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楼主 |
发表于 2011-3-7 07:53:42
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六月の第四週、期末テストが近いというのに、数学の授業は、突然、学級会に変更されました。
――昨日集めた宿題のノートに、こんなメッセージが挟まれていた。
始業の挨拶もそこそこに、ウェルテルはみんなの前でB5サイズの紙をヒラヒラさせながら、そう言いました。前列の方で、ハッと息をのむような声が上がりました。ワープロで何か書かれているようでしたが、私の席からは、よく見えませんでした。
このクラスにはいじめがあります。
ウェルテルが大きな声で文面を読み上げました。この空気を変えようとしている人がいるのだ、と思うと、これを書いた彼ないし、彼女の勇気には感心させられました。しかし、書いた本人は、まさかいきなり全員の前で読まれることになるとは思ってもいなかったはずです。予想外の展開に、内心冷や冷やしていたかもしれません。
ウェルテルはみんなを見渡しながら言いました。
誰のノートに挟まっていたかは言わないが、僕はこの問題をみんなで話し合いたい。僕も、最近、クラスの様子がおかしいことに気付いていた。いつもまじめに授業を受けている修哉が、今月に入って三回も、ノートをなくしたと言って、新しいノートに変えている。ノートだけじゃない、上履きも体操服も新しくなっている。だから、そろそろ、修哉に事情を聞いてみようと思っていたところだったんだ。でも、そうする前に、このクラスの勇気ある生徒から、僕に助けを求めるメッセージが届いた。僕はそれを、とても嬉しく思う。でも……これは、いじめじゃない。修哉に対する嫌がらせは、いじめではなく、嫉妬だ。直接、暴力を受けたりするのではなく、間接的に持ち物にいたずらをされるのがその証拠だ。修哉は、学年でも一、二を争う成績だ。何かの全国大会で入賞したことがあると聞いている。だから、みんなの中に、修哉をうらやましいと思うあまり、嫉妬して、嫌がらせをする人がいてもおかしくないはずだ。僕はここで、それが誰かを問いただそうとは思わない。これは全員の問題だ。だから、嫌がらせをしている人も、そうでない人も、みんな聞いてほしい。確かに、修哉は勉強がよくできる。だからといって、自分が修哉よりも劣っていると思うのは間違いだ。勉強ができるというのは修哉の個性だ。それと同じように、みんなにもそれぞれ個性がある。だから、嫉妬なんかせずに、自分の個性を見直し、それを磨いていってほしい。中には、自分の個性を見つけられてない人もいるかもしれない。そんなときは、遠慮せずに僕に聞いてくれ。みんなに出会ってまだほんの数ヶ月だけど、僕は毎日、ちゃんとみんなを見てるから。
そこに、いきなりケータイの着メロが流れ出しました。「やっべ」と言ってあわてて机の中に手を突っ込み、電源を切ったのは孝弘くんです。学校にケータイを持ってくることは違反ではありませんが、授業中は必ず、電源を切っておかなければいけません。ウェルテルは、孝弘のケータイを取り上げると、みんなに向かって言いました。
――僕は今、みんなのために、とても大切な話をしていた。ルールを守らないヤツがたった一人いたために、話が中断されることになってしまった。ケータイの電源を切る。こんな当たり前のルールを守れないヤツは小学校以下だ……。
ウェルテルの説教はしばらく続きました。クラス内にいじめがあることよりも、自分の話を中断させられたことの方が大問題のようでした。ウェルテルに救いを求めたのが間違いだった。手紙の送り主は後悔のため息をついていたかもしれません。
しかし、悪夢はここからです。魔女裁判が始まりました。
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