|
JR西社長 安全へのレールを築け
JR西日本 构建安全铁路线
JR西日本の社長が交代した。多くの命を奪ったJR宝塚線の脱線事故の責任をとって垣内剛氏が辞任し、副社長の山崎正夫氏が就任した。87年の民営化以降、5代目の社長となる。
JR西日本旅客铁道株式会社社长职务产生了变动。垣内刚承担夺走多人生命的JR宝塚线(福知山线)的电车脱轨事故责任,辞去社长职务,由副社长山崎正夫接任。这是JR西日本自1987年铁路民营化以来的第五任社长。
新社長は100人を超える犠牲を出した昨春の事故の責任を引き続き背負っていかねばならない。課題は二つある。
誠意を持って被害者に補償することと、安全を最優先する企業風土を築くことだ。
新社长还得背负着去年春天造成100多人死亡的事故的责任。山崎正夫面临两个课题:怀着诚意对受害者予以赔偿,营造安全第一的企业文化。
被害者への対応は、取締役にとどまる垣内氏を中心に当たるという。事故の傷はなかなかいえるものではない。遺族らに寄り添い、説明責任を果たしていくことが肝心だ。
据说对受害者的安抚工作将由栽在社长一职的垣内刚来负责。事故造成的伤害仍不堪回首。重要的是对死者家属尽到照顾和说明的责任。
安全の最優先を定着させるのも、一朝一夕にはできない。
要养成安全第一的企业氛围,不是一朝一夕能办到的。
民営化された当時、関西には強力な私鉄がひしめき、JR西日本はスピードを上げることに突き進んだ。関西の主要路線を「アーバンネットワーク」と名づけて乗客争奪戦を挑み、高速化、効率化で「私鉄王国」を切り崩した。
实行民营化之初,关西私营铁路实力强大,JR西日本采取有力措施提高铁路运输速度。JR西日本将关西主要线路起名为“大都市铁道网络”,挑起了乘客争夺战,以高速、高效率使“私铁王国”分崩离析。
一方で、本業の運輸収入が6800億円から7500億円に増えるにとどまったのに対し、ホテルや商品の販売などグループ企業の収益は7倍以上にふくらみ、6千億円を超えた。
另一方面,面对业务运营收入自6800亿日元增加到7500亿后停滞不前的情况,JR西日本通过从事住宿服务和商品销售等措施,使集团企业的收益增加到原来的七倍多,超过了6000亿日元。
安全を確立するためには、経営を安定させることが欠かせない。しかし、行きすぎた効率化を進め、副業を重視しすぎれば、本業の安全対策を軽んじることになりかねない。
要确保安全,必须保证经营的稳定。但是,过度讲求效率,对副业过于重视,难免忽视了主业的安全对策。
安全への投資を求める声が、投資計画を立てる部門に届きにくくなっていたという声も聞かれる。効率や副業を重視する号令が、安全への判断をゆがめていなかったか。新経営陣はきちんと検証する必要がある。
也曾听说过要求增加安全投资的呼声很难被制订投资计划的部门。是不是重视效率和副业的命令转移了对安全的重视呢?新的领导班子有必要好好检讨。
山崎氏はここで改めて鉄道を本業と位置づけることが大切だ。その上で、鉄道という巨大装置を動かす技術者集団の声が、経営に届く仕組みを築かなければいけない。同社で初めての技術畑の社長である山崎氏には、うってつけの役割だ。
山崎社长此番再次将铁路放在立业之本的位置,这相当重要。此外,必须建立运转像铁路这样的大型设施的技术专家团体的声音能到达管理层的机制。这是作为JR西日本的第一任技术出身的社长的山崎所起的最合适的作用。
大事故もやがては風化する。520人が亡くなった日航機の墜落事故でさえそうだ。昨年来、日本航空では惨事につながりかねないトラブルが相次ぎ、国土交通省が事業改善命令を出した。同社は昨年暮れ、専門家に委託して「再生に向けた提言書」をまとめている。
即便是大的事故,也会很快随风逝去,即使是造成520人丧生的日航班机坠毁事故也是如此。去年以来,日本航空业噩耗不断,事故连年。国土交通部出台了行业整改命令。本社去年末委托有关专家,拟就了《重振航空业建议书》。
その中で、立教大の芳賀繁教授(産業心理学)は「安全は、やる気の出ない目標である。努力した成果が見えにくい」と分析する。だからこそ、「安全性こそが最高位の経営目標と明確に打ち出し、安全を担う組織に最良の人材を集めるべきだ」と提言している。
《建议书》中,立教大学产业心理学教授芳贺繁分析道,“安全是一个没有动力去达成的目标。努力后的效果不容易看出来。”正因如此,芳贺繁教授建议“应明确提出‘把安全放在第一位’的目标,广募负责安全部门的优秀人才。”
JR西日本にも通用する指摘だ。
这个建议也可以用来指责JR西日本。
山崎新社長は幹部への訓示で、ホンダの創業者、本田宗一郎氏の言葉を紹介した。「進歩は反省の厳しさに正比例する」。反省とは何か。JR西日本の場合、「効率」にぶれすぎた振り子を「安全重視」に戻すことにほかならない。
JR西日本新社长对管理层的训话中提到了本田的创立者本田宗一郎的话。“进步和反省的认真程度成正比。”什么是反省?对于JR西日本来说,不外乎将过于偏向效率的天平重新回到对安全的重视上来。 |
|