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[本科专业课] 《破戒》島崎藤村(文选-笔记分享-更新中)

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发表于 2010-1-17 23:49:14 | 显示全部楼层 |阅读模式
本帖最后由 xumh0916 于 2015-8-28 04:29 编辑

文选开课四次了,已经上了四课。老师有准备PPT,有丰富的讲解。
因为一次课要上很久,所以有时候会不小心睡着。这次,终于认认真真听完了一整节课。
今天讲了岛崎藤村的《破戒》。回来后破天荒地整理了笔记。
破戒是一部长篇小说,课本节选了第一章。我只整理了第一章中的第一节。
不知道对各位有没有用,先发上来看看反应吧~~
如果有人感兴趣的话,我再补上所有上过课的内容HOHO。
在咖啡白拿了这么久,好歹也得尽我所能稍稍奉献一下。
PS:如果有误,请同学们一定要指出来。
咱们要共同进步撒~~
?破戒?
島崎藤村
作者简介
明治5年(1872)-昭和18年(1943),小说家,诗人。原名春树。出长于长野县馬龍。
明治24年毕业于明治学院。
曾担任明治女校教师,但受困于与学生之间的恋情而辞职。
明治26年在《文学界》(此刊物现在还有)创刊号发表习作。
明治29年任教于东北学院,赴任仙台后仍继续在《文学界》发表文章。
明治30年赴东京,出版第一本诗集《若菜集》;明治31年出版第二本诗集《一叶舟》、第三本诗集《夏草》。
明治32年去小诸赴任,任职期间,创作了《千曲川のスケッチ》(诗)和诗集《落梅集》。
开始渐渐转型为自然主义作家。
明治35年,发表了短篇小说《旧主人》、《藁草履》。
明治38年发表第一篇长篇小说《破戒》——自费出版。
(虽然之前有发表过短篇小说,但人们还是把《破戒》认作岛崎的小说处女作。)
明治41年继续发表长篇小说《春》,明治43年发表长篇小说《家》。至此,基本上稳定了自然主义作风的创作方式。
岛崎藤村于大正2年前往法国,5年后回国后,又完成了长篇小说《桜の実の熟する時》,另外又发表了以自己与侄女之间的不伦之恋为原型的《新生》(当时引起很大轰动,当然也有很多批判的声音)。
之后又发表许多短篇小说。
历时7年,于昭和11年完成了大作《夜明け前》,登载在【中央公论】。
昭和18年开始发表连载小说《東方の門》,但因脑溢血于72岁死于家中,《東方の門》未完成。

正文
第一章
       (一)
  蓮華寺では下宿を兼ねた。瀬川丑松が急に転宿を思い立って、借りることにした部屋というのは、その庫裏つづきにある二階の角のところ。寺は信州下水内郡飯山町二十何ヶ寺の一つ、真宗に附属する古刹で、ちょうどその二階の窓によりかかって眺めると、銀杏の大木を経てて飯山の町の一部分も見える。さすが信州第一の仏教の地、古代を眼の前に見るような小都会、奇異な北国風の屋造り、板葺きの屋根、または冬期の雪除けとして使用する特別の軒庇から、ところどころに高くあらわれた寺院と樹木の梢まで――すべて旧めかしい町の光景が香の烟の中に包まれて見える。ただひときわ目立ってこの窓から望まれるものと言えば、現に丑松が奉職しているその小学校の白く塗った建築物であった。
  大意:
    莲华寺(原型是‘光莲寺’)兼营旅馆。濑川丑松临时决定换房子租,便来看这个寺院的二楼角落的房间(紧挨着住持住处)。该寺院是信州下水内郡的饭山小镇中二十几家寺院的其中一家,属真宗一派的古刹。在二楼窗口望出去,透过那棵巨大的银杏树能看到饭山小镇的一部分。不愧是信州首屈一指的佛教胜地,眼前展现的是古朴之风的小都市。那奇妙的具有北方特色的建筑、木板屋顶,还有为了冬天方便除雪而特制的双层屋檐,以及各式冒着尖顶的寺院及树梢——所有古色古香的街景在香火烟雾中若隐若现。不过在窗口能很明显地看到那栋白色的建筑物,那就是丑松现在任职的小学。
(注:虽然饭山不算很北,但因为在山里,所以冬天还是会积雪滴,所以房屋式样均适应季节需要而建。)

 丑松が転宿を思い立ったのは、実ははなはだ不快に感ずることが今の下宿に起つたからで、もっとも賄でも安くなければ、誰もこんな部屋に満足するものはなかろう。壁は壁紙で張りつめて、それが煤けて茶色になっていた。粗造な床の間、紙表具の軸、外には古びた火鉢が置いてあるばかりで、何となく世離れた、静寂な僧坊であった。それがまた小学教師という丑松の今の境遇に映って、妙にわびしい感想を起させもする。
大意:
  丑松之所以想要搬家,是因为现在住的地方发生了一件令他很不高兴事的情。不然,他怎么肯到这个除了伙食费比较便宜之外什么都不太好的寺院来。这里墙壁上的壁纸已经被薰得变成了茶色,粗糙的壁龛,用纸裱的画轴(用丝绸裱才算是上品),还有外面放着的破旧的暖炉(像桌子一样的,下面可以加热的东东),怎么都不觉得是这个时代的东西,这是一间寂静的僧房。这似乎影射着小学教师丑松现如今的状况,越发地令人感到孤寂。

