も、
「的確な質問ができるか否かは、会社のことをどのくらい研究しているか、どんな価値観で会社を選んでいるかの裏返し。志望の度合いや物事の考え方がわかります」
 と評価する。
 会話を成立させるのに必要な準備とは何か。ジェーシービーの久保寺氏は、こう話す。
「何かいうことを準備していると、そのことをどうしてもいいたくなって不自然な会話になってしまう。頭の中の整理さえしておけばいいのです」
 またサントリー人事部の戸部康俊氏は、
「話の引き出しをたくさん作っておくことです。面接では、質問に応じてそこから引っぱり出して言葉にできるようにしておけばいい。文章として覚えてきても『青年の主張』に終わります」
 自分の過去を振り返る自己分析をするところまでは間違っていない。それを自己PRとしてまとめあげるのではなく、ひとつひとつの経験を掘り下げ、その時何を考えたのか、その経験から何を得たのかを頭の中の引き出しにしまっておけばいい。
 もちろんしまっておくだけでは使えないから、取り出して使う、つまり言葉にする訓練は必要だ。
「普段から、友人たちと自分の考えや具体的な経験について意図して語り合うようにしてください。面接で会話ができるようになります」(ベネッセコーポレーションの飯田さん)
 ソニーの採用を担当する中田研一郎氏はいう。
「自己PRというコンセプト自体がよくない。学生は『自己PR』といわれると、作り話を暗記してくる。わざわざPRしてもらわなくても、自分のやってきたことを素のまま話してくれれば、我々のほうで判断し、それが良ければ内定を出します。大学時代何をしてきたのか、率直に過去を語っていただきたい」
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 楼主| 发表于 2009-7-18 12:15:29 | 显示全部楼层
(26)
東京出身者との格差の現実
地方出身女は損
地方の名門公立高を出ても、いまや狭くなる東京の難関大学の門。
結婚し、仕事を続けようにも親の手助けは得られない……。
総中流幻想が崩壊する日本で、都市と地方の見えない格差が広がっている。
編集部 木村恵子

 東京に来たのは修学旅行以来2度目だった。初めて乗った満員電車で、何とかたどり着いた駒場東大前駅。忘れもしない受験の日だ。
 東大経済学部3年のユカリさん(20)は山陰地方の公立高出身。ガチガチに緊張している自分の目の前には、余裕でくつろぐミニスカートにロングブーツ姿の女子たち。数えるほどの制服姿は、おどおど度合いから言って、地方出身者に違いない。試験の合間の休み時間には、自信満々な感じで答え合わせを始める私立男子校生の集団もいて、思わず耳をふさいだ。
 それでも現役合格したユカリさんを支えたのは、
「どうしても東京に行きたい。先の見える人生はいやだ」
 という一念だった。
 大学受験までは一本道。中学時代の成績で割り振られるように、倍率約1倍の「ほとんど落ちない」高校受験を経て学区内唯一の進学校へ。地元に有名予備校などないから、高校で強制的に課される「ゼロ限目」から放課後の補習だけをみっちりこなした。
 受験事情を熟知しない両親が、有名大には進めなかった兄に気兼ねして、
「近くでいいがね」
 と、地元の国立大を勧めたが、かたくなに拒んだ。大学受験は初めて与えられた「人生の選択権」のように思えたのだ。
 茨城県出身で明治大3年のトモコさん(22)は、高校に入って初めて受けた全国模試の成績を見て愕然とした。県内模試では65だった偏差値が、50に下がったのだ。高校の担任ははっきり言った。
「お前ら中学まではできたかもしれないけど、高校からは違うぞ。大学受験は全国が相手だから」
 浪人時代、寮生活の不便さを買ってでも、東京の予備校に通うことに決めたのは必然だった。
入学時から二、三歩先
 少子化で大学に入りやすくなったとはいえ、難関大学の門は、地方の名門公立高出身者にとって狭くなっている。
 文部科学省の学校基本調査によると、東京の大学への進学率が3割を超える都道府県は85年、新潟や福島を含め12都県に上ったが、03年には東京周辺だけの5都県のみに減った。東大の女子学生の出身地をみると、03年は東京・関東が6割超。地方も含めた私立中高一貫校出身が全体の約半数と増加傾向にある。有名私大ではさらに関東出身者の割合が高く、上智は4分の3、慶応は約7割。
