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経済あらかると

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发表于 2005-10-27 23:15:04 | 显示全部楼层 |阅读模式
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 楼主| 发表于 2005-10-27 23:16:23 | 显示全部楼层
金融政策に潮目の変化 (2005.10.12)

  主要国の中央銀行が、こぞって引き締め方向に舵を切ろうとしているように見える。まず米国では、原油高やハリケーンの被害もあって個人消費や企業マインドにやや弱い指標も混じるようになったが、それでも利上げ継続ムードが醸成されている。一部に「スタグフレーション(不況とインフレの混在)」という言葉も出始めたが、FRBはインフレ率の上昇や住宅価格の上昇により大きな関心を見せている。FRBが注目するコアの消費デフレーター上昇率が2%台にのり、住宅価格は足元でも前年比2桁の上昇を続けているためだ。

  このため、すでに10年国債と2年国債の利回りが急接近し、間もなく“逆イールド”にもなりかねない状況にあり、それ自体が景気に負担となる面があるのだが、それでも利上げを継続するとの見方が広がっている。市場は来年半ばには、F.ファンド金利が4.5%(現在3.75%)になるところまで織り込んだ。

  一方、欧州中央銀行(ECB)も、長らく政策金利を2%の水準に固定し、景気浮揚を図ってきたが、原油高の影響でインフレ率が高まりつつあるだけに、「次の一手」は利上げになる可能性が高まってきた。実際、ユーロ圏の消費者物価上昇率は、原油高の影響もあってすでに管理レンジの2%を超え、9月には2.5%を記録している。このため、ECBのトリシェ総裁が、「中央銀行はインフレに特別の警戒を持って臨むべし」と発言しているほか、他の中央銀行関係者からも、低成長よりインフレが問題、とするコメントが増えている。


  世界の流れがインフレ警戒に傾く中で、日本でもデフレ感の後退とともに、異常な金融緩和の修正機撙撙蓼盲皮い搿
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 楼主| 发表于 2005-10-27 23:19:55 | 显示全部楼层
ドル買いに3つの不安 (2005.10.12)

  予想より良かった雇用統計や金利先高観で、ドルが買い戻されたが、ここから先は3つの不安がドルの頭を抑えそうだ。1つは経済邌婴蚊妞恰⒕皻荬瑜辘猊ぅ螗榨煲种浦匾暏巫藙荬瑥姢蓼辍ⅳ长欷辘浣U済に圧迫材料ととられるようになったこと。前述のように、久々に「スタグフレーション」という言葉が出始めたが、このうち景気の悪化よりも、インフレ率の高まりを重視し、景気を犠牲にしてでも利上げ継続との見方が広がった。

  米国に先立って住宅バブルが冷えてきた英国で、消費が目立って弱くなっているが、一連の利上げで米国の住宅価格が下落するようになれば、やはり米国の消費需要が、従って米国景気全般が冷えることを示唆する形になっている。目下のところ、米国の住宅価格は全体としてまだ上昇基調にあり、景気指標も強弱混在となっているが、FRBの引き締めへの傾斜が景気の先行き不安を呼ぶ。



  第2は、ポスト・グリーンスパン人事で、候補者選定が難航していることだ。グリーンスパン議長の任期は来年1月で切れるが、当初「後継候補」と目された人々が、ブッシュ大統領と親しい「ブッシュ・ファミリー」との理由で外される公算が高まった。あらためてゼロから候補者選びをしなければならなくなったが、半ば神格化されたグリーンスパン議長に劣らない有力候補を選ぶことは容易でない。この18年の間に、「ブラック・マンデー」(87年)や「9.11同時多発テロ」後の金融危機を仱辘盲抗儰胜嗓eみ重なり、市場からはカリスマ議長との評価を得ただけに、誰が後任となっても厳しいものがある。

  グリーンスパン議長をもってしても、今日の『双子の赤字』問題解決が難しく、その波紋がいずれ為替市場でのドル売り、金融市場での金利上昇を呼ぶ懸念が出ている。次のリーダーは早速その試練に遭うのだが、その人選自体が難航すると、これがドル資産の買いを冷やすことになる。18年前も、カリスマ議長P.ボルカー氏を引き継いだグリーンスパン議長は、早々にブラック・マンデーの洗礼を受けた。次のリーダーがこうした試練を仱暝饯āg績を重ねて評価を得るまでは、「ポスト・グリーンスパン」問題が、ドル資産を買いにくくする要素になりやすい。