 今の下宿にはこういう事が起った。半月ほど前、一人の男を供に連れて、下高井の地方から出て来た大日向といふ大尽、飯山病院へ入院のためとあつて、しばらく腰掛に泊っていたことがある。入院は間もなくであった。もとより内証はよし、病室は第一等、看護婦の肩にかかって長い廊下を往ったり来たりするうちには、自然と豪奢が人の目にもついて、誰が嫉妬で噂するともなく、『彼は穢多だ』ということになつた。たちまち多くの病室へ伝って、患者は総立ち。『放逐してしまえ、今すぐ、それが出来ないとあらばわれわれこぞって御免をこうむる』と腕まくりして院長を脅すという騒動。いかに金ずくでも、この人種の偏執には勝たれない。ある日の暮れ、籠に乗せられて、夕闇の空に紛れて病院を出た。籠はそのままもとの下宿へつぎ込まれて、院長は毎日のように来て診察する。さあ今度は下宿のものが承知しない。ちょうど丑松が一日の勤務を終って、疲れて宿へ帰った時は、一同『主婦を出せ』と喚き立てるところ。『不浄だ、不浄だ』の罵詈は無遠慮な客の口唇を衝いて出た。『不浄だとは何だ』と丑松は心に憤って、蔭ながらあの大日向の不幸を憐んだり、道理のないこの非人扱ひを慨いたりして、穢多の種族の悲惨な運命を思いつづけた――丑松もまた穢多なのである。
  ?大尽:金持ち
  ?穢多、非人:、身分外身分階層。差別された民族。(阿伊努族等)
  大意:
 现在住着的地方发生了这样一件事。大约半个月前,一个叫大日向的有钱人带着一个男仆从下高井过来,为了住进饭山医院治病,暂居在那个旅馆,不久他住进了医院。因为手里有钱,于是用着最高级的病房,每天由护士掺扶着在长长的走廊里走来走去,这景象让大家都知道了他是个富豪。不知道是不是有人嫉妒,开始有谣传说他是秽多。不久便传遍了各个病房,患者们群起而攻之,他们挽起袖子威胁院长“立刻赶他走!否则我们所有人都会离开!”再有钱也敌不过这种人种歧视。于是某日傍晚,大日向坐着轿子在夜色中离开了医院。轿子被抬回了旅馆。院长每天都来诊疗,这下旅馆的客人们不答应了。有一天,刚好是丑松下班后疲倦地归来时,旅馆里那些不客气的人们聚众叫嚷着“叫老板娘出来!”“不干净!真脏!”等等。丑松心里极其愤怒“什么不干净?!”。他暗暗怜悯大日向的不幸,愤慨人们毫无道理的非人对待,进而开始对秽多种族的悲惨命运陷入沉思——因为,丑松也是秽多。

 見たところ丑松は純粋な北部の信州人――佐久小県あたりの岩石の間に成長した壮年の一人とは誰の目にも受取れる。正教員という格につけられて、学力優等の卒業生として、長野の師範校を出たのはちょうど二十二の年齢の春。社会へ突き出される、すぐに丑松はこの飯山へ来た。それから足掛け三年目の今日、丑松はただ熱心な青年教師として、飯山の町の人に知られているのみで、実際穢多である、新平民であるということは、誰一人として知るものがなかったのである。
新平民:明治时代,政府颁布了关于阿伊努族的人权条约。原先被称为“秽多”和“非人”的阿伊努族人有了新称呼“新平民”。表面上是对种族歧视的解放,实际上歧视问题仍然存在。
大意:
  从外表上看,所有人都认为丑松就是一个地地道道的信州人——在佐久小城的山区里成长的青年。被聘用为正式教师,作为一个品学兼优的学生从长野师范大学毕业,那时候刚好是22岁那年的春天。走向社会后,丑松马上来到了饭山。至今已经是第三年了,丑松在饭山的人们心中是一位热心的青年教师,而他是秽多,是一个“新平民”的事实,谁也不是知道。

 『では、いつ引越していらっしやいますか。』
 と声をかけて、入って来たのは蓮華寺の住職の匹偶。年のころ五十前後。茶色小紋の羽織を着て、痩せた白い手に珠数を持ちながら、丑松の前に立った。土地の習慣から『奥様』とあがめられているこの有髪の尼は、昔者として多少教育もあり、都会の生活もまんざら知らないでもないらしい口のききぶりであった。世話好きな性質を額にあらわして、微な声で口癖のように念仏して、対手の返事を待っている様子。
  佛教的‘真宗’是一个相对比较自由的分支,和尚可以娶妻。他们认为每天念着“南无阿弥陀佛”就能去往西方极乐。
  大意:
  “那么,您什么时候搬过来呢?”
  莲华寺住持的夫人进来问道。根据当地习惯对带发修行的尼姑都尊称为“夫人”。她大约五十岁左右,穿着茶色小花纹的外套,瘦弱白析的手拿着佛珠,站到了丑松面前。她这个年纪的人多少是受过教育的,从言谈中能感觉她对都市的生活似乎也知道得不少。脸上表露出好管闲事的个性,她不停地小声念着“南无阿弥陀佛”,一边等待着对方回答。

 その時、丑松も考えた。明日にも、今夜にも、と言いたい場合ではあるが、さてさしあたって引越しするだけの金がなかった。実際持ち合せは四十銭しかなかった。四十銭で引越しの出来ようはずもない。今の下宿の払いもしなければならぬ。月給は明後日でなければ渡らないとすると、否でも応でもそれまで待つよりほかはなかった。
『こうしましょう、明後日の午後ということにしましょう。』
『明後日?』と奥様は不思議そうに対手の顔を眺めた。
『明後日引越すのはそんなにおかしいでしょうか。』丑松の眼は急に輝いたのである。
『あれ――でも明後日は二十八日じゃありませんか。別におかしいということはございませんがね、私はまた月が変ってからいらっしゃるかと思いましてサ。』
『むむ、これはおほきにそうでしたなあ。実は私も急に引越しを思い立ったものですから。』と何気なく言い消して、丑松はわざと話頭を変えてしまった。下宿の出来事は烈しく胸の中を騒がせる。それを聞かれたり、話したりすることは、何となく心に恐しい。何か穢多に関したことになると、いつもそれを避けるようにするのが是男の癖である。
『なむあみだぶつ。』と口の中で唱えて、奥様は別に深く掘って聞こうともしなかった。
  大意:
    这时丑松考虑了一下。其实明天或今晚都可以,但目前却拿不出搬家的钱。实际上他身上只有四十钱,这四十钱当然不够用来搬家的。现在住着的旅馆也得结账。如果不是后天发月钱,他也拿不出这钱来。不管愿不愿意都只能等到发钱的时候了。
“这样吧,后天下午搬过来吧。”
“后天?”夫人一副不可思议地表情看着他。
“后天搬家…有什么奇怪的吗?”丑松瞪大了眼。
“咦…但后天不是28号嘛。也没什么奇怪的,我还以为你要下个月搬来呢”
“嗯。这倒也是。其实我就是突然想要搬家了。”丑松随意地说了句,转换了话题。那边的住处所发生的事情在丑松心中反复着,他很怕别人问起或说起。这个男人对任何有关于秽多的话题都会避开。
(所幸)夫人念叨着“南无阿弥陀佛”,也没有再深究。


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发表于 2010-1-18 11:27:31 | 显示全部楼层
本帖最后由 xumh0916 于 2015-8-28 04:29 编辑

太强了,太用功啊,我除了去上课,课后都没有摸过书本,惭愧啊。

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发表于 2010-1-18 13:10:42 | 显示全部楼层
本帖最后由 xumh0916 于 2015-8-28 04:29 编辑

顶。。。。。。。。

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 楼主| 发表于 2010-1-18 17:30:16 | 显示全部楼层
本帖最后由 xumh0916 于 2015-8-28 04:29 编辑

至少有俩支持者。我满足了。晚上回去再发剩下的一半~HOHO

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发表于 2010-1-18 21:52:20 | 显示全部楼层
本帖最后由 xumh0916 于 2015-8-28 04:29 编辑

楼主辛苦了,我也支持你。你男生还是女生啊?座哪个方向?

