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「東京ラブストーリー」日文对白

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发表于 2004-11-28 17:06:58 | 显示全部楼层 |阅读模式
<P>完治:もしもし、永尾です。永尾完治です。はい、あ、今、羽田つきました。はい?あ、向かいの方が、あ、済みません。あのう、空港到着出口に女性、はい、紺のジャケット、はい。到着出口だろう。紺のジャケット。<BR>リカ:完治!永尾完治!完治!<BR>完治:はい。<BR>リカ:永尾完治!<BR>完治:あの、ここです。<BR>リカ:完治(かんち)君?<BR>完治:あ、いいえ、永尾完治(かんじ)です。<BR>リカ:いるだら早く言ってよ。事業部の赤名りかです。荷物これだけ?<BR>完治:はい。<BR>リカ:倉庫へ行って商品の積み込みしなくちゃいけないの。付き合って。<BR>完治:はいっ?</P>
<P>管理員:はい、以上です。お疲れ様。<BR>完治:お疲れ様でした。</P>
<P>完治:あのう、終わりました。<BR>リカ:ありがとう。行こうか。<BR>完治:はい。<BR>リカ:どうした?元気ないなあ、声に。<BR>完治:そうですか。<BR>リカ:八月三十一日の小学生みたい。なんか東京にいやなことでもあるの?<BR>完治:それはやっぱ不安ですよ。愛媛から一人出てきて東京で何かあるか分からないし。<BR>りか:そんなの何があるか分からないから元気出るんじゃない。<BR>完治:そう簡単ですか。<BR>リカ:大丈夫。笑って、笑って。今この時のために今までのいろんな事があったんだっ  て。そんなふうに思えるように。だからね、バッチつけて。<BR>完治:バッチ?<BR>リカ:その日その日の思い出をぴかぴかのバッチにして胸に貼って歩いていくの、ね。<BR>完治:はい。<BR>リカ:元気!<BR>完治:あ、もうなんか一学期の終業式の小学生みたい。<BR>リカ:うん、行こう。<BR>完治:はい。</P>
<P>里美:日溜りの長い、長い廊下の突き当たに使ってない教室があったの。そこが私たちの内証の溜まり場。<BR>トキ子:ええ?<BR>里美:そんななんだけど弟みたいな三上君と子供なんだけどお兄さんみたいな永尾君、それから私。いつも三人一緒だった。<BR>トキ子:どっちが好きだったの?<BR>里美:二人が仲よく話してるとこ見てるのが好きだった。<BR>トキ子:ううん。<BR>里美:三人で学校をさぼって海見に行ったこともあった。永尾君は海はいいよなって本当に感動してるの。でも、三上君は防波堤に腰掛けて、ずっと俯向きっぱなし。私、三上君の踵踏んだ足下見ながら思った。ずっとこのままでいたいなって。<BR>トキ子:五年振りに会うんだ、二人と。<BR>里美:永尾君とはあんしんしたいかなあ。<BR>トキ子:三上とは会いたくない?<BR>里美:うん、会いたい。</P>
<P>部長:今日からうちの営業部に入りました永尾です。事業部長の和田です。<BR>完治:永尾完治です。よろしくお願いします。<BR>和田:あ、頑張ってください。<BR>完治:はい。<BR>部長:赤名!<BR>リカ:はい。<BR>部長:お前春のキャンペーンの担当だったよな。<BR>リカ:はい。<BR>部長:うちの新戦力に事業の仕事をおおまか教えてやってくれないかな。<BR>リカ:はい、分かりました。<BR>部長:じゃ、頼むんだぞ。<BR>完治:はい。<BR>リカ:よろしくね、完治。<BR>完治:あの、かんち?俺の名前はかんちじゃなくて、かんじなんですけど。<BR>リカ:でも、私の小学校の同級生にね。山村完治君という子がいたんだけど、その子皆からかんちって呼ばれたよ。</P>
<P>リカ:いただきます。<BR>完治:いただきます。<BR>リカ:ねえ。<BR>完治:うん?<BR>リカ:もてるでしょう?<BR>完治:何急に?全然もてない。<BR>リカ:なんで?<BR>完治:いや、なんでって、暗い青春引きずっちゃって。<BR>リカ:なんの?<BR>完治:うん、ずっと好きな子いたんだけどさ、なんか結局言い出せずじまい。<BR>リカ:大学?<BR>完治:いや、うーん高校。ああ、もういいじゃん、こんな話。<BR>リカ:だめ、聞きたい。その子とはどうなったの?<BR>完治:いや、どうも******あの、一応今度会うんだけどさ。あの、こっちで同窓会あって。<BR>リカ:ここにあの片思いしてた子も来るんだ。<BR>完治:そう。五年振り。<BR>リカ:そうか。せんしゅんの1ページと再開するんだ。うまく行くといいね、その子と。</P>
<P>完治:知り合いだったのか?<BR>三上:さき引っ掛けた。<BR>完治:ひっか******<BR>三上:うん。<BR>リカ:引っ掛けたんじゃなくて、引繰り返したんでしょう。<BR>三上:そっちは?<BR>完治:えっ?<BR>リカ:ふふん、完治の彼女。<BR>完治:違うだろう。<BR>三上:あ、そう。えー<BR>リカ:何を。<BR>完治:え、違う、違う。いや、違うって。<BR>三上:ああ、行こうぜ。<BR>完治:えっ、あ、二次会の店に決まってんだよ。<BR>三上:構わねよ。あんな連中。今日はお前と飲むに来たんだよ。<BR>完治:え、じゃ。<BR>リカ:行こう。<BR>里美:うん。</P>
<P>完治:ああ、またお前のせいで友達なくしたよ。<BR>三上:そう言えば、お前高校の時からそうだったよな。<BR>完治:お前が泣かした女の子一人一人慰めて廻ったとか。<BR>リカ:ああ、玉葱とハンカチみたいな関係だったんだね、二人は。<BR>完治:あのな。<BR>里美:でもね。永尾君が慰めた女の子はその後皆永尾君のこと好きになったんだよ。<BR>完治:うそ。俺そんないい目あった覚えなんかないよ。<BR>三上:いや、それはお前が鈍感だから。<BR>皆:ははは。<BR>里美:でも、なんか嬉しい。<BR>完治:ええ、何が?<BR>里美:ちょっと不安だったんだ。もう五年も会っていなかったし、二人と会っても昔みたいに話せないんじゃないかと思った。<BR>完治:あ、それは俺もそう。関口がさ、腰にスカーフなんかまいて来たらどうしようかと。<BR>里美:似合わないって、ねえ、覚えてる?三人で学校さぼって海見に行った時の事。<BR>三上:ええ?ああ、ちょっと御免。</P>
<P>三上:よう!驚いた?<BR>尚子:何を。<BR>三上:いや、随分変わるんだな、昼と夜じゃ。大学で見た時はただの優等生のお嬢さんかと思ってたよ。</P>
<P>リカ:どうしたの?<BR>里美:うん?<BR>完治:うん?<BR>里美:何?<BR>リカ:焼いてるみたい。<BR>里美:三上君に?まさか。昔からそうだもんね。<BR>完治:うん。皆よく一致さ。三上の人生にベッド心はあっても、ラブ心はないって。<BR>里美:そう。大体なんで私が三上君のことで。<BR>リカ:あ、で、私の見間違いだ。<BR>里美:あ、そうだ。永尾君、ピンポン。<BR>完治:ええ?<BR>里美:先の。<BR>完治:あ、あ、いないんだ、彼氏。<BR>里美:永尾君ってね。何時も私の寂しいのとか、悲しいのとかそんな気持ちをひゅいってすくいあげてくれてたの。本当、三上君とは全然正反対。</P>
<P>尚子の友達:御免ね、また。<BR>尚子:ほかの店行こう。<BR>三上:それじゃね。バイバイ。</P>
<P>三上:御免、御免。大学の研究所で一緒なんだ、今。高校の時と一緒だな。俺が女の子誘ったりしてるとなんか背中に冷たい視線感じてさ、なんだろうって振り向くと、何時も関口が蔑むような目で見てた。相変わらずだな。関口の潔癖症は不治の病かもな。<BR>完治:三上!<BR>里美:私、帰るね。<BR>三上:あ、いい、いい。俺が出るよ。ここは永尾の奢りね。<BR>完治:えっ?<BR>三上:それじゃ。バイバイ。<BR>リカ:バイバイ。<BR>完治:あ、ちょっと、おい!ちょっと待ってよ。あ、あの、すぐ戻って来るから。三上!<BR>リカ:彼のこと嫌いなの?<BR>里美:嫌いっていうんじゃないけど。三上君といると苛苛するの。<BR>リカ:でも、いいよね。こうやってさ、同級生って今でも会ったりできるのって。<BR>里美:そう言うのないの?<BR>リカ:私の友達ね、皆海の向こうなのよ。<BR>里美:海外に住んでたんだ。<BR>リカ:うん。<BR>里美:私なんかどっちかというと、そういうほうが羨ましいけどな。<BR>リカ:ねえ、電話番号教えて。<BR>里美:うん。3、3、4、6、******<BR>リカ:6、サンキュー。<BR>完治:あ、帰った。</P>
<P>完治:何?<BR>リカ:何?<BR>完治:何って。呼んだから。<BR>リカ:手首の邉婴颏筏郡韦省¥ⅰ⑹驻芜動もしたのかね。<BR>完治:そうだ。昨日のあれ、関口の電話番号だってじゃないか。<BR>リカ:そうだよ。掛けたの?<BR>完治:かけたのって。掛けたの知らなかったから。<BR>リカ:どうだった?<BR>完治:どうだったって。<BR>リカ:どうしたの?<BR>完治:いや、どうしたって。夜待ち合わせしたけど******<BR>リカ:やったじゃん。どこ、どこ?<BR>完治:教えない。<BR>リカ:なんで?ピパパ、もしもし。<BR>完治:ビービービ<BR>リカ:誰と話中なのよ。<BR>完治:教えたら冷やかしに来るんだろう。<BR>リカ:それは行くよ。<BR>完治:だから。<BR>リカ:じゃさ、じゃさ。顔に書いてあげるよ。僕は君が好きだ。<BR>完治:やめろよ。</P>
<P>三上:まだ怒ってるのか?<BR>里美:何?<BR>三上:動くなよ。はい。<BR>里美:ああ。<BR>三上:変わってないな。卒業アルバムのままだ。<BR>里美:どうしたの?<BR>三上:ええ?<BR>里美:急に誘ったりして。<BR>三上:何か問題ある?<BR>里美:だって、今までこんな事なかったじゃない。五年も前からお互い東京にいて。<BR>三上:忘れたからな。忘れたはずだったのかな。</P>
<P>里美:御免、三上君急に来ちゃって。<BR>完治:ああ、いや、いいよ。<BR>三上:悪いな。</P>
<P>リカ:あっ。<BR>部長:赤名、どうした?<BR>リカ:甙嶂肖违去楗氓锥几撙鞘鹿省<BR>部長:甙嶂校拷袢栅伟k表会のか?<BR>リカ:あの、ラケットはさらに在庫があるんですけど、ウエアが全く。<BR>部長:で、事業部には誰もいないか?<BR>リカ:全員会場式になんです。倉庫のほうにサンプルが幾つかあるはずなんですけど。<BR>部長:分かった。うちの連中に連絡取って見る。<BR>リカ:はい。<BR>部長:テニスの発表は何時か?<BR>リカ:九時です。<BR>部長:うん。どうした。<BR>リカ:あっ。<BR>部長:早く行け。<BR>リカ:はい。</P>
<P>里美:はは。<BR>完治:下手くそ。<BR>里美:じゃ、永尾君やってみて。<BR>完治:え、いいよ。俺はバッターみたいびょんびょん飛んじゃうよ。<BR>里美:1、2、3、4、5、あ、凄い。<BR>完治:へへへ。<BR>里美:今度は三上君。<BR>三上:え、俺はいいよ。永尾に花持たしてやるよ。<BR>完治:そんなとげのある花いらねえよ。<BR>里美:三上君。<BR>三上:え?しょうがねえな。その代わり、俺が勝ったら、関口は俺のもんだ。<BR>完治:えっ?<BR>三上:勝っちゃったよ。<BR>完治:ああ、御免。ちょっ、ちょっ、ちょっと。もしもし、あの、永尾ですけど。<BR>リカ:完治!<BR>完治:あ、あの、何かあったんですか。<BR>リカ:今どこにいるの。<BR>完治:ちょっと会社のほうがドライブちゃってさ。わるいけど、ここで。<BR>里美:行っちゃうの?<BR>完治:御免。あと二人でさ。<BR>三上:時間かかるのか?<BR>完治:さあ。<BR>三上:昨日の店にいるよ。仕事が終わったら来いよ。そのほうが関口にもさ。<BR>完治:いいの?<BR>里美:待ってるから。<BR>完治:じゃ、悪いけど。<BR>三上:おう。</P>
<P>三上:永尾がいなくなった途端、黙り込むんだな。高校の頃からそうだった。<BR>里美:怖かったのかな、三上君と二人きりになるのが。<BR>三上:俺のこと、そんなに嫌いだったのか。永尾によろしくな。<BR>里美:帰るの?嫌いなんか、嫌いなんかなれたら、どんなに楽だったろう。五年前、東京に出て来る時、駅までの桜並木を歩きながら思ったの。胸の奥んとこにしがみついて思いで全部ここにおいて行こうって、あんなやつの事なんか全部忘れちゃえって。</P>
<P>里美:もう皆星みたいに変わらない距離でいられたらいいのにな。</P>
<P>完治:ああ、いた、いた、いた。</P>
<P>里美:三上君?<BR>三上:俺ずっと関口にきらがってるばかりおもってた。一番ずるいのは関口お前じゃないか。<BR>里美:だって、三上君あの頃は******</P>
<P>里美:私のことなんか好きじゃないくせに。<BR>三上:俺はな******<BR>里美:聞けないよ、聞けないよ。三上君には私が似合わないで。</P>
<P>リカ:私ね、完治が三上君たちと互いそうに話してるのを見てて、羨ましかった。私小さい時から転校ばっかりしてたし、十代の頃はずっと海外にいたから、昔からの友達っていないんだ。仲良くしてた友達たちも今はどこで、どうしてることか。でも、寂しいわけじゃなくて、例えば、寂しいことがあっても、眠れない夜があってもさ、そんな時はこうやって星空を見上げる。きっと世界中にもこうしてる人が一杯でさ。皆それぞれ一人きり行ったり来たりしてるんだけど。でも、見上げた星空は一つなんだ。</P>
<P>完治:じゃ、また明日。<BR>リカ:もう今日だよ。<BR>完治:あ、そうか。<BR>リカ:そう。<BR>完治:じゃ、また後で。<BR>リカ:寝坊しないように。<BR>完治:目覚しかけて。<BR>リカ:パジャマも着て。<BR>完治:歯磨いて。<BR>リカ:毛布に包まれて。<BR>完治:いい夢見て。<BR>リカ:完治の夢でも見ようかな。<BR>完治:じゃ、俺も。<BR>リカ:じゃ。<BR>完治:じゃ。<BR>リカ:バイバイ。<BR>完治:バイバイ。<BR>リカ:お休み。<BR>完治:お休み。寝坊するなよ。<BR>リカ:それ先言った。<BR>完治:あ、そうか。いい夢見て。<BR>リカ:それも。<BR>完治:そうか。<BR>リカ:なんかこれじゃ、何時まで立っても帰れないね。<BR>完治:はあ。そんな夜もあるよ。<BR>リカ:うーん。じゃさ、こうしょう。せえので一緒に後向くの。<BR>完治:OK.<BR>二人:せえの。<BR>完治:ずるっちいな。<BR>リカ:完治。<BR>完治:何?<BR>リカ:完治。<BR>完治:なんだよ。<BR>リカ:完治。<BR>完治:だから何?<BR>リカ:完治。好き!言っちゃった。悔しいな。<BR>完治:な、何言ってるんだっけ。<BR>リカ:お休み。<BR>完治:ちょっと待ってよ。</P>
<P>完治:はい。<BR>リカ:はい。<BR>完治:あ、只今留守にしております。あの、ご用の方はポストに伝言。<BR>リカ:速達でう。判子ください。お邪魔します。<BR>完治:ね、ここ誰に******<BR>三上:よう!</P>
<P>三上:見たんだってな。<BR>完治:なにを?喋ったのか。<BR>リカ:何もないねここの家。<BR>三上:何も言い訳考えてないんだよ。何から話せばいいんだ。<BR>リカ:ね、グラスどこ?<BR>三上:おう、そんなに不思議なことかよ。何時もの事だろう。俺らしいと思うだろう。<BR>完治:相手が違う。何時もとは違う関口なんだ。あいつはお前の寂しさを癒す為の玩具なんかじゃない。好きでもないのにそんな簡単に******<BR>三上:俺はあいつが好きだ。あいつにそばにいてほしい。世界中たった一人あいつだけを愛してるんだ。なんて言い訳だと納得できるか、な。あいつキスしたら震えてたよ。俺のことよっぽど嫌いなんだな。あれっ、あいつキスしたの初めてだったじゃなかったな。お前まだ手出してないだろう、な。<BR>リカ:お待たせ。お湯わりでいいよね。熱い、ふー。完治?<BR>完治:つまみ買ってくる。<BR>リカ:三上君も飲めば。暖まるよ。<BR>三上:あいつ本気で関口のこと好きなんだな。<BR>リカ:あいつだけじゃないでしょう。本気なんでしょう、三上君も。<BR>三上:永尾とはさ半ズボンはいた頃からの付き合いなんだよ。<BR>リカ:みか、三上君、うそできない。<BR>三上:小学校、中学校、高校、信じられる友達はずっとあいつだけだったよ。なのに俺、あいつが関口のこと好きだって知っててキスした。<BR>リカ:それってそんないけないこと?三上君がキスしたのは完治が好きな里美ちゃんじゃないでしょう。三上君が好きな里美ちゃんなんでしょう。<BR>三上:まさか。永尾に聞いてんだろう、俺は遊びでしか女と付き合わねえ男なんだよ。<BR>リカ:うそ。うそついて、わざと完治怒らせて彼女譲ろうとしてる。<BR>三上:考えすぎだよ。<BR>リカ:あ、そう。<BR>三上:永尾のこと好きなのか?<BR>リカ:うん、好き。<BR>三上:そうか。でも、あいつは関口のことが******<BR>リカ:だから?<BR>三上:そうか。関係ないんだ、な。そんなことは、な。</P>
<P>リカ:お帰り。<BR>完治:あれ、あいつは?<BR>リカ:帰った。<BR>完治:うん。なんか言ってた。<BR>リカ:ううん。<BR>完治:そう。<BR>リカ:よかったね、疑い晴れて。<BR>完治:ええ。<BR>リカ:完治は置いてきぼりされたわけじゃなかったんでしょう、三上君と里美ちゃんに。<BR>完治:どういう意味だよ。<BR>リカ:もうこれで完治は里美ちゃんのことで一杯なんだね。空き部屋なんてこれっぽっちもないんだね。でも、私白旗あげるつもりないから。帰る。<BR>完治:あ、送るよ、駅に。<BR>リカ:いい。<BR>完治:いや、けど。<BR>リカ:いいの。で、明日どうしてる。<BR>完治:ああ、明日ちょっと。<BR>リカ:そうか。じゃ、これあげる。<BR>完治:何これ?<BR>リカ:里美ちゃんと行ってきなよ。じゃね。お休み!<BR>完治:あ、ちょっと、おい!</P>