  第3は、政治・外交面での不安だ。英豪両国がイラクのサマワから撤退を検討する中で、米国は本音では戦線縮小したいところだが、表向きはイラク駐留継続の立場を示している。米国内からイラク戦略に批判が高まる一方で、中東でも米国が孤立する方向がうかがえる。そうした中で、ニューヨーク地下鉄でのテロ予告が出るなど、米国の地政学リスクは高まることはあっても、なかなか平穏が訪れない。また日米関係においても、沖縄の米軍基地や日本における米軍再編問題で、米国が不満を強め、ラムズフェルド国防長官の来日が取りやめとなった。

  一時は米国の協調政策への復帰が好感されたが、このところはまた米国一国主義の色合いが強まり、再び反米機撙撙蓼胝驻筏姢à搿¥长欷膝丧胪顿Yにとっては足かせになる。これまで金利差でのドル優位と『雇用創出法』による米国への資金回帰などでドルを支えてきたが、今後はドルにとっての不安な要素も意識されることになる。
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 楼主| 发表于 2005-10-27 23:20:56 | 显示全部楼层
ここにも“グローバル・インフレ懸念” (2005.10.19)

  主要国の中央銀行がインフレ警戒に傾いていることは、すでに紹介した通りだが、このところの金価格の動きも、市場が「インフレ」を意識し始めたことを示唆している。


 もともと金には「商品」としての性格のほかに、絶対的な価値をもつ「通貨」としての機能が備わっている。従って、中東や欧州のように、歴史的に戦乱や国家体制の変遷を繰り返してきた地域では、戦乱や紛争など、いざという時にドルやポンドといったペーパー・マネーよりも、金の保有を選好する面が見られる。

 平和なときでも、ペーパー・マネーの代表であるドルの減価が懸念されるときに、金が買われる傾向が見られる。これまではインフレでドルが減価するリスクはほとんどなかったので、為替面でドル安が進むときに金が選好されてきた。だから金価格の動きは、ドル評価の裏返しと見てよかった。

 ところが、今年になってからの動きは、ドルが為替面では安定を見せる中で、金価格が上昇を続けている。少なくとも為替面でのドル不安とは離れた動きをはじめるようになった。代わって金が連動性を強めているのは、原油価格だ。ハリケーン・カトリーナやリタの影響が一段落したあとも、代表指標であるWTIは63-64ドルに、ブレントも60ドル前後で高止まりしている。

 こうした原油価格の上昇、高止まりの中で、金価格がオンス470ドル台をつけるなど、一段高となっている。これは金融当局のみならず、グローバル市場でもインフレ懸念が広がってきたことを示唆するものと考えられる。日本ではここ数年、「デフレ」に目が向いていただけに、「インフレ」への認識切り替えは難しい。しかし、債券市場はグローバルにシンクロ化する傾向が強まっており、欧米市場でインフレ懸念から金利が上昇すると、日本市場にも影響が及んでくる。つまり日銀が量的緩和の修正に慎重であるかどうかにかかわらず、海外から金利上昇圧力がかかってくる。このところの金価格続騰は、海外市場がインフレ警戒の意識をもち始めたことを示すものだ。
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 楼主| 发表于 2005-10-27 23:22:24 | 显示全部楼层
景気問題、時間変動から地域格差へ (2005.10.19)

  景気の問題が、時間による変動から地域格差に移っている。ITバブル崩壊から立ち直ったあとの経済は、02年2月からすでに43ヶ月もの「上昇」を続けているが、この間の特色としては、次の2点が挙げられそうだ。

 1つは、途中2度3度「景気の踊り場」を経験したものの、景気の方向が変わってしまうような大きな変動がなく、ここまでは振幅の小さな「安定的拡大」を続けていることだ。特に景気動向指数の動きを見ると、景気の程度も反映する「一致C.I.」が、過去の景気変動に比べて、最近では上下動の少ない「平坦な上り勾配」を見せていることがわかる。