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发表于 2010-1-19 15:55:02 | 显示全部楼层
本帖最后由 xumh0916 于 2015-8-28 04:29 编辑

顶~~俺收藏了~~~お疲れ様でした~~~

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发表于 2010-1-19 15:56:23 | 显示全部楼层
本帖最后由 xumh0916 于 2015-8-28 04:29 编辑

   LZの写真を見れば、分かるでしょう^^

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发表于 2010-1-19 16:02:24 | 显示全部楼层
本帖最后由 xumh0916 于 2015-8-28 04:29 编辑

我也收藏先!虽然也未必会去看哈哈!
不过LZ你很用功啊
看不出么~哈哈
上课老打瞌睡哈!

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发表于 2010-1-21 10:49:54 | 显示全部楼层
本帖最后由 xumh0916 于 2015-8-28 04:29 编辑

    哈哈哈,我知道谁是谁了。

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 楼主| 发表于 2010-1-23 23:31:12 | 显示全部楼层
本帖最后由 xumh0916 于 2015-8-28 04:29 编辑

(二)
蓮華寺を出たのは五時であった。学校の日課を終ると、すぐその足で出かけたので、丑松はまだ勤務のままの服装でいる。白墨と塵埃とで汚れた着古しの洋服、書物やら手帳やらの風呂敷包を小脇に抱えて、それに下駄ばき、腰弁当。多くの労働者が人中で感ずるような羞恥――そんな思いを胸に浮べながら、鷹匠町の下宿の方へ帰って行った。町々の軒は秋雨あがりのあとの夕日に輝いて、人々が濡れた道路に群がっていた。中には立ちとどまって丑松の通るところを眺めるもあり、何かひそひそ立ち話をしているのもある。『あそこへ行くのは、ありゃあ何だ――むむ、教員か』と言ったような顔付をして、はなはだしい軽蔑の色をあらわしているのもあった。これが自分らの預っている生徒の父兄であるかと考えると、あさましくもあり、腹立たしくもあり、にわかに不愉快になってすたすた歩き初めた。
大意
从莲华寺出来时是5点。因为学校的课一结束就过去了,所以丑松还穿着工作时的服装。身上沾满了粉笔与灰尘,腋下夹着装书和笔记本的包袱,穿着木屐,腰上还别着便当盒。丑松心里似乎感觉到多数劳动者隐约怀有的羞耻感,向着鹰匠街的往处走去。街上的廊檐受到适才秋雨的洗礼后,此时映在夕阳下熠熠生辉,人们三三两两地走在潮湿的街道上。其中有停下来看丑松走过的,似乎悄悄地说着什么。脸上流似乎露出“朝那边走的是谁啊,好像是老师呢”的样子,尽是鄙夷神色。这就是自己学生的家长们吗——丑松感到有些凄凉,又有些生气,非常不高兴地匆忙走过。

  本町の雑誌屋は近頃出来た店。其前には新着の書物を筆太に書いて、人目を引くように張り出してあった。かねて新聞の広告で見て、出版の日を楽みにしていた『懴悔録』――肩に猪子蓮太郎氏著、定価までも書添へた広告が目につく。立ちどまって、其人の名を思い出してさえ、丑松はもう胸の踊るような心地がしたのである。見れば二三の青年が店頭に立って、何か新しい雑誌でも猟っているらしい。丑松は色の褪せたズボンの袖嚢の内へ手を突込んで、人知れず銀貨を鳴らして見ながら、幾度かその雑誌屋の前を往ったり来たりした。とにかく、四十銭あれば本が手に入る。しかしそれを今ここで買ってしまえば、明日は一文無しで暮さなければならぬ。転宿の用意もしなければならぬ。こういう思想に制せられて、一旦は往きかけて見たようなものの、やがて、また引き返した。ぬっと暖簾をくぐって入って、手に取って見ると――それはすこし臭気のするような、粗悪な洋紙に印刷した、黄色い表紙に『懴悔録』としてある本。貧しい人の手にも触れさせたいという趣意から、わざと質素な体裁をえらんだのは、この書の性質をよく表している。ああ、多くの青年が読んで知るという今の世の中に、飽くことを知らない丑松のような年頃で、どうして読まず知らずに居ることが出来よう。知識は一種の飢渇である。とうとう四十銭を取り出して、欲いと思うその本を買い求めた。なけなしの金とはいいながら、精神の慾には替えられなかったのである。
大意
    这条街上的杂志店是最近开的,门前的告示上用粗笔写着新到的书籍,极其引人眼球。那是老早就在报纸上看到过并一直期待着的出版的《忏悔录》——封面上写着“猪子莲太郎著”的,甚至连价格都标在上面。丑松在那里停住了。这位作者,仅凭一个名字就足以令他心潮澎湃。有两三个年青人站在店门口,似乎在挑选新出的杂志。丑松把手伸进已经退了色的裤子口袋里,暗暗数着自己的钱,在书店门口来回渡了一会儿。这本书只要四十钱就可以到手了。但若是买了,从明天开始便真的身无分文了。又不得不顾及到为换房子做准备的事,于是走过去又折回来。停一会儿,又走了过去。丑松撩开门帘冲过去拿起书本——那是用劣制纸张印刷的,散发着油墨味儿的黄色封面的《忏悔录》。看起来似乎是为了让穷人也能触及而故意包装得如此简朴。在多数青年都选择通过书本了解世界的当时,像丑松这样孜孜不倦的年纪,怎么可能不读不看。这是一种对知识的饥渴。丑松终于拿出了四十钱,买下了那本梦寐以求的书。虽说这是他仅有的钱,但精神欲望是不可替代的。

