| 
 | 
 
■接客 
 
 
 
1.受付の準備 
 
 
 
オフィスは人と人との出会いの場所である。訪れた人々の第一印象はオフィスの受付できまる。受付の役目は、来訪者がその目的を達成するために、許される範囲以内で手助けをすることである。 
 
オフィスに訪れる来客には、はじめての方、いつも来られる方、アポイントメントのある方、ない方、さまざまである。そのための準備を始めよう。 
 
 
 
【アポイントメントのある来客】 
 
 
 
来訪の予定がわかっている客に対しては、前日までに来訪者名簿を作成して必要事項を記入しておく。この名簿には次のような項目を記入する。 
 
(1)来訪日、(2)来社時間、帰社時間、(3)来訪者名、(4)職名、(5)会社名、(6)電話番号、(7)面会者、(8)趣味、嗜好、その他 
 
 
 
来訪者名簿は受付を担当する者の必携書である。1日をうまくスタートさせるために、まずこの名簿を前日までに準備しておこう。この表は事務手続き上必要なだけでなく、次のような事柄にも役立つ。 
 
・上司の1日のスケジュールを把握することができる。 
 
・上司の仕事の内容を理解することができる。 
 
・来訪時間が遅れたり、面会時間が長引いたりしたときの対処ができる。 
 
・来客に対する知識が増え、話題提供のきっかけをつくることができる。これは待ち時間があるとき、つなぎの役目を果たす。 
 
・緊急事態や予定変更の対処に役立つ 
 
・事件が発生したときの証拠書類となる。 
 
 
 
【アポイントメントのない客】 
 
 
 
予約をして訪問をすることは常識になりつつあるが、なかにはそうでない来客もある。近くまできたからついでにとか、簡単なあいさつだけとか、予約をすると断られるからとか、理由はさまさまである。しかし、これらの来客に対しても受付では応対しなければならない。 
 
 
 
次のような質問事項をマニュアルにして準備をしておく。 
 
・会社名、職名、氏名。 
 
・面会者の氏名、来客との関係、紹介者があるかどうか。 
 
・来訪の用件。 
 
・重要度、緊張度。 
 
・断り方。これについては時と場合、内容によって異なるのでケースを想定していくつか用意しておく。 
 
 
 
アポイントメントのない来客に対しても、来客者名簿には記入することを忘れてはならない。このとき予約なし、などと備考欄に記入し、区別しておくとよい。 
 
「備えあれば憂いなし」という言葉のように、来客を快く迎え入れるためには準備が必要である。1日の仕事を円滑に進めるために、まず全体のスケジュールを把握する。次に個々の客に対しての知識をもつ。来訪者名簿の作成はそのための道具である。 
 
その他、備品、事務用品、各種案内書、内線電話番号表、建物配置図、名刺整理箱、などを用意し、時々点検を行う。 
 
 
 
 
 
2.受付の仕方 
 
 
 
【名刺の受け方】 
 
 
 
来客に気づいたら、まず椅子から立ち上がり、「いらっしゃいませ」と一礼する。名刺は両手でていねいに受け取る。客にとって名刺は自分の分身である。粗末に扱われたり、無造作に置かれたりするのは不愉快である。またいつまでも手に持っていたり、上司に渡すのを忘れたりすることもある。管理には十分心がけよう。読み方がわからない場合には、相手に確認をする。 
 
 
 
【アポイントメントのある客】 
 
 
 
予約表を前もって確認し、予約の時間の前後はそのために気配りをする。準備ができていれば、早めに来訪された場合にもあわてないで応対ができるし、遅れている場合には、適切な措置を講ずることもできる。次の順序に従って応対をしてみよう。 
 
 
 
(1)お待ちしていたことを表すことばであいさつをする。 
 
・いらっしゃいませ、お待ちいたしておりました。 
 
・いらっしゃいませ、うけたまわっております。 
 
 
 
(2)上司に来訪を告げ、応接室に案内をする 
 
・○時にお約束の○○様がお見えになりました。お通ししてよろしいでしょうか。 
 
・ご案内いたします、こちらへどうぞ。 
 
 
 
(3)客を待たせるとき 
 
・上司にメモで来訪を知らせ、終了時間を聞く。 
 
・あいにく会議(または前の面会者)が長引いておりまして、大変申し訳ございません。 
 
○分ほどで終わると思いますが、お待ちいただけますでしょうか。 
 
・お読物を用意いたしました。よろしかったらどうぞ。 
 
・代理の○○がお話しさせていただきますがよろしいでしょうか。 
 
 
 
(4)客の来訪が遅れている場合 
 
・相手の会社へ電話をいれ、到着時間の予測をたてる。 
 
・上司に○分程度遅れる旨を連絡する。 
 
・その後のスケジュールに影響がある場合には前もって連絡をしておく。 
 
 
 
【アポイントメントのない客】 
 
 
 
まずあいさつをして名刺を受け取るまでは同じである。しかし不意の客に対しては適切な受付が出来るよう、日頃から気を配っておくことが大切である。次の順序に従って応対してみよう。 
 
 
 
(1)用件を聞く 
 
・失礼ですが、どのようなご用件でしょうか。 
 
・誰に面会をご希望でございますか。 
 
・おいそぎでしょうか。 
 
 
 
(2)上司に連絡をとる 
 
・調べてまいりますので少々お待ちくださいませ。 
 
(席をはずし、客の目の前で電話をするのは避ける。) 
 
 
 
(3)取次ぐ場合 
 
・お待たせいたしました、お話をうけたまわるとのことでございます。ご案内いたしますのでこちらへどうぞ。 
 
 
 
(4)断る場合 
 
・申し訳ございません、ただいま会議中でこざいまして席をはずせません。あらためてお約束願えますでしょうか。 
 
・調べて参りましたが見当たりません。後ほどこちらからご連絡させていただきますので、お電話番号をお願いいたします。 
 
・申し訳ございません、社内の規定によりお断りすることになっております。ご了承くださいませ。 
 
 
 
(5)上司が不在の場合 
 
・申し訳ございません。ただいま外出しております。○時には戻る予定ですので、こちらからご連絡いたします。念のためお電話番号をお願いいたします。 
 
・お言づけがございましたらうけたまわります。 |   
 
 
 
 |