 この背景には、2つの変化が考えられる。1つは、IT革命の成果ともいえるが、日常の在庫管理が容易になり、旧来の過剰在庫、過少在庫による生産のブレが小さくなったことだ。実際、在庫と出荷の増加率を縦軸、横軸にとって「渦巻き図」を描くと、従来は時計と逆周りに3年から4年で1回りし、その中で「回復局面」、「拡大局面」、「在庫つみあがり局面」、「在庫調整局面」と循環していた。しかし、ここ最近では「渦」が内回りして、故障した時計のように、行ったり来たりで、渦を巻かなくなっている。


 もう1つは、政策変動の影響が小さくなったことだ。本来、景気対策は景気の変動を中和させ、景気の安定を図る狙いがあるのだが、現実には景気対策を機に景気が浮揚し、引き締めで下降するケースが少なくなかった。それだけに、短期の景気循環は、通常在庫循環と理解されるのだが、別名「政策循環」とも言われた。ところが、ここ数年で見ると、財政からは「赤字削減」が前面に出て、これといった景気対策は打たれていない。一方の金融政策も、ほぼ恒常的なゼロ金利政策、量的緩和策が継続されている。少なくとも、政策面から景気に変動を及ぼすような措置はとられていない。

 こうした景気変動の「平坦化」の一方で、2つ目の特色は、地域によって景気回復の度合いが大きく異なり、景気の地域格差が大きく拡大していることだ。一例を、都道府県別の有効求人倍率で示してみる。

 前回景気拡大のピークにあたる2000年と、今回の景気回復から42ヶ月目となる今年8月の数字を比較してみると、地域格差の拡大がはっきり読み取れる。2000年平均の有効求人倍率は0.59倍であった。このうち、最高は福井県と山梨県の1.1倍、最低は沖縄を除外すると、青森県の0.39倍であった。福井県と平均値を比べると1.9倍、福井はまた最低の青森に対して2.8倍であった。上位10県を下位10県と比べると、上位10県は下位10県の2倍であった。

 一方、今年8月でみると、全国平均が0.97倍に対して、最高の愛知県が1.71倍、最低の青森県が0.40倍となっている。最高の愛知県と全国平均を比べると、愛知が1.8倍で、2000年よりやや格差が縮小したかに見えるが、愛知の青森に対する倍率は4.3倍で、2000年に比べると最高・最低の格差が著しく大きくなっている。良いところが突出してよいというより、悪いほうが全体からも大きく取り残された形になっている。また、上位10県と下位10県の倍率も2.4倍と、2000年当時よりも格差が開いている。

 こうした地域格差拡大の背景には、政策邌婴螇涓螭挠毪筏皮い搿¥膜蓼辍⒕衫搐尉皻輰澆撙扦稀⒐彩聵Iの拡大や減税によって、底辺から全体的に景気を底上げする形が取られていたのに対し、今回の回復経路は、金融こそ「超緩和」が続けられたが、財政からの「全国ばら撒き型景気支援」が後退し、規制緩和と民間自力による回復に委ねられた。このため、自動車やハイテク企業の増産や積極的な設備投資に仱欷康赜颏狭激い⒐彩聵Iや農林漁業依存度の高い地域は、県や市町村が、よほど画期的な経済ビジョンを提示しないと、ジリ貧に陥りやすい。

 こうした「仱赀Wれ地域」をどう活性化するか。国策として、バイオ技術を応用した大規模農業を推し進めて食料自給率を高めるような青写真を示すもよし、自治体ベースで税制面から優遇措置をつけて企業誘致を進めるもし、いずれにしても、これまでと違った経済対策が必要になる。
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 楼主| 发表于 2005-10-27 23:26:02 | 显示全部楼层
“バーナンキ議長”への宿題 (2005.10.26)

  難航していたポスト・グリーンスパン人事も、ブッシュ大統領がバーナンキ大統領経済諮問委員会(CEA)委員長を指名したことで、一件落着となりそうだ。もともとバーナンキ氏は、FRBの理事をしていた頃から、内外に大きな影響力をもち、ポスト・グリーンスパンの有力候補とされていた。