 大手予備校「河合塾」進学事業本部の神戸悟さんは、背景には東京や東大を一番と考えない価値観の多様化や地元医学部志向があるというが、こうも指摘する。
「大学受験をターゲットにした中高一貫校での効率のよい勉強方法に比べて、『ゆとり教育』に縛られる公立がほとんどの地方では、太刀打ちできない面もある」
 入学が困難なだけではない。前出の東大生ユカリさんは、東京に来て「都会の子はすでに二、三歩先を見ている」という現実を突きつけられた。大学1年生から、司法試験や公認会計士を目指しダブルスクールを始める人、「起業」の準備を始める人……。大学に入って東京での生活が第一目標だったユカリさんとは大違いだった。
 バイトを始めると、今度はカルチャーショック。親からプレゼントされたヴィトンの財布やグッチのカバンを何げなく持っている東京女子たち。雑誌の読者モデルの子もいた。バイト帰りのコンビニで女性誌を開くと、さっきまで一緒に働いていた女の子が、誌面でにっこり笑っていた。
「ひたすら地道に勉強してきた自分が馬鹿みたい。東京に生まれてたら自分も違ったのかな、って」
ついつい汚れ役
 先のトモコさんはいつも「なんとなく損」感がくすぶっている。同じ運動部のマネジャー仲間に、東京女子もいるが、朝練に出てきたこともない。もちろんトモコさんは皆勤賞。でもなぜか、先輩主催のここぞという飲み会には必ず彼女は参加し、存在感を発揮する。
 飲み会で部員の男の子が酔いつぶれて救急車を呼んだときのこと。トモコさんが男の子の汚した床や座布団をきれいに掃除している間、男の子を救急車に乗せ、「介抱の主役」を買って出たのは東京女子。一段落すると先輩がトモコさんの肩をたたいて一言。
「お前もあいつみたいにしっかりしろよ」
 所詮「主役」にはなれないのだ。
 山口県出身で東大に進み、著書『東大脳の作り方と使い方』で、地方出身者のコンプレックスを訴える中本千晶さんはこう話す。
「独り暮らしだと物理的に全部自分でやるしかないから、ビデオの配線も日曜大工も得意になる。責任感も増して、仕事も汚れ役も背負い込んで手も抜けない。損な役回りはそういうところから来ているのでしょうね」
 それでは東京女子の人生とはいかに。
 外資系金融に勤めるミカさん(27)の自宅は東京マダムの聖地「二子玉川」まで車で15分。小学校で私立に編入すると、そのままエスカレーター式で高校まで。英語の授業は外国人なんて当たり前だったし、中高6年間イギリス人の家庭教師もつけてもらった。推薦で入った上智大の英語学科時代には、1年間イギリスにも留学。
「大学では帰国子女も多かったから、飲み会では、酔ったらずっと英語で話したり、普通の時でも日本語で話していたら突然『by the way』の一言で、英語に切り替わることもありました」
 こんな場面に出くわしたら、普通の「学校英語」しか知らない地方出身者は凍るだろう。
 社会人になっても差は歴然。就職後しばらくして、ミカさんは会社近くの六本木周辺で独り暮らしを始めたが、
「風邪で寝込んでも、『ママ』って電話すれば飛んできてくれる。心強いですね」
がんばりはデメリット
 半年ほど前には、「疲れた。やーめた」と思って一つ目の会社を退職。リストラ期で部署の人数が減り、激務が続いたからだ。
「次に仕事の当てはなかったけど、とりあえずは実家でゆっくりしてもいいかなっと」
 この肩の力の抜け感と屈託のなさは、親にパラサイトできない地方出身者が絶対得られないものだ。その後「当て」などなくても次の仕事は、「新聞広告を見て面接に行ってみたら、すぐ採用された」。またもや高給の外資系金融会社。
 軽やかな道をたどれるのも、愛知県出身の父親のおかげだ。地方出身の父親は、東京で働き始めたころ、東京出身の同僚が語学堪能で、ワインの銘柄や音楽にも詳しかったことにショックを受けた。だからこそミカさんに、学校の勉強だけでなく「語学と芸術」をしっかり身につけるよう勧めた。それが見えないセンスや自信につながっている。
『不平等社会日本』の著者、佐藤俊樹東大助教授はこう指摘する。
「学問や芸術、情報への接触頻度など、地方と東京で差があるのは明らか。さらに、その機会の不平等が単に生活しやすいかしにくいかという違いだけにとどまらず、決定的な人間の幅の差として読みとられてしまうのが現状」
