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[其他翻译] 不夜城 翻譯練習

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发表于 2012-5-14 00:45:48 | 显示全部楼层 |阅读模式
小的不才,翻譯的不好,還望各位大俠友善指點。拍磚亦請高抬貴手,手下留情。

不夜城

馳 星周

1
土曜日の歌舞伎町。クソ暑い夏の終わりを告げる雨がじとじとと降っていた。
 区役所通りを職安通りに向かって歩いていた。手にさげたスポーツバッグがわずらわしかった。土曜と雨が重なった区役所通りは、平日の半分の人影もなかった。狭い歩道を占拠しているのは、ミニから伸びた足をこれみよがしに突きだしている女たちと客引き、それに中国人たち。ときおり、南米や中東の顔も見えるが、数えるほどでしかない。日本語よりも北京語や上海語の方がかまびすしい歩道の脇では、客待ちのタクシーが延々と列を作っていた。
 客引きや女たちの手を擦り抜けて、風林会館前の交差点を左に。学生らしき一団が、群れを成して道路一杯に広がっていた。
 しばらくそのまま歩き、果物売りのヴァンが止まっている角を右に曲がった。ガキどものやかましい嬌声が消えた。香しい匂いと、キムチの強烈な刺激臭が鼻をついた。ここらあたりには韓国人の屋台が多い。
 目当ての雑居ビルの前に、目つきの鋭い中国人が二、三人固まってまわりをうかがっていた。
 「よう、健一さん」
 そのうちの一人がおれに気づき、北京語で叫んだ。
 「遅かったじゃないか。女たちが待ち侘びてるぜ」
 「でかい声でしゃべりたいんなら、国へ帰れ」
 じろりとチンピラを睨み、北京語で囁いた。こんなやつらをいつまでも使う気でいるなら付き合いを考えると、一度、元成貴にはきつくいっておかなきゃならない。もっとも、元成貴がおれの言葉に耳を貸すとも思えないが。
 「そんなにおっかねぇ顔するなよ。北京語がわかる日本人なんで、ここらにゃいないだろう」
「おれだ」
 そいつの目に顔を近づけていってやった。
 「おれは日本人だが、北京語を話せる」
 「け、健一さんは特別じゃないか......」
 そいつはおれから視線を外すと、逃げるように肩を引いた。
 「いいか、おれたちは遊んでるんじゃない。仕事をしてるんだ。危ない橋を渡ってな。日本人にはわからなくても、北京や福建のやつらはどうだ?マレーシアは?あいつらには、お前の上海訛りの北京語は通じないか?」
 チンピラは上海語でふつふつと文句をたれた。おれはあいている方の手でそいつの髪を摑み、引き寄せた。
 「いいたいことがあるなら、北京語で話せ」
 静かにそういい、じっとやつの目を見つめてやった。油膜がかかったような濁った目が逃げ場所を求めて動きまわり、やがて、力なくおれの目を見つめ返した。
 「わかったよ。この雨ん中でずっと外で待たされてたから気がたってたんだ。これからは気をつける」
 「いい子だ」
 そいつの肩を叩き、横にいた別のチンピラにスポーツバッグを手渡した。
 「今日のブツだ。たいしたものはないが、早く女たちに見せてやれ」
 バッグを受け取ったチンピラを先頭に、おれたちはビルの中へ入っていった。

週六的歌舞伎町。淅淅瀝瀝地下著告別酷暑的小雨。
我沿著區役所路,朝職安路的方向走去。手裏提著的運動包好生累贅。時逢週六,外加下著雨,區役所路上的行人僅不到平時的一半。狹隘的步行道被一些身著迷你裙,炫耀似得探著腿的女人與皮條客、外加一些中國人們佔據著。在此,偶爾也能見到一些南美或中東的面孔,但數量屈指可數。在這個北京話和上海話比日本話更喧囂的步行道兩旁,等待接客的出租車長長地拍著列隊。
我躋身穿過皮條客與女人們的手臂,在風林會館前的十字路口處向左拐去。一夥看似學生的人正成群的瀰漫在整條街上。
我繼續向前走了一段,於水果攤位盡頭處的拐角右拐進去。屁孩子們嘈雜的嬌聲亦消失殆去。這一帶有很多韓國人的小排當,一股芬芳的香氣與泡菜濃烈的氣味衝進我的鼻腔。
在目的地的雜居公寓前,兩三個目光犀利的中國人固守在那邊,關注著周圍的動向。
“喲,健一啊”
其中一人注意到了我,用北京話喊著我的名字。
“這也太晚了吧。女人們都等得不耐煩了。”
“想那麼大聲音說話的話,滾回國說去!”
我瞪著那個小混混,一邊用北京話咕噥著。心想,一定得跟元成貴嚴嚴肅肅地說一下:要想始終任用這種傢伙的話,我得考慮考慮接下來的合作了。話雖如此,可我也不認為元成貴會把我的話放心上。
“別板著張張飛臉啦。這裏也沒有能懂北京話的日本人吧。”
“我!”
我把臉湊到那傢伙眼前說道。
“我雖是日本人,但能說北京話。”
“健,健一不是比較特別嘛......”
那傢伙將視線從我身上移開,逃避似得縮了縮肩膀。
“聽著,我們可不是鬧著玩兒。是在幹正事。這危險活兒啊。就算日本人聽不懂,北京和福建那些傢伙呢?馬來西亞人呢?他們也聽不懂你那一口上海口音的北京話麼?”
小混混用上海話嘀嘀咕咕地發著牢騷。我騰出空著的手一把抓住其頭髮,將其揪到跟前。
“想說什麼就用北京話說!”
我平平靜靜地說道,并直直的盯著他的眼睛。那是一雙泛著油光,渾濁的雙眸,正為尋求逃避而不停地轉動著,不久,也只能無力地回視於我的視線之上。
“知道了啦。因為一直淋著雨等在外面,我才有所不滿的。往後我會注意點的。”
“這樣才乖嘛。”
我拍了拍他的肩膀,將運動包遞給了另一個站在旁邊的小混混。
“今天的貨,雖不是什麽大不了的東西。快給女人們捎去。”
我跟著拿下運動包的小混混,向公寓里走去。
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发表于 2012-5-14 09:27:59 | 显示全部楼层
加油啊  希望能够坚持
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 楼主| 发表于 2012-5-14 14:39:08 | 显示全部楼层
雖然工作也比較忙,但就算一點一點翻,我也會堅持的。
謝謝版主Jennifer給予的關懷。
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 楼主| 发表于 2012-5-15 23:48:06 | 显示全部楼层
本帖最后由 simatuya 于 2012-5-16 00:59 编辑