<P>里美:永尾君好き******<BR>完治:えっ?!<BR>里美:あ、ああ、先薬入れなかった?<BR>完治:ああ、びっくりした。<BR>里美:いやだ。そんな急に好きなんて言わないよ。三上君じゃないだから。<BR>完治:言われたの?<BR>里美:あ、違う、違うの。三上君が皆にそういうふうに言ってるって意味。<BR>完治:ああ。でもさ、あの、あいつがいろんな女の子と遊びまわってるのを俺はなんか認めないって言うか。あいつはあいつでさ******<BR>里美:分かってる、分かってるよ。でも私は三上君みたいな付き合い方できないだろうなと思う。<BR>完治:俺もかな。<BR>里美:私たちって、似てるかも。<BR>完治:さあ、似てるもん同士付き合うか。いや、そうじゃなくて、あの、じゃなくて、そうじゃないこともなくて******俺と付き合ってくれないか?あ、いや、あの、急に何話してるんだろう。<BR>里美:ありがとう。<BR>完治:えっ?<BR>里美:嬉しい。<BR>完治:じゃあ******簡単じゃないもんな。<BR>里美:簡単じゃないから宿題にさせて。</P>
<P>完治:これサンキュー。お礼にさ、何でも奢るよ。<BR>リカ:ほっといて。<BR>完治:ええ?<BR>リカ:私のことよりさ、里美ちゃんのことでも考えてればいいでしょう。<BR>完治:そう言うわけにはいかないよ。君には酷いこと言っちゃったわけだしさ。<BR>リカ:気にしてくれてるの?<BR>完治:やあ、そんなしてるさ、当たり前だろう。<BR>リカ:胸がチクチク痛んだ?<BR>完治:痛んだぞ、それは******<BR>リカ:恋心。<BR>完治:良心。<BR>リカ:好きなんだ、私のこと。<BR>完治:ああ?<BR>リカ:それならそうと早く言えばいいのに。何奢ってくれるの?<BR>完治:俺はさ******<BR>リカ:何でもいい?<BR>完治:はい、何でもどうぞ。<BR>リカ:うんーとね。キャビアでも?<BR>完治:キャ、キャビアでも。<BR>リカ:ホワグラでも?<BR>完治:ホワグラでも。<BR>リカ:じゃさじゃさ。あったかいおでん食べたい。がんもにはんぺん。<BR>完治:はあ、いいよ。<BR>リカ:あ、あ、でも、これ終わらないと。七時過ぎるかもしれない。<BR>完治:あ、いい、待ってるから。俺先に行ってるからさ。あのう、七時にマックスロード。<BR>リカ:あ、はい。<BR>完治:OK!<BR>リカ:うん。<BR>完治:じゃ。<BR>リカ:うん。あ、遅れるかもしれないよ。<BR>完治:え?あ、いい、いい。待ってるよ。待って待って銅像になってまで。じゃね。</P>
<P>ウエイト:いらっしゃいませ。<BR>リカ:コーヒーください。<BR>ウエイト:はい。<BR>リカ:済みません。今何時ですか?<BR>ウエイト:七時三十分です。<BR>リカ:はあ、帰っちゃったかな。</P>
<P>里美:ふん、昨夜な、私ずっと永尾君のこと考えてたんだ。<BR>完治:へえ?<BR>里美:いろいろ思い出しちゃった。高校の頃、私皆から苛められたことがあったじゃない、家のことで。<BR>完治:ああ。<BR>里美:私の家がラブホテル経営してるってこと、クラスの皆に知られて、学校に来たら机の上に嫌らしいなんか刻んでて、私泣きながらかえって。でも、次の日行ったら、ちゃんと消してあって。永尾君、私恥ずかしくて、お礼も言えなかったんだけど、あれ、すごく嬉しかったよ。<BR>完治:ああ、それ、俺じゃないよ。<BR>里美:え?<BR>完治:三上だよ。あいつが放課後、一人で残って、ずっと消してたんだ。うん、関口?どうしたの?<BR>里美:どうしたの?あ、そうだ。返事しなくちゃね。こんな私でよかったら******<BR>完治:出よう。<BR>里美:永尾君。<BR>完治:はあ、俺寄るところあるから、ここで。<BR>里美:どうして?<BR>完治:取り消すよ。<BR>里美:ええ?<BR>完治:付き合ってくれとか言ったあれ。<BR>里美:どうして?<BR>完治:やっぱいいよ。友達のままでいよう。このままでいよう。<BR>里美:永尾君。<BR>完治:それが最高。それ一番いいよ。やすもんだから捨てていいよ。</P>
<P>リカ:完治。よかった。仕事なんて来るの遅れちゃったからさ。完治もう帰っちゃったのかと思った。<BR>完治:ずっと待ってたの?<BR>リカ:結構待ったと思う。私ほら、時計持ってないからさ。時間分からないし。今何時頃?うーん、もうこんな時間。よかった、銅像にならなくて。私が銅像になったらさ、皆待ち合わせに付き合ってくれるかな。忠犬リカだって。はは、帰っちゃおうかなと思ったんだけど。完治奢ってくれるなんて一生に何度あるか分からないしさ。それ逃げしたら、夜枕元に勿体ないお化け出るかもしれないなんてさ。<BR>完治:とにかくどこか店入ろう。<BR>リカ:もうだめ。ここまで。電池切れちゃったみたい。こんなにそばにいるのにね、こんなに遠く見える。なんでかん。来てくれてありがとう。嬉しい、本当だよ。じーんときた。あんなのはなんでかな。一緒にいたいのはなんでかな。</P>
<P>リカ:そうか。そんなこと言ったんだ、完治。<BR>里美:それっきりそのまま何も言わないで帰っちゃったから。それっきり何も手につかなくて。<BR>リカ:そう。<BR>里美:外に好きな子できたのかなあ。<BR>リカ:そんなことないよ。そんなわけないよ。完治いちずだもん。里美ちゃんはさ、里美ちゃんは完治とちゃんと付き合いたいと思ってた?好き?<BR>里美:一緒にいたい。<BR>リカ:好き?<BR>里美:寂しい時、悲しい時一番会いたい。<BR>リカ:好き?<BR>里美:でも、それって好きってことなんでしょう。<BR>リカ:好きは好きよ。あ、完治もうすぐここ来ちゃうよ。会いたくなかったら、今のうち。<BR>里美:ううん、ここで待ち合わせしてるの。先電話で無理言って。<BR>リカ:ああ。<BR>完治:あいつ。<BR>リカ:あ、来た、来た。駄目じゃない、女の子30分待たせちゃ。罰金。<BR>完治:俺、ピザ屋じゃないの。現場立ち会わなくていいわけ?<BR>リカ:完治は?<BR>完治:俺昼休みだもん。ああ、大体なんで二人は?<BR>里美:あ、私が相談にのってもらってたの。<BR>完治:相談?<BR>リカ:さてと、そろそろ二人きりにしてあげようかな。タッチ!似合ってるよ、二人。</P>
<P>里美:私永尾君に甘えてたのかな。私がはっきりしないから、それで永尾君なんか誤解******<BR>完治:いいよぞ。<BR>里美:でも******<BR>完治:今まで通り高校の同級生、同郷の友達それでいいよ。<BR>里美:でも、永尾君が先に言ったんだよ。友達以上なろうとしたのは永尾君が******<BR>完治:俺が先じゃないよ。三上。俺見たんだよ。あの夜関口と三上がキスしてるの。三上言ってた、その時関口泣いたって、俺のことよっぽど嫌いだったんだなって、そう言ってた。俺もそう思った。<BR>里美:そうだよ。そう、私******<BR>完治:けどさ、泣いたのはさ、その時泣いたのはさ、三上が好きだったからなんだろう。<BR>里美:違うよ。永尾君。<BR>完治:一昨日、あの店で私に見せた涙と同じ涙だったんだろう。</P>
<P>里美:はい、関口です。<BR>三上の母:もしもし、三上と申しますが、健一の母です。里美ちゃん覚えてる?<BR>里美:はあ。<BR>三上の母:東京に出てきたんですけど。おり入ってお願いがあるの。時間ある?</P>
<P>リカ:や!随分仕事熱心ですね。<BR>完治:俺は昔から仕事熱心です。邪魔だから、向こう行っててくれませんか。<BR>リカ:振られてじゃん。<BR>完治:振られたんじゃない。<BR>リカ:じゃ、振ったの。<BR>完治:そういう問題じゃない。<BR>リカ:ね、私がいるうちに泣いちゃいな。<BR>完治:ああ?<BR>リカ:お土産にして持って帰ると一人になってから辛いよ。<BR>完治:目玉の中に玉葱擦り込まれたって君の前じゃ泣かねよ。<BR>リカ:相談にのってあげるって。<BR>完治:あなたに相談するくらいなら、こっくりさんに相談します。<BR>リカ:何を、人がせかっく慰めようとしてんのに。<BR>完治:あ、そうですか。<BR>リカ:ね、完治さあ、ねえ!おお、働いています、働いています。永尾完治、失恋の痛手を仕事で誤魔化すかのように。働け!働け!働くんだ!振られちまった悲しみを、破れたハートをエネルギーにして働くんだ。あっと、力儘きたのか。完治、ぼうっとしています。頭の中を描きめぐるのは里美ちゃんの顔か。今里美ちゃんの笑顔が走馬燈のよう******<BR>完治:一人にしてくれよ。<BR>リカ:完治、頑張れよ。元気出せよ。そんなんじゃ。</P>
<P>三上:関口!<BR>里美:電話しても出ないから。<BR>三上:あ、スイッチ切ってたんだよ。月曜までレポート呈示しないと、また留年でさ。昨夜から徹夜だよ。<BR>里美:そう。<BR>三上:うん。やあ、しかし、驚いたな。関口が家に来るなんてな。<BR>里美:あ、違う。勘違いしないで。三上君のお母さんに頼まれたから。お父さん心臓発作だって。<BR>三上:コーヒーでいいか。<BR>里美:すぐ帰ってきてって。お母さんすごく心配してた。とにかく連絡だけでも。<BR>三上:いつものことだよ。帰るの?<BR>里美:用件は伝えたから。<BR>三上:おい、ちょっと待ってよ。<BR>里美:放してよ。そんなつもりできたんじゃない。<BR>三上:どう言うつもりだよ。<BR>里美:放して!<BR>里美:外に、外に何人も付き合ってる子いるんでしょ。<BR>三上:だから軽蔑するのか。近付きもしない、離れもしない。そんな間に俺を縛る資格あるかよ。いつだって俺から逃げてばかりのお前によ。ふん、帰れよ。お前の代わりぐらい幾らでもいるんだよ。出て行けよ、出て行けよ!</P>
<P>完治:はあい。<BR>リカ:私。寝てた?<BR>完治:寝てました。<BR>リカ:元気?<BR>完治:こんな時間に元気なのは君とコンビ二ぐらいなもんだよ。<BR>リカ:残念、私も元気ないのでした。<BR>完治:なんで?<BR>リカ:完治が元気ないから。後悔してる?里美ちゃんとのこと。<BR>完治:全然してないとは嘘なんだろう。取り敢えずO.K.してくれたのを、こっちから締めたんだからさ。<BR>リカ:そこが完治のいいと子だよ。里美ちゃんの気持ち一番に考えて上げて。<BR>完治:そんな立派なもんじゃないよ。ただ振られたってだけ。<BR>リカ:恋愛はさ、参加することに意義があるんだから。例え駄目だったとしてもさ、人が人を好きになった瞬間って、ずっと、ずっと残っていくものだよ。それだけが、生きていく勇気になる。暗い夜道を照らす懐中電燈になるよ。<BR>完治:ふん、そんな慰めんなよ。<BR>リカ:頑張れ、私も頑張る。<BR>完治:ああ。<BR>リカ:大丈夫だよね、あの二人。里美ちゃんと三上君。<BR>完治:三上だって、いつまでもあんな女の子と遊んではかりいないでさ、ちゃんと関口のことだけ考えてなれるさ。<BR>リカ:うん。<BR>完治:あ、そうか。これから二人応援しなきゃいけないんだもんな。うまくいくきっと。<BR>リカ:うん。</P>
<P>完治:勝手に人の机座んなよ。<BR>リカ:うーんと、失恋の傷はもう癒えたかな。<BR>完治:少し癒そうと思ったが、大きな間違いだよ。<BR>リカ:ねえ、今夜暇でしょう。<BR>完治:勝手に決めんなよ。<BR>リカ:この前のさ、10倍で返すってあれ。<BR>完治:ああ、いいけど。あのほら、俺もさ、何だかんだ******<BR>リカ:いいの?いくないの?<BR>完治:はい、はい。<BR>リカ:はいは一回で欲しい。<BR>完治:はい、はい、はい、はい。<BR>リカ:可愛くないなあ。<BR>完治:君に可愛いなんて思われたくありません。<BR>リカ:ああ、可愛い、可愛いなあ。だって******<BR>完治:会議。たく、君と話してるといつまで立っても、時間立つの忘れちゃうよな。<BR>リカ:本当?<BR>完治:ああ?<BR>リカ:今言ったの。<BR>完治:何か言ったか。</P>
<P>リカ:あれっ、女の子と一緒だ。完治!<BR>三上:おう、永尾。<BR>完治:どういうつもりなんだよ。<BR>三上:えっ、何でそんなまじな顔して。<BR>リカ:ね、ね、向こう行こう。ね、ね、向こう行こうね。<BR>三上:ええ?<BR>尚子:あ、でも。<BR>リカ:あ、こっち空いてる、どうぞ。<BR>尚子:なんなんですか。<BR>リカ:ああ、放っとけないんだよ。普通、自分振った子のことなんかどうでもいいと思うにのね。<BR>尚子:あなた、彼の彼女?<BR>リカ:私?うん。<BR>三上:お前もやるよな。関口泣かししまうんだから。可哀そうによ。永尾に振られたって言ったよ。<BR>完治:あいつはお前のことが好きなんだよ。<BR>三上:分かってる。<BR>完治:そうだったら、はっきりしろよ。ちゃんとあいつのこと考えてやれよ。<BR>三上:考えてるさ、あいつが逃げなきゃとっくにそうしてるさ。<BR>完治:それはお前がいつまで立っても外の女と遊びまわってるから、だから******<BR>三上:いいのかよ。<BR>完治:ええ?<BR>三上:いいのか。俺が外の女切って関口の気持ち受け止めても。<BR>完治:俺がお節介するようなことじゃねえだろう。<BR>三上:意気張るなよ。取り消すなら、今のうちだぞ。そうか、今度会う時はもうあのごろとは違うからな。</P>
<P>完治:あ、じゃ、俺こっちだから。<BR>リカ:え、もう?10間行く約束でしょう。<BR>完治:分割にしてくれ。じゃ。<BR>リカ:家へ遊びにお出でよ。<BR>完治:へえ?<BR>リカ:どうぞ。ふー、どうしたの?入りなよ。<BR>完治:いや、やっぱ帰ろう。<BR>リカ:なんで?<BR>完治:いや、醉ってたみたいだし。あの、一応送って来ようってだけだから。<BR>リカ:もしかして、完治******<BR>完治:何?<BR>リカ:大丈夫だよ。完治が襲いかかってきたら、私ちゃんと大声出すから。<BR>完治:あのなあ******<BR>リカ:なんだら、ポケットにピストル隠しとこうか。<BR>完治:はあ、お邪魔します。<BR>リカ:どうぞ。適当座っちゃってて。<BR>完治:うん。<BR>リカ:あああ。<BR>完治:あ、あ、悪い。<BR>リカ:もうちょっとで出来上がるとこだったのに。<BR>完治:あ、あの、いいじゃ。ほらあの、これでさ、もう一回楽しめるよ。<BR>リカ:それ終わるまで、一歩たりともここから出せないからね。ねえ、ちょっと罪の意識感じてる?楽しんでやってない?<BR>完治:こんな夜中に人の家でパズルやってる馬鹿いるか。<BR>リカ:やるじゃん。<BR>完治:うん。こういうの得意なんだよ。<BR>リカ:なんか食べる?作って上げるよ。<BR>完治:料理できる?<BR>リカ:当たり前でしょう。<BR>完治:うん?<BR>リカ:可愛い。そんなことに熱心な顔してやって。<BR>完治:じゃ、止めようか。<BR>リカ:いいの、いいの。はい。あ、違う。ちが、ちが、これっ、こっちだよ。<BR>完治:ああ。<BR>リカ:違うって。それはね、こっち、こっち。あ、ちが、何やってるの?<BR>完治:うるせなよ、いちいち。俺やってるなら、黙っていろよ。<BR>リカ:これ私のだもん。<BR>完治:あ、そうだっけ。<BR>リカ:あ、いやだ、いやだ。こんなやつと同じ空気吸ってると思うと、いらいらするわ。息止めてようっと。<BR>完治:勝手にしろよ。<BR>リカ:勝手にします。はあ、はあ。<BR>完治:本当に止めてたのか。<BR>リカ:うん。何を?完治?<BR>完治:うん。<BR>リカ:本当は所は里美ちゃんのことまだ好きなんでしょう。<BR>完治:そんなことねえよ。<BR>リカ:そんなことあるよ。じゃなかったら、三上君がほかの子といてもあんなに一生懸命なんない。<BR>完治:この間と全然言ってること違うんじゃないかよ。<BR>リカ:だって、悔しいんだ。<BR>完治:ああ?<BR>リカ:全然諦めてない。<BR>完治:諦めるとか、諦めないとかの問題じゃないんだよ。<BR>リカ:じゃ、どういう問題?<BR>完治:君には関係ないんだろう。<BR>リカ:あ、そう。もういいじゃん。さあ、あと一息だ。頑張ろう。あれ?最後の残りがないの?<BR>完治:どこか、その辺転がったよね。<BR>リカ:ないよ。<BR>完治:しょうがないなあ。あと一個なのに。<BR>リカ:はあ、ああ。</P>
<P>三上:仱欷琛<BR>里美:お節介かもしれないけど、一度家帰ったほうがいいと思う。<BR>三上:今さらあんな町に帰ろうかよ。<BR>里美:嫌いなの?<BR>三上:生まれた町なんて好きじゃないさ。俺が家を出た後、親父養子をとったんだ。だから、俺には帰る場所がないんだよ。関口、俺のそばにいて欲しい。まあ、返事はいつでもいいよ。五年も待ったんだからな。<BR>里美:私ね、ずっと思ってたの。三上君に好きって言う途端、あの頃の私たちはどこか遠くへ行っちゃうな、そんな気がしてたの。だから******<BR>三上:いいんだよ。それでいいんだよ。昔の事なんか全部忘れちまえ。<BR>里美:いいの?<BR>三上:うん?<BR>里美:本当いいの?三上君のこと好きになっても。<BR>三上:信じてくれよ。なんて言っても無理か。これでいいだろう。もうお前だけだ。<BR>里美:もういいから。分かった******</P>
<P>渡辺:やあ、今日昼ご飯何食べおうか。<BR>完治:あ、何でもいいよ。<BR>渡辺:何でもいいってことねえだろう。眠そうだね。<BR>完治:えっ?<BR>リカ:お早う!<BR>渡辺:おう、お早う!<BR>リカ:ねえ、パズルの残り1個ね、まだ見つからないんだよ、まだ。<BR>完治:ああ。<BR>リカ:ねえ、また遊びに来てね。こうなら、今度はまたちゃんとした料理作ってやるからね。じゃ、お先。<BR>完治:何言ってんだろうな、あれね。<BR>渡辺:へへへ。で、お前あいつ家行ったの?<BR>完治:ああ、行ったっつかな。<BR>渡辺:じゃ何?やった?</P>