 経済が右肩上がりの時代には、根性や不利な条件からのがんばりという地方出身者が唯一持っていたカードが評価されたが、いま社会で評価されるのはコミュニケーション能力やスマートさ。スマートでいるためには、実は不遇から頑張る「痛い」姿はデメリットとさえとらえられてしまう。だから地方出身者自身も、スマートであるかのように装わざるを得ないのだという。
 今回アエラが、地方出身女性35人、東京出身女性32人にどちらが有利かを聞いたところ、地方出身の過半数が「東京の方が有利」と答えたのに対し、東京出身では6割が「どちらでもない」と答えた。格差がある場合、上位に立つものが差を意識しにくいのは常だ。
 特に女性の場合は、結婚や出産、親の介護など人生のさまざまな局面で、格差が浮き彫りになる。
地方だと本当の「負け」
 正月に広島に帰省したマキさん(26)は、また決まり文句を聞いた。
「いい人いないの? 帰ってきて結婚したら?」
 今年は母だけでなく、父からも。東京だったら「負け犬」まではまだまだ余裕の時期。でも地方ではそんな価値観は通用しない。
 さらに帰省中にたまたま母方の祖母が階段で転倒、看病に行くと、枕元でマキさんにつぶやいた。
「頼りになるのは娘だから遠くにいくもんじゃないよ」
 物忘れのひどくなった祖父と転倒して寝込んだ祖母を、付きっきりで看病しているのは、同じ県内に嫁いだ母。マキさんの両親だって今は元気だが、もし介護が必要になったらと思わず想像した。
 大学で東京に出て、希望通り翻訳の仕事に就いたのに、親は一貫して地元に戻るよう勧める。就職の時も、地元で公務員試験を受けるように言う親が納得するように、試験だけ受けて白紙の解答用紙を提出したほどだ。働いてからも親は繰り返した。
「無理せんでいいから帰っておいで」
 心配してくれているだけに辛い。加えて今回の祖母の言葉。マキさんは東京に戻るとき、広島の就職情報誌を持って帰った。東京ではあり得ない薄さと文字の大きさ。いま「Uターン」をぼんやり考えている。
 前出の中本さんは言う。
「純粋に『負け犬』を楽しめるのは東京だけ。地方だと本当の『負け』になってしまう。地方出身者はいくら東京にいても、地方とは切っても切れない関係なんです」
 さらに、子育てに直面した場合に、格差は明らかになる。
 4年前に長女を出産した総合商社勤務のノリコさん(35)。都内に住む両親は育児を手伝うため、わざわざ近所のマンションに引っ越してきてくれた。決算期など突然残業が入っても、電話で母親に連絡して保育園のお迎えを頼む。そのまま長女を実家に頼んで、深夜まで気兼ねなく残業もできる。
好きでいるんでしょう
 短大卒業後バブル絶頂期に入社した時には、一般職300人が毎年採用されたが、今では一般職の採用はゼロ。派遣社員が代わりを務める。周りに育休を取ってまで仕事を続ける人はほとんどいない。
「これから育休を取る後輩のためにも、育児をしながら仕事ができることをきちんと示したかった。親が近くにいたからこそできたと思います」
 対照的に、4歳の男の子を育てる兵庫県出身のチエさん(36)は、やっとつかんだ夢を休止中だ。大学卒業後、音楽活動をしたくて上京。バンドを組んでデモテープを作っては、音楽事務所に売り込んだ。何とか所属事務所は見つかったが、収入は足りず、CDショップの店員やスナック勤めもした。必死で顔が引きつっていたのだろう。
「そんな顔してたら仕事もらえないよ」
「田舎帰って結婚した方がいいんじゃないの」
 心ない言葉が何度も突き刺さった。それでも帰ってこいと言われるのは分かっているから、泣き言は実家の親には言えない。
 出産後も昔のつながりで、曲をつくつてほしいなどの依頼は舞い込む。コネを維持し続けることが大事だとは分かっている。けれど、子どもを放って仕事はできない。はじめは実家から母親が新幹線で駆けつけることもあったが、何度も頼めるものではなかった。
「近くに親がいてくれたら、仕事も続けられたかなと、うらやましいときは確かにあります」
 地方出身者の「なんとなく損」感に対して、東京出身者から取材中、何度もこんな声を聞いた。
「でも好きで東京にいるんでしょう」
 これを前出の佐藤さんは「自己責任論」と表現する。