  しかし、ブッシュ大統領の最高裁人事などに対して、「身内人事」といった批判も出ていたため、いったんは白紙に戻って、広く独立色の強い人からの人選になるとの見方が広がった。今回の人選は、ブッシュ大統領がこれらの批判にめげず、信念を通す形となった。

  その背景には、今日の米国や世界的な長期金利低下を、バーナンキ氏は「過剰流動性説」ではなく、途上国などが「過剰貯蓄」を発生させているため、と説いている点が、ブッシュ政権には都合がよい面もある。過剰流動性が原因なら、主要国は金融引締めで過剰な流動性を吸収する必要があるが、その場合株価や景気を冷やす懸念がある。これに対して海外諸国の過剰貯蓄が原因なら、米国は諸外国に貯蓄を吸収するだけの内需喚起を求め、拡大均衡が図れるからだ。

  また、米国が一時「行過ぎた物価の安定」からデフレを懸念する状況に直面したが、ここでバーナンキ氏は、「ドルを輪転機でどんどん印刷すれば、コストをかけずにデフレは防げる」としたが、これも政府には都合が良かったようだ。こうした点からみれば、彼の指名を受けて、市場が株買い、債券売り、ドル下げで反応したのは自然かもしれない。第一声で、グリーンスパン議長に敬意を表し、「今日の政策路線を継続する」としたことも、市場に安心感を与えたようだ。

  しかし、“バーナンキ議長”を待ち受ける米国経済は、インフレ率のじり高傾向と住宅価格の高騰、巨大な双子の赤字という、難問を抱えている。これにどう対処するか。対外不均衡を背景とした長期金利の低下(止摔瑜朊坠鷤钨徣耄─摔虾M庵T国の内需拡大が必要とするが、これは他力本願。米国は貯蓄を高めるために財政赤字の削減、景気の抑制が必要となるが、これは政治的に難しい。手をこまねいていると、市場から新議長の手腕を試す「洗礼」を受ける。現議長の就任時には「ブラックマンデー」の洗礼を受けた。

  インフレについては、グリーンスパン議長と異なり、市場への透明性確保の観点から、インフレ・ターゲットに前向きだ。しかも、彼の目指すインフレ目標は、今日の「1-2%」レンジの下限ないしはゼロに近い。当面はグリーンスパン議長の「慎重な利上げ」を踏襲するにしても、自分流を示す段になれば、逆に思い切った引き締めに出たいところ。そこで住宅バブルとどう折り合いをつけるのか。グリーンスパン議長が残した宿題は「カテゴリー5」クラスの難度。新議長の答えを、市場はてぐすねを引いて待っている。
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 楼主| 发表于 2005-10-27 23:27:28 | 显示全部楼层
“原油インフレ”の影の波紋 (2005.10.26)

  原油インフレが起こると日本では「量的緩和」の意義が問われる。謎解きではないが、こういうことだ。日本のデフレ退治策として「量的緩和」やマネーの供給増大を主張したグループがいる。彼らの考え方では、デフレの原因はマネーの供給が不十分なことにあって、円高や原油安、技術革新のせいではない。何故ならば、円高や技術革新で一部の商品の価格が下がっても、相対価格が変わるだけで、絶対物価水準には影響しないと考えているからだ。

  例えば、原油が安くなってガソリン価格が下がれば、それだけ消費者はお金に余裕がでて、他のものの需要が高まる。例えば背広の需要が高まってその値段が上がり、ガソリンの下げと背広の値上げが相殺して、全体の物価は変わらない。つまり、財の間の「相対価格」は変わるが、「絶対物価水準」は変わらないことになる。

  では全体の物価(絶対物価水準)を決めるのは何かといえば、それはお金の総量で、これが増えれば物価が上昇し、総量が不十分だと価格の下落、つまりデフレが起こるという。98年頃からのデフレはお金の供給が不十分であったために起きたと考えたわけだ。

  この論法で行くと、お金の量さえコントロールできていれば、原油価格が上がろうが、為替が安くなろうが、全体の物価水準は高まらず、つまりインフレにはならず、あくまで財の間の相対価格が動くだけ、ということになる。