                   2

 走在前面的小混混推開了“紅蓮”的門。清脆的卡拉OK歌聲隨即洋溢在整個走廊中。眼快的女人很快注意到了我,隨即放下客人,站了起來,歡呼我的到來。那聲音聽著,就仿佛饑腸轆轆,期盼著主人歸來的小狗般那樣。
 我向著她們親切地笑了笑,并揮了揮手,然後坐到最裏面那間不起眼的包廂內。小混混們則進了對面角落裏的工作人員休息室。
 點了支煙後,我又把店內環顧了一周。坐客量大約有半場左右。幾乎都是日本人。那一張張滿是脂肪的臉上油亮亮地泛著光,正一個勁兒的在遊說那些聽不太懂日語的小姐們。
 隨後,我又將視線轉移到正面。李佳梅正唱著歌,她是這家店裏三個媽媽桑中的一個。而王成香和黃秀紅則分別都在接待熟客。
 三個媽媽桑都有其個性。唯一能找到的共同點是她們都對金錢唯利是圖。媽媽們共攤門面與進貨等費用。店裏的工作員與小姐們也都由媽媽們各自招聘並發放工資。簡單地說,就是在一個店面內開了三家會所。也許理解為集市之類的比較恰當吧。在這裡,泡沫經濟崩盤後,以這種經營模式來維持生計的中國人和台灣人的店特別多。不聞不問都能有錢滾滾而來的時代結束了。
 黃秀紅跟客人輕輕說了些什麼後,便站了起來。穿著那衩開到屁股跟的旗袍,一扭一扭地走了過來。
 “怎麼來那麼晚!”
 一口很漂亮的北京話。除此之外,秀紅還能說一口同樣漂亮的日本話。她是數年前一名落馬黨幹部的女兒。由北京大學轉到東京大學國費留學,隨後落戶在新宿,這些經歷並非瞎編胡造。不過,除了與客人交談之外,她絕不會用使用日本話。和自家人卻僅使用上海話。也就是說,她並沒有把我看成自家人。
 “這不是下雨了嘛!”
 我隨便找了個毫無信服力的理由後,點燃了秀紅遞給我的煙。在餘光中我注意到小姐們一個接一個的走進吧臺旁那間僅遮著一片薄薄門簾的小房間。接著,便傳出一陣孩子般嬌嫩的嬉鬧聲。
  這次我到手了一批挺不錯的貨,多數是曾今睡在某個倉庫裏的東西吧。
 “我侄子想要弄個空調。”
 秀紅說道,並向我投來了頗為誘惑的目光。
 “夏天可就要結束了哦。”
 “整個夏天我都回國了,這兩天才剛回來嘛。”
 “你能出多少?”
 “五萬”
 嘖。五萬這點小錢,根本不入本大爺法眼。
 “我侄子住的是一室戶的房子,不要很大功率的。對牌子也沒什麼要求。”
 “廢話,還想咋樣!”
 我靠到沙發上,對著天花板痛快地吐著煙。接上這麼荒唐的差事,往後定是要失足的。但對於我這種無依無靠的人來說,暗中與秀紅保持關係還是很需要的。
 “可得花兩禮拜啊。”
 我看著天花板說道,並感覺到一旁的秀紅放心似的長舒了口氣。
 “你可幫我大忙了,健一。往後要有什麼事,儘管跟我說。”
 親耳聽到元成貴情婦能這樣說,比想像中高興多了。
 剛才走進裏屋的小姐們也都出來了。個個手指、手腕、脖子上都戴上了新首飾,嘴角上也都帶著微笑。
“她們很快就會開口跟你要皮草的。”
秀紅將還未抽得上幾口的煙撳滅在煙缸內。用雖已談不上不年輕,但也不至於疲憊不堪的目光凝視著那些剛開始接客的小姐。
 “可以啊,只要如數付賬就成。”
 剛才被我教育的小混混,這時也從門簾後走了出來。秀紅可能注意到了我的視線,從座位上站了起來。
 “慢慢玩,我請客。”
 廢話!我把本想再說一遍的話,又咽了回去。
 “健一先生,這是今天的貨款。”
 我正凝視著秀紅那性感嫵媚的屁股,小混混則惶惶恐恐地走到跟前,遞上了一只茶色的信封。
 也就五十萬前後吧。真寒蟬。現今的日本,五十萬連散錢都夠不上。但對於做我這種生意的人來說,靠女人帶來的情報是必不可少的。偶爾也得像今天這樣討好討好她們。
 我從信封中取出10張左右的紙幣,遞給小混混。
 “也不是什麼大錢,這次算我請。今晚大夥兒玩個暢快。儘管去叫空著的小姐。”
 小混混頓時一臉興奮。
 “謝謝健一先生!”
 我若無其事的揮了揮手。並非是想裝大牌,只是不想在這樣的雨中,一個人跑回家去喝悶酒。
 吝嗇的失竊品銷贓販子,偶爾也會有這樣的夜晚。


                    

