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年としを取とると「男おとこらしさ」は失うしなわれていく。残念ざんねんなことだが、若わかい頃ころの外見がいけん?体力たいりょく?健康けんこうはいつまでも保たもてない。それを防ぼうぐにはどうすればいいのか? この連載れんさいでは第一線だいいっせんで活躍かつやくする専門せんもん家たちに、「男おとこのアンチエイジング」の最先端さいせんたんを解説かいせつしてもらう。今回こんかいのテーマは「睡眠すいみん時じ無む呼吸こきゅう症候群しょうこうぐん」。夜よる寝ねている時とき、なんとなく苦くるしくなって目めが覚さめる―そんなことはないだろうか。放はなっておくと生活せいかつ習慣しゅうかん病びょうにつながるという侮あなどれない症状しょうじょうについて、その最新さいしん治療ちりょう法ほうを紹介しょうかいしよう。
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「お酒さけを飲のんで眠ねむると鼻はなが詰つまり、苦くるしくて目めが覚さめることは以前いぜんからありました。14年ねん前まえ(2000年ねん)の検査けんさで、睡眠すいみん時じ無む呼吸こきゅう症候群しょうこうぐんと診断しんだんされたんです」
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7 f& c8 B4 a1 o ~2 J$ x/ A* } そう話はなすのは、日本にっぽん抗こう加か齢よわい医い学会がっかい理事りじ長ちょうも務つとめる慶應義塾けいおうぎじゅく大学だいがく医学部いがくぶ眼め科学かがく教室きょうしつの坪田つぼた一男かずお教授きょうじゅ。睡眠すいみん時じ無む呼吸こきゅう症候群しょうこうぐんとは、その名なの通り「眠ねむっているときに呼吸こきゅうが止とまってしまう病気びょうき」だ。虎とらの門もん病院びょういん(東京とうきょう都港みなと区く)睡眠すいみん呼吸こきゅう器き科かの成井なるい浩司こうじ部長ぶちょうによると、「10秒びょう以上いじょうの無む呼吸こきゅう?低てい呼吸こきゅう(呼吸こきゅう停止ていし)が一晩ばんに30回かい以上いじょう、または1時間じかんに5回かい以上いじょうあり、昼間ひるまの眠気ねむけなど自覚じかく症状しょうじょうを伴ともなう状態じょうたい」が睡眠すいみん時じ無む呼吸こきゅう症候群しょうこうぐん(以下いかSAS=Sleep Apnea Syndrome)と定義ていぎされている。# a( D" Q% Y6 `7 Q! P' b
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! a3 }" l. R/ q5 k' n- t% E 日本にっぽんでは男性だんせいの9%、女性じょせいの3%に見みられ、国内こくないの推定すいてい患者かんじゃ数すうは約やく500万まん人。重症じゅうしょうになると10秒びょう以上いじょうの呼吸こきゅう停止ていしが1時間じかんに30回かい以上いじょう、つまり2分ふんに1回かい以上いじょうものペースで呼吸こきゅうが止とまるという。中枢ちゅうすう神経しんけいに原因げんいんがあって呼吸こきゅうが止とまる「中枢ちゅうすう型がた」もあるが、ほとんどは睡眠すいみん中に気道きどうがふさがって息いきができなくなる「閉塞へいそく型がた」。特とくに40~60代だいの男性だんせいに多おおく、太ふとっているとなりやすい。のどの周辺しゅうへんに脂肪しぼうがついて気道きどうが狭せまくなるためだ。 b5 K: W& h" s! v( ^: O& R- ?
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1 c3 X8 E- @6 F( y2 y: E 呼吸こきゅうが止とまるといっても、そのまま死しに至いたることは滅多めったにない。苦くるしくなれば自然しぜんに呼吸こきゅうを再開さいかいするが、体からだにかかるストレスは相当そうとうなもの。当然とうぜん眠ねむりも浅あさくなるし、坪田つぼた教授きょうじゅのように苦くるしくて目めが覚さめてしまうこともある。熟睡じゅくすいできないため、昼間ひるまも眠気ねむけが取とれない。2012年ねん7月、首都しゅと高速こうそく湾岸わんがん線せんで6人が死傷ししょうした追突ついとつ事故じこがあったが、このとき自動車じどうしゃ運転うんてん過失かしつ致死傷ちししょう容疑ようぎで逮捕たいほされたトラック運転うんてん手しゅもSASだったという。
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0 t# _) u( M+ ^1 b! |- v●メタボ男性だんせいは要注意ようちゅうい!