「地方と東京の差は、目に見える差ではなく、機会や選択肢がどれだけあるかという目に見えない差。だからこそ格差があること自体が見えなくなって、個人の責任に転嫁される傾向はどんどん強まっていっているように感じます」
Asahi Shimbun Weekly AERA 2005.1.24
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 楼主| 发表于 2009-7-18 12:15:45 | 显示全部楼层
(27)
413人の本音調査
派遣の「幸せ」、正社員の「不幸せ」
もはや、仕事の上ではライバル関係。
でも、職場ではどちらも楽しく働きたい。正社員と派遣社員。
実のところ、お互いのことをどう見ているのだろうか。
編集部 井原圭子

 急速に職場を広げて、存在感も増している派遣社員。登録者数は全国で213万人に上る。04年3月の改正労働者派遣法施行で、派遣期間が長期にわたる派遣社員の正社員登用も義務化された。正社員にとって、かつてのような補助者的な位置づけではなく、ライバルになってきている。
「正社員がリストラされて派遣社員に置き換えられる職場では、正社員による派遣いじめが多発している」
 そう話すのは東京ユニオンの関根秀一郎書記長だ。正社員が引き継ぎをしてくれないなどのいじめにあい、うつ病になったという派遣社員からの相談が増えているという。
 アエラ編集部では今回、アエラサポーターズクラブに登録している読者にネットでアンケートした。この回答からも、正社員が派遣社員の仕事ぶりに刺激を受けつつ、「脅威」に感じている様子がうかがえる。
「正社員より仕事が速くて正確。時給が低くて申し訳ない」(男性、23歳)
「プレゼンテーションソフトを使いこなし、斬新な提案書を作成してくれる。井の中の蛙的な社内文化にとって刺激になる」(男性、53歳)
トレード発言で波紋
「正社員はだらだら仕事する人がいるが、派遣社員は業務をきちっとこなして定時に帰る」(女性、41歳)
「ITの苦手な正社員が派遣社員に一から聞いて自分の仕事を進め、派遣社員は雑用も仕事も一生懸命こなしている。正社員より明らかに能力が高く、逆転現象が起きている」(男性、42歳)
 こうした空気は、派遣社員の側も敏感に感じとっている。研究者として派遣登録している男性(37)はこんな経験を持つ。
「こんど、博士号を持ったハケンが来るらしい」
 派遣先のメーカーの研究所に出社すると、職場はすでに自分のうわさで持ちきりになっていた。
「正社員とのトレードもありうる」と、飲み会の席で上司が発言したらしい。
 男性は、2年間の海外留学の後、大学で2年間研究員として過ごした。厚生年金がない生活が不安で、派遣会社に登録した。専門が生かせて自分の時間も持てる、理想的な働き方に思えたという。
 しかし、周囲が何かと好奇心の目で見るのが次第にストレスになった。残業が多いときや作業手順がおかしいと思ったときは、上司にはっきり伝えた。するとだれのしわざか、「彼が、こんなところで働きたくないと言ったらしい」などというメールが社内に流れた。
「そんなにすごい経歴で、なぜ派遣なんかやってるの」
 若い正社員からは無遠慮な言葉も浴びせられたという。
「職場の空気」という点では、正社員からこんな回答も寄せられた。派遣社員の仕事ぶりが立派であればあるほど、「貸金格差があって同じ仕事をしているのでは、チームワークを期待するほうが無理」(男性、35歳)。
「派遣社員が職場の多くを占めると主客逆転してもおかしくない。若手正社員の愛社精神が薄れているので、余計に心配」(男性、34歳)、「社のDNAが薄まる」(男性、32歳)というように、職場の一体感が薄れることを心配する声もある。
辞められたら恐ろしい
 派遣社員に入力業務を任せている正社員の女性(32)の場合は、「自分の地位が脅かされることはない」というものの、「過酷な作業で、顧客情報にも接し、社にとって不可欠な業務。もし全員そろって『今日限りで辞めます』と言い出されたらと思うと恐ろしい。どうすれば気持ちよく働いてもらえるかをいつも頭の隅で考えている」
 他方で、派遣社員に対する厳しい見方も。「気楽そう」「もっと責任をもってほしい」などだ。
「派遣会社で、コーディネーターとして働く正社員」という40代の男性も、「バブル期の正社員落ちこぼれ組が少なくない」。