 先頭のチンピラが〈紅蓮〉の扉を開けた。透きとおった声のカラオケが通路にこぼれてきた。目ざとくおれの姿を見つけた女たちが、客をそっちのけで立ちあがり、歓声を上げた。腹を空かして主人の帰りを待ち侘びていた犬のような声。
おれは愛想笑いを浮かべて女たちに手を振り、一番奥にある目立たないボックス席に腰をおろした。チンピラたちは反対の奥にある従業員の控え室に姿を消した。
煙草に火をつけ、店内を眺めまわした。客は半分ほどの入り。ほとんどが日本人。脂でぎとついた顔をてかてかに光らせて、日本語をよく理解できないホステス達を口説いている。
正面に視線を移した。カラオケを歌っているのは李桂梅。この店に三人いるママのひとりだ。王成香、黄秀紅は、それぞれ馴染みの客のテーブルについている。
三人のママはそれぞれに個性的だ。共通しているのは金にがめついことぐらいしか思いつかない。ママたちは家賃、仕入れなどの経費を折半でまかなう。店に来ている従業員やホステスもそれぞれのママが調達し、給料を払う。要するに、ひとつの店の中で三軒のクラブが営業しているのだ。市場みたいなものだと思えばいいのかもしれない。バブルが弾けてからこっち、こんなシステムで店をやりくりしている中国人や台湾人の店はかなり多い。黙っていても金が転がりこんでくる時代は終わったのだ。
黄秀紅が客になにかを囁いて、立ちあがった。尻のつけ根までスリットが入ったチャイナ・ドレスをくねらせて近づいてきた。
「遅かったじゃない」
きれいな北京語。秀紅は、おなじだけきれいな日本語を操ることもできる。数年前に失脚した党幹部の娘で、北京大学から東京大学へ国費留学し、そのまま新宿に居着いてしまったという経歴は伊達じゃない。だが、客と話す時以外は、決して日本語を使おうとはしなかった。身内で話す時は、上海語しか使わない。つまり、おれは身内じゃないってことだ。
「雨が降ってるからね」
いいわけにもならない言葉を口にして、秀紅がくわえた煙草に火をつけてやった。視界の隅に、女たちがひとり、またひとりとカウンターの横の薄いカーテンで遮ってあるだけの奥の部屋へ消えていくのが見えた。すぐに、子供じみた嬌声が聞こえてくる。
今回はなかなかいいブツが回ってきた。おおかた、どこかの倉庫で眠っていたものだろうが。
「わたしの甥がエアコンを欲しがってるの」
秀紅が誘うような眼差しをこっちへ向けた。
「もう、夏も終わりだぜ」
「夏の間は国に戻ってて、ついこのまえ帰ってきたばかりなのよ」
「いくら出せるんだ?」
「五万」
舌打ち。五万ぽっちじゃ、おれの懐へはほとんど入らない。
「甥が住んでいるのは1Kのマンションだから、それほど大きいのはいらないの。メーカーにもこだわらないわ」
「あたりまえだ」
ソファに背を預け、天井に向けて思いきり煙を吐きだした。こんな馬鹿げた仕事を引き受けていたら、そのうち足元が覚束なくなるに決まっている。だが、秀紅との関係を密に保っておくのは、おれのような根なし草にはそれなりの意味がある。
「二週間ぐらいかかるぞ」
 天井を見上げたまま、いってやった。秀紅がほっとしたように息をもらす気配が伝わってきた。
「助かるわ、健一。なにかあったら、わたしにいってね」
 元成貴の情婦にそういわれるのは、思ったよりは気分のいいものだった。
 奥の部屋へ消えていた女たちが戻ってきた。新しい装飾品を指や手首、首に巻きつけ、口元をゆるめながら。
「もうすぐ、毛皮が欲しいっていいだすわよ。あの子たち」
 秀紅はろくに吸ってもいない煙草を灰皿に押し付けた。もはや若くはなく、かといってくたびれきったわけでもないというような目で、客の相手をしはじめた女たちを眺めていた。
「いいさ。金さえきちんと払ってもらえるならな」
 おれがとっちめてやったチンピラが、カーテンの仕切りから姿を現した。おれの視線に気づいたのか、秀紅が腰を上げた。
「ゆっくりしていってね。お金はいらないから」
 あたりまえだ。ふたたび口に出そうになった言葉を、のどで押し潰した。
「健一さん、今日の分です」
秀紅の色っぽい尻を眺めていると、チンピラが恐縮したようにおれの前に立ち、茶色い封筒を差し出した。
五十万というところか。シケた金だ。今の日本じゃ、五十万なんてはした金にもならない。だが、おれのような商売をしている人間には、女たちがもたらしてくれる情報は必要不可欠だ。たまにはこうして、機嫌をとってやらなきゃならない。
封筒の中から十枚ほどの札を引き抜く、チンピラに手渡した。
「たいした額じゃないがおれのおごりだ。今夜はみんなでパーっとやろう。手のあいてる女を呼べよ」
チンピラの顔がぱっと輝いた。
「ありがとうございます、健さん」
おれはなんでもないというように軽く手を振った。別に大物ぶりたいわけじゃない。ただ、この雨の中、ねぐらへ戻ってひとり酒を啜る気になれなかっただけだ。
ケチな故買屋にだって、たまにはそんな夜がある。

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 楼主| 发表于 2012-5-19 18:00:05 | 显示全部楼层
本帖最后由 simatuya 于 2012-5-19 18:02 编辑

                    3

 夢を見ていた。いつもの夢。ナイフがきらめき、肉が裂け、血が飛び散った。
 携帯電話が鳴った。隣で、女が寝返りをうった。名前を思いだそうとしたが、途中で諦めた。おれは床に脱ぎ捨てたままだった上着を拾い上げ、内ポケットから電話を取りだした。
 受話器から飛びこんできたのは乾いた女の声。日本語だった。
 「劉さん……ですか?」
 電話を切った。
 間を置かず、また電話が鳴った。舌打ちして、電話を手に取った。
 「王さんから紹介してもらったんです。劉さんなら力になってくれるかもしれないって」
 女は早口でまくしたてた。微かな訛りがあったが、どこのものかはわからなかった。
 煙草に火をつけ、王という名前の人間の顔を思いつくだけ頭に浮かべた。
 「もしもし?」
 「どこの王だ?」
 「元さんのところの……」
 歌舞伎町には王という名の中国人は腐るほどいる。元だってそうだ。だが、歌舞伎町にはひとりだけ特別な元がいる。元成貴という男だ。そいつの機嫌を損ねたら、歌舞伎町はとんでもなく暮らしにくい町になる。女のいっている元が元成貴かどうかはわからないが、とりあえず話を聞くことにした。
 「それで?」
 「買っていただきたいものがあるんです」
 また舌打ち。歌舞伎町の中国人社会の人間からしかかかってこないはずの携帯電話から日本人の声が流れてくる。おれは不安を覚えていた。おれはこの携帯電話を仕事には使わない。探偵や強請り屋、それに頭のイカれた盗聴おタクどもがありとあらゆる電波を拾おうと夢中になっているってのに、携帯電話で重要な話をするのはカモってくれと大声で宣伝しているようなものだ。
 「ブツは?」
 「直接、見せたいんだけど」
 煙草をすい、間を取った。嫌な感じがぷんぷん匂った。だが、このままうっちゃっておくには足元が涼しすぎる。
 「明日、昼の三時。だいじょうぶか?」
 おれはいった。最悪の場合、女を尾行して身元を確認するつもりだった。
 「え、ええ」
 「風林会館の前にいろ」
 「わかりますか?わたし、髪は……」
 「こっちで見つける。もし、劉と名乗る男が現れなかったら、手違いがあったと思って諦めてくれ」
 「でも……」
 「あんたの名前は?」
 女がごちゃごちゃいいだす前に口を開いた。
 「……夏美です」
 「じゃぁ、明日な。夏美ちゃん」
 電話を切った。