<P>同僚1:永尾さん、7番にお電話です。<BR>完治:はい。お電話変わりました、永尾です。<BR>三上:三上だけど。お前との約束、ちゃんと果たしたから。<BR>完治:約束?<BR>三上:あ、先関口が帰った。<BR>完治:お前******<BR>三上:関口と寝た。安心しろ。これから、ちゃんとあいつと付き合って******<BR>同僚2:永尾さん、大変なんです。渡辺さんと赤名さんが******<BR>完治:えっ?<BR>渡辺:いてっ!何するんだよ。<BR>リカ:今ここは崖っ淵だってあんたそんな顔してたよ。</P>
<P>渡辺:あ、悪かったな。<BR>完治:へえ?<BR>部長:永尾。<BR>完治:はい。<BR>部長:飯まだか。<BR>完治:はい。<BR>部長:先のあれはな、全面的に渡辺が悪い。<BR>完治:何があったんですか?<BR>部長:赤名が近くにいるの知らないでな、こそこそ噂話してた。<BR>完治:ああ。<BR>部長:見境なしに誰とでも寝る女だっていったらしい。しかしなあ、あいつが怒ったのはそのことじゃないんだ。<BR>完治:ええ?<BR>部長:永尾、お前を被ってあいつ怒ったんだよ。<BR>完治:へえ?僕のことで?<BR>部長:うん。渡辺がな、お前のことを、あんな女と寝るなんて馬鹿だとかなんだとか。そしたらあいつ、私のことで何言ようも勝手だけど、完治のこと侮辱するのは許さないだって。</P>
<P>リカ:あああ。<BR>完治:悪かった。俺のために。<BR>リカ:別に完治のためじゃないよ。自分のためにしたこと。そんなの人のせいにしてたら、やり切れないよ。<BR>完治:けど、なんか元気ないみたいだし。<BR>リカ:そんな。何時も、何時もあたしたって元気なわけじゃないもん。やってらんないなんて時もある。どんなに元気な歌聞いてもバラードに聞こえる夜もある。<BR>完治:リーカ、俺君みたいに人元気にさせる方法知らない。こんな時なんて言えばいいんだ。<BR>リカ:僕は君が好きだ。ラブじゃなくていい、ライクでいいからさ。嘘でもいい。それでファイト出るからさ。<BR>完治:好きだ。<BR>リカ:どのぐらい。<BR>完治:このぐらい。<BR>リカ:そんなもん。<BR>完治:こーのぐらい。好きだ。<BR>リカ:嘘つき。ねえ。<BR>完治:うん?<BR>リカ:セックスしよう。</P>
<P>リカ:お早うございます。<BR>完治:あ、お早う******<BR>リカ:すごい早起き。ラジオ体操でも行くの。コーヒー出るね。<BR>完治:あ、いいよ、いいよ。<BR>リカ:いくない。外寒そうだね。<BR>完治:うん。<BR>リカ:雪でも降ったかな。<BR>完治:うん。<BR>リカ:もう夏だね。<BR>完治:うん。<BR>リカ:水着買って海行かなきゃね。<BR>完治:うん。<BR>リカ:完治って馬鹿だね。<BR>完治:うん。<BR>リカ:私って可愛いね。<BR>完治:ううん。<BR>リカ:どうした。<BR>完治:ええ。<BR>リカ:ぼうっとしている。<BR>完治:別に。<BR>リカ:後悔してるんでしょう。<BR>完治:何を?<BR>リカ:私とこんななっちゃって。<BR>完治:こんなんなっちゃってって?<BR>リカ:里美ちゃんのことを思い出した?<BR>完治:あん?<BR>リカ:私抱いてる時。<BR>完治:ええ?<BR>リカ:ええと言って、完治は分りやすい。<BR>完治:馬鹿なこと言うなよ。<BR>リカ:はーい。</P>
<P>完治:元気だな。<BR>リカ:何時もだよ。<BR>完治:だから、全然何時もと変わらないんだな。<BR>リカ:何か問題ある?<BR>完治:いや。どうした?<BR>リカ:私電車一本遅らすから。<BR>完治:なんで?<BR>リカ:二人で手つないでちゃまずいでしょう。服同じだしさ。<BR>完治:ああ、そうか。随分樌れているな。<BR>リカ:うん?<BR>完治:いや。</P>
<P>部長:永尾、ちょっと来てくれ。<BR>完治:あ、はい。<BR>完治:新製品ですか?<BR>部長:うん。<BR>完治:いいですね。<BR>部長:ただ、この分野に関してはうちは他社に比べて遅れてるからな。売り込みはかなりきついぞ。<BR>完治:はい。あ、でも、このデザインだったら、あの、ガンガン発注できますよ。<BR>部長:おう、まあ、小売店のほうはなんとかなるだろう。問題は大手のしょうちょくだよ。おう!赤名。<BR>リカ:はい。<BR>部長:三月からのイベントはこいつが便利、それは赤名に聞いて。売り込み頼んだぞ。<BR>完治:は、はい。<BR>部長:じゃ、頼むぞ。<BR>完治:はい。<BR>リカ:はい。<BR>完治:君家にさ、腕時計忘れてきちゃったみたいでさ。<BR>リカ:時計?うん、分った。探しとく。いい気にこんなの作られてもさ。売るほうとしたら、大変だよ。<BR>完治:そのほうがやりがいあるよ。<BR>リカ:あ、ね、アルペンススポーツだったら、私コネあるから紹介してあげる。<BR>完治:あ、いいよ、そんなもん。<BR>リカ:うん、大丈夫。この間ね、イベントで知り合ったんだけど。あそこのちょっとハンサムな主任、私に気があるんだわ。一回焼肉でも付き合ってあげればさ******<BR>完治:いいってんだろう。<BR>リカ:怒ってる?<BR>完治:怒ってないよ。<BR>リカ:もしかしてさ、完治さ******<BR>渡辺:はあ******</P>
<P>リカ:責任取らなきゃとか、そんなこと思ってたわけ?もう笑っちゃうな。<BR>完治:へえ?<BR>リカ:あのね、教えてあげる。完治は田舎から出てきたばかりだから、知らないかもしれないけど。東京の女の子って、そう言うこと全然気にしないんだよ。東の空からお日様が昇った瞬間に夜の事なんか全部忘れちゃうの。<BR>完治:えっ、冗談だろう。</P>
<P>主任:こっちの売り場はね、そう広いわけじゃないから。<BR>完治:初めは少しずつでも置いて頂ければ、あの、他社に決して負けない売り上げを出す自信があります。<BR>主任:どこもそう言うんだよね。<BR>完治:あ、いえ、あの、商品に関して徹底して******<BR>職員:主任、お電話が******<BR>主任:おう。と言うわけなんだ。<BR>完治:あ、はあ、あの、また伺います。<BR>主任:あ、君!<BR>完治:はい。<BR>主任:今度来る時はさ、お宅の会社のほら、赤名リカ君だっけ、彼女を寄越しなさいよ。</P>
<P>リカ:はい、もしもし。<BR>完治:永尾だけど。<BR>リカ:完治?<BR>完治:寝てたって聞くんだよな。<BR>リカ:ううん?<BR>完治:大体さ、何時もこのぐらいの時間掛けてきてさ、定期便で。<BR>リカ:今日は掛けなかったよ。<BR>完治:だから、夜中に電話掛けられたあの気持ちを思い知らせやろうと思ってさ。<BR>リカ:うそだ。本当は私の声が聞きたかったんでしょう。<BR>完治:馬鹿言うなよ。<BR>リカ:じゃ、どうして?時間潰し?<BR>完治:あ、はあ、今日アルペン行ってきた。<BR>リカ:あ、どうだった?<BR>完治:あ、それはもう、順調、順調。あのう、君の手なんか借りる必要全くなし。あの、猫の手ほどの価値もないかな。<BR>リカ:あ、そう。<BR>完治:何か関係あるの?あそこの主任と。<BR>リカ:関係って?<BR>完治:いや。だから******<BR>リカ:なあに?<BR>完治:いや。あ、そう。あの、俺の時計探してくれた?<BR>リカ:あ、うん。だって完治が初めて私にくれたプレゼントだもん。<BR>完治:勝手に決めんなよ。<BR>リカ:お守りにするの。あ、もうこんな時間な、寝ようっと。<BR>完治:ちょっと、おい、猫ばばする気かよ。<BR>リカ:どうせ、私は猫の手以上ですよ。</P>
<P>三上:よう!<BR>尚子:今頃レポートの件、貸せって、女の子と遊んでばかりいるからね。いっつも。<BR>三上:あれ、焼いてるの?<BR>尚子:冗談言わないでよ。私は******<BR>三上:いや、別にどうでもいいけど。座らないか?あ、そうだ。解剖学のノート取ってない?<BR>尚子:今持ってないけど。<BR>三上:あ、そう。<BR>尚子:何を?<BR>三上:ついででいいからさ、家にノート持ってきてくれないかな。<BR>尚子:あきれた。よくそんな自分の都合のように考えられるわね。<BR>三上:あ、じゃ、俺が君家取りに行こうか。お父様叱られちゃうから。はあ、君しか頼めるやついないんだよ。</P>
<P>三上:欧りたかったら、欧ってもいいぞ。<BR>完治:何言ってんだよ。俺がいつまでも落ち込んでると思ってるわけ?ふざけるなよ。俺は******それよりもお前があんな電話してくるからこっちはあの、ちょっと。<BR>三上:うん?<BR>完治:あ、いえ、いえ。<BR>三上:永尾。<BR>完治:うん?<BR>三上:関口のこと好きか?<BR>完治:あ、そんないつまでも******<BR>三上:そうじゃないよ。友達として。あの頃と同じようにさ。<BR>完治:当たり前だろう。あ、この頃だって、あいつはちゃんと******<BR>三上:なら、三人で会えよな。<BR>完治:へえ?<BR>三上:俺と関口のこと、祝福してくれるよな。</P>
<P>完治:今日は。<BR>主任:おう。この前の。<BR>完治:ハートスポーツの******<BR>主任:あ、はあ、O.K.<BR>完治:先日は、あの、受注の件で難しいとお伺いしたんですが。あの、是非もう一度お話だけでも******<BR>主任:あ、そうだね。え、じゃ、上の事務所とこで。<BR>完治:ありがとうございます。<BR>主任:お宅のほら、赤名リカ君から連絡あってね。まあ、話ぐらいは聞きましょう。<BR>完治:はい。</P>
<P>リカ:うん?<BR>完治:アルペンに電話したか?<BR>リカ:うん。<BR>完治:余計な事するなよ。<BR>リカ:電話しただけだよ。<BR>完治:口出すなって断わっただろう。<BR>リカ:ああ、はあ、ありがとう。それでどうだった?<BR>完治:どうだったって。まあ、御蔭で、取っ掛りついた。<BR>リカ:よかった。<BR>完治:よかったって。<BR>リカ:ねえ。<BR>完治:あのさ。<BR>リカ:うん?<BR>完治:あ、やっぱりいいや。<BR>リカ:何?気になる。そう言うの絶対気になる。<BR>完治:いや、今度の休み暇?<BR>リカ:デート?<BR>完治:いや、関口と三上と三人で会う約束してんだけどさ。<BR>リカ:うん、そうじゃ辛いから私に相手に入れって事?<BR>完治:そうは言ってねえだろう。<BR>リカ:そうでしょう。<BR>完治:だったらいいよ。君には頼まないよ。<BR>リカ:この間ね、里美ちゃんに会ったよ。<BR>完治:あ、そう。<BR>リカ:里美ちゃん今三上君と付き合ってんだね。知ってた?<BR>完治:知ってた。<BR>リカ:そうか。知ってたんだ。それはそうだよね、道理で。<BR>完治:なんだよ。<BR>リカ:別に。<BR>完治:言えよ。気になるんだろう。<BR>リカ:里美ちゃんの事があったからあの夜私と寝たんでしょう。寝なきゃね。うん、これではっきりした。これであの夜の事お互いちゃらだね。<BR>完治:勝手に決めんなよ。<BR>リカ:せいせいしたでしょう。私はしたよ。<BR>完治:うそだろう。<BR>リカ:うそじゃない。本当だよ。決まってんじゃん。付き合ってあげてもいいよ。<BR>完治:ええ?<BR>リカ:里美ちゃんと会うんでしょう。私が中和剤になってあげる。</P>
<P>完治:もう本気なんだ。<BR>三上:ああ。彼女のことどう思う?お前のこと好きなんだろう。<BR>完治:揶揄ってるだけだよ。<BR>三上:そんな女じゃないだろう。<BR>完治:遊びなんだってさあ。そんなふうに言われたらどうしようもないじゃないか。<BR>三上:ええ、好きなのか。<BR>完治:ああ?<BR>三上:俺にはそう聞こえたよ。<BR>完治:まさか。そ、そんな事考えたこともなかったよ。<BR>三上:おお、あ、そう。<BR>完治:なんだよ。</P>
<P>リカ:今日さ、また一回も完治と口きいてないでしょう。<BR>里美:うん。私のこと軽蔑してるようにね。<BR>リカ:どうして?<BR>里美:永尾君のことでいろいろ相談してたの。<BR>リカ:あ、振っちゃったこと?<BR>里美:はあ、でも、そう見えてもしようがないのかな。<BR>リカ:大丈夫だよ。完治ね、そんなことで冷たくなるような男じゃない。<BR>里美:うん。だから余計に。<BR>リカ:そうだね。いっそのこと冷たくしてくれた方がいいかもね。<BR>里美:どんな顔で話せばいいのか。<BR>リカ:こんな顔。<BR>里美:無理。<BR>リカ:でもさ、里美ちゃんが暗い顔してると、完治余計悩んじゃうよ。<BR>里美:うん。<BR>リカ:あいつ優しいから。<BR>里美:うん。<BR>リカ:だからさ、笑顔で会って、もう一度友達に戻れるなら、それが一番いいよ。それしかないよ。<BR>里美:うん。そうだね。なんかリカさんが一番永尾君のことよく分かってるみたい。<BR>リカ:そう?<BR>里美:うん。リカさんと一緒にいる永尾君が私の知ってる永尾君の中で一番元気。<BR>リカ:喧嘩してるだけ。</P>
<P>完治:関口。<BR>里美:何?永尾君?<BR>完治:三上はお前のこと本気で好きだよ。はあ、あ、なんかこれでやっとかたがつきましたって感じ。あ、幸せになれよ。本当言うとさ、三上に泣かされてるんじゃないかなって、結構心配してた。<BR>里美:まだ大丈夫。<BR>三上:おい、まだってなんだよ。あ、そうだ。来週の日曜日にさ、引っ越しの手配したから。<BR>完治:うん?で、三上引っ越すの?<BR>三上:あ、こいつの家にな。<BR>里美:あ、でもまだ。<BR>完治:あ、よかったな。<BR>三上:で、そっちはどうなんだよ。<BR>完治:え?どっち?<BR>リカ:こっちも順調だよ。<BR>完治:ああ?<BR>リカ:相性いいよね。昼も夜も。<BR>完治:冗談よせよ。<BR>リカ:冗談?<BR>完治:そうだよ。俺とお前なんの関係もないんだからさ。</P>
<P>リカ:じゃね、お休み。<BR>三上:お休み。<BR>里美:お休み。<BR>三上:お前ら******<BR>完治:何?<BR>三上:いや、いいや。<BR>里美:永尾君、じゃ。<BR>完治:あ、じゃ。</P>
<P>完治:あ、おい、帰んないのかよ?<BR>リカ:完治?<BR>完治:うん?<BR>リカ:どうするの?里美ちゃんのこと。<BR>完治:何?俺はもう全然さ。<BR>リカ:好き******なんだね。<BR>完治:さっきのはさ、悪かったと思ってるよ。ただ、なんか急にああ言うふうに言われるとさ、なんか焦ると言うか。別にさ、関口のことはどう******<BR>リカ:いいよ、別に。<BR>完治:はえ?<BR>リカ:私だってさ、ちょっとむしゃくしゃしたから、完治と寝ただけだし。別に愛とかがあったわけじゃないもん。<BR>完治:嘘だったのか。<BR>リカ:ええ?<BR>完治:嘘だったのか。今まで俺のこと揶揄ってただけなのか。<BR>リカ:そうだよ、完治。私が好きって言うと、焦たりしてさ。ああ、楽しかった。どうしたの?どうしてそんな悲しそうな顔するんだよ。<BR>完治:遊びに寝る女なのかよ。テニシューズの契約あって。<BR>リカ:ええ?<BR>完治:あいつと寝て仕事取ったんじゃないのかよ。<BR>リカ:なに言ってるの?何言ってるの?帰る。<BR>完治:待ってよ。まだ話し終わってないんだよ。<BR>リカ:なんの話?私は誰と寝ようと勝手でしょう。ほっといてよ。<BR>完治:ほっとけないよ。<BR>リカ:可笑しいよ。言ってることめちゃくちゃだよ。私たち関係ないじゃん。完治何時もそう言うじゃん。<BR>完治:それは******<BR>リカ:私と完治は関係ないんだよ。完治は優しいから私のこと心配してるだけなんだよ。もういいよ、忘れよう。<BR>完治:へえ?<BR>リカ:何時だっけ?あ、そうだ、空港で会ったんだ。そう。あの時から今夜までのこと、全部忘れよう。<BR>完治:そんな簡単に******<BR>リカ:振り出しに戻してさ。思い出全部ちゃらにしよう。お休み。じゃね。バイバイ。<BR>完治:待ってよ。<BR>リカ:待たない。</P>
<P>里美:三上君?<BR>三上:何?<BR>里美:どうして言ったの?永尾君に。一緒に住むって。<BR>三上:またかよ。<BR>里美:だって******<BR>三上:永尾の前では綺麗なままでいたいってことか。<BR>里美:そんなんじゃ******<BR>三上:俺にはあんな笑顔見せたこともなかったぞ。<BR>里美:ええ?<BR>三上:お前な******はい。<BR>尚子:どうぞ。勘違いしないでね。私はただあなたが留年する******うーん平静ね。こういうことよくあるんだ。<BR>三上:ありがとう。悪いんだけどさ、今日帰ってくれるかな。このお礼はまと今度必ず******<BR>尚子:馬鹿にしないでよ。<BR>三上:教えてやるよ。どうして俺が永尾にあんなこと言ったか。お前の気持ちがな、お前の気持ちがまだ永尾に残ってるからだよ。</P>
<P>完治:いかがでしょうか?<BR>主任:中島君。<BR>中島:はい。<BR>主任:十一番の棚の上あれ出てないだろう。<BR>中島:え、空いてますよ。<BR>主任:あ、空けとけ。<BR>中島:はい。<BR>主任:ハートスポーツさんが引っ越してくる。<BR>中島:分かりました。<BR>完治:それでは******<BR>主任:君には通ってもらったからな。交通費代わりだよ。あと、赤名君からの強い推薦もあったし。彼女は優秀だよ。多少気は強いお固いけどな。<BR>完治:はあ?<BR>主任:今回の件で、彼女と電話でさ、代わりに一杯付き合って言ったんだよ。今、好きな人のことで頭が一杯だってさ。</P>
<P>部長:本当か。<BR>完治:はい、来週から合わせといてもらえることになりました。<BR>部長:そうか。よーし。よかった。どうした?なんか不利な条件でも出されたか?<BR>完治:あ、いえ。<BR>部長:ならそんな暗いするなよ。お前が入社以来の初めの手柄だ。<BR>完治:僕だけの力じゃないんです。赤名の助けもあったのことで。<BR>部長:ああ、そうか。よし。じゃ、今夜赤名も交えて飲みに行こうか。<BR>完治:あ、それが******</P>