 この男性によると、大手企業の正社員として1~2年ほど勤めて辞め、短期留学をして戻ってみたら、雇用情勢の悪化でどの企業にも再就職できず、派遣社員として職場を転々とする、というのがよくあるケースだという。
 正社員を辞めた理由は「他の仕事も経験したい」「留学でスキルアップ」。だが、面接してみると、言葉遣いが友達感覚で、派遣先の希望は「ワイワイとにぎやかで楽しい職場がいい」「男性がいっぱいいる職場」「大企業なら職種は選ばない」等々。
 バブルの頃と今とでは求められるスキルが全然違っているのに、当時のままの能力で、当時と同じぐらいの給料がもらえるものだと思いこんでいる。しかし、企業が派遣社員に求めるのは第一に従順さ。35歳以上の派遣社員を「理屈っぽくて扱いづらい。仕事の覚えも悪い」と、受け入れたがらない企業も多いという。
登用エサにセクハラも
 派遣社員の側からもいろいろ不満が寄せられたが、最も許せないのはセクハラやパワハラだろう。
「採用の担当だった上司が残業中に近づいてきて、『正社員に登用してほしければ私と寝るのが早道だ』と言われた。拒否したら、2日後に派遣契約を解除された」(女性、36歳)
 責任をなすりつけられることもある。
「金融機関に派遣されているが、トラブルがあって、顧客に上司が謝りに行く際の決まり文句が『派遣社員のミスでして……』。お客さんから教えられて初めて知りました」(女性、53歳)
「社畜」になるよりも
 職場の人間関係に煩わされないといわれる派遣だが、やはり正社員との関係は難しい。前出の「博士号」を持つ派遣研究員の男性は、「派遣」ゆえに結婚情報会社に登録しても紹介されず、アパートも借りられず、マンション購入資金の融資も断られた。ただ、それでも、「組織のために言いたいことも言えない『社畜』より、自分に合った生き方」という。
 正社員から派遣に転職した人もいた。大手通信会社に就職したが、残業時間の長さを競い合うような職場で体調を崩した。部署の閉鎖で地方への転勤を命じられたのを機に、思い切ってあこがれていた派遣添乗員に。「一度辞めたら怖いものがなくなった。正社員時代の自分は何の役にも立たない存在だったけど、今は日々勉強で、やりがいを感じます」(女性、32歳)
 04年、「正社員時代の終焉」という報告書をまとめたリクルートワークス研究所の大久保幸夫所長は、「正社員を前提にしてできている社会のしくみを変えるべきだ」として、雇用差別禁止法や社会保険制度の見直しを提案する。
昔7割、いま5割
 大久保さんによると、正社員比率が最も高かったのは80年ごろで、全就業者の7割超。いまは5割ぐらいだという。
「企業も正社員と派遣が同じ仕事をしているのをみて、正社員を優遇する合理性を疑い始めています」
 それでも派遣社員と正社員の間の差別や葛藤が絶えないのは、正社員と非正社員の処遇の格差が大きく、中間の選択肢がないからだという。
「現在の正社員だって、期間38年の契約社員ということができる。実際には10年以上勤続する人は少ない。もし5年、10年の長期の契約が認められるようになれば、正社員のほとんどは契約社員や派遣になり、終身雇用は特別な存在になるでしょう。そうなれば現在のような雇用形態による差別もなくなっていくのではないでしょうか」

Asahi Shimbun Weekly AERA 2004.5.17
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 楼主| 发表于 2009-7-18 12:16:37 | 显示全部楼层
(28)
独身男女1200人に徹底調査
結婚難 男女の本音
結婚したくないわけじゃない。独りの不安がよぎることもある。でも結婚するには譲れない条件がある。20代、30代の男女の半数以上が未婚の時代。結婚しない心理を徹底調査した。
編集部 木村恵子

 「女性のみなさん。希望を高く持たないでください。多くの高給取りの男性はもう結婚してます」
 突然、アンケートの自由回答欄から悲痛な叫びが飛び込んできた。悲鳴の当人は37歳、通信会社勤務の男性。年収は600万~700万円、しかも都内に所有する1LDKのマンションで独り暮らし。なかなか好条件な気もするが、そんな男性でさえ、こんな叫び声を上げてしまうのはなぜか?