『懴悔録』を抱いて――買って反って丑松は気の衰頽を感じながら、下宿をさして帰って行くと、ふと、途中で学校の仲間に出逢った。一人は土屋銀之助といって、師範校時代からの同窓の友。一人は未だごく年若な、このごろ準教員になつたばかりの男。散歩とは二人のぶらぶらやって来る様子でも知れた。
『瀬川君、たいそう遅いじゃないか。』と銀之助は洋杖を鳴らしながら近づいた。
正直で、しかも友達思いの銀之助は、すぐに丑松の顔色を見て取った。深く澄んだ目付は以前の快活な色を失って、言うに言はれぬ不安の光を帯びていたのである。『ああ、きっと身体の具合でも悪いのだらう』と銀之助は心に考えて、丑松から下宿を探しに行った話を聞いた。
『下宿を? 君はよく下宿を取り替える人だねえ――こないだあそこの家へ引越したばかりじゃないか。』と毒の無い調子で、さも心から出たように笑った。その時丑松の持っている本が目についたので、銀之助は洋杖を小脇にはさんで、見せろという言葉と一緒に右の手を差出した。
『これかね。』と丑松は微笑みながら出して見せる。
『むむ、「懴悔録」か。』と準教員も銀之助の傍により添いながら眺めた。
『相変らず君は猪子先生のものが好きだ。』こう銀之助は言って、黄色い本の表紙を眺めたり、ちょっと内部を開けて見たりして、『さうそう新聞の広告にもあったッけ――へえ、こんな本かい――こんな質素な本かい。まあ君のは愛読を通り越して崇拝の方だ。ははははは、よく君の話には猪子先生が出るからねえ。さぞかしまた聞かせられることだろうなあ。』
『馬鹿言ひたまへ。』と丑松も笑つて其本を受取つた。
大意
    丑松抱着《纤悔录》,终于买下了,却又觉得有些失落。他朝着住处走的时候,突然遇到同校的好友。一个是师范学校的同窗土屋银之助,另一个是年纪尚轻,刚刚成为实习教师的男人。看样子这两人大概刚好在散步。
“濑川群,这么晚了呢。”银之助敲着手杖走过来。其实,作为朋友的银之助一下子就注意到了丑松的脸色。深遂澄净的目光失去了往日的快乐神采,有种无法言明的不安。可能是身体不太舒服吧——银之助这么想着,走到丑松面前问道。
“换房子?你还真是个爱搬家的人呢!你不是才搬过来的嘛。”银之助并无恶意地说,像是从底里绽放了笑容。这时他看到丑松手里的书,就把手杖夹到了腋下,嘴上说着“让我看看”便伸出右手去了。
“这个啊…”丑松笑着递了出去。
“嗯,《忏悔录》啊。”实习教师也凑到银之助边上来看。
“你还是很喜欢猪子先生呢。咦,是这本书啊,原来这书如此朴素啊。看来你对猪子先生已经不是喜欢,而是崇拜了!哈哈哈,你经常说起他呢。是不是接下来又不得不听你说他的事儿啦”
“少乱讲!”丑松笑着拿回了书。

夕靄の群れは低く集って来て、あそこでも、ここでも、もうちらちら灯が点く。丑松は明後日あたり蓮華寺へ引越すという話をして、この友達と別れたが、やがて少し行って振り返って見ると、銀之助は往来の片隅に佇立んだまま、じっとこちらを見送っていた。半町ばかり行ってまた振り返って見ると、未だ友達は同じところに佇立んでいるらしい。夕餐の煙は町の空をこめて、しょんぼりとした友達の姿も黄昏れて見えたのである。
大意
    此刻已暮霭低垂,到处都点了灯。丑松告知了大约后天要搬去莲华寺后,便与银之助道了别。往前走了几步再回头时,看到这位朋友却仍站在街口目送着。再往前走了五十多米,回头看时,他好像仍然站在原来的地方。炊烟萦绕着街头,朋友寂寥的身影渐渐淹漠在暮色中。


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 楼主| 发表于 2010-1-23 23:31:49 | 显示全部楼层
本帖最后由 xumh0916 于 2015-8-28 04:29 编辑

(三)
鷹匠町(たかじょうまち)の下宿近く来たころには、鉦(かね)の声が遠近(あちこち)の空に響き渡った。寺々(てらでら)の宵(よい)の勤行(ごんぎょう)は始まったのであろう。ちょうど下宿の前まで来ると、あたりを警(いまし)める人足(にんそく)の声も聞えて、提灯(ちょうちん)の光に宵闇(よいやみ)の道を照しながら、一挺(いっちょう)の籠(かご)がかつがれて出るところであった。ああ、大尽が忍んで出るのであろう、と丑松は憐(あわれ)んで、黙然(もくねん)としてそこに突立(つった)って見ているうちに、いよいよそれとは附添い(つきそい)の男で知れた。同じ宿にいたとは言いながら、ついぞ丑松は大日向を見かけたことがない。ただ附添いの男ばかりは、よく薬の罎(びん)なぞを提(さ)げて、出たり入ったりするところを見かけたのである。その雲を突(つ)くような大男(おおおとこ)が、今、尻端折り(しりはしおり)で、主人を保護したり、人足を指図(さしず)したりするかいがいしさ。穢多の中でも卑(いや)しい身分のものと見え、そこに立っている丑松を同じ種族(しゅぞく)とは夢にも知らないで、妙に人を憚(はばか)るような様子して、ちょっと会釈(えしやく)しながら側(そば)を通りぬけた。門口(かどぐち)に主婦(かみさん)、『御機嫌よう』の声も聞える。見れば下宿のなかはなんとなく騒々しい(そうぞうしい)。人々は激昂(げっこう)したり、憤慨(ふんがい)したりして、いずれも聞えよがしに罵(ののし)っている。
大意
    快走到鹰匠街的住处时,夜空中传来了寺院的钟声,大概是各寺庙里的晚课要开始了吧。走到住处门口时,听到了轿夫发出的警示行人的脚步声。灯笼照亮了夜幕下的道路,一顶轿子被抬了出来。是那个有钱人正趁夜离去。丑松顿时心生怜悯。他默默地站在路边,看到了那个有钱人的男仆。虽说是同住在一个旅馆,但丑松却从未见过大日向本人。倒是这位男仆经常提着药罐子进进出出,见过几回。那个高大的男仆正将衣服下摆别在腰间保护着主人,指示着轿夫,为主人卖命。他可能是秽多中的较为卑贱的阶层。他绝不会想到站在路边的丑松跟他也是同一民族。男仆显得有所顾忌,只是轻轻地对丑松点了点头便走了过去。旅馆门口传来老板娘“您多保重”的声音。回首望去,旅馆里人声鼎沸,人们激动着、愤怒着,大声地在叫骂。

