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楼主: reiuka2

[其他翻译] 日中对照 畅销悬疑小说《告白》连载 二

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 楼主| 发表于 2011-3-10 07:52:07 | 显示全部楼层
   あの後、どうやって家に辿り着いたのか、よく憶えていません。

   牛乳の臭いのついた制服を脱ぎ、シャワーをあびると、食事もとらずに部屋に閉じこもりました。腕には、締め上げられた感触が残り、耳には、ゲラゲラと笑う声がこびりつくように残っていました。震えが止まりませんでした。永遠に夜が明けなければいい、このまま、核ミサイルでも飛んできて、全部消滅すればいい、と思いました。

   眼を閉じると、忌まわしい出来事が映像になってよみがえりそうで、眠ることもできませんでした。

   深夜零時頃、メールの着信音が鳴りました。あの画像が送られてきたのかもしれない。おそるおそるケータイを開くと、見慣れないアドレスが記されていました。修哉くんでした。近くのコンビニの前にいるから来てほしい、と書いてありました。迷ったけれど、行くことにしました。
修哉くんは、コンビニの駐車場の脇に自転車を止め、その前に立っていました。どんな顔をすればいいのかわからず、何を言えばいいのかわからず、私は黙って、修哉くんの向かいに立ちました。すると、修哉くんは無言のまま、ジーパンのポケットから小さく折りたたんだ紙を取り出し、広げて、私の顔の前に突きつけてきました。

   外灯はともっていたけれど、何が書かれているのかよくわかりませんでした。少し身を引いて、目を凝らすと、数字がいくつか書き込まれていました。それが修哉くんの血液検査の結果だと気付いたのは、最後の項目を見たときでした。よく見ると、一番上に修哉くんの名前と検査を受けた日付けが印字されていました。一週間前の日付でした。

   ――うちに帰ったら届いてた。そういうことだから。

   修哉くんは元通りに紙をたたんで、ポケットにしまいました。気付くと涙が溢れていました。それを修哉くんに、安堵の涙だと思われたくありませんでした。

   ――知ってた。

   一言、そう言いました。修哉くんは驚いた顔をして、私を見返しました。殺人鬼少年Aの顔ではなく、久しぶりに見る、何か感情のこもった表情でした。

   ――修哉くんに話したいことがある。

   そう言うと、修哉くんは自動販売機で缶ジュースを二本買って、自転車のかごに入れ、自転車の後ろに乗るよう、言いました。深夜のコンビニは、あの事件の話をするには、賑わい過ぎていました。
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 楼主| 发表于 2011-3-10 07:54:50 | 显示全部楼层
       在那之后我是怎么回家的已经记不清了。脱掉染上牛奶味道的制服洗完澡,晚饭也不吃就躲在自己房间里。手臂上还残留着被人反绞的感觉,嘎嘎的笑声在耳边萦绕不去。我无法停止颤抖。天永远不要亮就好了。就这样有核弹飞过来消灭一切就好了。
       闭上眼睛好像又会重演那可怕的一幕,我也无法入睡。
       半夜十二点左右,手机的简讯铃声响了。搞不好是传那张照片来。我胆战心惊地打开手机,上面是眼生的联络人:修哉。内容是要我到附近的便利商店前跟他碰面。我虽然有点迟疑还是去了。
       修哉把脚踏车停在便利商店停车场的旁边,站在那里等我。我不知道该用什么表情面对他,也不知道该说什么,只默默地走到他面前。修哉也一言不发地从牛仔裤口袋里拿出一张折叠成小方块的纸递到我面前。
       虽然有路灯但一下子看不清楚写着什么。我定睛望去,上面有许多数字。看到最后一项我才发觉这是修哉的验血结果。仔细一看最上端印着修哉的名字跟检查项目,日期是一周前。
       ——回家的时候收到的。因为发生了那种事所以给你看。
       修哉把纸原样折好,放回口袋。我不由得流下了眼泪。然而我不想让修哉以为这是安心的眼泪。
       ——我早就知道了。
       修哉听我这么说,惊讶地望着我。不是杀人犯少年A的面孔,而是许久不见有某种感情的表情。
       ——修哉,我有话要跟你说。
       修哉从自动贩卖机买了两罐果汁汽水放进脚踏车的篮子里,叫我上后座。要说那件事的话,深夜的便利商店太过热闹了。
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 楼主| 发表于 2011-3-10 08:17:13 | 显示全部楼层
这段的翻译总体不错,但小错还是不断。