 この男性、知り合いの広告会社の社長に誘われて、30代独身女性、いわゆる「負け犬女性」たちとの合コンに時々参加する。この前は、目の前に男性陣がいるというのに、女性たちはずっとヨン様の話題で盛り上がりっぱなし。そこまで露骨に興味ない光線を発しなくても、と思っていると、知人の職業が広告会社社長と分かった途端、「私も雇ってくださいよ」などと媚びてきた。
貯金使い切られるかも
 やはり金か地位か――。悲しくなった。目の前で繰り広げられる、希少「高スペック男性」を巡る争奪戦。いまの女性はみんなああなのかと思うと、恐れをなして声もかけられない。テレビで強調されるブランド品買いまくりの「負け犬像」を思うと、マンションを買い直すためにコツコツためた700万円ほどの貯金を使い果たされてしまいそうで不安になる。
 04年にべストセラーになった『負け犬の遠吠え』(酒井順子著)は、「晩婚化・少子化の原因の半分以上は男性のせい」と分析した。生身の女性には興味のないオタクの「オタ夫」や、全くモテない「ブス夫」たちが多いからと言うが、男性たちの言い分にもうなずける部分はある。少なくとも少子・非婚化の原因は、政府や政治家が言うような「女性の社会進出」だけではない。
30代女性は結婚は損
 アエラは全国の20代、30代の、学生を除く独身男女各300人ずつ、計1200人に結婚について徹底アンケートを実施した。
 まず世の独身男女はいったい結婚したいのか、したくないのか。調査では男女とも約8割が、結婚は「すぐにしたい」「いずれしたい」。だがその一方で、いくら希望しても、男性の4割、女性の5割が「できないかもと不安」を感じている。際立つのは、冒頭の合コンシーンでは一見強気の30代女性。20代、30代各男女の中で唯一、「できると思う」という自信派を不安派が上回った。
 では負け犬は弱気なのか、といえばそうでもない。
 そもそも「結婚しなくてもよい」人が他のカテゴリーよりも多い。さらに結婚はメリットかデメリットかという質問でも、他のカテゴリーはいずれもメリット派が多いのに対し、30代女性だけは、デメリット派がメリット派をダブルスコアで上回った。
 神奈川県で不動産関係の仕事をする女性(33)も、「相手を間違えればデメリット」と回答してきた。最近、知人のバツイチ子持ちの女性(34)が、「うだつの上がらない」営業マンの男性(28)とできちゃった婚した。女性所有のマンションに男性が転がり込む形で、生活費の一部は女性の前夫からの高額な養育費。そんな新婚生活でも、男性は、「僕にはプライドないから全然OKです」と公言してはばからない。営業成績も上がらないままだという。
 回答してきた女性は、こんな結婚には全く憧れない。自分の収入を当てにされるくらいなら、1人でいた方がましだと思う。20代に比べれば世間体も気にならないほどに自分が確立された。寂しさなら、「二人暮らし」の相方のトイプードルが紛らわしてくれる。
 「別にお金がほしいわけじゃないけど、そんな男性、全然尊敬できない。結婚してもただ面倒が増えるだけに思える」
年収上女と主夫願望
 前出の営業マン男は特別だろうか。アンケートからは、「オレについてこい型」の男性がほとんど存在しなくなってきていることがくっきりと浮かび上がってくる。「年収が上の女性と結婚できるか」を男性に聞いたところ、なんと8割が「いくら上でもできる」。夫が家事を担い、女性が外で働く「主夫」についても、男性の6割超が「望む形」「可能ならあり」と回答した。
 「それでこそ男女平等」と、女性陣は大歓迎かと思いきや、むしろ反対。「年収が下の男性と結婚できるか」を聞いたところ、「いくら下でもできる」という人は1割。少しでも下なら「結婚できない」女性が4割に達した。主夫も女性側は拒絶。6割超が「望まない」「絶対許せない」と答えた。
 見えてくるのは、経済力のある「負け犬」が実は好きな男性と、そんな男性には見向きもしない女性の構図――。
意識が変わらない女性
 『パラサイト・シングルの時代』『希望格差社会』などの著者、東京学芸大の山田昌弘教授は言う。「結婚の意識が変わっていないのはむしろ女性の方。どんなキャリア女性に聞いても、自分のためには働きたいが、夫や子供を養うほどに、とは思っていない」
 従来から女性は「結婚したら働かなくていい既得権」、男性は「結婚しても収入を得る代わりに、家事、育児をしなくてもいい既得権」を持っていた。だが、不況で外で働くことは大変になる一方、家事は楽になり、育児が嫌なら子どもも産まなければいいし、昔に比べれば親戚づきあいなども減った。女性の既得権はいまでも既得権の価値があり、いざという時のために持っていたいが、男性の既得権はすぐにでも返上したい権利になってしまった、と山田さんは指摘する。
