東山 魁夷 黄山摄影者:本人 [游记随笔]" S9 \) I7 l* [% E% J
9 a6 u9 s' _0 Q3 ^% y/ s : M# c0 H! s; G# r2 j2 L8 q6 R
6 h+ t" r! T: g* A: h& K
窓から見える対岸の山に,絶えず白雲が去来(きょらい)する。渓流(けいりゅう)の響き(ひびき),匂う(におう)若葉(わかば)。ここは安徽省南部にある黄山の麓(ふもと)である。珍しく温泉が涌いていて、黄山探勝の根拠地になっている。
; d" C* `; w$ }; u 黄山は年来の憧れ(あこがれ)の山であった。私にとって、唐招提寺御影堂障壁画の第二期制作の主題である中国風景の中に、どうしても欠くことの出来ないものだからである。昭和53年5月、宿願(しゅくがん)が叶い黄山への旅となった。南京を車で発って、途中、蕪湖に一泊し、この地へ辿り着いたわけである。
: ]+ ^6 ~2 Q: N% ^- K# X3 L 黄山は,独立した山の名称ではなく,七十二峰の総称である。古生代の片岩、砂岩、粘板岩などから成り,広大なこの山嶽群の中には,玉屏楼、北海賓館、雲谷寺というふうに,昔の寺の址が宿舎になっている以外に,村落は無い。文字通り人外の仙境である。 * u3 F; g5 k" `+ j( N) m- U
古く秦代には |