1 すると、修哉くんは無言のまま、ジーパンのポケットから小さく折りたたんだ紙を取り出し、広げて、私の顔の前に突きつけてきました。
修哉也一言不发地从牛仔裤口袋里拿出一张折叠成小方块的纸递到我面前。

広げて 漏译。
“修哉一言不发地从牛仔裤口袋里拿出一张折叠成小方块的纸,展开后递到我面前。”

2 少し身を引いて、目を凝らすと、数字がいくつか書き込まれていました。
我定睛望去,上面有许多数字

还是漏译。“我抽了抽身,定睛望去,上面有许多数字。”

3 よく見ると、一番上に修哉くんの名前と検査を受けた日付が印字されていました。
仔细一看最上端印着修哉的名字跟检查项目

日付 就是“日期”,不是“项目”。


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 楼主| 发表于 2011-3-11 07:47:15 | 显示全部楼层
   深夜に自転車の二人乗りをしている私たちは、周りからどんなふうに見えたのでしょう?すれ違う人や車などほとんどなく、そもそも、そんな関係じゃないのに、私は少しドキドキしていました。

   痩せてると思っていた修哉くんの背中が、思ったよりも広かったからかもしれません。暗闇の中で、世界が終わってしまえばいい、と思っていた私を修哉くんが救いに来てくれたような気がしました。

   十五分ほど走り、住宅街から外れた川沿いにある、平屋の一軒家の前で、修哉くんは自転車を止めました。修哉くんの家ではないはずだし、人が住んでいる気配も感じられないのに、修哉くんはポケットから鍵を取り出すと、その家の玄関を開けました。不安そうに見ている私に、修哉くんは、ここは無くなったおばあさんが住んでいた家で、今は店の商品の在庫置き場として使っているのだ、と教えてくれました。

   玄関に入り、修哉くんが電気を点けると、廊下にまで大きいなダンボール箱が積み重ねられていました。荷物だらけで風通しの悪い家の中は、サウナのように蒸し暑く、私たちは玄関前に並んで座ることにしました。修哉くんがくれたグレープフルーツ味の缶ジュースを、両手で転がしながら、あの日、私が何をしたのか修哉くんに話しました。悠子先生も知らないことです。

   私は悠子先生の話で、どうしても一ヶ所だけ、信じられないところがありました。最後のところです。聞いたときは、本当に、背筋がぞくぞくとするほど先生のことが怖かった。

   先生が出ていったあと、直くんが出ていき、みんなも逃げるように教室から出て行きました。最後にポツンと取り残された私も、教室を出ようとしましたが、黒板脇の台の上に、空になった牛乳パックを並べたケースが置かれたままになっていることに気付きました。

   当番は誰だっけ?と思いましたが、誰であろうとこんなものに触りたいはずがありません。自然と、直くんと、修哉くんの牛乳パックに目が行きました。

   先生は、話のあいだ何度か「倫理観」という言葉を使いましたよね。では果たして、「倫理観」と繰り返す先生の倫理観はどうなのか。私は、先生の悲しみや苦しみを、ある程度想像することはできても、完璧に理解することはできません。好きな人はいるけれど、その人は生きているし、死んだところを想像してみても、それは想像でしかないからです。でも、先生が直くんや修哉くんを、どんなに憎んでも、先生の中にはやはり、「倫理観」が残っていたのではないか、そんなふうに思いました。

   私は二人の牛乳パックを掃除ロッカーに入っていたビニール袋にくるんで、家に持って帰りました。もちろん、二人のパックだけなくなっていると、あとで何か問題になるかもしれないので、全員分のパックを回収場所には持っていかず、可燃ゴミの袋に入れて、体育館裏手にあるゴミ置き場に持って行きました。途中、数人の先生とすれ違いましたが、ごくろうさま、と言われても、ゴミ袋の中身を疑われることはありませんでした。委員長という肩書きは、こういうとき役に立ちます。私は家に帰ると、さっそく、二人の牛乳パックをハサミで開き、血液に反応する溶液をそこに落としてみました。たまたま、そういう薬品を持っていたのです。