                    3


 我做了個夢,經常做的夢。匕首閃著寒光,皮綻肉裂,血沫橫飛。
 手機在響。睡在一旁的女人翻了個身。我試著回憶她的名字,卻仍然在中途放棄了。拾起脫在地上的上衣,我從裏兜取出電話。
 聽筒裏躥出的是一個乾澀的女人的聲音。說的是日本話。
 “是......劉先生嗎?”
 我掛斷了電話。
 立馬,電話再次響起。嘖,我拿起電話。
 “我是由王先生介紹來的。他說找劉先生的話,也許肯幫這個忙。”
 女人如開機關槍似的喋喋不休。略微帶著點口音,但任然判斷不出是哪里人。
 我點燃一支香煙,竭盡所能地去回憶姓王的臉。
 “喂?”
 “哪兒的王啊?”
 “元先生那邊的......”
 歌舞伎町姓王的中國人多了去了。姓元的也是。不過,在歌舞伎町只有一個姓元的比較特別。那就是元成貴。要是得罪了那傢伙,歌舞伎町將變成一個極其難混的地方。我不知道這個女人說的元是否是就元成貴,姑且還是先聽她說下去。
 “之後呢?”
 “我有點東西想要卖给你。”
 嘖。這個只可能是歌舞伎町中國人圈子裏的人才會打的手機裏竟然傳出了日本人的聲音。我感到有點不安。我不會在工作中使用這隻手機。偵探啦,敲詐犯啦,外加腦子不正常的竊聽宅男們正一個勁地截取一切信號,擱手機裏聊重要話題,就如同大聲地在向外宣揚:快來訛詐我。
 “什麼東西呢?”
 “我想當面給你看。”
 我抽了口煙,靜了靜。一股厭惡感異常濃烈。任憑這樣發展下去的話,也太沒把握了。
 “明天下午三點。沒問題吧?”
 我問道。實在不行的話,得跟蹤這個女的弄清她的身份。
 “啊,可以。”
 “你就在風林會館門口等著。”
 “你認識我嗎?我的頭髮是……”
 “我會找到你的。如果姓劉的沒出現的話,你就當搞錯了,放棄吧。”
 “但是……”
 “你叫什麼名字?”
 還未等女的唧唧歪歪之前,我便開口問道。
 “……夏美。”
 “那就明天再說吧。小夏。”
 我掛斷了電話。
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 楼主| 发表于 2012-5-29 19:49:11 | 显示全部楼层
          4
 ベッドで眠りこけている女をそのままにして、ホテルを出た。腕時計は午前四時を指していた。靖国通りや新宿通りが鴉たちの王国になっている時間。残飯や反吐を狙って集まってくる鴉の群れが人間を襲いだすのはいつのことだろう、いつものようにそう考えて、怖気をふるった。
 職安通りを横切り、コマ劇場の裏手を回ってさくら通りに出た。
 その薬屋は、さくら通りの片隅にひっそりとたたずんでいる。看板の文字も、ヴィンドゥに描かれた文字もすっかり色あせ、はげかかり、判読することもできない。もう、百年も前からそこにあるような店だ。おれたち——おれと歌舞伎町を根城にする台湾人——は、ただ、<薬屋>とだけ呼んでいる。
がたのきたドアを開け、薬屋の中へ。楊偉民は分厚い眼鏡越しにこちらをちらっと見ただけで、すぐに朝刊に目を落とした。勝手に店の奥に入り込み、透明な冷凍ケースから漢方のスタミナドリンクを取りだして、一気に飲み干した。
 「なにか変わったことはないかい?」
 台湾の流氓が新宿の流行から遠ざかって、もうかなりになる。国にいた方が稼ぎになると、女たちが帰国してしまったからだ。強持ての台湾マフィアも、異国の地では女なしではやっていけない。ヴァイタリティに溢れる女たちが金とねぐらを用意してやってはじめて、男たちもこころおきなく暴れることができるのだ。日本のやくざすら入りこめない歌舞伎街の裏の裏の甘い汁は、台湾人の手から、ほかの中国系マフィアの手に移ってしまっている。
 楊偉民。台湾人。流氓じゃないが、羽振りがよかったころの台湾マフィアも、楊偉民には一目置いていた。歌舞伎町にどっかりと根を下ろしたこの老人は、流氓どもがやってくるはるか以前から自前の自警団を組織していて、流氓といえどもおいそれとは手を出せなかった。それは、いまでも変わらない。一度、事情を知らない北京のチンピラがみかじめ料をよこせと楊偉民に詰めよったことがあった。そのチンピラは、その日のうちに歌舞伎町から姿を消した。噂は瞬く間に新興のマフィアたちの間を駆け巡り、楊偉民に横槍を入れる阿呆はどこにもいなくなったというわけだ。
 楊偉民のもとには毎夜、いろんな情報が集まってくる。どこそこの飲み屋でマージャンの賭場が立っている、福建のだれかが上海のだれかを血眼になって探している——そんな情報だ。楊偉民はその情報を売ることで、ほとんどの中国社会に¬——堅気にも流氓にも——恩を売っている。
そんなわけで、おれは自分の足元がよく見えなくなると、必ず楊偉民のところにやってきて、ご機嫌うかがいをすることにしているのだ。