『ありがとうぞんじます――そんたらお気をつけなすって。』
とまた主婦は籠の側へ駈(か)け寄って言った。籠のなかの人は何とも答えなかった。丑松は黙って立った。見る見るかつがれて出たのである。
『ざまあ見やがれ。』
これが下宿の人々の最後(さいご)に揚げた凱歌(がいか)であった。
丑松がすこし蒼(あお)ざめた顔をして、下宿の軒(のき)を潜(くぐ)って入った時は、未だ人々が長い廊下に群(むらが)っていた。いずれも感情をおさえきれないというふうで、肩を怒(いか)らして歩くもあり、板の間を踏み鳴らすもあり、中には塩を掴(つか)んで庭にまき散らす弥次馬(やじうま)もある。主婦は燧石(ひうちいし)を取り出して、清浄(せいじょう)の火と言って、かちかち音をさせて騒(さわ)いだ。
大意
    老板娘又跑到轿子旁说“谢谢您住在小店,以后您要多加小心!”轿子里的人没有回答。丑松仍是默默地站在一边,目送着轿子离去。
“看他那熊样!”——这是旅馆里的人们最后的高呼。
丑松苍白着脸穿过旅馆的廊檐,那里还站着尚未散去的人群。大家似乎仍不能平息愤怒情绪,有耸着肩膀表示不满的,也有在地板上重重踩出声响的,其中还有在庭院里撒盐凑热闹的。老板娘则是拿出避邪的火石,说着“清净之火”,在那里敲出很大的声响。

(这老板娘也不是什么好人!)
哀憐(あはれみ)、恐怖(おそれ)、千々(ちじ)の思いは烈(はげ)しく丑松の胸中(きょうちゅう)を往来した。病院から追われ、下宿から追われ、その残酷な待遇と恥辱(ちじょく)とをうけて、黙ってかつがれて行くあの大尽の運命を考えると、さぞ籠の中の人は悲慨(なげき)の血涙(なみだ)にむせんだであろう。大日向の運命はやがてすべての穢多の運命である。思えば他事(ひとごと)ではない。長野の師範校時代から、この飯山に奉職(ほうしょく)の身となったまで、よくまあ自分は平気の平左(へいざ)で、普通の人と同じような量見(りょうけん)で、危いとも恐しいとも思わずに通り越して来たものだ。こうなると胸に浮ぶは父のことである。父というのは今、牧夫(ぼくふ)をして、烏帽子(えぼし)が嶽(たけ)の麓(ふもと)に牛を飼って、隠者(いんしゃ)のような寂しい生涯を送っている。丑松はその西乃入(にしのいり)牧場(ぼくじょう)を思い出した。その牧場の番小屋(ばんごや)を思い出した。
『阿爺(おとっ)さん、阿爺さん。』
 と口の中で呼んで、自分の部屋をあちこちあちこちと歩いてみた。ふと父の言葉を思い出した。
大意
    可怜、恐怖,万般思绪在丑松心中激烈冲击。他想到被医院赶出来,又被旅馆赶出来,受到那种残酷的待遇和屈辱后坐在轿子中默然离去的有钱人的命运,大概轿中之人已禁不住流下了悲愤的眼泪吧。大日向的命运便是不久之后所有秽多的命运。但这并不是旁人的事情。从长野师范学校求学到饭山就职,自己竟能心平气和地和普通人一样,平安无事地活到现在。他不由得想起自己的父亲。父亲现如今成了一个牧夫,在乌帽子山下放牛,过着隐士般的生活。丑松想起了那个西乃入牧场,想起了那个牧场的小屋。
“父亲,父亲”丑松嘴里如是喊着,在自己房间里走来走去,猛然想起了父亲说过的话。

 はじめて丑松が親の膝下(ひざもと)を離れる時、父は一人息子の前途を深く案じるというふうで、さまざまな物語をして聞かせたのであった。その時だ――一族の祖先のことも言い聞かせたのは。東海道(とうかいどう)の沿岸(えんがん)に住む多くの穢多の種族のように、朝鮮人、支那人(しなじん)、露西亜(ロシア)人、または名も知らない島々(しまじま)から漂着(ひょうちゃく)したり帰化(きか)したりした異邦人(いほうじん)の末(すえ)とは違い、その血統(けっとう)は古(むかし)の武士の落人(おちゅうど)から伝わったもの、貧苦(ひんく)こそすれ、罪悪(ざいあく)のために穢(けが)れたような家族ではないと言い聞かせた。父はまたつけたして、世に出て身を立てる穢多の子の秘訣(ひけつ)――ただ一つの希望、ただ一つの方法、それは身の素性を隠すよりほかにない、『たとえいかなる目を見ようと、いかなる人にめぐりあおうと決してそれとはうちあけるな、いったんの憤怒(ふんど)悲哀(ひあい)にこの戒(いましめ)を忘れたら、その時こそ社会から捨てられたものと思え。』こう父は教えたのである。
大意
    丑松初次离开父母时,父亲深忧独生子的前途,对儿子告诫了很多事。那时候,讲的都是民族祖先的事情。父亲说,他们的祖先与东海道沿岸居住着的同样被视为秽多种族的朝鲜人、支那人、俄罗斯人以及一些从不知名的岛上漂流而至的异邦人不同,他们其实是古时衰败落魄的武士后代,虽然没落贫困,但并不是身染罪孽的家族。父亲说秽多的子孙要想在世上站住脚,唯一的秘诀就是隐瞒自己的出身。父亲告诫他:“不管碰到任何事,不管遇到任何人,绝不可说出真相。一旦因愤怒和悲哀而忘记了这个戒规,就会被社会遗弃。”

