“すごい”がすごい増えています！

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最近、「すごく楽しい」と言っていたのを「すごい楽しい」と言う人が増えている、というご指摘を多くの方からいただきました。東京渋谷で聞いてみると、年配の方は本来の「すごく楽しい」を使うのに対し、若い人は「すごい楽しい」の方をよく使うということでした。若い人は“すごく”は書きことばのように硬いイメージで、会話ではあまり使わないのだそうです。文化庁が平成15年度に調査したところ、およそ半数の人が「すごい速い」のような表現を使うという結果でした。随分増えてきた表現のようです。そもそも文法的に“すごい”は名詞にしかつきません。形容詞や動詞などには“すごく”がつくのが正しい使い方です。ところが、1980年代頃からこの表現が増えたと言われ、最近の一部の辞書に【“すごく”と言うべきところを俗に“すごい”と言うことがある】と載るようになりました。なぜ、本来「○○く」と言うべきところを「○○い」と言うようになったのでしょう。それは、“言い易い”というのが一番の理由かもしれません。同じ強調で「えらく／えらい」は一般的には「えらく疲れた」などと言いますが、関西では「えらい疲れた」となります。方言は口語体なので言いやすい方が使われることがあります。同じ強調の「すごい／すごく」も会話では感情的に使われることが多く、言いやすい「すごい」に流れたのかもしれませんね。また、感嘆詞の「すごい！楽しい！」がそのまま「すごい楽しい」になったとも言われています。いずれにしても、若い人はよそよそしく感じる丁寧な表現よりも、気軽で言いやすい方を好んで使うようです。しかし、正しくは「すごく楽しい」です。気をつけましょう。