 「ちょっと前に、どこかで死体が見つかったそうだ」
 朝刊に目を落としたまま、楊偉民がいった。流暢な日本語。口を動かすたびに、瞼と頬のたるんだ肉がひくひく震え、猛禽の爪のような深い皺が三本、両の目尻にできた。
 「だれの?」
 日本語で聞き返した。
 「死体は死体だ。死ぬ前にそいつが何者だったかなど、今となっては意味がない。違うか?」
 眼鏡の奥で楊偉民の目玉がギョロリと動いた。深い海の底で何百年もの間、他の魚の生き死にを見守りつづけてきた老魚のような、濁り、暗く落ちこんだ目だ。
 とりあえずうなずいた。楊偉民の言葉を通訳すれば、おれたちの社会とは接点のない日本人が死んだだけだ、気にするな、ということになる。
 「他には?」
 おれは煙草に火をつけた。楊偉民は悪霊を追い払うように激しく煙を振り払った。生きたまま死にかけている魚の目がおれを睨んだ。
 楊偉民は一度、肺癌でくたばりかけたことがある。それまでは重度のヘヴィスモーカーだった。いまでは、楊偉民の側で煙草を吸う馬鹿はいなくなった。おれを除いては。楊偉民はまず、おれに目くじらを立てたりはしない。
 「呉富春が戻ってきたそうだ」
 煙草を落としそうになった。いの真ん中にでっかい石が生じて、その石の重みが下腹部にずしりとのしかかっているようだった。楊偉民は、老人を大切にしないからそうなるんだといいたげに、唇を意地悪く歪めていた。
 「まだほとぼりは冷めてないだろう。元成貴が黙ってないぜ」
 「あいつの考えていることなど、だれにもわからんよ。それとも、おまえならわかるのかね、健一?」
 おれは黙って首を振った。頭の中がショートしそうだった。夏美という女からの電話だけでも頭が痛いというのに、富春までもがトラブルを携えて帰ってきている。さっきまで、おれは足元に大きな穴が開きかけていると感じていた。実際には、すでにその穴に落っこちてしまっているのかもしれない。
 「この近辺をうろついているのを元成貴の手の者が見かけたらしい。元成貴は血眼になっている」
 楊偉民はどこかで珍しい動物が見つかったというような口調で告げた。
 呉富春——精神異常のチンピラだ。それも、始末におえないタイプの。ちょうど一年前、富春は福建のやつらから金をもらって、上海の男を殺した。歌舞伎町を根城にする中国人ならだれでも知っていることだったが、そいつは元成貴の右腕だった。薬関係のトラブル。気の短い福建野郎が暴発してしまったのだ。頭のねじがゆるみっぱなしになったやつでも、元成貴の右腕を片付けようなんて馬鹿な考えはおこさない。福建野郎はその馬鹿なことを考え、富春が、たかが数十万の金で請け負ってしまったのだ。元成貴の怒りは凄まじかった。富春に殺された右腕の後を継いだ銭波という男が、元成貴の怒りを受けて歌舞伎町に嵐を運んできた。いっとき、通りという通りから福建人の姿が消えたほどだ。後先を考えられなかった福建野郎は全身をめった切りにされて殺された。だが、富春は元成貴の手をするりとかわして逃げた。名古屋へいっただとか、親のいる田舎へ帰ったのだとかいう噂が流れた。
 「元成貴はおまえに話を聞きにくるだろう。どうするつもりだ?」
 楊偉民がいった。目は新聞に戻っていた。
 おれは黙っていた。煙草をふかし、薄汚れた窓の外を見つめた。雨は小降りになっている。新品のスーツを着た若いサラリーマンが、自分の親父ほどの年齢上司に肩を担がれ、よろめく足どりで、わかってんのかよじじい!?と叫んでいた。じじいと呼ばれた上司は、苦笑いを浮かべながら何かをいい返すでもなく、ただ黙々と若造を担いでいる。
 おれと楊偉民の間にもそんなときがあった。もちろん、上司が楊偉民で、若造がおれだ。おれは自分がよれよれの千鳥足であることも気づかずに、歌舞伎町の中国人社会を渡り歩けるつもりで有頂天だった。
 「元成貴は諦めの悪い男だ。おまえ、歌舞伎町にいられなくなるかもしれんぞ」
 おれは楊偉民の声にはっとして振り向いた。それは慈悲深い年寄りの声だった。まるで、おれの心の裡を見透かしたような。
 「もうそろそろ意地を張るのはよして、わしの身内から嫁をもらえ、健一。そうすれば、おまえを守ってやれる」
 楊偉民の目は今度はまっすぐおれを射抜いていた。
 おれは煙草の煙を天井に向けて吹き上げ、にやりと笑ってみせた。
 「おれの都合ってものもあるんだよ。また来る。じゃぁな」
 楊偉民に背を向けてドアに手を伸ばした。静かに頭を振り新聞に視線を戻す楊偉民の小さな姿が窓ガラスに映っていた。もう、その頭からは、おれのことなんかすっかり抜け落ちているに決まっていた。



