あい あひ 1 0 【▽間】
(1)「間狂言(あいきようげん)」の略。
(2)「間駒(あいごま)」の略。
「―を打つ」
(3)「あいの手」の略。
(4)物と物との間。あわい。
「此の鹿の目の―の/宇治拾遺 7」
(5)人と人との間柄。仲。
「二人ノ―ガ悪ウゴザル/日葡」
(6)杯をやりとりし合っている二人の中に入って、第三者が杯を受けて返すこと。
(7)「間(あい)の宿(しゆく)」の略。
うち0 【内】
(名)
(1)空間的に設定されたある範囲の内部。内側。
⇔そと
「部屋の―にこもる」「屋敷の―には他人を一歩も入れない」
(2)時間的に設定されたある範囲の内部。あいだ。
「若い―が花だ」「朝の―に仕事をすます」「ぐずぐずしている―に日が暮れてしまった」「会議は混乱の―に終わった」
(3)抽象的に設定されたある範囲の内部。領域内。
⇔そと
「これも仕事の―だ」「そんなのは親切の―にはいらない」
(4)具体的な事物についてある範囲を限定し、その範囲内で事が考えられるべきことを表す語。なか。
「三人の―で一番背が高いのはだれか」「メンバーの―のだれかを代表に指名して下さい」
(5)心のなか。内心。
「―に秘めた情熱」「―にこもった怨念」
〔(1)~(5)は「中」とも書く〕
(6)自分の所属している、会社・役所・学校などの団体や機関。
⇔そと
「―の社長」「―の学校」
(7)内裏。宮中。
「相撲(すまい)のことにより―にさぶらひつれど/蜻蛉(下)」
(8)天皇。みかど。
「しばしこの事もらし侍らじ。―にも奏せさせ給ふな/源氏(賢木)」
(9)(ア)妻。
「こなたも―(=自分ノ妻)ぢやと思し召しては、又例の我がままが出ませう程に/狂言・右近左近(虎寛本)」「お袋さまやお―さま(=奥様)が、はやはや、お大体(たいてい)さまではござりませぬ/滑稽本・浮世風呂 4」
(イ)(自分の)夫。
「わたしらが―なんぞは出好きでの/滑稽本・浮世風呂 2」
(10)仏教。仏者の側から儒教など仏教以外の教えを「そと」「ほか」というのに対する。
「―には五戒を保つて慈悲を先とし、外には五常を乱さず礼儀を正しうし給ふ人なれば/平家 2」
(代)
一人称。わたし。主として関西方言で、女性や子供が用いる。
「―が悪かったんや」
〔もともと「なか」が前後・左右・上下などの両端を除いた中間部・中央部をいうのに対して、「うち」はある範囲の内部をいう。古くは「と(外)」と対立していたが、中世以降「そと」「ほか」と対立するようになった〕
――に省みて疚(やま)しからず
〔論語(顔淵)〕自分の心の中を振り返ってみて良心に恥じるところが少しもない。
――裸でも外(そと) |