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「第五問」 ありがとう――「ありがとう」とわざわざ言わなくてもいい場面を、思い浮かべてみて下さい。
誰かに何をしてもらったら、誰でも「ありがとう」といいます。ここでは差がつきません。ところが、「ありがとう」とわざわざ言うほどのことはない場面もあります。そこで、差がつくのです。時には、あなたが「ありがとう」と言われる側の場合でも、「ありがとう」と言いましょう。「ありがとう」と言うほどのことではないところで、「ありがとう」と言うのが、気がきく人です。
それを続けているうちに、「ありがたいこと」にたくさん出会えるようになります。
「ありがとう」と言わなくてもすむ時こそ、「ありがとう」と言おう。
「第六問」 カバン――今、あなたの持っているカバンは、誰かに当たっていませんか?
電車の中で、背中のデイパックが、赤ちゃんに当たっていても平気な人がいます。コンビ二で、タマゴに買い物カゴをぶつけて落として割っても平気な人もいます。濡れた傘が隣りの人に当たっているのに、気がつかない人もいます。傘の持ち主も濡れた傘が自分のズボンに当たると、さすがに気づきます。でも、ほかの人に当たっていても、まったく気がつかない。脚には神経がありますが、傘には神経がないからです。
自分の持っている傘、当たらないように気をつけているのが、気がきく人です。
自分の背中のデイパツクが、通り道をふさいでいることに気づこう。
「第七問」 相談された?――最近、誰かに相談されましたか?その人の話を、最後まで聞いてあげましたか?
相談をしてくる人は、アドバイスを求めているのではありません。話を聞いてくれる人を求めているのです。
たいてい、話の途中まで聞いたところで、「わかった。それはね、こうすればいいんだよ」と、アドバイスを始めてしまいます。「そんなことはない。わたしは、相手の話いつも最後まで聞いている」という人は相手の話がまだ終わっていないということにすら、気がついていないのかもしれません。相手の話を最後まで聞くのは、忍耐力のいることです。つい結論を急ぎたくなります。
相談にかぎらず、相手の話を最後まで聞いてあげるのが、気がきく人です。
相談する人の話の途中で、結論を急がないようにしてあげよう。
「第八問」 上司の命令――上司やお客さんに、わかっていることを指示された時、あなたは何と答えますか?
①「わかっています」
②「わかりました」
わかっていることを言われると、つい「わかっています」と言いたくなります。わかっていることを言われた時でも、「わかりました」と言うように心がけましょう。「わかりました」とあなたが答えた時、「なんだ今までわかっていなかったのか」と怒る人はいません。わかっているけど、やっていないことに対して、あえて確認のためにあなたに指示をしているのです。「わかりました」と答えることで、相手は安心するのです。「わかっています」と答えると、「わかってるなら、さっさとやれよ」とケンカ腰になってしまいま
す。「わかっています」と返事をする人には、教えてくれる人が、いなくなってしまいます。
「わかっています」ではなく、「わかりました」と答えよう。
「第九問」 お辞儀――お得意さんを訪問する時、あなたは最低何回お辞儀をしますか?
お辞儀が一回だけという人は、まずいないでしょう。お得意先の担当者と会った時に「こんにちは」と一回。話を切り上げて帰る時に、「それでは失礼します」で、もう一回。これでは、まだ合格とは言えません。
お得意さんのところに行ったら、担当者が出てくる前に、オフイスにいる人に対して、「こんにちは」とお辞儀をしましょう。これで、三回。もう一回あります。
担当者と別れて帰る時に、オフイスにいる人すべてに、「ありがとうございました」とお辞儀をするのです。実は、ここが一番差がつくところなのです。この四回目のお辞儀ができれば、合格です。
オフイスではなく、個人宅にうかがう時でも同じです。相手が見ていなくてもいいのです。見ていないところでお辞儀をすることが大事なのです。
相手が見ていないところでも、お辞儀をしよう。
「第十問」 間違い電話――一番最近、間違い電話がかかってきたのはいつですか?その時、あなたは何と答えましたか?
忙しい時にかかってくる間違い電話ほど、迷惑なものはありません。深夜、自宅にかかってくる間違い電話も迷惑です。かけてくるほうは、間違えているという意識がありませんから面倒です。間違えていたとわかると、謝りもしないでプツリと切る失礼な間違い電話の主もいます。
あなた自身が、間違い電話をかけてしまった時は、丁寧に謝りましょう。あなたが間違い電話をかけられる側になったとしても、丁寧に応対しましょう。間違えてきた相手が、どんなに失礼な相手であっても、ガマンして丁寧に応対しましょう。間違い電話にあなたがどのような態度で応対しているかが、あなたの人と接する時の態度を表します。間違い電話に横柄な対応をする人は、お客さんと接する時でも、知らず知らずのうちに横柄な態度で接しているものです。
間違い電話の対応に、あなたの素顔が出る。 |
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