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 楼主| 发表于 2012-5-29 19:50:24 | 显示全部楼层
本帖最后由 simatuya 于 2012-5-30 01:03 编辑

                4
  丢下沉沉酣睡著的女人,我出了酒店。手錶的指針正指在下午四點。此時,靖國路與新宿路一帶變成了烏鴉的王國。我一如既往的思索著,並為此感到恐懼:這群烏鴉不知何時,會為著剩飯和嘔吐物而襲擊人類。
  橫穿職安路,再穿過KOMA劇場後門,我來到櫻花路上。
  藥鋪靜悄悄地佇立在櫻花路一角。寫在招牌與窗戶上的文字都已完全褪色或剝落,已然無法辨認,就像是百年前就已存在於此的老店般。我們——我和所有紮根在歌舞伎町的台灣人都,只管它叫作“藥鋪”。
  打開破舊不堪的門,我走進藥鋪。楊偉明透過厚厚的眼鏡片往這邊瞥了一眼,便又看起了報紙。我自顧自地走進裏屋,從一個透明的冷櫃中拿了瓶漢方的能量飲料,一口氣喝了下去。
  “有沒有什麼不同尋常的事啊?”
  台灣流氓落後於新宿的流行事物已有段時間了。那是由於女人們覺得國內賺錢容易,都回國了。受人敬畏的台灣黑幫,在異國他鄉沒了女人,也幹不下去了。在活力四射的女人們籌備了金錢與歸巢後,男人們才能毫無顧慮地打拼天下。就連日本的黑社會都無法插手的那些歌舞伎町的地下幕後利益也轉移到了其他中國系的黑幫手裏。
楊偉明。台灣人。雖不是流氓,但全盛時期的台灣黑幫對其也都禮讓三分。這個在歌舞伎町深深紮下根的老人,早在流氓們到來很久之前,便自費組織了自衛隊。即便是流氓,也無法對其輕易動手,這從不會改變。曾今有過一次,一個不知情的北京小混混逼著楊為民索要保護費,結果當天,那個小混混便從歌舞伎町消失了。流言眨眼間便在新起的黑幫中傳開,自此擱哪兒都找不到一個傻瓜會去干涉楊偉民了。
  每天晚上,都會有各種消息匯總到楊偉民那邊。諸如在某某酒館有個麻將場子啦,福建的某某某正拼著命地在找上海的某某某啦——等等情報。楊偉明靠販賣這些情報,給幾乎整個中國圈的良民也好,流氓也罷,都施以了恩惠。
  因此,我只要搞不清眼前狀況,便總會去找楊偉明,問候他老人家。
  “前不久,好像在哪發現屍體了。”
  楊偉明目不轉睛地看著報紙說到。很流暢的日本話。口部的每次動作,眼瞼與臉頰鬆弛的肌肉便會微微抖動,在兩隻眼尾,也會出現如同猛禽的利爪般深深的三條皺紋。
  “誰的屍體啊?”
  我用日語問了回去。
  “屍體就是屍體。在死之前它是誰誰誰,現今看來,已沒什麼意義了,不是嗎?”
眼鏡的另一面,楊偉明的眼珠子軲轆地動了動。仿佛是幾百年來,一直在深深的海底注視著其他魚兒們生死的老魚的那顆渾濁暗沉的雙眼。
  我姑且點頭表示贊同。把楊偉民的話翻譯過來講就是:“只是死了個和我們這個圈子沒啥幹系的日本人而已,別在意。”這麼個意思。
  “其他還有些什麼?”
  我點了支香煙。楊偉民則如同驅趕惡靈似得用力扇著煙。並用那雙不死不活的魚眼瞪著我。
  楊偉明有一次得肺癌差點死掉。在此之前,他是個十足的老煙槍。而現在,除我之外沒有一個傻瓜會在楊偉民身邊抽煙。楊偉明基本不會對我吹毛求疵。
  “聽說吳富春回來了”
  我差點沒把香煙掉地上。胃裏就像長出了塊大石頭,石塊的重量沉甸甸地壓在我的小腹上。楊偉民說我正是不把老人放眼裏才會落得如此下場,嘴唇也刁難似得歪在一邊。
  “元成貴火氣還沒消吧,他是不會坐視不理的。”
  “沒人知道那傢伙在想些什麼。又或者,健一,你能知道?”
  我默默地搖了搖頭。腦子就像短路了似得。光夏美打來的電話就已經夠頭痛的了,富春還帶著個麻煩回來了。直到剛才,我還覺得腳下像是開了個吭似得,實際上,我也許已經掉在坑裏了。
  “元成貴的手下好像看到他在這附近轉悠了,元現正紅著眼地在找。”
  楊偉民告訴我,口氣聽著仿佛是在某處看到了稀有動物一樣。
  吳富春——一個精神不正常的小混混,並且還是很不好應付的那種。一年之前,富春從福建那幫傢伙手上拿了比錢後,殺了個上海男的。生活在歌舞伎町的中國人都知道那男的是元成貴的左右臂。藥物糾紛,急性子的福建蠢貨們走了火。就算是脑袋上螺絲松掉的傢伙,也想不出去作掉元成貴左右臂那樣愚蠢的主意。那幫福建蠢貨們卻構思了這麽個蠢主意,富春則為了區區數十萬日元給攔了下來。元成貴暴怒。繼任富春作掉的那個左右臂的,是個叫錢波的男人,他承接著元成貴的憤怒,給歌舞伎町帶來了一場腥風血雨。一時之間,路上的的福建人幾乎全都蒸發了。來不及作出反應的福建蠢蛋便死在了亂刀之下。但是,富春卻輕而易舉地躲過了元成貴的追殺,逃了出來。有傳說是躲到名古屋去了,也有說是逃回父母所在的鄉下了。
  “元成貴恐怕是會來找你問話吧。你有什麼打算?”
  楊偉明說著,又把視線放回到了報紙上。
  我默不作聲。抽著煙,凝望著微微污穢的窗戶外面。雨下地很小。一個身著新西裝的年輕工薪小夥被抗在一個他父親左右年紀的上司肩上,步履蹣跚,嘴裏還一邊叫嚷著:“你懂不懂啊,老頭!?”。被叫作老頭的上司一邊苦笑著,也不跟其鬥嘴,只默默無聲地扛著小夥。
  在我和楊衛民之間也有過那樣的時候。當然,上司是楊偉民,小夥是我。我都沒注意到自己蹣跚的腳步,還以為自己能夠混遍整個歌舞伎町的中國人圈子而沾沾自喜。
  “元成貴是个死缠不休的人,你可能在歌舞伎町要混不下去了。”
  我受寵若驚地向楊偉民的聲音轉去。那是一個滿懷慈悲的老人的聲音。就好像看透了我的心思一般。
  “健一,你也別再意氣用事了,從我這邊娶個媳妇。這樣,我才能護著你。”
  這回,楊偉明的眼神筆直地刺穿了我。
  我將煙吹向天花板,一笑回之。
  “我也有我的難處。改天再來,先失陪了。”
  我背過身去伸手打開了門。楊偉民瘦小的身影映在玻璃窗上,他輕輕搖了搖頭,將視線又放回到了報紙上。此時此刻,我的事情,一定已完全被其拋諸腦後。

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发表于 2012-6-19 15:47:13 | 显示全部楼层
好厉害!!
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发表于 2012-6-19 15:49:00 | 显示全部楼层
敢问楼主多大年纪?只是问问而已,呵呵!
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发表于 2012-7-6 07:44:27 | 显示全部楼层
好厉害啊,我也想翻译,可是不会啊
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发表于 2012-7-6 14:33:21 | 显示全部楼层
期待更新!!
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 楼主| 发表于 2012-7-14 20:40:25 | 显示全部楼层
不好意思,好久沒能上來了。
很感謝,華南虎先生來捧場啊。
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 楼主| 发表于 2012-7-14 20:40:57 | 显示全部楼层
jmijmi 发表于 2012-6-19 15:49
敢问楼主多大年纪?只是问问而已,呵呵!