 一生の秘訣とはこの通り簡単なものであった。『隠せ。』――戒はこの一語(ひとこと)で尽きた。しかしそのころはまだ無我夢中(むがむちゅう)、『阿爺(おやじ)が何を言うか』ぐらいに聞き流して、ただもう勉強が出来るという嬉しさに家を飛び出したのであった。楽しい空想の時代は父の戒めも忘れがちに過ぎた。急に丑松は少年から大人に近(ちかづ)いたのである。急に自分のことがわかって来たのである。まあ、面白い隣の家から面白くない自分の家へ移ったように感ずるのである。今は自分から隠そうと思うようになった。
大意
    生存的秘诀就是这么简单,“隐瞒”——仅一词便能道尽的戒规。不过当时的丑松还只是聚精会神地听故事,甚至在想“父亲在说什么啊…”,当做听过就算了。一颗心早因外出求学的喜悦而飞出家门。在那快乐的空想时代,完全忘记了父亲的戒规。丑松好像突然间从少年变成了大人,突然明白了自己身世的无奈。这就好比从其乐融融的邻家回到了死气沉沉的自己家。现如今则需要自己主动去隐瞒了。


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 楼主| 发表于 2010-1-23 23:32:07 | 显示全部楼层
本帖最后由 小猫尖尖 于 2010-1-24 03:15 编辑

(四)
  あおのけさまに畳(たたみ)の上へ倒れて、しばらく丑松は身動き(みうごき)もせずに考えていたが、やがて疲労(ひろう)が出てねてしまった。ふと目が覚めて、部屋のなかを見廻した時は、つけておかなかったはずの洋燈(ランプ)が寂しそうに照らして、夕飯(ゆんはん)の膳(ぜん)も片隅(かたすみ)に置いてある。自分は未だ洋服のまま。丑松の心地(こころもち)には一時間余りも眠ったらしい。戸(と)の外には時雨(しぐれ)の降りそそぐ音もする。起き直って、買って来た本の黄色い表紙(ひょうし)を眺めながら、膳を手前へ引寄せて食った。飯櫃(おはち)の蓋を取って、あつめ飯の臭気(におい)を嗅(か)いでみると、丑松はもう嘆息(たんそく)してしまって、そこそこにして膳をおしやったのである。『懴悔録』をひろげて置いて、まず残りの巻煙草(まきたばこ)に火をつけた。
大意
    丑松仰躺在榻榻米上,有一段时间他动也不动就那样想事情。不久便累极睡着。突然醒来时,环顾房间四周,原本没点上的灯正燃着,照射出惨淡的光影,晚餐的盘子也放在一边。丑松还穿着工作时的衣服。他觉得自己好像睡了一个多小时。窗外有秋雨淅沥下着的声音。丑松坐起来,看着刚买那本书的黄色封面,一边取过膳食来吃。掀开饭盒的盖子,闻了闻饭的气味便叹起气来,随便对付几口便了事了。他翻开《忏悔录》,把剩下的那半截烟点上。


 この本の著者(ちょしゃ)――猪子蓮太郎の思想は、今の世の下層社会の『新しい苦痛(くつう)』をあらわすと言はれている。人によると、あの男ほど自分を吹聴(ふいちょう)するものはないと言って、妙に毛嫌(けぎら)いするような手合(てあ)いもある。なるほど、その筆(ふで)にはいつも一種の神経質(しんけいしつ)があった。とうてい蓮太郎は自分を離れて話をすることの出来ない人であった。しかし思想が剛健(ごうけん)で、しかも観察の精緻(せいち)を兼ねて、人をひきつける力の壮(さか)んに溢(あふ)れているということは、一度その著述(ちょじゅつ)を読んだものの誰しも感ずる特色なのである。蓮太郎は貧民、労働者、または新平民などの生活状態を研究して、社会の下層(かそう)を流れる清水(しみず)に掘りあてるまでは倦(う)まず弛(たゆ)まず努(つと)めるばかりでなく、またそれを読者の前に突(つ)きつけて、右からも左からも説き明か(ときあか)して、呑込め(のみこめ)ないと思うことは何度繰り返えしても、読者の腹(おなか)の中に置かなければ承知しないというやり方であった。もっとも蓮太郎のは哲学とか経済とかの方面からそういう問題を取り扱わないで、むしろ心理の研究に基礎を置いた。文章はただ岩石(がんせき)を並べたように思想を並べたもので、むきだしなところにかえって人を動かす力があったのである。
大意
    这本书的作者——猪子莲太郎所传达的是当今世界下层社会显现的“新的苦难”。因人而异,也有认为猪子莲太郎这个男人很能吹嘘而对他无端生厌的家伙。果然,莲太郎的写作方式总是带着一种神经质。莲太郎终归不是个能作为旁观者写作的人。不过他思维刚毅,而且观察细微,文字中洋溢着强大的吸引力,每一个读过其作品的人都能感觉到。莲太郎研究贫民、劳动者,以及“新平民”们的生活状态,他并不只是一味努力地挖掘社会下层社会的清泉(好的方面、真善美),而是将这些展现在读者面前,从各个方面加以说明,为了读者更能理解而反复描写,是一种非要渗透进读者心中写作意图。莲太郎不是以哲学或经济学为主,而是基于心理研究去创作。他的文章就像排列着的岩石一般列出其思想,裸露的表达反而起到打动人心的作用。


 しかし丑松が蓮太郎の書いたものを愛読するのはただそれだけの理由からではない。新しい思想家でもあり戦士でもある猪子蓮太郎という人物が穢多の中から産(うま)れたという事実は、丑松の心に深い感動を与えたので――まあ、丑松のつもりでは、ひそかに先輩として慕(した)っているのである。同じ人間でありながら、自分らばかりそんなに軽蔑(けいべつ)される道理がない、という烈しい意気込み(いきごみ)を持つようになったのも、実はこの先輩の感化(かんか)であった。こういうわけから、蓮太郎の著述といえば必ず買って読む。雑誌に名が出る、必ず目を通す。読めば読むほど丑松はこの先輩に手を引かれて、新しい世界の方へ連れて行かれるような気がした。穢多としての悲しい自覚はいつの間にかその頭をもちあげたのである。
大意
    不过丑松喜欢读莲太郎的书还有其他原因。新一代的思想家同时又是战士的猪子莲太郞是秽多的事实,给予了丑松的内心深深的感动。丑松暗地里十分崇敬这位前辈。丑松心中所萌生的“同为人类,而自己的民族却要毫无道理地受到蔑视”的强烈劲头,也是因了这位前辈的感化。正因如此,莲太郎所著的书他必定会买来阅读。杂志上只要出现他的名字,必定会浏览一遍。读着读着,丑松感觉自己被前辈牵着手走向了新的世界。作为秽多的悲哀感已经在不知不觉中昂起头来。