<P>リカ:ただいま、完治。<BR>完治:なんだよ。出張へ行くんだったら行くって一言言えな。<BR>リカ:なんで部長でもないあんたにいちいち断わらなきゃいけないのよ。<BR>完治:あ、そうかよ、そうかよ。何だ人がせっかく心配しちゃったのに。<BR>リカ:うーん、心配してたんだ。<BR>完治:だ、だから、ほらあの、胸騒ぎするから。<BR>リカ:病院行った方がいいんじゃない。<BR>完治:心臓病じゃないよ。ああ、ちょっと、もしもし。<BR>リカ:はい。もしもし。<BR>完治:あ、例のあのテ二シューズの件うまくいった。<BR>リカ:あ、そう。<BR>完治:君のお陰。<BR>リカ:完治世渡り下手だからさ。あたしがなんとかしてあげなくちゃさ。<BR>完治:お前に言われたくなんかによ。<BR>リカ:そう。ほら。ぶかぶか。<BR>完治:うそばかり。お前がそれ持ってる限り忘れるなんてできないじゃないかよ。<BR>リカ:だって、今ならまた好きって言った時と同じ気持ちでさよなら言えるんだよ。そんなに私のこと好きなんだ。うーん、知らなかったなあ。あ、そう。けどね、あたしの気持ちってものもあるし、そう簡単には両思いにはなんないよ。<BR>完治:頑張る。<BR>リカ:夜中に寂しい時飛んできてくれる?<BR>完治:飛んでいく。<BR>リカ:ヒマラヤの天辺から電話したら、迎えに来てくれる?<BR>完治:迎えに行く。<BR>リカ:暖かいおでん持ってくれる?<BR>完治:屋台ごと持って行く。<BR>リカ:ビートリズのコンサート、家で開け来たいって言ったら?<BR>完治:連れてくる。<BR>リカ:ジョンはどうするの?<BR>完治:俺が代わりに歌う。<BR>リカ:魔法つけて、この空に虹掛け照って言ったら?<BR>完治:それはできないかもしれないけど。<BR>リカ:じゃ、だめだ。<BR>完治:でも、魔法だったら使える。<BR>リカ:どんな?</P>
<P>リカ:好き?好き?<BR>完治:ああ。<BR>リカ:愛してるって言って。<BR>完治:愛してる。<BR>リカ:名前付けて言って。<BR>完治:愛してる、リカ。<BR>リカ:愛してるよ、完治。<BR>完治:あ、そうだ。あの雪だるまサンキュー。<BR>リカ:うん。手冷たかったんだよ。完治?<BR>完治:うん?<BR>リカ:私ね。ずっと思ってだよ。完治は絶対私のこと好きになるって。<BR>完治:よく言うよ。</P>
<P>三上:あの二人似合ってるよな。<BR>里美:ええ?<BR>三上:永尾にはさ、ああ言う子が向いてるよな。<BR>里美:ああ、うん、うん。そう思う。御免なさい、私が******<BR>三上:あ、もういいよ。謝るなんて永尾のこともう関係ないんだからさ。里美?<BR>里美:何?<BR>三上:俺にはお前しかいない。お前にも俺しかいない。忘れるなよ。はあ。<BR>里美:忘れない。</P>
<P>リカ:シーンとしてるね。<BR>完治:うん。<BR>リカ:あ、はは。<BR>完治:この野郎。はあ、ああ、冷たい。なあ、もう寒いから帰ろうよ。<BR>リカ:ううん。もうちょっといるんだもん。完治?<BR>完治:うん?<BR>リカ:昨日の夜ねえ、私の夢に完治出てきたよ。<BR>完治:へえ?<BR>リカ:完治の夢にも私が出てきた。<BR>完治:ああ、いや。オムライス腹一杯食う夢見た。<BR>リカ:そう。夢の中でね。フォークダンス踊ってるの、私。<BR>完治:へえ?<BR>リカ:みんなでこうまるくなって踊ってるの。ねえ、今まで付き合った人と順番に踊ってるの。<BR>完治:何人ぐらい?<BR>リカ:内証。完治驚くから。うそ、うそ。そんな一杯じゃない。それでね、それでね、次完治の番になったの。<BR>完治:うん。<BR>リカ:やっとかと思って手伸ばしたら、そこで音楽終わっちゃった。いなくなっちゃったんだよ、完治。で、寂しくて泣いたんだよ。そんなのによく完治そんな時にオムライスの夢なんか見てられるね。<BR>完治:だって、そんなの******<BR>リカ:踊ろう。<BR>完治:へえ?<BR>リカ:夢の続き。ねえ。えーとね。せえの。<BR>完治:うん?<BR>リカ:もう一人になりたくないよ。もうほかの誰かじゃいやだよ。<BR>完治:もう離さない。</P>
<P>部長:それじゃ、Aランチ二つ。なんか飲むのか。<BR>リカ:いいです。<BR>部長:そう。それと僕にオレンジジュースして欲しい。<BR>リカ:ふふん。<BR>部長:うん?<BR>リカ:変わってない。ご飯食べながらジュース飲むとこ。子供みたい。<BR>部長:上司を揶揄うんじゃないよ。<BR>リカ:はーい。はいっ?<BR>部長:いや。その、なんだ、やっぱり付き合ってるのか?<BR>リカ:へえ?<BR>部長:いや、だからさ、その永尾と。<BR>リカ:はい。<BR>部長:あ、そうか、そうか。<BR>リカ:部長そう言う話してる時本当照れ屋。<BR>部長:うるせよ。どうだ、ずっと付き合っていけそうか?俺を安心させてくれるか?<BR>リカ:安心?父親みたい。<BR>部長:父親だよ。<BR>リカ:何時だって思ってます。これが最後の恋だって。和賀さんの時もそう思ってました。<BR>部長:お世辞でも嬉しいよ。</P>
<P>リカ:完治の家ってさ、蜜柑だけはやたらにあるよね。美味しいけど。<BR>完治:実家から送ってくるんだよ。<BR>リカ:愛媛だもんねえ。<BR>完治:うん。<BR>リカ:完治の生まれた町か。ねえ、どんなとこ?<BR>完治:いや、どんなとこってさ。<BR>リカ:うん。<BR>完治:うーん、あ、確か写真会ったよ。<BR>リカ:うん、見る、見る。<BR>完治:あ、これ、これ、これ。じゃん。やれ、ああ、これ、これは。<BR>リカ:はあ、何、これ?<BR>完治:これは、これは。<BR>リカ:見っちゃったよ。<BR>完治:なんだこれ。<BR>リカ:うん、おう、田舎。<BR>完治:ええ、悪かったな。<BR>リカ:でも、そう言うとこ好き。<BR>完治:うん。<BR>リカ:うーん、あ、ねね、これ、これどこ?<BR>完治:あ、小学校。俺が通ってた。うん。<BR>リカ:ああ、ここで完治勉強してたんだ。<BR>完治:いや、勉強って言うか、遊んでばかりだったけどね。<BR>リカ:うん、どんな遊び?<BR>完治:うーん、罐蹴りとか。あと秋千でさ、誰が一番漕げるとかさ。あ、あとね、裏山でさ、探検ごっことかもしたな。<BR>リカ:うん。<BR>完治:秘密基地作って、宝もん隠したりしてさ。<BR>リカ:宝物って?<BR>完治:いや、ラムネの空き瓶とね。あの、夏祭りで買った綿飴の棒とか。<BR>リカ:ははは。<BR>完治:いや、今考えればさ、何これってもんなんだけどさ。うん。静かな町でさ。雲がぷつんと切れる音まで聞こうえてきそうでさ。あ、空なんかさ、クレオンで塗ったみたいにまっつ青なんだよ。で、夏休みになると、盆踊り大会このグランドであってさ。<BR>リカ:うん。<BR>完治:で、俺なんか浴衣着て、金魚すくいやったり、あと花火あげたりしてた。<BR>リカ:いいね。<BR>完治:ああ、知ってる?あのね、こうやってさ、段ボールの切れっ端こうやって持ってさ。丘をぽーと滑り降りるんだよ。それがね、スリルあって最高。<BR>リカ:スペースモンドより?<BR>完治:あ、まあ、全然。シャツがさ、風集めてこんななって。あ、俺さ、自慢じゃないけど、兜虫捉まえるのクラスで一番うまかったんだよ。<BR>リカ:え、それってさ、うまいとかと言うことと関係あるわけ?<BR>完治:あるよ。雨あがりにもさ、すげえよくとれるんだよ。夕立ちなんか降った後に。ぶゅっと口笛をふいって友達集めて、山中入る。<BR>リカ:うーん。<BR>完治:懐かしいなあ。あ、そう、そう、そう。あのね、この校舎の柱に卒業する時にさ、名前ほったんだよ。六年二組永尾完治って。あれもう残ってねえだろうな。<BR>リカ:ねえ、確かめに行こうよ。<BR>完治:へえ?<BR>リカ:それでさ、その隣に私の名前書くの。<BR>完治:そんなこと言ったって遠いんだからさ。<BR>リカ:行ってみたいの。完治の生まれた町に行ってみたい。<BR>完治:じゃね、今度のまとめて休み取れる時に連れて行くから。<BR>リカ:本当?<BR>完治:うん、本当。<BR>リカ:約束。<BR>完治:へえ、約束。<BR>リカ:行けるよね。いつか二人で行けるよね。<BR>完治:うん。</P>
<P>完治:あ、夜さ、一緒に食事しないか。<BR>リカ:あ?<BR>完治:あのう、今日俺のさ******<BR>リカ:残念。約束しちゃったんだ。<BR>完治:へえ?<BR>リカ:うちの部の大原君に誘われちゃったの。<BR>完治:行くのかよ?<BR>リカ:行くよ。<BR>完治:なんで?<BR>リカ:完治だって女の子に誘われたら行くでしょう。<BR>完治:俺は行かないよ。何言ってるの。<BR>リカ:行くよ。完治も行ってるもん。<BR>完治:いいよ俺、お前一人と行って******<BR>リカ:えっ?ええ、何か言いませんでした?<BR>完治:言いません。<BR>リカ:あ、そう。じゃ、飲みに行っちゃうかなあ。<BR>完治:あ、行けば。<BR>リカ:行くよ。<BR>完治:あ、行ってらっしゃい。<BR>リカ:行ってきます。でもね、完治がね、そんなに言うんだったら向こう断ってあげてもいいよ。そう、そう言う気。大原君手が早いって言うしな。飲みに行くだけじゃすまないかもしれませんね。私純情だしさ、大原君に行くよって言われたら、うんなんて行っちゃうかもしれないなあ。さあ、どうする、どうする、永尾完治?ピンチだ、ぴんちだ!おう、ホテルに入りました。あ、大原君、シャワー先に浴びろよなんて言ってます。ああ、こんなままでは。うん?おう、仕事が手につかないのかな。完治、動揺しています、動揺しています。<BR>完治:お前な。<BR>リカ:さあ、言うか。ついに本音が出るか。リカ行かないでくれ。Come Back To Me!<BR>完治:うるさいよ。ああ、実はさ、今日俺の誕生日なんだ。<BR>リカ:知ってるよ。買い物して帰るから、家で待ってて。<BR>完治:だっ、だって、大原は?<BR>リカ:うちの部に大原君なんていないよ。じゃね。</P>
<P>完治:ただいま。<BR>リカ:HAPPY BIRTHDAY!完治!<BR>完治:はあ。<BR>リカ:こっち、こっち。<BR>完治:あっ、これ、これ全部自分で作ったの。<BR>リカ:どんな問題?あ、ケーキはね、買ってきたんだけどね。へへへへ。</P>
<P>リカ:3、4、5、6、7才小学校入学。おめでとう。三上君と会ったの、この頃。<BR>完治:うん、そんかな。<BR>リカ:8、9、10、11、12、13中学校入学。おめでとう。初恋は?<BR>完治;え、いや、もっと前。これかな。<BR>リカ:6才?早いねえ。<BR>完治:はあ。<BR>リカ:えーと。14、15、16高校入学。里美ちゃんに出会う。しかも一目惚れ。おめでとう。17、18、19、20、大人になったら何になりたかった?<BR>完治:サッカー選手。<BR>リカ:だめでした。<BR>完治:いや、今までそう思ってるよ。<BR>リカ:そうか。21、22、23東京に出てくる。この年、永尾完治は生涯で最も重要な事件がありました。さて、何でしょう。<BR>完治:赤名リカと出会う。<BR>リカ:まあ、それはさておき。24才。私が知ってる完治の人生はこれ一本だけか。<BR>完治:はあ、これからもっと増えていくよ。<BR>リカ:はい。消して。<BR>完治:はあ、あ。せいの。<BR>リカ:おめでとう。<BR>完治:ありがとう。<BR>リカ:さあ、食べよう、食べよう。シャンパンも買ってきたんだ。<BR>完治:あ、御免な。<BR>リカ:うん、いいよ、いいよ。<BR>完治:あ、帰ろうと思ったらさ、なんかいきなり得意先から電話がかかってきちゃって。あ、いや、あのう、なんか、いきなりなんかクレームがつけられちゃってさ。あの、得意先から、あ、やあ、ほかの皆帰っちゃってるし。あのう、これでもさ、あの、走って帰ってきたんだ。御免な。リカ?どうした?<BR>リカ:どうしてうそつくの?完治に似合わないよ。うそつくの似会わないよ。うそは、うそだけはいや。いやだよ完治。こんなのいやだよ。<BR>完治:リカ、待ってよ。リカ、リカ、リカ、おい、待ってよ。リカ。うそついたのは******<BR>リカ:私こんなだけどさ、こんなだけど、でも、完治を好きになった私ちょっと気に入ってるんだ。<BR>完治:リカ。<BR>リカ:悔しいよ。悔しい、完治。気持ちは一つしかないんだよ。二個はないんだよ。どこに置いてきちゃったの?24時間好きって言ってて、仕事してても、友達と遊んでても、完治の心全部で好きって言ってて、ちゃんと捉まえてて、私だけを見てていなきゃどこに行っちゃうよ。<BR>完治:リカ。</P>
<P>リカ:完治、お早う。<BR>完治:お早う。<BR>リカ:サンキュー。うん?何見とれてるの。<BR>完治:あ、いや。悪かった。<BR>リカ:何が?<BR>完治:いや、何がって。昨日のこと。<BR>リカ:昨日のこと?<BR>完治:で、怒ってないの?<BR>リカ:なんで?<BR>完治:なんでって。<BR>リカ:怒ってるに決まってるでしょう。ね、完治分かってる?私は完治が全部だよ。あ、悔しいんだもん。<BR>完治:いや、分かってるよ。俺だってちゃんとリカのことだけ考******<BR>リカ:うそだよ。完治は気持ち半分どこかに置いてきちゃってる。<BR>完治:そんなことないよ。<BR>リカ:じゃ、今言ってよ。愛してるリカって言ってよ。世界中に聞こえるように。<BR>完治:いや、今ってさ。<BR>リカ:ほら、また余所見してる。<BR>完治:いや、余所見じゃないってだって。こんなとこじゃ言えないだろう、普通。<BR>リカ:言えるよ、私は言えるよ。言ようか、愛し******<BR>完治:いや、うるせよ。なあ。<BR>リカ:愛してるよ、完治。</P>
<P>リカ:はーい、そこのお兄さんお茶しない。<BR>完治:はあ、びっくりさせんなよ。<BR>リカ:コーヒー入れてきたからさ。<BR>完治:あ、今仕事してるから。<BR>リカ:あっと、ほかの女から電話かかってくれば飛んで行くくせに、彼女の誘いは断るか。この男優しいふりして、心は悪魔です。<BR>完治:だから謝るよ。関口があんなんなってるのほっとけなかったから。<BR>リカ:あ、ほう、皆さん、お聞きになりましたでしょうか。ほっとけなかった。その間ほっとけられたリカの立場は<BR>完治:好きだって。<BR>リカ:ああ、永尾完治24才。ついに告白しました。里美ちゃんが好きだ。<BR>完治:違うよ。リカのこと言ってるの。<BR>リカ:あ、言い訳していますよ。言い訳していますよ。反省の色が見られません。<BR>完治:反省してるよ。しれるし、本当関口のこと、なんでもないから。<BR>リカ:全然?<BR>完治:全然。<BR>リカ:でも、こんなぐらいは思ってるでしょ。<BR>完治:いや、このぐらいも思ってない。<BR>リカ:でも、これぽっちぐらいはさ。<BR>完治:これぽっちぐらいは******<BR>リカ:ああ。<BR>完治:うそ、うそ。冗談。全然。<BR>リカ:ああ、そう。ああ、そう。さんざん私のこと弄んどいて捨てるんだ。酷い、酷い、酷すぎる。はあ、せいせいした。飲む?うん。<BR>完治:うん、ありがとう。昨夜ちゃんと帰れたか。<BR>リカ:うん。<BR>完治:ケーキうまかったよ。<BR>リカ:そう。<BR>完治:料理も。<BR>リカ:そう。どうしたの?急にしおらしくなっちゃってさ。<BR>完治:それは******<BR>リカ:本気にした?<BR>完治:ああ?<BR>リカ:あれね、うそ泣きだよ。あたしが泣くのなんてさ、わさび食べたときと「赤毛のアン」読んだ時ぐらいかな。ふん。<BR>完治:へえ?<BR>リカ:そんなわけないでしょ。電話。<BR>完治:はい、永******あ、三上?関口が。あ、そうか。ああ、どこ?分かった。じゃ、後で連絡するわ。うん。<BR>リカ:里美ちゃんどうかした?<BR>完治:ああ、盲腸で入院したんだって。<BR>リカ:盲腸?<BR>完治:先手術したんだって。<BR>リカ:じゃ、お見舞行かなきゃね。<BR>完治:はあ、あ、一緒に行こう。<BR>リカ:うん。</P>
<P>里美:この間、御免なさい。リカさん怒ってなかった?<BR>完治:あああ。<BR>里美:あ、そう。よかった。私のせいで永尾君とリカさんと喧嘩しちゃったら。<BR>完治:ああ。まだ、三上とうまく行ってないのか。<BR>里美:もう分からなくなっちゃった。<BR>完治:ちゃんと三上と話したのか。<BR>里美:でも、言葉で足りない気持ちってあるから。あんなに好きだったのにねえ。<BR>完治:何言ってるんだよ。思い出せよ。五年間ずっと三上のこと思ってたんだろう。だから、もう俺にあんなこと言うなよ。いや、とに******<BR>里美:分かってる。もう一度、もう一度三上のこと信じてみる。はい。<BR>尚子:今日は。お加減いかがですか?<BR>リカ:ただいま。<BR>尚子:今日は。<BR>リカ:今日は。<BR>三上:どうした?<BR>尚子:同級生の彼女が入院してるのよ。お見舞いにぐらい来るでしょう。<BR>三上:これ買ってきたよ。<BR>里美:お花いただいたの。<BR>三上:ありがとうな。<BR>尚子:この間、彼女に誤解されたみたいだから、そのお詫び。その代わり、私の結婚式にも花持ってきて。私結婚するの。本当言うとね、それを言うに来たの。それで全部疑い晴れるでしょ。<BR>三上:あ、そう。結婚するんだよね。そうだよな。それ最初から言えば誤解されずにすむなんだよ。うっかりしてたよ。<BR>尚子:私も他の人と変な噂たったりしたら困るし。それじゃ、お大事に。<BR>完治:なあ、俺の言った通りだろう。<BR>里美:ああ。<BR>三上:何?<BR>里美:あの、三上君は浮気するような人じゃないって励ましてくれてたの。<BR>リカ:そんなこと言って本当は里美ちゃんの有為に仱恧Δ趣筏郡螭扦筏纭<BR>完治:あのな。<BR>リカ:里美ちゃん、パイナップルとね、オレンジとね、あとね、甘いもん一杯買って来ちゃった。<BR>三上:レモン搾ってあげるね。</P>