   結果は、思った通りでした。

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 楼主| 发表于 2011-3-11 07:49:52 | 显示全部楼层
       三更半夜骑着脚踏车的两人,在别人眼中看来是什么样子呢?我们几乎没有碰到别的行人跟车辆。本来也不是那种关系,但我心头还是有点小鹿乱撞。
       我以为修哉很瘦,但他的背比我想象中要宽。修哉好像是来拯救在黑暗中期望世界就此毁灭的我一样。
       要是为了救我而大半夜特地跑来的话,我也非得告诉他那件事不可了……
       骑了大约十五分钟,修哉把脚踏车停在离住宅区有段距离的一栋河边平房里面。修哉家应该不是这里,感觉起来也没人住,但修哉从口袋中掏出钥匙打开了大门。他告诉不安的我说这里是已经去世的阿嬷家,现在当他家店里的仓库使用。
       从玄关进去修哉开了灯,走廊上推着许多大纸箱。屋里堆满了东西通风不良,热得跟三温暖一样。我们决定坐在门口。我把玩着修哉买的罐装葡萄柚果汁汽水,告诉修哉那天我做了什么。那是连悠子老师也不知道的事。

    *
  
           悠子老师的一番话有一点我怎样都无法相信的地方。最后那里。听的时候真的背脊发凉,觉得老师好可怕。老师离开后小直走出教室,大家也逃命一样作鸟兽散,最后只剩下我一人。我正打算走的时候看见黑板旁边的桌上还放着摆空牛奶盒的架子。
       值日生是谁?我想不管是谁都不愿意碰这玩意才对。我的视线自然而然地落在小直跟修哉的牛奶盒上。
       老师的那番话里一再提到道德观。这样的话,反复强调“道德”的老师自己的道德观如何呢?我虽然在某种程度上可以想象老师的痛苦跟悲伤,但不可能完全理解。我虽然有喜欢的人,但那人还活着不说,就算假装他死了也想象不出来是什么感觉。但是我觉得老师无论怎么憎恨小直跟修哉,心里还是有“道德观”存在吧。
       我把两人的牛奶纸盒放在扫除工具柜里的塑料袋中带回家。当然要是只有这两人的纸盒不见的话,之后搞不好会有什么问题,所以我把大家的牛奶纸盒都装在可燃废弃物的垃圾袋里,没有回收而拿到体育馆后面的垃圾场去丢了。路上碰到好几个老师,都说辛苦我了,没有人想到要查垃圾袋里的东西。班长的头衔在这种时候还挺有用的。回家以后我立刻打开两人的牛奶纸盒,滴入检查血液反应的溶剂。我手边刚好有而已。
       结果不出所料。
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 楼主| 发表于 2011-3-11 08:20:27 | 显示全部楼层
这段翻得还好。几个小问题。

1 深夜に自転車の二人乗りをしている私たちは、周りからどんなふうに見えたのでしょう?
三更半夜骑着脚踏车的两人,在别人眼中看来是什么样子呢?

自転車の二人乗り 的意思是两个人坐一辆自行车。
“三更半夜两个人坐一辆自行车,别人会怎么看呢?”

2 痩せてると思っていた修哉くんの背中が、思ったよりも広かったからかもしれません
我以为修哉很瘦,但他的背比我想象中要宽。

句子最后的 からかもしれません 没有翻译。这里是回应上文为什么我会心里怦怦跳的原因。
“也许是由于我本来以为修哉很瘦,没想到他的背比我想象中要宽的缘故。”

3 好きな人はいるけれど、その人は生きているし、死んだところを想像してみても、それは想像でしかないからです。
我虽然有喜欢的人,但那人还活着不说,就算假装他死了也想象不出来是什么感觉。

这句同样没翻译 から,这句话是解释为什么我不能完全理解老师的悲痛。前面也说过,接续词接续助词不翻译会大大影响意思的。
“因为我虽然有喜欢的人,但那人还活着不说,就算假装他死了那也只是想象而已。”