大学院を卒業後、環境関連会社で技術職として働く男性(27)は、結婚相手の年収はいくら上でもいいし、自分が主夫になるのもかまわないと回答。それも実社会の厳しさが身にしみているからだ。
 朝7時の電車に飛び乗り、1時間半の通勤。現場と会社でへとへとになるまで働き、自宅に帰り着くのは夜11時ごろ。得意先の依頼一つで、週末も呼び出され、月の残業時間は200時間に達する。なのに年収は300万円そこそこ。「女性が上でも引け目なんて全くないです。家庭の総収入が上がって、余裕ある生活の方がいい」
 主夫は無理にしても、育休くらいは取りたいと考えているが、これも難しいのは分かっている。会社では男性で育休を取った前例はないからだ。
 育児休業への意識を聞いたところ、男性の4割が「抵抗なく取れる」と回答。「取りたいが取れない」と合わせると、育休を取りたい男性は6割にも上った。だが現実は、男性の取得率は1%にも満たない。女性の意識が変われない現実があるのも事実だ。
 かといって男性の意識が完全にリベラル化したわけでは決してない。
 結婚相手の理想像は、「1~3歳下で優しく気配りできる女性」とべたべたの従来型。つまり、金は稼いでくるが口は出さないおしとやか路線――。「そんな調子いいこと言われても……」なのだ。ちなみに女性の理想は、「1~3歳上の優しく頼りがいのある男性」で、こちらも負けず劣らず従来型のようだ。
 理想像を詳細にみると、希望の職業は男女とも超堅実な「公務員が1位。結婚相手に重視する条件は、性格を除けば、男女とも「金銭感覚」が1位。絶対に結婚したくないタイプは、男女とも「金遣いが荒い」が1位。
カネはカオに勝る
 やはり、結婚は経済問題なのだ――。
 著書『結婚の条件』で心理学者小倉千加子さんは、男は女に「カオ」を求め、女は男に「カネ」を求める、つまり「結婚とは『カネ』と『カオ』の交換」と指摘した。
 だが、それは一部の層の話だ。アンケートでも年収700万円以上の高収入層の男性にとって、結婚相手に求める条件は金銭感覚より容姿がずっと上。そういうわけで、女性たちはエステに通い化粧品に投資し、容姿を磨いて、高スペック男性争奪戦を繰り広げる。
 その一部層を除けば、もはやカネはカオに勝る。男性全体では、金銭感覚が容姿より重視される条件だ。どんなに美人の女性でも、自分で稼げなければ結婚できない時代なのである。
 争奪の対象となる高スペック男性だって、容姿だけでゲットできるものでもない。年収1000万円超、金融系シンクタンク勤務の男性(38)は当然、「仕事を一生懸命しているせいか、女性には好意的に思われているようです」
 最近も女性から何度も交際を申し込まれているが、忙しくてつき合う時間がない。バブル末期入社組で、後輩の採用抑制により上司からみれば最も使える下っ端。旧勢力と若手の間で奔走している同世代の古田敦也(ふるたあつや)選手に自分の姿が重なる。それに、進学校育ちのため男尊女卑の感覚は全くない。
 
未完
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 楼主| 发表于 2009-7-18 12:16:53 | 显示全部楼层
接上

「私が求める夫婦はあくまで対等です。深い信頼と愛情という絆があって、夫婦は成立すると考えます。周囲の女性は私の想像を超えて、結婚に対し計算高く用意周到なようですが、そういう女性は、ダンナ様の会社が倒産したら離婚したいと考えるのでしょうか。経済的に依存したいという発想の方とはご縁がないと思います」と、丁寧なメールを寄せてくれた。
 だが、経済力からくる余裕だろう。「結婚は今はしたくないが、いずれできる」と回答。アンケートでは、男女とも年収が高いほど適齢期を気にしない傾向が出たが、まさにそのタイプだった。
独身の理由がほしい
 女性たちが高スペック男を求める心理は、決して結婚して経済的に楽な生活をすることだけが主な理由でないというのは、精神科医の香山リカさん。
 「結婚はいわば一瞬の自己確認。面倒な結婚生活が送りたいわけではなくて、プロポーズされて選ばれたという勝利の感覚を味わうことが大事。ハイレベルな男性に選ばれなければ満足感はない。その勝利を他人に見せられない『結婚指輪禁止令』なんて出したら、みんなもっと結婚しなくなるでしょうね」
 大阪の製薬会社で事務職として働く女性(27)は、つき合っている人も好きな人もいないが、結婚したくてたまらない。