 今度の新著述は、『我は穢多なり』という文句で始めてあった。その中には同族(どうぞく)の無智(むち)と零落(れいらく)とが活(い)きた画のように描いてあった。その中には多くの正直な男女(おとこおんな)が、ただ穢多の生れというばかりで、社会から捨てられて行く光景も写してあった。その中にはまた、著者の煩悶(はんもん)の歴史、歓(うれ)し哀(かな)しい過去の追想、精神の自由を求めて、しかもそれが得られないで、不調和(ふちょうわ)な社会のために苦(くるし)みぬいた懐疑の昔語(むかしがた)りから、朝空(あさぞら)を願(のぞ)むような新しい生涯に入るまで――熱心な男性の嗚咽(おえち)が声を聞くように書きあらわしてあった。
大意
    这次的新作,是以“我是秽多”起句的。书中鲜明刻画了同族人无知及没落的生存状态。描写了许多正直的男女只因秽多的出身而被社会抛弃的景象。作者还从回顾闷的历史、悲欢的过去,追求精神自由,并且因实现不了而身处不和谐的社会中历尽艰辛的故事,到向着仰望晴空一般的新生活迈进——这位热血男性有如意图让大家听到他的呜咽一般写下了那些文字。


 新しい生涯――それが蓮太郎には偶然な身のつまずきから開(ひら)けたのである。生れは信州高遠(たかとお)の人。古い穢多の宗族(そうぞく)ということは、ちょうど長野(ながの)の師範校(しはんこう)に心理学の講師として来ていたころ――丑松がまだ入学しない以前――同じ南信(なんしん)の地方から出て来た二三の生徒の口からもれた。講師の中に賤民(せんみん)の子(こ)がある。是噂(うわさ)が全校へひろがった時は、一同(いちどう)驚愕(きょうがく)と疑心(ぎしん)とで動揺(どうよう)した。ある人は蓮太郎の人物(じんぶつ)を、ある人はその容貌(ようぼう)を、ある人はその学識(がくしき)を、いずれも穢多の生れとは思われないと言って、どうしても虚言(きょげん)だと言い張る(いいはる)のであった。放逐(ほうちく)、放逐、声は一部の教師仲間の嫉妬(しっと)から起った。ああ、人種(じんしゅ)の偏執ということがないものなら、『キシネフ』で殺される猶太人(ゆだやじん)もなかろうし、西洋で言いはやす黄禍(ほうか)の説(せつ)もなかろう。無理が通れば道理が引込(ひっこ)むというこの世の中に、誰が穢多の子の放逐を不当(ふとう)だと言うものがあろう。いよいよ蓮太郎が身の素性(すじょう)を自白(じはく)して、多くの校友に別離(べつり)を告げて行(ゆ)く時、この講師のために同情の涙を流すものは一人もなかった。蓮太郎は師範校の門を出て、『学問のための学問』を捨てたのである。
大意
    新的生活——这是莲太郎偶然的挫折中找开的新局面。他是在信州高远出生的,被指为古时秽多宗族的后代,是他在长野的师范学校担任心理学讲师的时候(当时丑松还没进入这所学校),莲太郎的身世被几个同乡的学生说漏了。“教师里面有贱民之子”——这个流言蔓看延至全校时,所有人都因为惊愕和怀疑动摇了。有人说,像莲太郎这样的人、像他这种相貌学识的人绝对不像是秽多的后代,从而坚持那些是谣言。“赶走他!”的声音来自于嫉妒莲太郎的教师。唉,如果没有人种歧视,就不会在基什尼奥夫(俄罗斯帝国的归属国摩尔达维亚首者)发生残杀犹太人的事情,也不会出现西洋的黄祸论(德皇威廉二世1895年发明“黄祸论”时,本意是“日本威胁论”。那年,日本占领中国的辽东半岛和旅顺口,对俄罗斯远东地区及德国在华势力范围构成威胁。于是威廉二世请人绘制油画《黄祸图》,分赠给俄国沙皇等几个欧洲君主。但后来此“黄”被人们误读为所有黄种人)。在这个有理说不通无理却横行的社会,谁也不敢说驱逐秽多之后有何不当。最后莲太郎坦白了自己的身世,在向众位校友道别时,没有人为这位教师流下一滴同情的泪水。莲太郎离开师范学校后,正式舍弃了“为了做学问而做学问”的生涯。


 この当時の光景は『懴悔録』の中にくはしく記載してあった。丑松は身につまされるかして、幾たびか読みかけた本を閉じて、目をつぶって、やがてそれを読むのは苦しくなって来た。同情は妙なもので、かえって底意(そこい)を汲(く)ませないようなことがある。それに蓮太郎の筆は、おもしろく読ませるというよりも、考えさせる方だ。しまいには丑松も書いてあることを離れてしまって、自分の一生ばかり思いつづけながら読んだ。
大意
    《忏悔录》中详细记录了当时的情况。丑松心身体会,好几回关上读到一半的书本,闭上眼睛,结果越读越痛苦。同情是一种奇妙的情愫,有时候反而令人不敢触及其真相。莲太郎的笔触与其说让读者感兴趣,不如说是引发读者深思。于是丑松也不得不脱离单纯的阅读模式,一边思考着自己的人生,一边读了下去。
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 楼主| 发表于 2010-1-23 23:32:28 | 显示全部楼层
本帖最后由 小猫尖尖 于 2010-1-24 02:28 编辑

(续前面的<四>)