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发表于 2011-3-11 15:16:37 | 显示全部楼层
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 楼主| 发表于 2011-3-11 16:04:11 | 显示全部楼层
回复 susie27 的帖子

是,导演中岛哲也是日本有名的视觉派导演,以前拍的电影都是色彩斑斓的,这次故意用一种阴沉的色调来表现少年的阴暗内心。

松隆子在这片子里的表演获得很高评价,算是一大突破了。

这部片子去年日本票房第5名,在海外的影响力也不小。
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 楼主| 发表于 2011-3-12 12:25:19 | 显示全部楼层
 ――みんなに黙っていてくれてありがとう。

 話し終えると、修哉くんは、まず、私にお礼の言葉を言いました。

 驚きました。私は修哉くんのために黙っていたわけではなく、ただ、こんな重大なことを打ち明けるほどの友だちがいなかったから、誰にも言わなかっただけです。でも、確かに、このことをクラスの子たちが知っていれば、修哉くんに対する嫌がらせは、暴力を伴うような、もっとひどいものだったに違いありません。

 ――悠子先生の話で信じていないのはそこの部分だけ?

 私は頷きました。

 ――なのに、こんなところに二人でいても怖くないの?

 私はもう一度、頷きました。

 ――少年Aなのに?

 私は修哉くんをまっすぐ見つめました。あなたが少年Aなら、あのクラスの子たちは何なのだ。でも、それ以上に怖かったのは、牛乳パックを投げつけたときの自分だ。修哉くんの頬は、まだ少し腫れていました。「ごめん」とつぶやきながら、私は自分がしたことを確認するように、指先で修哉くんの頬に触れました。指先から伝わる修哉くんの体温が、想像以上に温かかったことに戸惑いました。

 ずっと冷たいジュースの缶を持っていたからとか、修哉くんの頬が腫れていたからとか、そういうことではなかったと思います。やはり私も、心の奥では、修哉くんの血の通っていない殺人鬼だと思っていたのかもしれません。でも、修哉くんは、普通の男の子でした。

 ――どうして、私に血液検査の結果を教えてくれたの?

 私は、さっきから気になっていたことを訊ねました。

 ――君と僕は、とても似てるんじゃないかと思ったから。

 私を救ってくれようとしたわけではなかったのか、と少しがっかりし、何と答えていいのかわからず、私は缶のプルトップに手をかけました。

 ――待って、それ全部飲みきれる?

 修哉くんに言われ、手元の三五〇ミリリットルの缶を見ました。

 炭酸入りだけど、飲みきるのが無理な量ではありません。でも、修哉くんが何を言いたいのかわかりました。そして、それが不快ではありませんでした。

 ――ちょっと、無理かも。

 そう言って、持っていた缶を置くと、修哉くんは飲みかけの自分の缶を私に差し出しました。私はそれを受け取り、そのまま三口飲んで、修哉くんに返しました。修哉くんもそのまま飲んで、また、私に缶を差し出しました。グレープフルーツ味のサイダーを交互に飲み合い、それが空になったあと、キスをしました。私には好きな人がいたけれど、それとは別に、修哉くんはこの世でたった一人の私の味方でした。

 ――明日、必ず学校に来て。

 自転車で最初に待ち合わせたコンビニまで送ってくれた修哉くんに、別れ際、そう言われました。学校に行くのはイヤだったけれど、ここで休んでしまうと、一生家の中に閉じこもって生きていくことになりそうでしたし、修哉くんがいれば、多少の嫌がらせも我慢できそうでした。私は修哉くんに約束しました。