 「結婚『しない』じゃなくて、『できない』と見られるのがつらい。結婚さえすれば幸せに見えるんじゃないか、今の状況は変わるんじゃないか、ただそれだけです」
 結婚していない理由がほしくて、定番の英会話スクールに通い、海外留学も考える。ただ具体的に留学に向けて行動はしない。何か目標に向かってがんばっている自分でいなきゃいけない、と焦っているだけなのだという。
 それでは、経済や世間体を気にしなければ、純粋な恋愛の末に結婚にすんなり至るのか、と言えばそうでもない。先の高スペック男性が図らずも語った「信頼」「愛情」など、精神的なものこそ得るのが難しいと香山さんはいう。
 「結婚に幻想があって、夫婦になった途端、何があっても裏切らない。仕事では失敗して評価が下がるけれど、結婚相手は永遠に変わらない神様みたいな存在でいてほしい。でも、現実にそんな関係すぐに得られますか?だから小説とドラマの中だけで純愛が広がるんでしょうね」
 感情より遠い未来の理想像を頭で描くから行動に移れない。
 独身男女の恋愛パワー減退傾向は、数字でも明らかだ。いまつきあっている人がいない男性は6割超、女性は約半数。異性との出会い自体、男女とも「ない」人が「ある」人を上回っている。ただここでも、男女とも年収700万円以上の高収入層だけは「出会いがある」人が「ない人」を上回った。
 企業経営の立場から非婚化などを研究する東京ガス西山経営研究所の西山昭彦所長によると、総従業員数1万2000人ほどのある大手建設会社では、40代男性の独身者が約1000人にも上ったという。従来あった「海外転勤は結婚している方が有利」などという人事制度は崩壊した。
 「日本では、欧米のように感情だけで熱烈な恋に落ちる、恋愛完全自由主義は育ってない。それでも以前は、お見合い制度や適齢期、それに結婚している方が会社で認められるなどの、外部からの圧力があって、結婚に駆り立てられた。いまは恋愛自由度が低いまま、圧力はなくなりつつある」
気を使わない親がいい
 さらに、親がいつまでも子供を養うパラサイトシングルは増え、ますます結婚は遠くなる。
 兵庫県で家族と同居する女性(29)は派遣社員。探しても何カ月も仕事がないときがあるが、商社の役員をしている父親が月に5万〜6万円お小遣いをくれる。親からは、毎週新聞の求人欄のスクラップが手渡されるが、結婚しろと言われたことはない。
 「まだそのレベルまで達してないんでしょうね」
 自分もあまりに実家の居心地がよく結婚したいと思ったことはない。たとえ結婚しても夫が自分の親と同居するマスオさん状態でないと嫌だ。
「結婚したら負けでしょ。夫にしなだれかかる感じ。どうせしなだれかかるなら、気を使わない親の方がいい」
 結婚難時代が変調する兆しは、調査からはまったく感じられなかった。2000年の国勢調査によると、20~34歳のうち男性の68%、女性の56%が未婚。80年代後半から上昇傾向は止まらない。

Asahi Shimbun Weekly AERA 2005.1.3-10
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发表于 2009-7-19 00:55:07 | 显示全部楼层
40# かもんさ


真是个好人呀,一定会过的哦!
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发表于 2009-7-23 10:28:10 | 显示全部楼层
这个是今年新的书籍吗?谢谢分享哦
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发表于 2009-8-2 11:10:14 | 显示全部楼层
LZ什么时间能上一下翻译译文啊。
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发表于 2009-8-10 11:08:20 | 显示全部楼层
楼主,辛苦啦
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发表于 2009-8-11 14:46:40 | 显示全部楼层
楼主
要是我们过了,到时一起请你客:)
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发表于 2009-8-11 15:00:44 | 显示全部楼层
因为没有考过,不知报刊文选里考的是些什么题型,除短文翻译还有些什么?
知道的朋友麻烦告诉一下.谢了!
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