我80年生的,該是30而立的年齡啦,哈哈
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 楼主| 发表于 2012-7-14 20:45:35 | 显示全部楼层
不夜城



馳 星周



          5
 楊偉民とおれを引き合わせたのは、おれのおふくろだ。正確にいうと、親父ということになるが。
 おれの親父は台湾人だった。おふくろは、最低のくず野郎と呼んでいた。おれにはなんともいえない。親父はほとんど家によりつかなかったし、俺が自分の確固たる意見を持つようになる前に死んでしまったからだ。とにかく、おふくろは親父のことお嫌っていた。憎んでいた。親父を通して垣間見える台湾人社会を毛嫌いしていた。親父の死がきっかけになって、おふくろが台湾人社会に頼らざるをえなくなったのは、だから、お袋にとっては歯噛みするほど皮肉な結果だった。
 親父は家によりつかない代わりに、金だけはきちんと入れていたらしい。詳しく聞いたことはないが、おふくろが働いているのを見た記憶がないのだから、たぶん確かだろう。おれとおふくろは、そのころ、初台のマンションに住んでいたのだが、おふくろは日がな一日原稿用紙に向かい、創作と称する文字をだらだらと書き連ねているだけだった。何度か盗み読みしたことがあるが、原稿に書かれているのは親父に対する呪詛だとか、ポルノまがいの濡れ場だとか、要するに、ただの暇つぶしとかしか思えないような代物だった。食事はすべて外食だったし、下着以外の汚れ物もすべてクリーニング屋に出していた。時折思いだしたように掃除される部屋には、いつも埃が舞っていた。おふくろは、心底忌み嫌っていた親父が送ってくる金で暮らしを立てながら、生活というものをいっさい放棄していた。
 親父は大阪で死んだ。ナイフで腹を抉られたのだ。酒に酔った上での喧嘩が原因だったらしいが、それでおふくろは窮地に立たされた。親父が送ってくる金が、おれたちの生活費のすべてだった。親父の骨を受け取りに大阪へ出向かいた直後から、おふくろは仕事を探しはじめた。だが、まともに社会生活を営んだことのないおふくろは給料生活になじむことができず、かといって手に職があるわけでもない。おれたちが食うのにも困るようになるのは時間の問題だった。
 悩みに悩んだ末の結論――おふくろは忌み嫌っていた台湾人社会に救いを求めることにした。自分がこうなってしまったのは、ろくでなしの台湾人が酷い仕打ちをしたせいだし、半分台湾人の血を引くおれのためにも何とかするべきだ、というわけだ。
 スーツケース二個と、ばかでかいスポーツバッグを抱えた十三歳のおれを連れて、おふくろは初台のマンションを出た。その足で歌舞伎町の楊偉民の元を訪れた。今よりもずっと血色がよく、こってりと太っていた楊偉民はおおげさな笑顔でおれたちを迎え入れた。親父が死んだことは大変に不幸なことだった、親父は自分にとって息子も同然だったのだから、何も気にせずに世話になればいい、といいながら。薄汚れた薬屋の――そのころでも、楊偉民の薬屋は薄汚れていた――親父なんかをどうしておふくろが頼りにしようと思ったのか、おれは疑問を感じたが、それは後になってすぐに解消された。
 楊偉民はおふくろにナイトクラブのママの地位と大久保のマンションを差し出した。おふくろはただ、日に何度か店に顔を出すだけでよかった。いっさいの業務は、店のマネージャーが仕切っていた。おれとおふくろは大久保のマンションに荷物を運び、その日の内に歌舞伎町の住人になった。簡単だった。手品師のシルクハットからいつでも鳩が飛び出てくるようなものだ。
何日かして、昼間の歌舞伎町をぶらついていたおれに楊偉民が話しかけてきた。おれのことを、孫と呼びながら。
 「我々台湾人は、ことのほか身内を大切にすることを信条としている。おまえのお母さんとおまえは、この楊偉民の身内になった。お母さんはわしの娘、おまえは孫だ。わかるか?」
 「おじさんが親父のお父さんってことかい?」
 おれの言葉に、楊偉民は微笑みながら首を振った。
 「血は繋がっておらん。だが、台湾人はみな、同胞なのだ。血が繋がっていなくても、同じものを食べ、同じ言葉は話し、同じ故郷を持っている」
 「おれは中国語を話せないし、台湾にいったこともないよ」
 「だが、おまえの身体には台湾人の血が流れている。そうだろう?」
そういって楊偉民は薬屋の奥へ姿を消し、すぐに分厚い本を持ってきた。北京語の辞書。
 「悲しいことだが、おまえのお母さんは心の奥で我々台湾人を嫌っている。おまえのお父さんに騙されたと思っているんだ。わしの身内の中にはそのことを知っていて、おまえのお母さんを快く思っていないものもいる」
おれは黙って楊偉民の顔を見つめていた。なにをいわれているのかさっぱりわからなかったのだ。
 「わしにも目の届かぬときがある。そんなときにお母さんを守るのはおまえの役目だ。おまえがしっかりと身内の中に根を張れば、お母さんのことをとやかくいいだすものもいなくなるだろう。そのためには、おまえも母国の言葉をしゃべれるようにならなければいかん」
おれは北京語の辞書を受け取った。
 「時間があるときに、わしのところへ寄るんだ。北京語を教えてやろう。それ以外の暇なときにでも、その辞書に目を通しておくとよい」
 「かかったよ」
 楊偉民は目を細めておれの髪の毛をくしゃくしゃにした。
 「いい子だ、健一。おまえの日本名は高橋健一だが、おまえのお父さんの名字は劉だった。今後、わしや身内のものの前では劉健一と名乗るといい」
 楊偉民は手近にあった紙切れに「劉健一」と書き記した。おれは、おれの新しい名前の響きにうっとりした。聞きなれない北京語で発せられたその名に、おれは自分が異世界の住人にでもなったような気にさせられた。
 それまでのおれは、くすんでうらぶれたガキだった。自分の中に流れている台湾人の血をほかのガキどもから必死になって隠し、目立たぬよう、ただそれだけを念じて生きてきた。だが、新しい名前を得たことで、目の前に広がる世界が劇的に変化したのだ。
 「おじさん、おれ、頑張るよ」
 「おじさんではないぞ、おじいちゃんだ」
 「わかったよ、おじいちゃん」
 おれは小躍りしたい気持ちだった。
 だが、すべては嘘っぱちだった。おふくろはもとより、おれも楊偉民の身内にはなれなかった。
おれは必死で北京語を学んだ。おかげで、数ヶ月後には、日本語を話せない台湾人とでもなんとか不自由なく会話を交わせるようになった。そして気づいた。楊偉民の身内のやつらが、おれに聞かれたくない話をするときには、台湾語(閩南語)を使って会話していることに。北京語と台湾語じゃ、英語とフランス語ほどの違いがある。
 それでもおれは、いつかは台湾語も教えてもらえるのだろうとたかを括っていた。だが、おれが台湾語を教えてもらうことはついになかった。
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 楼主| 发表于 2012-7-14 20:47:29 | 显示全部楼层
本帖最后由 simatuya 于 2012-7-14 22:04 编辑