 ――絶対行く。
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 楼主| 发表于 2011-3-12 12:28:43 | 显示全部楼层
——谢谢你没跟大家说。
    我讲完之后修哉跟我道谢。
    我吃了一惊。我并不是为了修哉才保持沉默的,只是没有可以倾诉这种大事的朋友,所以没跟任何人说而已。的确这件事要是让班上同学知道的话,对修哉的恶作剧大概就会升级到暴力的程度。
    ——悠子老师的话你不相信的只有那部分?
    我点头。
    ——这样的话跟我在这种地方独处不害怕吗?
    我再度点头。
    ——我是少年A喔?
    我直视修哉。你是少年A的话,班上那些人是什么呢?比那更可怕的是丢纸盒牛奶的自己。修哉的脸颊还有点肿。我喃喃地说:“对不起,”一面好像要确认自己做的事般用指尖轻触修哉的面颊。指尖传来修哉的体温,比想象中要热让我有些疑惑。
    我想不是因为我一直握着冰的灌装果汁,也不是因为修哉的脸有点肿,也许是我心底一直认为修哉是冷血的杀人凶手也未可知。但修哉只是个普通的男生。
    ——为什么把验血的结果告诉我?
    我从刚才就抱着这个疑问。
    ——因为我觉得你跟我很像。
    原来不是要来拯救我啊。让人有点失望。我正要打开罐头。
    ——等一下。你能全喝完吗?
    听见修哉这么说,我望向手上三百五十CC的罐子。
    虽然里面有气泡,但也不是喝不完的量。我知道修哉的意思,而且也不觉得不愉快。
    ——可能喝不完。
    我这么说着放下罐子。修哉把自己已经打开喝的那罐递给我。我接过喝了三口还给他。修哉也喝了然后又递给我。我们轮流喝着葡萄柚汽水,喝完之后接吻了。我虽然有喜欢的人,但那不一样。修哉是我在这世上唯一的伙伴。
    ——明天一定要去学校。
    修哉骑脚踏车送我回便利商店门口,道别的时候这么说。虽然我想到要去上学就讨厌,但如果请假的话可能就一辈子家里蹲了。只要修哉在,被欺负我多少也能忍耐。我跟修哉保证。
    ——一定去。
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 楼主| 发表于 2011-3-12 12:40:35 | 显示全部楼层
今天网络很糟糕。这段翻译貌似没大问题,就不评讲了。
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 楼主| 发表于 2011-3-14 09:42:09 | 显示全部楼层
   翌朝、教室に一歩入ると、一部の男の子から、ヒューヒューと口笛が上がりました。黒板と私を見比べてクスクス笑っている女の子もいました。黒板には大きな相合い傘が描かれ、そこに、修哉くんと私の名前が書かれていました。私は、いつも修哉くんがやっているように、誰とも目を合わさず、自分の席に向かいました。机の上にも、同じものが描かれていました。それも、油性のマジックで、です。

   ――ミヅホ、おはよ!

   自分の席で取り巻きに囲まれている綾香が、ケータイを揺らしながら手を振ってきましたが、無視して席につき、あらかじめ用意しておいた文庫本を広げました。

   そこに、修哉くんが登校してきました。私のときと同じ歓声が上がり、修哉くんも黒板を見ました。修哉くんはいつものように無表情のままでしたが、落書きをされている机の上の上にカバンを置くと、ヒューヒューと口笛を吹いている孝弘くんのところに行きました。

   ――おっと、少年A、何か言いたいことでもあるのかな?

   孝弘くんがバカにしたように言いました。修哉くんは何も答えず、孝弘くんを一瞥すると、自分の小指の先を噛み、その指で孝弘くんの右の頬を縦にスッとなぞりました。それが、制裁に対する制裁の、開始の合図でした。孝弘くんの頬には、赤い筋が残っていました。修哉くんの血液です。近くにいた子たちが悲鳴を上げ、その後、教室内は凍り付いたように静まりかえりました。

   ――美月を締め上げたのは、おまえだったよな?そんなに、あのバカ女に好かれたい?
修哉くんは孝弘くんの耳元で低くそうささやくと、次に座っている綾香の前に立ち、小指を差し出しました。指先から細長く流れた血が、手首まで届こうとしています。綾香は両手で自分の顔を覆いました。しかし、修哉くんは、血だらけになった手で、机の上に置いてあった綾香のケータイを握ったのです。悲鳴を上げる綾香に、修哉くんは言いました。

   ――卑怯な手使って、お高くとまってんじゃねーよ。自分が利用されてんのもわからないバカ女のくせに。

   最後に修哉くんは、窓際の一番後ろの席で、我関せず、といった様子で事の成り行きを見ていた祐介くんの前に立ちました。

   ――おまえがバカ女そそのかして、俺への嫌がらせ煽ってたのなんて、バレバレだっつーの。

   そう言うと、修哉くんは、自分の唇を祐介くんの唇に押し当てました。教室中の誰もが、私ですら、息を飲みました。

   ――男とキスした感想は?

