中国で全国統一の大学入学試験が行われました。急激な経済成長でますます熾烈になる中国の受験戦争、その現場を取材しました。
運命の日を迎えた中国の受験生たちが続々と試験会場に入っていきます。親や教師たちが心配そうな表情で見守っています。
「よく問題を読んでしっかり答えるのよ!」
7日と8日、中国全土で942万人が「高考(ガオカオ)」と呼ばれる年に一度の統一大学入試に臨みました。中国では日本のような大学ごとの入試はなく、この試験の成績で全てが決まります。
Q.どこの大学を目指してる?
「もちろん清華大学か北京大学です」(受験した生徒)
“良い大学に入れば良い人生が送れる”とまでいわれる“超学歴至上社会”の中国。北京でも有数の進学校の生徒たちも受験するこの会場で、志望校として挙がるのは、胡錦濤、習近平と2人連続で国家主席を輩出した清華大学や、李克強首相の出身校・北京大学など、名門校ばかりです。
「名門大学を卒業しなかったら就職が難しいからね 」(母親)
ほとんどが一人っ子の子どもたちには、親だけでなく、祖父母や親せきの期待が重くのしかかります。
「あと100日の決戦!必ず成功するぞ!」
中国で一番厳しいと言われる河北省のこの高校では、去年10月、今年3月と生徒が校舎から飛び降り自殺をしたため、校舎の外廊下全てに鉄格子をはめました。しかし、傍らには今も生徒たちに檄を飛ばすスローガンが掲げられています。
過剰なまでの競争社会。さぞかし窮屈だろうと子どもや親たちに聞くと、意外な答えが返ってきました。
「皆、通らなきゃならない道だから、努力するしかないね。この一回しかないから」(受験した生徒)
「この選抜制度は厳しくて、成績がいい子にも悪い子にも平等だと思います」(受験生の親)
試験の結果はおよそ2週間後に判明します。
Q.試験が終わったら何がしたい?
「全て終わったら?本を全部燃やしたいです」(受験した生徒)
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