     5
 將我和楊偉民湊到一起的是我媽。確切地說,應該是我爸。
 我爸是個台灣人。老媽曾一度管他叫作爛人。我則沒什麼可說的。我爸幾乎從未回過家,並在我形成自己穩定的思維前便死了。總之,我媽很厭惡我爸。也很憎恨他。并對從我爸那里接觸到的一小塊台灣人圈子也不由的心生厭惡。由於老爸的死,我媽不得不去投靠台灣人圈子,因此,對於我媽而言,這無非是種咬牙切齒般諷刺的結局。
 我爸從不回家,作為補償,錢倒是好像沒少給家裡送。我雖沒仔細地問過,但在記憶中,從未見過我媽出去工作,那應該不會有錯。我和我媽那時住在初臺的公寓里。但我媽只是終日對著稿紙,冗長地列著其稱為創作的文字。我曾多次地偷看過她寫在原稿里的東西,或是對老爸的詛咒,或是類似黃色小說里的色情場面,總而言之,除了一些只是用來打發時間的東西之外,我想不出別的什麽。飯,總是在外頭吃,內衣以外,髒了的東西也全送清洗店。偶爾想到了才打掃打掃的房間里,總是漂著灰塵。我媽雖是花著打心底裡都厭惡的老爸送來的錢度著日子,但卻放棄了一切所謂的生活。
 我爸死在了大阪。是被刀子捅破了肚子。雖然那似乎是由於醉酒後打架引起的,但由此我媽便被逼上了窘境。老爸送來的錢曾是我們生活費的全部。我媽在上大阪領回了老爸的骨灰後,緊接著便開始找起了工作。但老媽從未正兒八經地在社會上生活過,她完全無法適應這種靠薪水過活的日子,再說她手上也沒有一技之長。我們食不果腹也只是個時間問題罷了。
 在傷透了腦筋之後,我媽最終決定投靠她所厭惡的台灣人圈子。那是因為她能走到如此田地,也正是由於那些不務正業的台灣人作風惡劣所致,另外,就算是爲了流著一半台灣人血的我,他們也該做點什麽。
 當年我十三歲,拖著兩個行李箱,外加一個老大的運動包,我媽帶著我離開了初臺的公寓,步行來到歌舞伎町楊偉民的住處。楊偉民比現在還要肥碩,氣色也要好得多,堆著一臉誇張的笑容將我們迎了進去。雖說楊偉民告訴我說我爸的死是樁很不幸的事,我爸對他來說就如同自己的兒子。所以讓我別客氣,儘管依靠他。但我還是搞不懂爲什麽我媽曾今要依靠在這個髒兮兮的藥鋪里的父親。不過這個疑惑在不久之後便解除了。
 楊偉民給了我媽一間夜店里媽媽的職位與在大久保的一間公寓房。我媽只需每天到店裡露幾次臉便可以。店裡一切的業務都由店經理管理。我和我媽將行李搬進了大久保的公寓,自那天起我們便簡簡單單地成了歌舞伎町的住民。就如同魔術師的大禮帽里隨時都能飛出鴿子般簡單。
 過了幾天,我正無所事事地在歌舞伎町里閒逛,楊偉民便主動跟我搭上了話。一邊還把我叫做孫子。
 “我們台灣人對自家人特別重視,並將其視為信念。你和你媽現在是我楊偉民的自家人。你媽是我的女兒,你則是我的孫子。知道嗎?”
 “叔叔你是我爸爸的爸爸嗎?”
 對於我的問題,楊偉民一邊微笑著,一邊搖了搖頭。
 “血緣關係是沒有。但是,所有的台灣人都是同胞。就算沒有血緣關係,但我們都吃著相同的東西,說著相同的語言,擁有相同的故鄉。”
 “可我既不會說中國話,也沒去過台灣啊。”
 “但你身上任然流淌著台灣人的血,不是嗎。”
 說著,楊偉民便進了藥鋪,不久拿出了一本厚厚的書。那是一本中文字典。
 “遺憾的是你媽打心底裡都討厭我們台灣人。她認為是被你爸爸給騙了。在我的‘自家人’里也有部份人知道這些,并對你媽很不爽。”
 我靜靜地注視著楊偉民,完全沒能理解他所說的話。
 “我也有管不到的時候。那時,保護你媽就是你的任務了。你要能在‘自家人’里站穩腳跟的話,自然也不會有人對你媽說三道四了吧。為此,你必須得學會說祖國的語言。”
 我便接下了中文字典。
 “有時間的話,就到我這兒來。我教你中文。除此之外,有空的話可以看看這本字典。”
 “好的。”
 楊偉民眯著眼,擼了擼我的頭。
 “乖孩子。你的日文名叫高橋健一,但你爸爸姓劉。今後在我和其他自家人面前可以管你自己叫劉建一。”
 楊偉民在旁邊的紙片上寫下了“劉建一”的字樣。我則陶醉于自己新名字的反響下。對於還未聽慣的中文名字的發音,這使我感覺到仿佛自己成了另一個世界的住民一樣。
 在此之前,我是個很不起眼的小破孩子。曾竭力地在其他小孩面前掩飾自己身上流淌著的台灣人的血,一味地專念於別使自己太顯眼。但是,自從有了新名字,攤在眼前的世界發生了戲劇性的變化。
 “叔叔,我會努力的。”
 “不是叔叔,是爺爺。”
 “知道了,爺爺。”
 我在心裡高興地歡呼雀躍。
 但是,這一切都是騙人的。我媽打開始就無法成為楊偉民的‘自家人’,包括我在內。
 我拼了命地學習中文普通話。以至於在幾個月後,就算和說不來日語的台灣人交流也不會有什麽障礙了。另外,我注意到,楊偉民的自家人有話不想給我聽到的時候,就會用台灣話(閩南話)。普通話和台灣話之間有著如同英語和法語般的區別。
 儘管如此,我仍認為總有一天有人會教我台灣話的。但是,始終卻還是沒人教過我。
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