   祐介くんの顔が硬直しているのが、傍から見てもわかるくらいでした。修哉くんは余裕たっぷりの笑顔を浮かべ、祐介くんに言いました。

   ――制裁?正義のヒーロー気取ってんじゃねえよ。おまえ、あの子がプールに行ってたこと、知ってたもんな。ちゃんとそれを報告しておけば、あの子は死なずにすんだかもしれない、なんて、お門違いな罪悪感抱えてんじゃねーの?俺をいじめて、ちょっとは、晴れ晴れしたか?知ってる?おまえみたいなヤツを偽善者って言うんだよ。これ以上、調子に乗ったことすると、今度は舌入れてキスしてやるからな。

   修哉くんに嫌がらせをする子なんて、誰もいなくなりました。
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 楼主| 发表于 2011-3-14 09:44:26 | 显示全部楼层
       第二天早上一走进教室,就有几个男生猛吹口哨。还有轮流望着黑板跟我哧哧而笑的女生。黑板上画着大大的相亲相爱伞,底下写着我跟修哉的名字。我学修哉的老样子,不跟任何人视线相交,走向自己的座位。我桌上也有同样的图案,而且还是油性麦克笔画的。
       ——美蛋,早安!
       在自己座位上被同学团团围住的绫香挥舞着手机叫道,我不予理会径自坐下,拿出事先准备好的小说。
       就在这时修哉进来了。大家发出跟看到我进教室的时候一样的欢声,修哉也看见了黑板上的图。他照旧面无表情,把书包放在惨遭涂鸦的桌上,朝吹着口哨的孝弘走过去。
       ——哎哟,少年A,有话要说吗?
       孝弘取笑道。修哉一言不发,瞥了孝弘一眼,咬破自己的小指,然后用指头划过孝弘的右颊。这是以制裁对付制裁的开始。孝弘的脸上留下一道红色的痕迹。那是修哉的血。附近的同学发出哀叫,然后教室内陷入冰一般的沉默。
       ——从背后勒住美月的是你吧?你这么想要讨好那个蠢女人啊?
       修哉在孝弘耳边低声说,然后走到绫香座位前伸出小指。指尖的血一直流到手腕上。绫香用双手掩住脸,但修哉用染血的手拿起桌上绫香的手机,对着尖叫的绫香说:
       ——用这种低级手段,还自以为高高在上呢!连自己被利用了都不知道的蠢女人。
       最后修哉走向窗边最后面的座位,站在一副事不关己模样的祐介面前。
       ——你受了蠢女人的教唆来找我麻烦,当人家都看不出来吗?
       说完修哉把自己的嘴唇压在祐介唇上。连我在内教室里每个人都屏住了呼吸。
       ——跟男人亲嘴感想如何?
       祐介表情僵硬到从侧面都看得出来。修哉怡然自得地笑着对祐介说:
       ——制裁?别自以为是正义的英雄了。你根本就知道那孩子去游泳池边了吧?要是你早早跟老师报告,那孩子就不会死也说不定。你的罪恶感是不是搞错方向了?欺负我让你稍微好过一点?知道吗?像你这种人叫做伪善者。你再这么得意忘形,下次就把舌头伸进你嘴里。
       于是没人再对修哉恶作剧了。
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 楼主| 发表于 2011-3-14 10:24:57 | 显示全部楼层
这段描写非常精彩,感觉中文翻译只翻出了70%的味道。里面除了几处漏翻的小错误,还有一处很严重的错翻。

1 修哉くんは何も答えず、孝弘くんを一瞥すると、自分の小指のを噛み、その指で孝弘くんの右の頬を縦にスッとなぞりました。それが、制裁に対する制裁の、開始の合図でした。
修哉一言不发,瞥了孝弘一眼,咬破自己的小指,然后用指头划过孝弘的右颊。这是以制裁对付制裁的开始。孝弘的脸上留下一道红色的痕迹。