<P>完治:はい、もしもし。<BR>リカ:寝てた?<BR>完治:ああ。あ、何、俺明日早いんですけど。<BR>リカ:ねえ、今日の話さ、本当なのかな。<BR>完治:ええ?<BR>リカ:ほらあのう、病院でさあ、結婚するって言ってたあの子。<BR>完治:ああ、本当なんじゃないの。<BR>リカ:でも、三上君さあ、そんなこと知らなかったみたいだよ。<BR>完治:そうだっけ?別にそんなふうに見えなかったけどな。<BR>リカ:うーん、あ、ねえ、今頃里美ちゃんたちエッチしてるかな。<BR>完治:うん?<BR>リカ:あ、焦てる。<BR>完治:え、焦てない。だ、だいたい関口と三上がエッチしてるの、何で俺が焦るわけ?<BR>リカ:そんなの自分の胸に聞けばいいでしょう。<BR>完治:なんだよ。自分からかけてきといて。</P>
<P>完治:あ、関口は?<BR>三上:あ、家で寝てるよ。<BR>完治:あ、じゃ、あんま長いこと付き合わせんなよな。<BR>三上:余計な気前するなよ。二人で飲むのは久しぶりなんだから。<BR>完治:あ、じゃさ。<BR>三上:うん?<BR>完治:後で電話入ろよ。俺アリバイ証明するから。<BR>三上:動監察機か。<BR>完治:まあ、ちょっと安心したけどさ。<BR>三上:ええ?<BR>完治:この間、病院に来たあの子なんだろう。関口の不安の元は。<BR>三上:はあ、まあな。<BR>完治:いくら三上でも、結婚決まった女の子に手出したりはしねえよな。<BR>三上:ああ。<BR>完治:今、間あいたぞ。<BR>三上:心配するんなよ。あのお嬢さん俺に指一本触れさせてくれなかった。<BR>完治:そう言う問題でもねえだろう。関口はさ、どんな思いでお前のこと待ってたか。<BR>三上:どんな思いだよ。お前知ってるの?<BR>完治:いや、あのう、ああ、とにかくさ、俺に誓いよ。<BR>三上:何を?<BR>完治:いや、俺が好きなのは関口里美だけだと。<BR>三上:そんなことお前に言えるのかよ。<BR>完治:言えるんだろう。本気だったら言えよう。<BR>三上:じゃ、お前も言えよう。<BR>完治:ええ?<BR>三上:俺が好きなのは赤名リカだけだって。<BR>完治:俺たちは関係ないだろう。<BR>三上:まあ、うまく行ってるならいいけどさ。彼女何時もより元気なかったからさ。<BR>完治:ええ?<BR>三上:気が付かなかったのか。お前里美のことばっか気にして、肝心の自分の女見失ってどうするんだよ。あんないい女お前には勿体ねえよ。<BR>完治:はあ、どこがいい女だよ。<BR>三上:まあ、里美とは正反対だかな。<BR>完治:うん。何時だったけなあ。<BR>三上:うん?<BR>完治:いやさ、高校二年か三年の時にさ、俺関口とデーとしたことあるんだよ。<BR>三上:二人でか?お前抜け駆けしたの?<BR>完治:あ、いや、いや、映画見に行っただけだよ。で、映画見終わった後にさ、喫茶店入ってクリームソーダ頼んだんだよ。で、飲みながら話してたらさ、あいついきなり無声だよ。で、俺、どうしたのって聞いたら、顔真っ赤おにして、桜んぼを食べのんちゃったって。<BR>三上:桜んぼ?<BR>完治:うん。クリームソーダに付いてた桜んぼの種をさ、俺の前じゃ出せなくてそれで恥ずかしくて飲んで噎ちゃったんだって。<BR>三上:馬鹿なやつ。<BR>完治:まあ、笑うなよ。俺、本気で感動したんだからな。その時思ったんだよ、俺こういう子好きだなって。<BR>三上:お前も変なやつだねえ。<BR>完治:お前には分からないよ。いいんだよなあ。本当好きなんだ、ああ言う関口のああ言うこと。あ、ちが、ちが、違う。あのう、好きだった、好きだった。過去形な。あ、飲もう、飲もう。<BR>三上:俺はいいけどね。まあ、明日仕事だろう。<BR>完治:余計な気使わないよ。お前と二人で飲むのなんて久し振りなんだからさ。</P>
<P>リカ:完治がこんな酔っ払ってるの初めて見た。<BR>三上:こんな酒癖悪いやついないよ。<BR>リカ:こんな女癖悪いやつも、ほかにいないけどね。里美ちゃんも苦労するよ。<BR>三上:大丈夫だよ。振られるところ見ただろう。<BR>リカ:振られるとこ******あの結婚するって言ってた彼女?<BR>三上:ああ。<BR>リカ:じゃ、三上手出そうとしてたんだ。<BR>三上:彼女さあ、里美に似てるんだよ。手出しても、届きはしないよ。<BR>リカ:そう言う問題じゃないでしょう。完治が怒るのも無理ないや。<BR>三上:持てない僻みじゃないの?<BR>リカ:持てるもん、完治。でも、三上も結構いい男だと思うよ。<BR>三上:ふふん、そうか。<BR>リカ:完治ほどじゃないけどさ。<BR>三上:なかなか男見る目あるじゃない。ははは。<BR>リカ:うん。<BR>三上:永尾も幸せなやつだよなあ。<BR>リカ:あたしもね。ふん。<BR>三上:ふん。ああ、永尾に負けないぐらい、俺も里美のこと好きだったんだよ。やっとその思果たしたって言うのに、俺も何やってんだろうなあ。<BR>リカ:私もちょっと飲もうかな。ねえ、三上君。<BR>三上:うん?<BR>リカ:もう里美ちゃんのこと好きじゃないの?<BR>三上:そんなことはないけどさあ。好きな子がやっぱ一人じゃなきゃだめか。いろんな子がいてさ、いろんな好きになり方があってさ、せっかく好きになったのを我慢するのってなんか可笑しくないかな。<BR>リカ:うーん、私には分からないや。私の好きは一個しかないもん。<BR>三上:でも、永尾は違うかもしれないぜ。<BR>リカ:うん?<BR>三上:男ってさ、今付き合ってる女より、振られた女の方が一層眩しく見えることってあるんだよ。<BR>リカ:里美ちゃんのこと言ってるの?<BR>三上:いや、例えば、例えばね。<BR>リカ:例えば、完治が里美ちゃんのことを、例えば忘れられなかったとしてもさ、私の好きは負けない。一グラムも減らないよ。私が見つかった恋だもん。誰でも壊せない、たとえ完治でも。なんて言いながら、本当はちょっと怒ってんだけどさあ。<BR>三上:何?<BR>リカ:馬鹿野郎!私がどんなに完治のこと思ってるか分かってるか。分かってないでしょ、馬鹿。</P>
<P>リカ:な、なあに?<BR>完治:頼むよ、周りうるさいんだから。<BR>リカ:いいじゃん。<BR>完治:あのね。<BR>リカ:あのさあ、完治のとこに私の紺のジャケット置いて来ちゃったの。今度持ってきて。<BR>完治:そんなの自分で取りに来いよ。<BR>リカ:あ、そんなこと言って、家に誘い込もうとしてる。<BR>完治:誘い込むって。<BR>リカ:じゃさ、取りに行くから約束して。<BR>完治:うん?<BR>リカ:嘘つかないで。<BR>完治:へえ?<BR>リカ:嘘つかないで。<BR>完治:ええ?<BR>リカ:全部教えて。誰かと会ったら、誰かとキスしたら、誰か好きになったら、その度に全部教えて。赤い糸に誓って。OK!さてと、仕事だ、仕事!<BR>完治:ああ。<BR>リカ:うん?<BR>完治:今日来る?<BR>リカ:考えとく。</P>
<P>三上:よう!待った?<BR>尚子:急に呼び出して悪かったわね。<BR>三上:どうかしたの?<BR>尚子:男の人、自分から誘った何で初めて。どう?<BR>三上:うん?<BR>尚子:彼女の誤解とけた?<BR>三上:ああ、あの時は助かったよ。<BR>尚子:感謝してる?<BR>三上:してる、してる、感謝感激、雨、あられだよ。君にしてた誤解も解けたしな。結局お嬢さんなんだよなあ。フィアンセは親の決めた相手なんだろう。スケジュール通りに人生撙螭侨毪毪盲皮铯堡¥Ι`ん、立派だね。<BR>尚子:そうよ。悪い?私は親のために結婚するのよ。数えるほどしか会ったことのない、好きでもない男と私は結婚するの。でも、でもあなたに責められる覚えないわよ。</P>
<P>里美:もしもし、関口です。この間、お見舞いに来てくれて有り難う。あ、そう、リカさんにもお礼言っといて。永尾君、今何してる?まだ会社かな、リカさんと一緒?私はね、私は******もう分からない。三上君が信じられない。お願い。永尾君、決めて。永尾君の言う通りする。だから******</P>
<P>リカ:絶対行けるよねえ。<BR>完治:この校舎の柱に卒業する時にさ、名前ほったんだよ。六年二組永尾完治って。あれもう残ってねえだろうな。<BR>リカ:ねえ、確かめに行こうよ。<BR>完治:へえ?<BR>リカ:それでさ、その隣に私の名前書くの。<BR>完治:そんなこと言ったって遠いんだからさ。<BR>リカ:行ってみたいの。完治の生まれた町に行って見たい。<BR>完治:じゃね、今度まとめて休み取れる時連れて行くから。<BR>リカ:本当?<BR>完治:うん、本当。<BR>リカ:約束。<BR>完治:へえ、約束。<BR>リカ:完治と一緒に行けるよね。</P>
<P>完治:リカ?今、関口と会ってた。帰ってきたら、留守電入ってて、俺に会いたいって。俺会った。三上がほかの女抱いてるの見たんだって。関口落ち込んでて。結局何もしてやれなかった。<BR>リカ:それで全部?<BR>完治:うん。御免。<BR>リカ:ううん。本当のこと言ってくれて嬉しい。許してあげる。その代わりにさ、うーん、愛媛連れてて。<BR>完治:愛媛って、うちの田舎?<BR>リカ:うん。連れててくれたら、許してあげる。そうだ。<BR>完治:何?<BR>リカ:夜汽車に仱盲皮怠<BR>完治:夜汽車って。<BR>リカ:うん、愛媛行こう。</P>
<P>完治:いてーっ!いてっつてんだろう。<BR>リカ:男の子でしょう。殴り合いしてる時は痛いなんて言わないくせに。<BR>完治:あ、いてて。そんな押し付けんなよ。<BR>リカ:人がせっかく手当てしてやってんのに、何それ偉そうな態度。<BR>完治:誰も頼んでねえだろう。大体なんでこんなやつまで連れてくるんだよ。<BR>リカ:しょうがないでしょ。三上君他に行くとこないんだからさ。はい、出来上がり。<BR>完治:いてっ!<BR>リカ:ふん、結構似合うよ、二人とも。明日のジョーみたい。さてと、私。<BR>三上:あの、帰るの?あ、いて、いて。俺もう消えるからさ。<BR>リカ:いいの、いいの。今ね、完治と喧嘩中だから。殴り合ってるとこ格好よかったから、手当てだけはしてやったけどさ。<BR>三上:あ、そう。じゃ、俺が代わりに成敗しといてやるから。原因は?<BR>完治:お前こちの話はすんでねえだろう。<BR>リカ:話だけですむならいいけど。今夜もう喧嘩しちゃだめ。<BR>三上:永尾に言ってやってよ。こいつなら口下手なぶんだから、手出すのが早いんだから。ほら、きた。<BR>リカ:あっと、鞄。じゃね。<BR>三上:あ、ありがとうね。<BR>リカ:うん。</P>
<P>尚子:この間は酔っ払っちゃって。<BR>三上:とんでもないお嬢さんだよなあ。御陰でこっちは******座れよ。で、お父様には言ったのかな、結婚やめますって。おい、今度そのフィアンセという人に合わせろよ。俺が品定してやるよ。<BR>尚子:するわ、結婚。この間は酔ってたし。<BR>三上:何言ってんだよ。したくないって、親の言いなりで好きでもない男と結婚なんかしたくないって、お前そう言ってだじゃねえかよ。<BR>尚子:何を、あなたには関係ないことじゃない?あなたには、あなたにはあんな素敵な人がいるじゃない。</P>
<P>リカ:里美ちゃん!おじさん、待って!ラッキー、こんな大きいのもらちゃった。<BR>里美:急に電話したりして、御免なさい。<BR>リカ:いいの、いいの。こういうお昼もいいよね。<BR>里美:謝ろうと思って。<BR>リカ:何を?<BR>里美:永尾君にいろいろ迷惑掛けちゃって。<BR>リカ:いいよ、いいよ。あんなやつじゃんじゃん迷惑掛けてやって。<BR>里美:リカさんにも。<BR>リカ:私?<BR>里美:うん。御免なさい。<BR>リカ:迷惑って、もしかして里美ちゃん私に不幸の手紙送ったりした?真面目すぎるじゃん。里美ちゃんわね、真面目すぎるんだよ。偶にははめはずしてさ。三上君に焼き餅やかせるぐらいことしなきゃ。<BR>里美:うん。<BR>リカ:ああ言う人好きになっちゃったんだからさ。それなりに強い子じゃなきゃ。<BR>里美:どんなふうに?<BR>リカ:だから、浮気したら、ぱんとひっぱたいちゃうとかさ。うん。<BR>里美:大丈夫?<BR>リカ:大丈夫じゃない。ああ、助かった。今度ね、愛媛へ行くんだ。<BR>里美:愛媛って、私たちの******?<BR>リカ:そう。どんなどこかなって。<BR>里美:何もないとこよ。<BR>リカ:いいの、いいの。里美ちゃんさ、でも思い出一杯あるでしょう。<BR>里美:うん。<BR>リカ:完治と三上君と里美ちゃんと、思い出一杯あるでしょう。<BR>里美:うん。<BR>リカ:だから。<BR>里美:でも、三上君と出会わなければ、こんな切ない気持ちって一生知らずにすんだのかと思った。<BR>リカ:うーん、でも、恋するあったかい気持ちも一生知らなかったかもね。出会わなければよかった人なんていないよ。<BR>里美:ありがとう。<BR>リカ:うん?何が?<BR>里美:私ね、もう決めたの。<BR>リカ:うん?<BR>里美:三上君と別れる。<BR>リカ:そう。</P>
<P>リカ:完治!完治、完治!ねねね、ねね。<BR>完治:悪い。これから外回りなんだ。<BR>リカ:うん、まだ大丈夫。<BR>完治:ああ?<BR>リカ:明日行くことにしたからね。<BR>完治:何それ?<BR>リカ:愛媛にきまってんジャン。明日から休み取ってさ。うん。<BR>完治:今からじゃ無理だよ。<BR>リカ:今じゃなきゃだめだよ。<BR>完治:なんで?<BR>リカ:なんでって。<BR>完治:なんでそんな急いでいきたがるわけ?<BR>リカ:いいじゃん。行きたいんだからさ。<BR>完治:いや。今すぐ行きたい訳を述べなさい。なんかあったわけ?<BR>渡辺:はあ、お待たせ******<BR>リカ:とにかく明日行くからね。絶対だからね。<BR>完治:おい!</P>
<P>三上:おいっ!いてっ!<BR>完治:なんだ?まだいたのかよ。<BR>三上:誰か来たのかよ。<BR>完治:うん。こんなしつこく鳴らすやつとは世界中に一人しかいねえだろう。<BR>リカ:Good morning!<BR>完治:なあ。<BR>リカ:なあ?何、何?私来るのを分かってたわけ?こうやっぱ心が通じ合ってんだね。<BR>完治:はい、はい。<BR>リカ:迎えにきたんだよ。<BR>完治:ああ?まさか。愛媛これから行こうとか言うんじゃねえだろう。<BR>リカ:ピンポン。おめでとうございます。愛媛は松山統合温泉、一泊旅行が当たりました。しかもこんな可愛い女の子も一緒。<BR>完治:こんな時間冗談やめてよ。<BR>リカ:で、行くって言ったじゃん。<BR>完治:それはお前が勝手に言ってたんでしょう。<BR>三上:何、愛媛なんか行きたがってるの?<BR>完治:そう。<BR>三上:何もねえとこだぞ。<BR>完治:そう、そう、そう、そう。言ってやって、言ってやって。<BR>リカ:行くの。<BR>完治:分かった、分かった。<BR>リカ:本当?<BR>完治:来月行こう。<BR>リカ:だめ。今、今行かなきゃ意味がないの。<BR>完治:で、何の意味だよ。<BR>リカ:だから******<BR>完治:だから?<BR>リカ:だから******もういい。ちょっと揶揄ってみただけじゃん。<BR>完治:ああ?<BR>リカ:私が一緒に旅行行ってあげると言ったらさ、完治喜ぶかなと思って。<BR>完治:だからさ、行かないとは言ってないだろう。何でこんな急に行きたがるのよ。<BR>リカ:いいよ。男二人で朝起きれないと思って、何も苦しめにきてあげたの。お休みなさ。<BR>完治:いてな、おい。おい、ちょっと。<BR>三上:ああいう言い方変じゃねか<BR>完治:お前に言われたくないよ。</P>
<P>部長:先方は夕方には受け取りたいって言ってんだよ。それまでには頼むよ。<BR>完治:はい。<BR>部長:永尾。<BR>完治:はい?<BR>部長:まあ、最近ちょっと疲れてるみたいだな。<BR>完治:はあ、このところ絶対だなんだって、いろいろ忙しかった******<BR>部長:赤名のことだよ。<BR>完治:へえ?<BR>部長:最初に言っといたはずだぞ。あいつそう簡単に付き合えるような女じゃない。<BR>完治:はあ、はい。<BR>部長:あいつはあいつの全部でむずかってくる。よそ見なんかしてようものなら******<BR>完治:機嫌悪くて。<BR>部長:いや。機嫌の悪いうちはまだいいんだ。それはあいつの黄色い信号だよ。あいつの機嫌の悪さは何時も寂しさの裏返しだからな。赤信号はないぞ。その前に赤名はいなくなる。ある日突然にな。</P>
<P>完治:あんな急に愛媛へ行きたいっても冗談にしか思えないじゃないか。俺だって、入社してまもないし。そんな簡単に休むなんて無理なんだよ。<BR>リカ:無理してよ。<BR>完治:ああ?<BR>リカ:無理してほしいの。完治に無理して連れててほしいのにな。<BR>完治:ほら、あれだ。そう、あしたさ、ディズニーランド行こう。俺まだ行ったことないしさ。スペースマウンテン仱恧Δ肌%辚怠ⅴ撺`マウゥ帽子かぶれよ。結構似合うんじゃないかな。<BR>リカ:ねえ、今日里美ちゃん三上君に会ってるんだよ。<BR>完治:ああ、知ってるよ。<BR>リカ:知らないの?<BR>完治:いや、だから知ってるって。<BR>リカ:違う。今日里美ちゃんが三上君と会ってるのは別れるためなんだよ。あの二人別れちゃうんだよ。</P>
<P>リカ:よう!<BR>三上:よう!<BR>リカ:ああ、そんなに飲んちゃって。<BR>三上:まあ、座れよ。一緒に飲もうぜ。<BR>リカ:振られた?<BR>三上:まいいか。<BR>リカ:いいけど。でもそれストレートでしょう。ねえ、飲みすぎだよ。里美ちゃん******は?<BR>三上:知らない。</P>
<P>完治:はい。もしもし。<BR>リカ:完治?<BR>完治:はあ、うん。<BR>リカ:あ、ご免。今三上君と一緒にいるんだけどさ。三上君すっこお酒飲んちゃって、落ち込んでるの。きっと里美ちゃんはもっと。こっちは私が何とかするからさ。完治、里美ちゃんのほうお願い。<BR>完治:はあ?<BR>リカ:行ってあげな。<BR>完治:何言ってんだよ。俺、そんなつもり全然。<BR>リカ:だって同級生じゃない。一緒に「仰げば尊し」歌った仲なんでしょう。<BR>完治:だからって、お前がそんな気使うこと。<BR>リカ:私は歌ってないけど。でも、なんだって私は完治の彼女なんだし、三上君とも里見ちゃんとも友達なんだし。いいよね。愛媛行けなかったのにさ、私にも同級生っぽいさせてよ。ね。私にも同級生の仲間入りさせて。あ、あ、じゃ、切るよ。委せよ。<BR>完治:おいっ。</P>
