中国料理は世界的に有名で、中国料理を知らない人の方が少ないと思われるが、中国料理の食卓上の四と偶数に関しては、中国人以外の外国人は余り知らないと思う。

　中国では四つの料理と一つのスープが最も一般的に食卓に並ぶ数である。

　中国での正式な食事方法は四つの料理と一つのスープ（スープは主料理ではない）が基本となる。

　お客を招待する時、中国人は必ず食べ切れないほど沢山の料理を作るが、八、十二、十六の皿数のおかずを並べるのが習慣となっている。

　中国河南省安陽の農村には「四椀８盤」という習慣がある。「四椀８盤」とは四椀の煮物料理と、八皿の炒め料理のことを指しているのである。

　四皿あるいは偶数の料理を食卓に並べて、客人に対して釣合と落着き、そして上品さと団欒の感じを与えるのである。

　中国の食卓の多くは丸く食卓に着く人の数も４人、８人、１０人の時が多いようである。一般の労働者、農村部の結婚式などのパーティの時の食卓数は１０、２０、３０にもなり、部屋の中から庭までずっと食卓が並べられ本当に壮観である。

　酒で客をもてなす時は、客が最初の杯を飲み干すと、心温かい主人側はいつも「さあ、もう一杯」と勧めるはずである。

　中国各地の飲食の特徴をまとめると、ここでも四の数が関っている。

「南は甘く。北は塩辛く、東は辛く、西は酸っぱい」ここからも四と偶数は中国人の伝統観念の中にしっかり根付いているのが分かる。

　中国人のバランス、穏やかさなどを追及する思想が反映されていると言える。