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3 R1 I1 L3 U, n/ Q0 R, g6 T' o 事故じこの危険きけんだけに限かぎらず、日中の眠気ねむけはあらゆる仕事しごとに影響えいきょうするだろう。労働ろうどう意欲いよくも落おちるし、作業さぎょう効率こうりつも落おちる。ミスだって多おおくなるに違ちがいない。* [2 u" ]3 D+ @ J/ p
; h$ p6 X) b$ u, [! W# r: L3 n
, Q6 r& S2 t/ _% C4 t2 R' r それだけではなく、生活せいかつ習慣しゅうかん病びょうにもつながる。睡眠すいみん中に呼吸こきゅうが止とまると、「血液けつえき中の酸素さんそが少すくなくなるので交感神経こうかんしんけいが優位ゆういになって血圧けつあつが上あがる。インスリンの感受性かんじゅせいが悪わるくなって糖尿とうにょう病びょうにもなりやすくなるし、動脈どうみゃく硬化こうかも進すすむ」と成井なるい部長ぶちょうは警告けいこくする。
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虎とらの門もん病院びょういん睡眠すいみんセンターで751人のSAS患者かんじゃを調しらべると、63.8%が高血圧けつあつ、51.1%が脂質ししつ代謝たいしゃ異常いじょう、17.7%が糖尿とうにょう病びょうを合併がっぺいしていた。生活せいかつ習慣しゅうかん病びょうになると動脈どうみゃく硬化こうかが進すすみ、心筋梗塞しんきんこうそくや脳卒中のうそっちゅうを起おこすリスクも高たかくなる。その結果けっか、SASになると心血しんけつ管かん疾患しっかんを起おこすリスクが約やく2倍ばいに高たかまるという。成井なるい部長ぶちょうは、「SAS患者かんじゃの4割わりはメタボリック?シンドローム。40~60代だいの男性だんせいが多おおいのも、太ふとっている人が多おおいせいだろう」と話はなす。0 C: s5 T' i% Q" a& ?) t
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SASの特徴とくちょうは大おおきないびきだ。
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いくら大おおきないびきをかいても、呼吸こきゅうさえ止とまらなければSASではない。とはいえ、決けっして安心あんしんはできないという。「いびきは気道きどうが狭せまくなっている証拠しょうこだし、睡眠すいみんも浅あさくなる。睡眠すいみん中の無む呼吸こきゅうがなくても、昼間ひるまに眠気ねむけがあるようなら積極せっきょく的てきに治療ちりょうを考かんがえたほうがいい」と成井なるい部長ぶちょうは注意ちゅういする。
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$ W6 v/ d$ c* x' r5 [1 P1 i5 l& e) o/ h 眠ねむりが浅あさいと老化ろうかも進すすむ。
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, {: v' |% [. m. V1 ] 熟睡じゅくすい時じに分泌ぶんぴつされる成長せいちょうホルモンには、脂肪しぼうを分解ぶんかいし、筋肉きんにくを増強ぞうきょうし、意欲いよくを生うみ出だす効果こうかがある。アンチエイジングのためには非常ひじょうに重要じゅうようなホルモンだ。通常つうじょうでも30歳さいを過すぎると分泌ぶんぴつ量りょうが減へるが、ひどいいびきやSASで熟睡じゅくすいできないと、ガクンと分泌ぶんぴつ量りょうが落おちる。そのため体からだ脂肪しぼうもたまり、老化ろうかも急ピッチきゅうぴっちで進すすんでしまうというわけだ。
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うーむ。「大いびき」というと、横よこで寝ねている人には迷惑めいわくでも本人ほんにんはいい気持きもち――と思おもっていたけど、実際じっさいは本人ほんにんにも深刻しんこくなダメージを与あたえていたのだなぁ。/ ?% a! I/ ^* ~$ l0 W
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6 w f# {7 a E A 若わかさと健康けんこうを保たもつためには、安眠あんみんを妨さまたげるSASは放はなっておけない。いびきが大おおきければ要注意ようちゅういだ。気きになる人は早速さっそく検査けんさを受うけてみよう。
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日本にっぽん睡眠すいみん学会がっかいでは、2014年ねん5月現在げんざい、全国ぜんこく442人の認定にんてい医いリストを公開こうかいしている。この中から近所きんじょの医療いりょう機関きかんを選えらべばいいだろう。また、成井なるい部長ぶちょうが顧問こもんを務つとめる日本にっぽん睡眠すいみん総合そうごう検診けんしん協会きょうかいでは、かかりつけの医師いしから連絡れんらくしてもらうことによって保険ほけんが適用てきようされ、3,000円えん前後ぜんごの検査けんさ費用ひようで睡眠すいみん中の呼吸こきゅう状態じょうたいをチェックできる。