<P>リカ:三上君。はあ。<BR>三上:サンキュー。いいかよ。<BR>リカ:うん?<BR>三上:俺とこんな所にいて。<BR>リカ:うん?<BR>三上:永尾が焼くぞ。<BR>リカ:完治今里美ちゃんとこ行ってるから。<BR>三上:なんで?<BR>リカ:なんでって。私もこうして三上君と一緒にいるでしょう。<BR>三上:お前焼いたりとかしないわけ?<BR>リカ:焼くよ、それは。<BR>三上:だったら。<BR>リカ:私が完治でも同じようにしたと思う。<BR>三上:俺が永尾なら、お前を一人にさせはしないよ。<BR>リカ:そんなこと今言っても、嘘っぽいよ。<BR>三上:そうだな。野犬になってるから、お前をそこに押し倒すかもしれないぞ。<BR>リカ:うそだ。<BR>三上:俺は好きな女を泣かすことしかできなかった、最低の男だからな。<BR>リカ:三上君、まだ里美ちゃんのこと好き?別れたくない?それなら、それならどうして里美ちゃんのことだけ見ててあげなかったの?どうして二人きりじゃだめなの、どうして?<BR>三上:分からねえよ。俺にも分かんねえよ。どうしてこんなことなっちまったんだ。</P>
<P>里美:三上君と別れちゃった。<BR>完治:そうか。<BR>里美:知ってた?あ、はあ、そうか。だから来てくれたんだよね。大丈夫。そんな落ち込んでないよ。<BR>完治:ならいいけど。<BR>里美:別れる前のほうがもっとつらかったから。はあ、なんかほっとしちゃった。もうだめかなと思ったことも何度もあったし、私以外に誰かいても、せめて一緒にいる時だけでも私のこと好きでいてくれれば我慢できると思ってた。我慢したの。でも、挫けちゃった。私前より少し強くなったつもりで言ったのに******<BR>完治:そんなことない。関口は悪くないよ。悪いのはさ******<BR>里美:私のせい。三上君のせいにして、自分を慰めるなんてもうしちゃいけないと思う。******どうしよう。<BR>完治:泣いちまえよ。<BR>里美:永尾君の前でこんな涙見せたくない。<BR>完治:もう我慢しなくていいんだからさ。泣いちまえよ。泣けばいいんだよ。</P>
<P>完治:はい。<BR>三上:俺だよ。今リカと別れたところだよ。もうすぐ帰るんじゃないか。ちゃんと優しく迎えてやれよ。おい、聞いてるのかよ。<BR>完治:うるせえなお前お話を聞けるかよ。<BR>三上:分かってるよ。けどな、彼女の気持ちも少しは考えてやれよ。彼女がお前を里美のことに行かせたのは、お前が好きだからなんだ。彼女が俺を慰めたりするのも、お前が好きだからなんだ。愛媛のことにしてもそうだ。あそこに行くことによって、彼女はお前との隙間が埋まると信じてたんだ。<BR>リカ:明日行くことにしたからね。<BR>完治:何これ?<BR>リカ:愛媛にきまってんじゃん。明日から休み取ってさ。<BR>完治:あいつ!<BR>リカ:あれ、完治?待っててくれたの?寒かったでしょう。あ、これ買ったんだ。ほらほら、温かいよ。肉まんね、三つ買ってきたから、一個半分頃ねそう、そう。三上君ね、うーん、ちょっと元気なったみたい。そっちどうだった?完治?どうしたの?完治?肉まん潰れちゃうよ。ねえ、痛いよ。</P>
<P>リカ:完治。<BR>完治:うん?<BR>リカ:なんで昨夜。<BR>完治:何が?<BR>リカ:あんな強く抱くからさ。こことか痛いよ。<BR>完治:ああ?<BR>リカ:なんかあった?里美ちゃんとこ行った時。<BR>完治:はえ?<BR>リカ:そうか。あったんだ。<BR>完治:いや、何もないよ。<BR>リカ:うーん、永尾さん、永尾さん。関口里美さんを泣かしたって噂本当なんですか。<BR>完治:俺が泣かしたわけじゃないって。<BR>リカ:でも、彼女が泣いたことは認めますね。三上さんと別れて悲しみにくれる関口を、しっかと抱き寄せたという情報が入ってるんですけど。どうなんでしょう。<BR>完治:うそです。<BR>リカ:でも抱きましたね。<BR>完治:抱いてません。<BR>リカ:でも抱きつかれましたよね。<BR>完治:それは******<BR>リカ:どんなふうに?<BR>完治:どんなふうにって。何想像してるんだよ。<BR>リカ:以上現場から赤名リカがお伝えしました。スタジオお返しします。スタジオさん。<BR>完治:はい、永尾です。<BR>リカ:何?<BR>完治:あ、高校の同級生がさ、こっちで結婚するんだって。<BR>リカ:ふーん。<BR>完治:お前、名前が完治(かんじ)だから、二次会の幹事(かんじ)やれだってさ。くだらないこと言ってるよ。<BR>完治:リカ。<BR>リカ:うん?<BR>完治:本当関口とはなんでもないから。<BR>リカ:知ってるよ。</P>
<P>部長:で、その後どうだよ?<BR>リカ:うん?<BR>部長:いや、永尾がほかの女とどうだって。<BR>リカ:ああ、心配ですか?<BR>部長:いや、いや。その、なんだ、赤名には幸せになってほしい。<BR>リカ:和賀さんに幸せにしてもらいたかった。冗談です。すぐ本気にするんだから。<BR>部長:はあ、まあ、上司をうんじゃないよ、上司を。<BR>リカ:そう言う時だけ上司になるんですね。<BR>部長:まあ、なんかあったら俺に話せよ。<BR>リカ:慰めてくださるんですか?<BR>部長:勿論だよ。<BR>リカ:はーい。あ、あれっ?こういう話だったんですか?<BR>部長:いや、いや。お前海外勤務に希望出したよな。<BR>リカ:随分前ですけど。<BR>部長:うん。今度ロスアンゼルスにうちの支社が出来る話を聞いてるだろう。<BR>リカ:はい。<BR>部長:で、社内で何人かリストアップして読んだよ。語学にたけて、仕事が出来るもの。で、まあ、俺としては、お前を推薦しようと思ってるんだ。<BR>リカ:あ、でも私******<BR>部長:いや、いや。今すぐ返事をしなくてもいいんだ。そう言う話があるということだけ心にとめといてくれ。<BR>リカ:はい。<BR>部長:お前にも事情があるだろうな。あ、そうだ。永尾をセットで行かすってわけじゃいかんしな。</P>
<P>リカ:何もないね。<BR>三上:うん。まあ、それ座っててよ。<BR>リカ:うん。<BR>三上:重っ苦しい荷物がいってせいせいしたよ。<BR>リカ:うそ。<BR>三上:また元に戻っただけさ。で、そっちはどうなんだよ、うまくいってるのか?どうしたの?<BR>リカ:いいの。私が好きだから。<BR>三上:はあ、それがよくないんだよ。<BR>リカ:ええ?<BR>三上:偶にはひけよ。押してばかりじゃ男が疲れるんだぞ。<BR>リカ:みたいね。<BR>三上:ふん、また里美のこととかで、あいつ揶揄ったりしてんだろう。<BR>リカ:ふん。<BR>三上:ふん、たくよ。だからほら、愛があっても愛し方が間違ってるとさ。<BR>リカ:と、経験者は語る。じゃ、何?間違ってる愛し方ってどう言うの?<BR>三上:やあ、だからさ。<BR>リカ:人が人を好きになるのに差、間違ってとか、正しいとか、そんなの******<BR>三上:いや、そんなのはないよ。そんなのないけど。お前の愛情って重いからさ。<BR>リカ:分ってる。けどさあ、しょうがないじゃん。そんなふうにしかできないんだもん。<BR>三上:無器用すぎるからな。<BR>リカ:器用すぎて失敗した人もいるし。私だって思ってるよ。もっと上手に人好きになれたらなあって。</P>
<P>完治:今日さ、関口に会ったよ。で、今度一緒にお前と・・・・・・<BR>リカ:ああ、ねえ、完治のお母さんってさ、面白い人だねえ。私好きだわ。<BR>完治:今なんて言った?<BR>リカ:完治のお母さんって面白い人だね。<BR>完治:おい、俺のふくろと話したのかよ?<BR>リカ:お母さんにね、完治の好きな物一杯聞いちゃったから、今度は作ってあげるね。<BR>完治:作ってあげるねって。お前何考えてんだよ。<BR>リカ:何怒ってるの?何?あ、ねえ、結婚式どうだった?わー、高価。<BR>完治:もう電話出るなよ。<BR>リカ:なんで?<BR>完治:なんでって。今みたい親だったり、会社からだったりしたら困るだろう。<BR>リカ:別に喧嘩してないの?<BR>完治:はあ、あのね、うちの親なんてさ、田舎もんなんだよ。だから、お前が俺の家でいまみたい電話出たり、家に住んでますなんて言ったら、すぐ結婚しまうんじゃないかと思っちゃうんだよ。<BR>リカ:結婚?<BR>完治:そう。<BR>リカ:考えたこともなかった、そんなこと。<BR>完治:俺もだよ。<BR>リカ:うーん。<BR>完治:うーんって、分かってるのか?<BR>リカ:だってさ、私今までいつも電話出たりしてたけど、完治そんな怒ったことなかったじゃん。<BR>完治:それはさ・・・・・・<BR>リカ:結婚式でなんかいやなことあった?あ、あ、里美ちゃんって何とかって今言ってたよね。何?<BR>完治:もういい。<BR>リカ:何?気になる。<BR>完治:もういいよ。言い過ぎて、ごめん。</P>
<P>三上:あ、鞄貸してくれないかな。思ったより荷物多くてさ。<BR>里美:うん。<BR>三上:短い間だったんだけど、結構荷物増えてんだよな。お前帰ってくる前に、行こうかと思ったんだけどさ。<BR>里美:部屋決まった?<BR>三上:ああ、住所メモっとこうか。永尾と近くなんだよ。そんなもんいらねえよな。<BR>里美:あ、手伝おうか。<BR>三上:おい、それじゃ、無理やり追い出すみたいじゃないかよ。<BR>里美:だって追い出すんだもん。<BR>三上:ええ?<BR>里美:塩だってまいちゃうかもよ。<BR>三上:はあ、やっと昔の里美に戻ってくれたな。<BR>里美:うん?<BR>三上:俺はお前のそんな笑顔が好きだったんだよ。付き合ってる時は見えなかったからな。ふん。よしっ、これで全部かな。ありがとう。じゃな。<BR>里美:うん。</P>
<P>完治:笑ってたか?<BR>三上:うん。笑ってた。<BR>完治:昔の関口みたいだったの?<BR>三上:おう、昔の関口みたいだった。<BR>完治:ふん、洗い晒しの白いTシャツみたいにさ。なんかどきっとさせられた。やっぱお前みたいな派手なのと、付き合ったのが間違いの元だったな。<BR>三上:やっぱり俺が付き合うべきだったって。<BR>完治:そう、そう。はあ、馬鹿。冗談だよ。<BR>三上:お前昔から、里美の気持ち悟るの得意だったからな。リカが初めてだろう。<BR>完治:ああ?<BR>三上:何考えるてか分からなくて、振り回されちゃうなんてよ。まあ、だから好きになったんだろうけどな。</P>
<P>完治:リカ!<BR>リカ:何?<BR>完治:夜どうする?<BR>リカ:うん、今日中にやんなきゃいけない仕事あるんだ。<BR>完治:そうか。ならいいよ。<BR>リカ:何?そんな時間かからないと思う。<BR>完治:いや、いいんだ。うん。<BR>リカ:じゃ、夜でお電話する。<BR>完治:うん。<BR>リカ:サンキュー。</P>
<P>リカ:もしもし。お電話変わりました。赤名です。<BR>里美:あ、リカさん、関口です。<BR>リカ:ああ。<BR>里美:この間、どうもありがとう。リカさんに相談のってもらって元気出た。<BR>リカ:そう、よかった。<BR>里美:今日はね、あの時のお礼も兼ねて、私が奢っちゃうから。<BR>リカ:へえ?<BR>里美:そんなことで電話したの。永尾君外回りみたいだから、リカさんに。待ち合わせ六時って言ってたでしょう。申し訳ないんだけど、父母会長引いちゃって、三十分ぐらい遅れそうなの。リカさん、聞いてるよね。今夜三人で会うって。<BR>リカ:あ、うん。</P>
<P>里美:三上君どうしてる?<BR>完治:うーん、顔じゃ笑ってるけど、結構ショックでかかったみたいだな。<BR>里美:そう。<BR>完治:はあ、気にするんなよ。お前、ざまあみろと思えばいいんだ。関口もさ、早く次の男見つけて見返してやれよ。<BR>里美:私はもう、ずっと一人ぽっちでいいの。もう人好きになるのはごりごり<BR>完治:何言ってんだよ。</P>
<P>里美:昨夜掃除したら出てきたの。こっちが永尾君で、こっちが三上君だよ。<BR>完治:制服の。<BR>里美:うん。卒業式に二人がくれた第二ボタン。ほら、あたし卒業式風引いて出れなかったでしょう。そしたら、永尾君と三上君が家に来てくれて、これくれたの。<BR>完治:ああ、はい、はいはい。<BR>里美:これが関口の卒業証書だって。<BR>完治:へい、俺たちそんなこと言ったか。<BR>里美:言ったよ。<BR>完治:何考えてんだか。<BR>里美:ねえ、永尾君。<BR>完治:うん?<BR>里美:もう少し付き合ってくれる?<BR>完治:あ、いいけど、何?<BR>里美:私の卒業式付き合って。</P>
<P>完治:あっ、関口!どうしたんだよ?<BR>里美:もう持ってじゃいけないと思うの。私はもうあの頃の私じゃないから。<BR>完治:ええ?<BR>里美:三上君が好きになってくれた、永尾君が好きになったくれた私はもういないんだ。汚れちゃった。<BR>完治:馬鹿言うなよ。関口汚れてなんかない。俺にはあの頃のままで憧れのまとだよ。<BR>里美:永尾君。<BR>完治:ちっとも汚れてなんかないよ。</P>
<P>リカ:可笑しいよ、完治。前はこんな事でそんなに怒ったりしなかった。<BR>完治:自分勝手すぎるんだよ。<BR>リカ:違うよ。完治の私を見る目が変わっちゃったんだよ。変わっちゃったんだよ。<BR>完治:さてさ、何時もお前勝手に決めんなよ。はあ、そんな事より、ロスの転勤ってなんだ。<BR>リカ:だいぶ前に海外勤務の希望を出したの。今になってさ。<BR>完治:いつ?<BR>リカ:先週。<BR>完治:俺一言も聞いてないぞ。<BR>リカ:話そうと思ったよ。話そうと思ったけど・・・・・・<BR>完治:だったら、なんであいつら連れて来たりするんだ。<BR>リカ:一人で来るのが怖かったから。<BR>完治:何が?<BR>リカ:今夜会ったら、さよなら言わなきゃ行けなくなるのかなって。そう思ったら怖かったんだよ。<BR>完治:さよならって転勤引き受けるって事かよ。<BR>リカ:違うよ。<BR>完治:だったらなんだよ。<BR>リカ:完治、私に黙ってる事ない?</P>
<P>リカ:放してよ。探したんだよ。でも、でも完治は里美ちゃんと二人きりで会いたかったんでしょう。私がいないほうが楽しいって、私がいないほうがって思ってたんでしょう。もう遅いの?ねえ、答えてよ。完治!完治!答えてよ。</P>
<P>部長:どうなってんだ、お前ら。<BR>完治:はあ?<BR>部長:赤名の転勤のことで揉めてるのか?<BR>完治:いいえ。<BR>部長:お前行かしたくないのか?<BR>完治:海外勤務はもともとあいつの希望なんですか?<BR>部長:ああ。かなり前からな。あいつはもともと向こうで育ったし。この東京のせかせかしたほうがあいつには合わないんだろう。今頃そうでもないけども、以前のあいつはなんか何時も不自由そうでなあ。ここはあいつには狭すぎる。あいつがお前に引かれたのはお前のその広さなんだろう。<BR>完治:そんなことありません。<BR>部長:うん?<BR>完治:部長もあいつも僕を買い被ってますから。俺にはあいつの気持ち全部受け止めてやれる度量なんてないんです。<BR>部長:ああ、それでか。あつが昨夜落ち込んでいたのは。夜中に突然呼び出された。おい、お前勘違いするなよ。喫茶店でコーヒー飲んだだけだよ。あいつの愛情が重すぎるってわけか。お前ならできると思ったんだけどなあ。まあ、逃げたいなら簡単だ。ロスに行かせろ。</P>
<P><BR>完治:今夜、アルジャーノンで待ってるから。七時。来る気になったらでいい。ちゃんと話したいんだ。<BR>リカ:何を?<BR>完治:俺たちのこと。これからのこと。</P>
<P>リカ:なんだ?まだいたの?いろんな事考えてた。いいこと思いついたんだよ。今日会社で会ったら、こんなふうによって言ってやろうって。二人がうまく行くように。いいこと思いついたのに、全部忘れちゃった。可笑しいね。私ね、何時も一夜漬けで95点取ってたんだよ。なのに、完治に会った途端忘れちゃった。そんな、こんなも皆。私がロスに行っちゃえば、なんでもなくなるんだなあってさ。<BR>完治:行くのか?<BR>リカ:まだ返事してないけどね。<BR>完治:どうして?<BR>リカ:あれ?完治止めるのかと思った。<BR>完治:なんで?<BR>リカ:リカ!行かないでくれ!俺のそばにいてくれって。<BR>完治:いくらなんでもそんなこと言えないよ。<BR>リカ:うん?どうして?<BR>完治:ずっと行きたかったんだろう。<BR>リカ:うん。<BR>完治:海外で働くの夢だって。俺、そんな事一度も聞いたことなかったよ。<BR>リカ:だって、完治といる時に、こんな事思ったことなかったもん。<BR>完治:だけど・・・・・・<BR>リカ:行ってほしい?<BR>完治:そうは言ってねえだろう。リカにとって一番いい答えは何かって。<BR>リカ:ううん。かんじがもの代わりいい人でよかったよ。行ってもいいんだね。<BR>完治:だから、リカにとって・・・・・・<BR>リカ:そう。分かった。</P>
<P>トキ子:やっぱ冬は鍋に限るよね。<BR>里美:ちょっと買いすぎだかな。<BR>トキ子:ねえ、男呼びなさいよ。男。<BR>里美:ああ、そんな知り合いいないもん。<BR>トキ子:そうよね。あんたと幼なじみの王子様二人以外本当男っ気ないもんね。<BR>里美:いいじゃない。<BR>トキ子:では、では、里美のリクエストにお答えして、永尾さんを呼ぶとしようではないか。エヌ、エヌ、エヌ。<BR>里美:は、ちょっ、ちょっとやめてよ、もう。<BR>トキ子:ちょっといいじゃない。<BR>里美:あ、まだ会社よ。きっと。<BR>トキ子:よし。じゃさ、家に帰ってたら呼ぼうね。永尾って、本当は会いたくてうずうずしているくせに。素直になんなさいよ、素直に。<BR>完治:はい。<BR>トキ子:あっ、あ、ちょっと待ってください。里美!ちょっと。<BR>里美:うん?<BR>トキ子:出ちゃったよ。<BR>里美:本当に電話したの?<BR>トキ子:早く。ちょっと出ちゃったから。<BR>里美:あ。<BR>完治:ええ?<BR>里美:ああ。<BR>完治:はい。<BR>里美:あ、あのう。<BR>完治:関口?<BR>里美:うん、うん。<BR>完治:何?どうしたの?<BR>里美:あの、あのね。<BR>トキ子:永尾さんですか?よろしかったら、今からいらっしゃいません。お鍋するんです。<BR>完治:ええ?ああ。</P>