红色为漏翻部分。“修哉一言不发,瞥了孝弘一眼,咬破自己的小指,然后用指头向下划过孝弘的右颊。这是以制裁对付制裁开始的信号。孝弘的脸上留下一道红色的痕迹。”

2  最後に修哉くんは、窓際の一番後ろの席で、我関せず、といった様子で事の成り行きを見ていた祐介くんの前に立ちました。
最后修哉走向窗边最后面的座位,站在一副事不关己模样的祐介面前。

还是漏翻。“最后修哉走向窗边最后面的座位,站在一副事不关己模样,静观事态发展的祐介面前。”

3 ――おまえがバカ女そそのかして、俺への嫌がらせ煽ってたのなんて、バレバレだっつーの。
——你受了蠢女人的教唆来找我麻烦,当人家都看不出来吗?

明明是祐介教唆绫香,这意思完全反了。
“——你教唆蠢女人,煽动她来找我麻烦,当人家都看不出来吗?”



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 楼主| 发表于 2011-3-15 07:52:50 | 显示全部楼层
   七月に入りました。期末テストが始まっても、私と修哉くんは、ほとんど毎日、あの家で会っていました。親に反抗的態度を見せたことのない私は、「友だちの家で勉強をしてくる」と言って出て行けば、少しくらい帰るのが遅くなっても、咎められることはありませんでした。修哉くんは、小学校五年生のときにお父さんが再婚し、小さい弟がいるので、あの家を勉強部屋として使っているらしく、一週間ほど帰らなくても何も言われない、と言っていました。
   
   一番奥の部屋を修哉くんは「研究室」と呼んでいました。そこで修哉くんは、テスト勉強もそっちのけで、何か腕時計のようなものを作っていました。何かと訊ねても、教えてくれませんでした。でも、その何かを一生懸命作っている修哉くんを、少し離れて見ているのが好きでした。七月の半ば、完成して初めて、「嘘発見器」だと教えてくれました。ベルトの部分に、脈拍を感知するセンサーが入っていて、脈拍のリズムが乱れると、文字盤の部分が光ってアラームが鳴る、という仕組みになっているのだそうです。

   ――試してみて。

   修哉くんにそう言われ、電流が流れたらどうしよう、そんな不安を、どこか胸の奥の方に感じながら、おそるおそる腕に巻いてみました。

   ――電流でも流れたらどうしよう、って思ってる?

   ――え?そんなこと、思ってないよ。

   ピピピピ……。文字盤が光り、安い目覚まし時計のアラームと同じ音が鳴り始めました。

   ――すごい、すごい!修哉って、すごい!

   感心しながら「すごい」を繰り返すと、修哉くんは少し照れたように笑って、私の手を引き寄せました。

   これで、充分だったのに……。僕は、ずっと、こうやって誰かに自分を褒めてもらいたかっただけなのに……。

   あの事件のことだ、と思いました。修哉くんが、あの事件のことを話そうとするのは初めてでした。私は、もう片方の手を、私の手首をつかんでいる修哉くんの手に重ねました。

   ――小さな子って、自分の期待通りに相手が反応してくれるまで、少しずつ話を大袈裟にしていくよね。それと同じだよ。空き地で猫の死体を見つけたんだ。へえ……。実は、その猫を殺したのは僕なんだ。へえ、まさか。嘘じゃない、僕は時々、猫や犬を殺すんだ。へえ、そうなんだ。でも、普通の殺し方じゃないんだ。へえ、どんな?僕の作った「処刑マシーン」で殺すんだ。すっげーじゃん!……先生、いいもの入ってるから開けてみて。ねえ、美月、僕の罪は何だろう。やっぱり、殺人かな。じゃあ、この先、僕はどうすればいいだろう……。

   修哉くんは、泣いていました。私は何も答えず、修哉くんを抱きしめました。なぜか、再び、腕のアラームが鳴り始めました。

   その日、家に帰ったのは、明け方近くでした。
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