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●使つかい始はじめた日から実感じっかんできる治療ちりょう法ほうがある
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SASの治療ちりょう法ほうには外科げか的てきな手術しゅじゅつもあるが、最もっとも手軽てがるで有効ゆうこう性せいも高たかいのはCPAP(シーパップ。Continuous Positive Airway Pressureの略りゃく)療法りょうほうだ。( l% Q- m% K7 [/ H, H: q
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これは鼻はなにつけたマスクから一定いっていの圧力あつりょくで空気くうきを送おくることで気道きどうを広ひろげ、睡眠すいみん中に気道きどうがふさがらないようにするというもの。1時間じかんに20回かい以上いじょう呼吸こきゅう停止ていしが見みられる場合ばあいは保険ほけん適用てきようになり、1ヵ月5000円えん程度ていどで治療ちりょうが受うけられる。. J$ S( ~2 p& d4 l- P( q
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. E) X7 k1 @! |6 Y$ a/ q 熟睡じゅくすいできるようになるのはもちろん、「成長せいちょうホルモンの分泌ぶんぴつが増ふえ、活力かつりょくが出でて運動うんどうするようになるせいか、CPAPを使つかいだすと体重たいじゅうが減へる人も多おおい」と成井なるい部長ぶちょう。最近さいきんは呼吸こきゅう状態じょうたいに合あわせて自動的じどうてきに空気くうきを送おくる圧力あつりょくが変かわる「オートCPAP」も出でている。著名ちょめい人の間でも愛用あいよう者は多おおく、俳優はいゆうの高橋たかはし英樹ひでき氏しも成井なるい部長ぶちょうの指導しどうのもと使つかっているそうだ。
3 G1 `1 A8 B( v( Z7 c/ p1 o4 v A2 D: ], q) \2 L8 W
! B) {- Q; m; `, A# R# z 動脈どうみゃく硬化こうかの改善かいぜん効果こうかも確認かくにんされている。重症じゅうしょうのSAS患者かんじゃを追跡ついせき調査ちょうさしたところ、12年間ねんかんで15%以上いじょうが「命いのちにかかわる心こころ血管けっかん系けい疾患しっかん」を起おこしたが、CPAPを使つかっている人たちは健康けんこうな人と同どうレベルにまで発症はっしょう率りつが抑おさえられた(Lancet 2005;365:1046-53)。
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冒頭ぼうとうに登場とうじょうした慶應義塾けいおうぎじゅく大学だいがく医学部いがくぶの坪田つぼた一男かずお教授きょうじゅは、SASと診断しんだんされてから2回かい手術しゅじゅつを受うけた。手術しゅじゅつ直後ちょくごはぐっすり眠ねむれたが、いずれも数すう年ねん経たつと再発さいはつ。2008年ねんに成井なるい部長ぶちょうに相談そうだんし、CPAPを使つかい始はじめたという。 P w7 v; K0 n% X5 }
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$ j# `5 E+ {$ k; P; x 効果こうかは初はじめて使つかった日から実感じっかんした。以来いらい、一日も欠かかさずにCPAPを使つかい続つづけている。出張しゅっちょうにも必かならず持もっていくというから徹底てっていしている。% s( `( Q9 R2 W8 ~
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「夜中やちゅうにトイレに起おきることも少すくなくなったし、毎朝まいあさゴキゲンな顔かおをしている。タクシーや電車でんしゃに乗のっても居眠いねむりすることはほとんどなく、時間じかんを有効ゆうこうに使つかえる。貧血ひんけつが良くなり、血圧けつあつが下さがるなど、健康けんこう診断しんだんの数値すうちも軒並のきなみ良くなった。唯一ゆいいつ悪わるくなったのがγ-GTP。苦くるしくて目めが覚さめることがなくなったお蔭かげで酒量しゅりょうが増ふえたせいだろうね」: S$ U0 D3 Y3 M: ^7 w% v3 X
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7 E6 S8 I5 M6 d4 M. } 坪田つぼた教授きょうじゅはそう言いうと、真まっ白しろな歯はを見みせて笑わらった。7 w* K% z$ {8 A9 ]6 O
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