<P>リカ:三上君!よう!<BR>三上:よう!<BR>リカ:どう?</P>
<P>トキ子:ああ、できました。<BR>完治:ああ、うまそう。<BR>トキ子:あ、かたがた里美から噂で聞いてたんですよ。<BR>完治:ええ?あ、何を?<BR>里美:あ、いい。聞かなくて。<BR>トキ子:信頼できる人だって。<BR>里美:トキ子。<BR>トキ子:言ったんじゃん。信頼できて大好きだって。<BR>里美:大好きだって言ってないじゃないの。ただ、普通に好きって言っただけ。<BR>トキ子:ほらね、毎日こんな調子だもん。もう永尾さんのために知ってる褒言葉全部使ってるんじゃないかって思う。<BR>里美:あ、いや。そんなに。<BR>完治:あ、ありがとう。<BR>トキ子:リカさんさえいなきゃ永尾君私のものなのにとか言って。ハンカチ噛み締めてたくせに。うん、あら、もしかして、今のしゃれになんなかった?はあ、食べましょう。ねえ。美味しいわよ、これ。じゃ、食べよう。<BR>完治:食べよう。</P>
<P>三上:ロスアンゼルス?はあ、おい、冗談だろう。<BR>リカ:冗談。<BR>三上:なんだよ。脅かすなよ。<BR>リカ:うそ。本当。<BR>三上:ええ?<BR>リカ:だいぶ前に海外勤務の希望出したのにさ。今になって通っちゃう。<BR>三上:永尾は?行くのかよ。<BR>リカ:行く・・・・・・かな。<BR>三上:行きたいのか。<BR>リカ:行きたくない。<BR>三上:永尾にそう言ったのかよ。なんで?<BR>リカ:照れるんだもん。<BR>三上:はあ、何言ってんだよ、お前。<BR>リカ:だって、そんな事言わなくてもさ。完治行くなって言ってくれると思うよ。<BR>三上:やあ、まだあいつのことだからさ。お前のため思ってとか。<BR>リカ:うん。<BR>三上:ほかにあるかよ、あいつがお前の転勤止めない理由なんて。<BR>リカ:うーん。やはり三上君が言うように私の愛が重いんじゃないでしょうか。<BR>三上:あいつは、お前そんな・・・・・・<BR>リカ:完治一途だもん。そんな簡単に好きな人のこと忘れたりしないよ。<BR>三上:お前それでいいのかよ。<BR>リカ:いいわけないじゃん。<BR>三上:だったら、なんでだよ。何でこの間、俺、里美と別れる時だって、なんであいつ行かせたりしたんだよ。自分で自分のくび締めてるもんだぞ。<BR>リカ:しょうがないでしょう。そうしちゃうんだもん。<BR>三上:どうするんだよ。</P>
<P>トキ子:さてと、帰ろうかな。<BR>完治:えっ?<BR>里美:あ、今お茶は入れるから。<BR>トキ子:あ、永尾さんと飲んで。<BR>完治:あ、いや、俺も帰るから。<BR>トキ子:いいの、いいの、ちょっと・・・・・・<BR>完治:あ。<BR>トキ子:永尾さんはもう少しいてあげて、ねえ。<BR>完治:そんな無茶な・・・・・・<BR>トキ子:誰が無茶なんでしょ。余計らしいわよ。じゃね。<BR>里美:あ、ちょっと待って。トキ子!<BR>トキ子:バイバイ。<BR>完治:あ、あ。<BR>里美:あ、ちょっと。ああ。</P>
<P>完治:そんなやつ知らねよ、俺。<BR>里美:あ、そう。<BR>完治:あ、思い出しちゃった。そうだ。文化祭の時にさ、学校泊まったことあっただろう。<BR>里美:あ、うん。覚えてる毎夜クラスの皆で模擬店の準備したんだよね。<BR>完治:そう、そう、そう。焼きそばとおでん。関口が作るおでん最高うめえんだよなあ。<BR>里美:本当?<BR>完治:うん。<BR>里美:今度作る。<BR>完治:本当?<BR>里美:うん。あ、そう、そう。校庭でキャンプファイヤーして。<BR>完治:ああ、明け方まで騒いでたよな。<BR>里美:私、あの明け方の空の色、一生忘れないと思う。<BR>完治:うん。</P>
<P>完治:じゃ、あ、ご馳走様。あ、ここでいいよ。<BR>里美:あ、私もちょっと買い物あるから。<BR>完治:ああ。<BR>里美:ねえ、ほら、あの時、あのう、文化祭の夜、男子だけでどこか行っちゃったでしょう。<BR>完治:そうだっけ?あ、そう、そうそう。うん。<BR>里美:何してたの?<BR>完治:え?へえ、実はさ、一人ずつ女の子誘って生み行こうぜって話になっちゃって。推薦会やってた。<BR>里美:本当?<BR>完治:誰が誰誘うかって。<BR>里美:永尾君は?<BR>完治:えっ、ああ、それは、まあ、関口だよ。悪かったな。<BR>里美:へえ?誘われなかったよ、私。<BR>完治:あ、照れちゃってさ。<BR>里美:いやだ。じゃ、もしあの時、海に行ってたら、今二人違ってたかもね。<BR>完治:そうだなあ。違ってたかもなあ。<BR>里美:うん。<BR>完治:人生にさ、巻き戻しスイッチとかあったら、もう一回試してみたいよな。<BR>里美:うん。<BR>完治:もし、もしあの時、あの日からやり直せるとしたら<BR>里美:今度は?<BR>完治:今さらだよな。<BR>里美:うん。そう。今さら。やり直せるわけないよね。</P>
<P>リカ:やめてもいいよ。<BR>完治:何を?<BR>リカ:ロスの転勤。完治がさ、行かないでくれとか言って、泣いて引き止めるんだったら、転勤やめてあげてもいいんだけどな。まあ、男だし、泣くのがいやだって言うんだったら、そこのとこまけて、行くなって言うだけでもいい。転勤やめてあげる。さあ、これでどうだ?何さ、せっかく人がしゅしょうになってあげてんのにさ。<BR>完治:俺が止めたら行くのやめるのか?<BR>リカ:私が行くのやめるなら止めるの?<BR>完治:お前そんないい加減な気持ちで転勤願い出してたのかよ。<BR>リカ:違うよ。本気だった。<BR>完治:だったら、なんで俺にそんな事言うんだよ。<BR>リカ:だって、普通好きだったら、行かせたくないとか思わない?<BR>完治:思うよ。思うけど、リカ仕事できるし。お前の将来にとってそれが別送かもしれないって言うのに、俺、それ邪魔できないよ。もし、俺たってなかったら行ってたかもしれない、向こうで楽しくやってたかもって。<BR>リカ:やってたかもね。<BR>完治:そう考えたら、縛ることなんかできない。<BR>リカ:縛ることになんかならない。若しもの私より、今の私が・・・・・・<BR>完治:今、お前がそう思っても、やっぱり行きたかったってなるだろう。後悔したりとかするんだろう。<BR>リカ:しないよ。完治に決めてもらいたいなって、行くなって言ってくれるの期待するのって可笑しい?<BR>完治:俺には、リカの人生背負うなんて重過ぎる。もう俺なんかよせよ。</P>
<P>リカ:部長!<BR>部長:うん?<BR>リカ:ロスアンゼルスの転勤の件なんですけど、決めました。<BR>部長:決めた?<BR>リカ:今取り締まり役にお返事してきました。。<BR>部長:どう?<BR>リカ:行ってきます。</P>
<P>完治:リカいなくなるんだ。<BR>里美:へえ?<BR>完治:ロスに転勤になった。<BR>里美:リカさん行くの?<BR>完治:ああ。<BR>里美:どうして?<BR>完治:あいつの前からの希望だったんだ。<BR>里美:そんな・・・・・・どうして?誰かを好きになると、その人に寄り添う以外、行く所なんてなくなるはずでしょう。離れ離れなんか・・・・・・<BR>完治:違うんだ。俺が行かせようとしたんだ。<BR>里美:止めなかったの?<BR>完治:普通だったら、ずっとそばに置いて俺が四六時中支えてやろうって思うけど、リカは違うんだ。自由にしてやりたかった。あいつのしたいようにって。あいつの望み通りにって。それ遠くから応援してやれれば、それでいいって思ってた。けど、それ余計にあいつ傷付けちゃった。結局俺の一人よがりだったんだ。あいつのしてほしい事、何一つ分かってやれなくて、どうしようもないよ。<BR>里美:そんな事ない。永尾君のそう言う所素敵だと思う。リカさんだってきっと分かってくれるはず。<BR>完治:はあ、関口。<BR>里美:私もそう。永尾君のそう言う所好き。</P>
<P>リカ:完治!寒いね。いい。だめだよ、そんな事しちゃ。ごめんね。<BR>完治:ああ?全然平気。<BR>リカ:よかった。実は私もちょっと胸がすっとしたんだ。<BR>完治:はあ?<BR>リカ:ご免ね。こんな時間に寄り道させちゃってさ。<BR>完治:いいよ。<BR>リカ:もうちょっと待てば会社で会えるって分かってて、我慢できなかった。<BR>完治:何が?<BR>リカ:私ね、ずっとこのままでいたいなんて気持ちって、今まで感じたことなかった。明日悲しいことがあるって分かってても、私明日が来るのが嬉しかった。でも、でもさ、完治にさよなら言わなきゃならないのかなと思ったら、時計がかちかち行ってるの聞いてるの怖かった。そしたら、電話しちゃった。トホホだよ。完治がいなくちゃ。<BR>完治:ロス行きたくないのか?行きたいんだろう。<BR>リカ:行きたいって言えば行きたい。向こうへ行けば友達いるし。仕事も今より責任あるし。やりがいもある。狭い東京より海があって、お日様が近くて、道なんか真っ直ぐで、皆元気で声が大きくて。三ヶ月前の私なら、すぐにでも返事した。今頃飛行機の上にいる。その後誰と出会うかもしらないで。ロスで元気よくしてたかもしれない。海外勤務の希望出したのは私だし。だけどさ、あの頃の私に教えてあげたい。海の向こうになんか行っちゃだめだよって。もうすぐあなたは素敵な人に会うんだよって。その人の名前は永尾完治って言うんだよって。好き完治、それだけ。</P>
<P>三上:よう!<BR>完治:なんだよ、急に。<BR>三上:この間リカに会ったよ。このまま行かせる気かよ。<BR>完治:俺にはあいつ引き止める権利なんかない。<BR>三上:あるだろう。お前ら付き合ってんだろう。<BR>完治:だからって、あいつの人生変えること、俺できない。<BR>三上:もう変えてるじゃねえかよ。お前が彼女と会った時点でもう変わってるんだよ。<BR>完治:ロス行ったほうが、あいつにはいいと思ってた。けど、俺自信なかったもんかもな。これから先あいつとずっとやって行けるかどうか。<BR>三上:お前が弱音吐くなんて始めて聞いたよ。<BR>完治:うるせ。<BR>三上:けど、それだけじゃないだろう。ほかに引っ掛かってる事があるから、責任取れないんじゃないのか。リカ全部分かってるよ。<BR>完治:何を?<BR>三上:お前と里美のこと。お前里美のことが気になってるから、リカ支えてやらなくなったんじゃないかよ。お前の気持ち隠さず全部話してやれよ。お前が生まれて初めて人を傷付けるんだからさ。</P>
<P>完治:どうした?<BR>里美:いや、行かないで、好きなの。<BR>完治:もうこれ以上あいつ傷つけるわけではいかないんだ。関口?<BR>里美:ご免なさい。私、何言ってるんだろう。でも・・・・・・行かないで。<BR>完治:関口?<BR>里美:三上君の時は我慢したの。待ってればいいんだって。待ってればいつかきっと帰ってきてくれるって。でもだめだった。だから、もう後悔したくないから、行かせたくなかった。失いないたくなかった。<BR>完治:いいんだよ、もう。もう関口一人の問題じゃないんだ。だから。</P>
<P>三上:よう!<BR>完治:外回り行かなきゃなんねから、あんまり時間ねんだよ。<BR>三上:あ、そうか。どうした?<BR>完治:うん?<BR>三上:リカと話すって言っただろう。<BR>完治:ああ、なんでお前がそんな事気にするんだよ。<BR>三上:ええ、お前のおせっかいが移ったかな。<BR>完治:まだ話してない。昨日リカと会う約束したんだ。その時俺全部話すつもりでいた。<BR>三上:じゃ、なんでて?<BR>完治:あんな関口、初めて見た。関口が来たんだ。あいつ俺に行かないでって。俺行けなかった。<BR>三上:お前里美といたかったのか?お前変わらずそうだったからな。昔から里美に安らぎを感じてた。リカと付き合っている間もずっとだ。里美と俺が別れた時、お前どう思った?嬉しかったねえよ。<BR>完治:馬鹿言えよ。<BR>三上:まあ、どうでもいいけどさ。<BR>完治:なあ。<BR>三上:うん?<BR>完治:お前どう思う?なんでリカ俺選んだんだ?<BR>三上:でも、けじめだけはつけろよ。このままリカのこと・・・・・・<BR>完治:分かってる、それ。答え出すのは俺の役目なんだ。</P>
<P>三上:永尾と一杯飲もうと思ってさ。<BR>リカ:そう。<BR>三上:その後どうだ?そうか。飲みに付き合わないか。<BR>リカ:ああ、いいけど。完治誘いに来たんじゃないの?<BR>三上:予定変更。<BR>リカ:そう、あの人結婚しちゃうんだ。三上君振られたわけ。<BR>三上:ふん。<BR>リカ:あの人のこと好きなの?<BR>三上:ああ、好きだった。<BR>リカ:あ、過去形。<BR>三上:結婚しちゃうんだから。<BR>リカ:それで締めちゃうの?<BR>三上:しょうがないだろう。<BR>リカ:だめ。頑張れ!<BR>三上:ふん、そっちはどうなんだよ。永尾と話したのか?<BR>リカ:なんか話あるとか言ってたけど。<BR>三上:まだ話してないのか?<BR>リカ:知らん顔してやった。<BR>三上:なんで?<BR>リカ:何が言いたいのか分かるもん。そんな聞けないよ。<BR>三上:俺には締めるな、頑張れとか言っといて。<BR>リカ:頑張ったよ。頑張ったんだけど、頑張ったつもりだったんだけど、ノックしたんだけど。コンコン、完治!コンコン、何してるんだよ。コンコン、早くドア開けてよ。コンコンって。でもさ、完治返事なかったよ。それでもまた、それでもまた頑張らなきゃだめかなあ。もっと、もっと頑張らなきゃ、まだ足りないかなあ。<BR>三上:ロスにはいつ行く?<BR>リカ:三週間後。<BR>三上:そうか。友達いるんだろう。<BR>リカ:いるよ。<BR>三上:じゃあ、寂しくないか。<BR>リカ:そうだけどさ、友達がいるとかじゃないから。誰もいないから寂しいってわけじゃないから。誰かがいないから寂しいんだから。</P>
<P>完治:リカ!日曜出勤?<BR>リカ:うん。ロスに行く前にいろいろ残ってる仕事あるからさ。完治は?<BR>完治:ああ、明日の会議に出さなきゃいけない書類忘れて。<BR>リカ:そう。<BR>完治:偶然だな。<BR>リカ:偶然だね。前だったら、愛がある証拠だとか思ったけど。さてと。<BR>完治:リカ!話聞いてくれないか?<BR>リカ:何の話?<BR>完治:俺の思ってること。リカとのこと、関口とのこと全部。<BR>リカ:いいよ、もう。そんなの。<BR>完治:よくないよ。<BR>リカ:いいじゃん。私もうすぐいなくなるんだよ。もうすぐロスに行っちゃうんだよ。<BR>完治:このままロス行かせるなんかいかない。だから・・・・・・<BR>リカ:聞こうと思ったよ。聞こうと思った。だから、あの日待ってたんだよ。でも来なかったじゃない。それが答えなんでしょう。いいよ。もう言い訳なんか聞きたくない。<BR>完治:言い訳じゃないよ。<BR>リカ:じゃ、何?そう。いいよ。聞くよ。五秒だけ。好きでも、さよならでも、それでおつりくるでしょ。一思いに言えば。どっちも言ってくれないんだね。いいよ。分かった。振ってあげる。はあ、どうしてだろう。どうしてかな。顔が笑っちゃうよ。はあ、泣ければいいのにね、こんな時。泣ければさ、ちゃんとさよならできるのにね。こんなんじゃ、ハッピーエンドなっちゃうよ。</P>
<P>リカ:どうした?そんなにショックだった?ロスに行ってもちゃんと絵はがき書くからさ。完治もさ・・・・・・<BR>完治:本当のことを言う。<BR>リカ:えっ?<BR>完治:俺もうリカとやって行く自信ない。だから・・・・・・<BR>リカ:なんでそんなこと言うの?どの道も終わりになるんだよ。私がロス行っちゃえば、終わりになるんだよ。別れ話なんか、それ必要ないんじゃない?ないよ、そんなの。<BR>完治:笑うなよ。冗談じゃないんだ。<BR>リカ:そんなこと急に言われたって、私笑うしかないじゃない。冗談だと思うしかないじゃない。<BR>完治:このままじゃ。こんまま、ただリカ見送って、中途半端にして。そんなの、俺できない。<BR>リカ:そんなことないよ。別れる必要なんかないよ。まだやって行けるよ。なんで諦めるの?<BR>完治:もうこれ以上・・・・・・<BR>リカ:うそだよ。完治またうそついてる。<BR>完治:うそなんかじゃない。<BR>リカ:そんなの認めない。私は別れない。絶対別れたりしない。</P>
<P>里美:もしもし。<BR>完治:関口?<BR>里美:永尾君。<BR>完治:ああ。<BR>里美:どうかしたの?<BR>完治:リカと、今リカと別れてきた。あいつ認めないって言ってるけど。愛媛から東京出てきて、初めて会ったのはリカだった。何も彼も不安でしょうがなくて、俺おどおどしててさ。そんな俺に向かってあいつ言ったんだ。何があるか分からないから元気出るんじゃないって。関口と三上のことで、俺が落ち込んでる時も、頑張れ、元気出せって。振られたって、好きになった気持ちは無駄にはならないって。何時も近くにいて笑ってた。笑いかけてくれた。なのに俺・・・・・・愛媛へ行く約束も果たせなかった。あいつがロスへ行くの止めなかった。俺、あいつ愛してなかったのかな。あいつ頼りにして、甘えてたのは俺のほうだった。俺は・・・・・・ただ、それだけの男だったんだ。あいつを幸せにしてやることもできない、ただそれだけの・・・・・・<BR>里美:永尾君、永尾君。</P>
<P>部長:ロス転勤の話に常務に言って断ってきたらしい。<BR>完治:来週に控えて準備もしてたはずじゃ・・・・・・<BR>部長:うん、そうなんだけどな。<BR>完治:今どこに?<BR>部長:それが分からないんだよ。今朝事業部に電話があって、しばらく休みたいって言ったぞ。<BR>完治:家には?<BR>部長:電話しても出ない。そうか、お前も知らないのか。ロスの話断るぐらいだ・・・・・・永尾、お前らなんかあったか?いや、まあ、詮索はしないけどな。<BR>完治:部長、お願いがあるんですが。<BR>部長:なんか、言ってみろ。<BR>完治:常務に断ったって話、もう少し保留にできませんか?<BR>部長:そのままできなくもないけども・・・・・・どうするつもりだ?<BR>完治:探します、リカを。<BR>部長:心当たりでもあるのか?<BR>完治:いいえ、でも絶対見付けます。ロス行くにしても、行かないにしても、俺はあいつに会わなきゃいけないんです。<BR>部長:そうか。</P>