  ところが、現実には欧米ですでに原油価格の上昇をうけて、「絶対物価」が上昇を見せるようになった。米国の9月の消費者物価は、石油関連の上昇を主因に、全体で前年比4.7%と上昇テンポを高めている。石油が上がった分、ほかの財が値下がりすればよいのだが、実際は石油などを除いた「コア」の物価も下落せずに、全体を底上げしている。



  そうなると、このところの原油インフレは、実は原油価格高騰が原因ではなく、マネーを増やしすぎた結果か、さもなくば、お金のコントロールで「絶対物価」を管理すること自体に限界があることになる。その点、米国のマネーサプライM2は、01年、02年こそ伸びを高めたものの、その後は年率4%前後で安定的な増加率にあり、しかもこれは名目成長率を下回る「抑制的」なものだ。それでも原油が上がれば、この程度の物価上昇は生じることを認めざるを得ない。日本では以前、「デフレは優れて貨幣的現象である」といわれた。そうであれば、インフレも貨幣的現象といわざるを得ないが、今日の米国で見られる原油インフレの現象は、この考え方とそぐわないことになる。

 間もなく日本の消費者物価もプラスに転じると見られ、これを機に「量的緩和」の修正が見込まれるようになっている。日本でもここ数年は、マネーサプライM2が2%前後の伸びで安定している。その中で物価がマイナスからプラスに転じようとしているのだが、一部にはまだマネーを増やすのが先として、緩和修正に難色を示すむきもある。しかし、昨今の現象は、98年頃からの消費者物価下落がはたしてお金の供給不足が原因だったのか、疑問を投げかけるものとなった。今の状況を見れば、マネーの供給が十分であっても、円高や原油安、規制緩和での価格破壊などが、あの程度のマイナス物価をもたらしても何ら不自然ではないからだ。

  そうであれば「消費者物価上昇率が安定的にプラス」などの条件が揃うまで量的緩和策を続ける、というのも根拠が薄弱になる。仮にこの考えを踏襲するとしても、今後物価上昇が見込まれるのであれば、今度は「過大な通貨供給」が原因ということになり、速やかに量的緩和の修正が必要になる。原油インフレは「貨幣的現象説」に大きな疑問を投げかける。
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 楼主| 发表于 2006-2-18 19:13:59 | 显示全部楼层
景気ウォッチ~第3ロケットに点火? (2005.11.02)

  先の衆議院解散総選挙前に、政府・日銀がこぞって景気の「踊り場」脱出宣言をしたが、現実の指標を見ると、生産や消費などは7-9月もまだ横ばい圏から脱しきれなかった感がある。しかし、同時に景気先行指数や生産の予測指数などからみると、景気はやや遅れてこの秋からまた上昇に向かう兆しが伺える。

  振り返れば2002年から上昇に転じた今回の景気回復局面では、その中に2段構えの「上昇-踊り場」が見られた。第1段は02年から上昇し、03年に入って「踊り場」に陥る。そこへ輸出という2段ロケットが点火して03年後半から04年春まで再度上昇するが、その後はこの夏場まで「高原」ながら足踏みを続けていた。そして今年6月あたりから景気先行指数が、今次回復局面の中で3度目の点火を見せた。例えば、景気の度合いも反映する先行C.I.は、6月からの3ヶ月で3.6%(年率15%)もの上昇をみせ、景気がそろそろ3度目の上昇に向かう可能性を示唆している。


  これと呼応するように、生産が9月までは「横ばい圏」にあったが、10月から「再拡大」を見込む形となった。9月の数字こそ予想外に小幅な増加となったものの、「生産予測指数」によると、10月が前月比2.4%、11月は同1.9%の、それぞれ増産を見込んでいる。この計画でいくと、10-11月の平均水準は、7-9月に比べて3.6%の増加となる。

  生産だけで見れば、これが一時的な「アヤ」で終わる可能性も否定しきれないが、今回は景気先行指数が再上昇を予兆しているだけに、一時的なアヤでもなさそうだ。現実に則してみると、まず雇用環境の改善(失業率の低下、求人倍率の上昇、雇用者の増加、ボーナスの増加など)を反映して消費者のマインドが改善している。また、不動産価格の下げ止まり期待もあって、住宅着工床面積が5月以降増加傾向にある。家が建つと大型消費財も動く。そして夏場から株価がはっきりと上昇をみせ、企業や投資家のマインドを明るくしている。