 今日まで丑松が平和な月日を送って来たのは――おもに少年時代からの境遇(きょうぐう)にある。そもそもは小諸(こもろ)の向町(むかいまち)(穢多町)の生れ。北佐久(きたさく)の高原(こうげん)に散布(さんぷ)する新平民の種族の中でも、ことに四十戸(しじつこ)ばかりの一族(いちぞく)の『お頭(かしら)』と言はれる家柄(いえがら)であった。獄卒(ごくそつ)と捕吏(ほり)とは、維新前(いしんぜん)まで、先祖代々の職務(しょくむ)であって、父はその監督の報酬(ほうしゅう)として、租税(そぜい)を免(めん)ぜられた上、別に俸米(ほうまい)をあてがわれた。それほどの男であるから、貧苦(ひんく)と零落とのため小県郡(ちいさがたこおり)の方へ家を移した時にも、八歳(はっさい)の丑松を小学校へやることは忘れなかった。丑松が根津村(ねつむら)の学校へ通(かよ)うようになってからは、もう普通の児童(じどう)で、誰もこの可憐(かれん)な新入生を穢多の子と思うものはなかったのである。最後に父は姫子沢(ひめこざわ)の谷間(たにあい)に落ち着いて、叔父夫婦(おじふうふ)もいっしょに移り住んだ。かわった土地で知るものはなし、強(し)いてこちらから言う必要もなし、といったようなわけで、しまいには慣れて、少年の丑松はいちばん早く昔を忘れた。官費(かんぴ)の教育を受けるために長野へ出かけるころは、ただ先祖の昔話としか考えていなかったくらいで。
大意
至今为止,丑松能平安度过每一天,是因为少年时代的境遇。他本是小诸的向街(秽多街)出生的。在散居于北佐久的“新平民”中,尤其是四十户左右的民族中是属于“头子”的家世。明治维新之前,他家的祖上代代从事狱卒和衙役工作,父亲每月领取监督职位的报酬,不用缴税,而且还可以领到作为俸禄的大米。正因为是有过如此经历的男人,在因贫困和没落而移居到小县郡时也不忘将儿子丑松送到小学去学习。丑松去根津村的学校上学时已经和普通的儿童无异了。谁也没觉得这个可怜的新生是秽多之子。最后,父亲选择在姬子泽的山间定居,叔叔一家也一同移居与此。在陌生的土地,没人认识的地方,他们也没有必要主动说出自己的身世。因此,最后倒也习惯了。年少的丑松是最快忘记过去的。所以为了公费教育要去长野的丑松在听父亲叙述的时候,也权当是听祖先的故事,而没有好好思考过。


 こういう過去の記憶は今丑松の胸の中にいきかえった。七つ八つ(やっつ)のころまで、よくほかの小供にからかわれたり、石を投げられたりした、その恐怖の情はふたたび起こって来た。おぼろげながらあの小諸の向町にいたころのことを思い出した。移住する前に死んだ母親のことなぞを思い出した。『我は穢多なり』――ああ、どんなにこの一句(いっく)が丑松の若い心を掻乱(かきみだ)したろう。『懴悔録』を読んで、かえって丑松はせつない苦痛(くつう)を感ずるようになった。
大意
过去的记忆在丑松心中复苏了。7、8岁之前,他常受到其他小朋友的捉弄嘲笑,还被扔石头。那种恐怖的情景又一次浮现在眼前。朦胧地回忆起那个小诸的向街时的生活。搬家之前母亲过世时的情景也回想了起来。“我是秽多”——啊,这一句话着实扰乱了丑松年轻的心。读着《忏悔录》,丑松更觉得痛苦难耐了。
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 楼主| 发表于 2010-1-24 02:29:08 | 显示全部楼层
本帖最后由 小猫尖尖 于 2010-1-24 04:37 编辑

我的单词量很少。所以就把自己觉得标不出音的或者说不出意思的词抄出来。
唉……


本课单词:
(一)
1.        転宿(やどかえ)
2.        庫裏(くり):住職やその家族の居間。
3.        真宗(しんしゅう):浄土宗から分かれた仏教の一派。阿弥陀仏を念じることによって往生成仏できると説く。浄土真宗。
4.        銀杏(いちょう・ぎんなん)
5.        大木(だいぼく)
6.        (へだてる)隔てる
7.        屋造り(やづくり)
8.        雪除け(ゆきよけ)
9.        軒庇(のきびさし):屋根の軒から先に差し出した片流れの小屋根。日・雨・雪を防ぐもの。
10.        梢(こずえ)
11.        古めかしい(ふるめかしい):古色古香。褒义词。
12.        奉職(ほうしょく)
13.        賄(まかない):食事を用意して(給仕などをして)食べさせること(人・もの)。
14.        煤ける(すすける):古くなって、煤色になる。
15.        床の間(とこのま):座敷の上座に、床を一段高くした所。床に花や置く物を壁に掛け物を飾る。壁龛。
16.        表具(ひょうぐ):表装。巻物・掛け軸などに仕立てること。
17.        古びる(ふるびる):ふるくさくなる。
18.        火鉢(ひばち)
19.        世離れ(よばなれ)
20.        静寂(せいじゃく)
21.        僧坊(そうぼう)
22.        わびしい(侘しい)
23.        大尽(だいじん):大金持ち
24.        腰掛けに泊まる:一時的に泊まる。
25.        内証(ないしょう)はよし:暮らしむきのよいこと
26.        おのずと(自ずと):ひとりでに、自然に。
27.        豪奢(ごうしゃ)
28.        しっと(嫉妬)
29.        総立ち(そうだち):全部の人が立ち上がること。
30.        放逐(ほうちく)
31.        こぞる(挙る):関係者が、そろって何か統一的な行動を取る。
32.        御免をこうむる:いやで拒否する気持ちを表す語。「ことわる」の意。
33.        腕まくり:意気込んだ様子。
34.        脅かす(おびやかす)
35.        金ずく:お金だけにたよって決めようとすること。
         「名詞+ずく:ある限りを尽す。全靠…。全凭…。
36.        偏執(へんしゅう)
37.        籠(かご):轿子
38.        夕闇(ゆうやみ)
39.        名詞+紛れて:まわりのよく似た物と入り混じって、分からなくなる。消失在…。混在…。
40.        一同(いちどう):皆々。仲間全体。
41.        主婦(かみさん):上さん。老板娘。
42.        喚き立てる(わめきたてる):大声叫喊。
43.        罵詈(ばり)
44.        憤る(いきどおる)
45.        陰ながら(かげながら):ひそかに。よそながら。暗中。背地里。
46.        憐れむ(あわれむ)
47.        壮年(そうねん)
48.        足掛け(あしかけ):年月日を数える場合、おおよその数をいう語。
49.        匹偶(ひつぐう):配偶
50.        まんざら…ない:必ずしも…ない。
51.        ききぶり:见闻
52.        世話好き:好管闲事。
53.        微か(かすか)
54.        ~う/ようはずはない:不可能…
55.        いやでも応でも:不管愿不愿意。
56.        おおきに:たしかに
57.        話頭(わとう)を変える:转换话题。
58.        唱える(となえる)
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 楼主| 发表于 2010-1-24 02:29:48 | 显示全部楼层
再留一楼备用。。。好多单词不知,怕超过字数限制
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