<P>リカ:夜汽車に仱盲皮怠P肖盲皮撙郡い巍⑼曛韦紊蓼欷款诵肖盲皮撙郡ぁP肖堡毪瑜汀ⅳい膜摔切肖堡毪瑜汀<BR>完治:リカ!卒業する時さ、この学校の柱にさ、名前ほったんだよ。六年二組永尾完治って。<BR>リカ:確かめに行こうよ。<BR>完治:ええ?<BR>リカ:それでさ、その隣に私の名前も書くの、約束。<BR>完治:約束。</P>
<P>リカ:完治!ここでいいんだよね。ここだよね、完治の生まれた町。<BR>完治:急になくなったから、みんな心配してるんだ。<BR>リカ:よかったね、名前残ってて。<BR>完治:ああ・・・・・・<BR>リカ:何年前?<BR>完治:十年、や、十、十二年前かな、卒業式の日にさ。<BR>リカ:完治がまだ可愛い頃だ。<BR>完治:悪かった、今憎たらしくて。<BR>リカ:私の名前も十年も二十年も残るのかな。<BR>完治:この春限りで廃校になるらしいんだ、ここ。<BR>リカ:なくなっちゃうの?<BR>完治:取り壊したろうな。<BR>リカ:でも、まあ、いいや、私が覚えてるから、一秒でも完治と名前並んだってだけでさ。<BR>完治:とりあえず、連絡だけでもしなきゃ、みんな心配してる。<BR>リカ:完治も心配した?<BR>完治:したぞ、そりゃあ。<BR>リカ:どうして?<BR>完治:え?<BR>リカ:どうして心配したの?別れた女になんか用でもあった?うそ、うそ、ねえ、案内して。<BR>完治:うん?<BR>リカ:完治の生まれた町、約束叶えてよ、赤い糸はぶっつり切れちゃったけどさ、約束は約束でしょ、ねえ。</P>
<P>トキ子:だんだん暖かくなってきたねえ。<BR>里美:もうすぐ春だもん。<BR>トキ子:うん、里美の春は今頃愛媛あたりかな。里美、どうして永尾君行かせたりしたの?もう里美のとこには戻って来ないかもしれないよ。<BR>里美:いいの、あとは永尾君が決めることだもん。<BR>トキ子:平気なの?<BR>里美:でも、我慢しなきゃいけない思いもあるの。<BR>トキ子:だかが、二十四歳でそんなこと知らなきゃいけないのかな。<BR>里美:もう二十四。</P>
<P>里美:はい。<BR>三上:おい、サンキュ。何かあるとさあ、俺ここで気晴らしするんだよ。<BR>里美:私が落ち込んでると思った?永尾君のことで、ありがとう、三上君こそいいの?<BR>三上:ええ?<BR>里美;昔の彼女のとこなんかいて、今の彼女が焼き餅やいてるかも<BR>三上:まさか?<BR>里美:なんていったって、経験者ですから、私は。三上君との写真見ながら、涙で枕濡らしちゃうかも。<BR>三上:あいつ結婚したよ。今頃オーストリア辺りで、コアラと記念写真でも撮ってるんじゃねえか。<BR>里美:そう。<BR>三上:永尾、リカ見付けたかな。泣きたくなったら、いつでも言えよ、俺の胸貸してやるから。<BR>里美:泣かないよ、もう。三上君のおかげで、一生分の涙なくなちゃった。<BR>三上:あ、そう、ああ、なくなちゃったか。</P>
<P>完治:それでさ、一年で一番俺たちが盛り上がるのが台風なんだよ。<BR>リカ:あ、盛り上がるの?<BR>完治:うん、この川なんかも決壊しちゃってさ、町中にサイレンが鳴響いて、大人たちはみんな真っ青の顔してんだけど、俺達はわくわくしちゃってさ。<BR>リカ:うん。<BR>完治:麦わら帽子なんか向日葵に被せてさ、朝から夜まで驅けずり回ってたんだ。町中の餓鬼みんな友達だったんだ。<BR>リカ:いいよね、私なんか転校ばっかだったから。<BR>完治:そうか、おれ転校したことないからなあ。<BR>リカ:「はじめまして」と「さようなら」の間が一か月の内こともあったし、お別ればっかり。<BR>完治:そんな気繰り返してるとわりと慣れちゃったりするんだろう。<BR>リカ:そんなの慣れないよ。みんなと分かれる時はいつでも同じだけつらい、だからね、一緒にいられる間は精一盃楽しくしなきゃって。ああ、あの子と最後にあった時、私笑ってたかなってさ、二度と会えないかもしれないんだから、なるべく笑顔でいなきゃって、思うんだ。</P>
<P>リカ:あ、サンキュ。完治の匂いするよ。<BR>完治:何言ってんだよ。<BR>リカ:洗って返すね。お参りしよう。ねえ、あれが駅かな?<BR>完治:いや、駅はあっちのほうだから、ここから見えない。<BR>リカ:この町から東京に出てきたんだね、完治は。<BR>完治:そうだよ。<BR>リカ:東京、どう?<BR>完治:うん、いいとこもあれば、悪いとこもあるし、俺にはこっちのほうが向いてるのかもしてないけど、東京も好きだな。<BR>リカ:戻ってきたいとか思わない?<BR>完治:へえ?<BR>リカ:この町で罐蹶りしたり、兜虫捕ったり、裏山で探険ごっこしたり、台風にわくわくしてたあのことに、戻りたいと思わない?どうして?<BR>完治:なんて言うかな、いろんなものをさあ、見たり聞いたり、いろんな人に出会って、やっと今の俺になたわけだから、捨てるわけにはいかないよ、今まで会った人たちのことを。<BR>リカ:その中に私も入ってる?<BR>完治:入ってるよ。<BR>リカ:よかった。<BR>完治:リカ。<BR>リカ:うん?<BR>完治:転勤断って、どうするつもりなんだ?今ならまだ取り消しする、和賀さんにも話してきたから。<BR>リカ:ねえ、完治の家はどっち?</P>
<P>三上:どうした?<BR>尚子:捨ててきちゃった。<BR>三上:何を?<BR>尚子:全部。向こう着いて、そのまま同じ飛行機で帰ってきちゃった。<BR>三上:新郎は?<BR>尚子:泣いてた。<BR>三上:両親は?<BR>尚子:泣いてた。笑わないでよ。<BR>三上:笑うよ。最低だろう。<BR>尚子:あなたと同じぐらい。</P>
<P>完治:うん、何?<BR>リカ:ちょっとね、サンキュー。で向こう行って見よう、今度。<BR>完治:あ。<BR>リカ:完治さあ、ロスに行かせようって、説得するためにここに来たの?<BR>完治:それもあるけど、それだけじゃない。<BR>リカ:行くよ。<BR>完治:え?<BR>リカ:行くよ、私。私ロスに行く、決めた。顔に書いてるよ、「もう君じゃない」だってさ、行くよ、ロス、完治を好きだったこと、胸の一番奥にしまって、これから会った時にそんな顔しないでよ、しゅんとしてないで、しゃんとしゃんと、そうだ、私の旅立ちのお祝いに乾杯しなきゃね、そうそう、さっきお店会ったよね、まさかシャンパンなんかないだろうし、缶ビールでも買って来るわ。<BR>完治:おい!<BR>リカ:すぐ戻るからさ。<BR>完治:リカ、もっと楽に生きろよ。<BR>リカ:完治もね。</P>
<P>リカ:駅で待ってる、先時刻表見たら、四時四十八分の電車あったからさ、あと一時間、それまでに、気が変わったら来て、それでもだめだったら、私そのままいなくなるから、最後のお願い、じゃあ、四時四十八分、会いたいから、さようなら言わないよ。</P>
<P>完治:すみません、今のは四十八分の電車ですよね。<BR>車掌:そうですよ。<BR>完治:あの・・・・・・あの、白いコートを着た女の子見ませんでしたか。<BR>車掌:白いコート?ああ、ああ、おりましたよ。ほら、あそこに立っておりました。<BR>完治:どこへ行ったんですか。<BR>車掌:この前の四時三十三分の電車に仱辘蓼筏俊<BR>「バイバイ、かんち」<BR>完治:リカ!</P>
<P>里美:あ、そうだ、大ニュース。<BR>完治:ええ?<BR>里美:長崎さんって・・・・・・<BR>完治:ああ、結婚したんだったな。<BR>里美:新婚旅行ほうりだして帰ってきたんだって。<BR>完治:なんで?三上とか・・・・・・そうか。リカ・・・・・・ロスへ行った。</P>
<P>リカ:こんにちは、完治。今晩はかな。これから完治にお別れを言おうと思います。ちょっと悲しいけど、でも、悲しいだけでもありません。いずれにしても、完治と同じ季節に同じ道を歩けたことを愛してやみません。完治、今が愛しいよ。完治と別れする今、この時をやっぱり愛しく思えるから、私のこれからはきっと大丈夫って思います。完治と出会えてちょっと人生得したかなって。さよならは言いません。約束もしません。でも、また会えるよね。赤名リカ。追伸:元気ですか。</P>
<P>同僚:お疲れ様です。<BR>完治:おいっ。部長。<BR>部長:おう。<BR>完治:北スポーツの件なんですが、明日には契約を勘定して、来週中にはすべて納品する予定です。<BR>部長:あ、そうか、ご苦労さん。<BR>完治:それから、事業との絡みで来週のイベントは僕がやることになりました。<BR>部長:あ、そうか。それより、お前今日友達の結婚式だったんだよな。<BR>完治:はあ、一時からですから。<BR>部長:今日ぐらいは休んでも構わないぞ。<BR>完治:いいえ、そういうわけには。はあ?<BR>部長:いや、今のお前なら、赤名とうまくやって行けたんじゃないかと思って。それとも、赤名とのことがあってお前がむりやり大人になったのか。まあ、仮定の話をしてもしょうがないか。悪かり。<BR>完治:まだどこにいるか分からないんですか?<BR>部長:ああ、ロス社を半年で辞めて、それから音信不通だからだな。今頃はどこで、何をしてるのか。</P>
<P>完治:じゃ、俺達これで。<BR>三上:あ、悪いな。これからこいつの両親と食事しないと。<BR>完治:あ、いい、いい。<BR>三上:本当悪い。<BR>完治:そんな謝るようなことじゃないだろう。<BR>三上:でも、せっかくお前ら来てくれたのにさ。<BR>完治:あ、いいことだよ。三上にもやっと性異風でてきた。おめでとう。おめでとう。<BR>三上:ありがとう。<BR>里美:おめでとう。<BR>尚子:ありがとう。<BR>三上:じゃな。<BR>完治:じゃ。<BR>里美:尚子さんきれいだったな。<BR>完治:うん。三上も幸せそうだったよ。<BR>里美:でも、三上君しりに敷かれてそう。あ、靴紐。<BR>完治:あ、いい、いい。<BR>里美:いい、いい。はい。どうしたの?<BR>完治:ああ、いや・・・・・・リカ!<BR>リカ:や、永尾君じゃない?<BR>完治:あ・・・・・・<BR>リカ:里美ちゃんも、久しぶり。へえ、もしかして、二人は・・・・・・<BR>完治:ああ、結婚したんだから。<BR>リカ:やっぱり。<BR>完治:東京帰ってたのか。三年ぶりだな、ぜんぜん連絡取れない。<BR>里美:あ、私そこで買い物してくる。<BR>完治:えっ?<BR>里美:久しぶりに会ったんだから、同窓会したら?<BR>完治:二人で?<BR>里美:そう、二人で同窓会。<BR>完治:あ。<BR>里美:じゃあ。<BR>リカ:永尾君、大人なったね。<BR>完治:そうかな。<BR>リカ:なった。ああ、三年立ったんだなあって感じする。<BR>完治:そうか。君は?<BR>リカ:あまり変わってないでしょう。<BR>完治:変わってない。<BR>リカ:もしもし。<BR>完治:はいはい。<BR>リカ:どっちかっていうと、さらに美しさに磨きがかかったって感じでしょ。<BR>完治:かかった。<BR>リカ:ちょっとはさ、惜しいことしたかなと思った?<BR>完治:ちょっとはね。<BR>リカ:あ、里美ちゃんに言い付けてやろう。<BR>完治:言えば。<BR>リカ:言うよ。いい奥さんもらったね。<BR>完治:そっちは?<BR>リカ:一人には慣れてるから。<BR>完治:そんなもん慣れんなよ。<BR>リカ:そんなさ、一生のうちに人好きになるなんてそうそうあるもんじゃないだから、好きになったら、あっという間なんだけどさあ、でも、だから、永尾君を好きになれたことを大切に思ってる、思えるよ、好きになったこと、好きになってくれたこと、いつも、ここで元気してる。明日、この恋がどうなるとか、考えて、人好きになるわけじゃないし、あの時の私がいるから、今の私がいるんだから、ちょっと自分にいってあげるよ、よくやったね。<BR>完治:今何してるんだ?<BR>リカ:教えない。<BR>完治:どうして?<BR>リカ:大丈夫、何をしてても、私は私だから。<BR>完治:そうだな。<BR>リカ:じゃあ、あんまり時間ないから。<BR>完治:そうか。一緒に・・・・・・飯でも食べわないか。和賀さん心配してるんだ、電話番号ぐらい・・・・・・そうか。<BR>リカ:いいじゃ、そのほうが、今日みたいに町角で偶然再会なんてさ、そう、また、何年後かに・・・・・・</P>
<P>リカ:じゃ、ここで。<BR>完治:あ、じゃね。<BR>リカ:じゃね。<BR>完治:バイバイ。<BR>リカ:バイバイ。<BR>完治:またな。<BR>リカ:またね。<BR>完治:そのうちさ。<BR>リカ:そのうちね。<BR>完治:気が向いたら、会社のほうでも連絡くれよ。<BR>リカ:うん。<BR>完治:元気でな。<BR>リカ:永尾君もね。<BR>完治:頑張れ!<BR>リカ:永尾君もね。<BR>完治:ありがとう。<BR>リカ:何が?何か、これじゃ、いつまで立っても帰れないね。<BR>完治:いつだったかさ、こんなことあったよな・・・・・・<BR>リカ:あった。じゃさあ、いつかみたいにせえので一緒に後ろ向こう。<BR>完治:OK.<BR>二人:せえの!</P>
<P>リカ:完治、完治、完治!</P>
<P>終わり~~~~~~</P>
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发表于 2004-11-29 09:15:23 | 显示全部楼层
我现在网上看原版的,你有比较完整的台词吗?发给我一份好吗?不胜感激!
maryy2008@yahoo.com.cn
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发表于 2004-11-29 09:21:55 | 显示全部楼层
请问到哪里能找到原版的?请告诉一声!谢!!!!!!!!!!!!!!!!!
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发表于 2004-11-29 09:26:40 | 显示全部楼层
刚刚学会上网,还不太会在网上看东西,一直在找原版的东京爱情故事,却一直不能如愿,能教一下吗?不胜感激!
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发表于 2004-11-29 12:04:17 | 显示全部楼层
有好几个原版电影呢,免费的。
www.tk4479.com/rjtt.htm
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发表于 2004-11-29 14:10:15 | 显示全部楼层
谢谢!马上找找看!
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 楼主| 发表于 2004-11-29 16:28:46 | 显示全部楼层
  第一集完成了,不知为什么,在自己的机子上打出来的,粘贴过来变成了乱码。又不能上传。怎么办呢。谁有办法啊?
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发表于 2004-11-29 22:23:53 | 显示全部楼层
请问可以把这个脚本完整的发给我吗?我有这个vcd看过一次了,想再看一次把它全听懂,不胜感激!!!vivi214@163.com
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发表于 2004-11-29 22:26:11 | 显示全部楼层
请问可以把这个脚本完整的发给我吗?我有这个vcd看过一次了,想再看一次把它全听懂,不胜感激!!!vivi214@163.com
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发表于 2004-11-30 09:55:23 | 显示全部楼层
打不开啊,能不能也发给我一份啊,我很想看这部电影,
hoc.81@163.com
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 楼主| 发表于 2004-11-30 10:03:18 | 显示全部楼层
现在没有问题了,因为是在EditPlus完成的,复制粘贴过来就有问题。我在系统的记事本里打开,再复制粘贴就没问题了。还有楼上的二位我已经发了一份到你们的邮箱里了。
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发表于 2004-11-30 22:58:36 | 显示全部楼层
我也想要
麻煩你了
謝謝
yoski0509@msn.com
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发表于 2004-12-1 09:17:59 | 显示全部楼层
楼主给我发一份好吗?谢谢
maryy2008@yahoo.com.cn
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发表于 2004-12-1 12:46:46 | 显示全部楼层
楼主,谢谢,我在影视音乐吧发了同样的帖子,我们共同完成东爱台词吧,然后奉献给咖啡的朋友们。
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发表于 2004-12-1 14:13:26 | 显示全部楼层
找到了,谢谢!第一次看,难过得都吃不下饭,多傻的莉香!可是,她的声音好可爱,听起来觉得好清脆,好舒服。还有什么能看原版日本电影的网站吗?多告诉几个,不胜感激!
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