  さらに、夏場から中国向けの輸出が回復を見せ、このところは再び前年比2桁増となっている。これにOECD景気先行指数の反転上昇もあり、輸出全般の回復も視野に入ってきた。在庫が小刻みに調整され、最近は在庫要因が増産・減産両面であまり影響を及ぼさなくなっている。このため、需要がそのまま生産や景気に反映されやすくなっている。一部に在庫の荷もたれ感があるが、内外需そろっての後押しだけに、第3ロケットの推進力には期待が持てそうだ。
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 楼主| 发表于 2006-2-18 19:14:44 | 显示全部楼层
「展望リポート」はゴーサイン (2005.11.02)

  注目された日銀の「展望リポート」は、この見通しどおりに進めば、量的緩和の終焉宣言が来春にも予想され、そこから金利コントロールに転換する可能性を示唆するものとなった。


  その論拠として注目したいのは、今年度後半の消費者物価上昇率を前年比で平均0.2%以上(今年度の中心予想値0.1%上昇から逆算)と、はっきりとしたプラスを予想していること、そして来年度にむけての経済が、「潜在成長率を幾分上回るペースで、息の長い成長を続ける」ため、需給面から再びデフレに逆戻りする可能性が小さいことを想定していることだ。

  もちろんこれには上振れ、下振れ要因がある。その中で注目されるコメントとしては、まず原油高の景気圧迫の可能性を見ながらも、「原油高の原因の一つはエマージング諸国の高成長を背景にしており、原油高と世界経済の拡大は両立しうる」、としている点。もう1つは物価の先行きについて、「需給の改善が長く続いていく中で、インフレ心理が予想以上に高まる可能性がある」としている点だ。当局の頭の中には、デフレへの後戻りよりも、インフレの進行がより強く懸念されるようになっているように見える。

  物価がマイナスからプラスに転換することで金融調節を量から金利コントロールに変えた場合、ゼロ金利をいつまでも続けることは不自然だ。リポートでは、物価が上昇に転じるとの見方が増えるにつれて、時間軸が短縮し、量的緩和の効果はゼロ金利の効果と変わらなくなってきた、としている。

  その金利だが、景気が回復に転じた02年以降も、実質金利は小幅プラスで推移してきた。そこへ景気が更に拡大し、物価がマイナスからプラスに転じると、ゼロ金利を維持するだけでは実質金利がマイナスになってしまう。これは意図せざる緩和の強化になる。景気の回復が長期化し、市場の関心がデフレからインフレに転換しようというときに、実質金利を低下させる必要はない。来年度の消費者物価上昇率がプラスの0.5%とすれば、政策金利を0.5%以上に引き上げないと、実質金利面からはこれまでよりも緩和的になってしまう。

  従って、デフレ懸念が払拭され、景気の拡大持続が見込めるようになれば、今日の米国と同様に、少なくとも「景気に中立」な水準にまで政策金利を引き上げることも必要になる。長期的に持続可能な成長率を1.5-2.0%とすれば、「中立」とされる実質金利もその近傍と考えられる。これに小幅な物価上昇を加えると、名目の中立金利水準は2%前後ということになる。政策手段が金利に変われば、いずれ米国同様に金利の「中立」水準が論議されることになる。
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 楼主| 发表于 2006-2-18 19:17:48 | 显示全部楼层
ドルじり高を確認 (2005.11.02)

  ドル円が116円台をつけ、一段の円安進行が見込まれている。外資による日本株買いが続いているが、その一方で3つの力がドル高円安に働いているためだ。1つは年末で切れる米国雇用創出法を利用した最後のリパトリ(米国へのドル資金回帰)が起こりやすいこと、2つに7-9月の米GDPが年率3.8%成長と予想外に強く、一方でインフレ懸念が高まっているために、中立水準を超える利上げの思惑も出ていること。

  一方で日本の円は、今日数少ないキャリー・トレードがしやすい通貨で、低利の円資金調達でグローバル運用をする過程で円売りが生じやすい。年内はもう一段のドル高円安が進行する余地がある。
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