沖縄本島の南端で、荒崎海岸は崖（がけ）となって海に落ち込む。沖縄戦の末期、その磯に追いつめられた４人の女生徒が、泣きながら唱歌「故郷（ふるさと）」を歌った。つらい体験を、ひめゆり学徒隊で生き残った宮城喜久子さんに聞いたことがある▼

在沖縄本島的最南端、从荒崎海岸的悬崖边跳入了大海。沖縄戦的末期，被逼到了这个悬崖边的4位女生，边哭泣边唱着家乡的歌。从百合女王学生团体的幸存者宮城喜久子女士这,听到了这些艰辛的经历。

砲撃のやんだ夜。宮城さんら４人は歌いながら、櫛（くし）や家族の写真が入ったかばんを海に投げた。死を覚悟したときに文部省唱歌が口からもれたのは、沖縄の歌を一つも知らなかったからだという▼

炮击停止的那夜。宮城等4人，唱着歌，将存有发髻和家人照片的书包投入大海。在面对死亡，口中哼出文部省教的歌曲，而冲绳当地的歌一首也不知道。

日本政府は、明治の初めに琉球を併合した。以来、「辺境の民」を「一人前の日本人」にするための皇民化政策が進められる。沖縄の方言や歌はきびしく禁じられた。学校のオルガンで弾こうものなら、教師が飛んできて怒鳴りつけた▼

日本政府，在明治初期合并了琉球。此后，开始推行将“这些当地人”变成“真真日本人”的皇民化政策。冲绳当地的发言和歌曲被严格禁止了。如果用学校风琴弹奏的话，教师就会飞奔上来臭骂一顿。

沖縄戦での集団死（自決）も、そうした歴史のひとつの悲劇だ。大江健三郎さんの『沖縄ノート』の記述をめぐる訴訟で、裁判所はきのう、「集団自決には旧日本軍が深くかかわった」と認定した。大江さん側の勝訴である▼

冲绳战中的集体自杀，也是历史的一大悲剧。依据大江健三郎所著的【冲绳纪实】开展的诉讼，昨天法院认定“集体自杀与旧日本軍有密切关联”。大江先生的那方获得胜诉。

軍と住民の「タテの構造」における死の強制、と大江さんは言う。その構造は、皇民化政策でならされた島にやすやすと根を張った。そして「軍民の共生共死」を押しつけられた地上戦で、おびただしい住民の血が流れた。それが沖縄戦である▼

大江先生说：将百姓和军队以“裙边关系”联系在一起，是强迫他们赴死。这样的构造已在推行皇民化政策的岛上越来越根深蒂固。由此“軍民的共生共死”紧密联系在一起的地面战斗中，众多的百姓流血牺牲。这就是冲绳战的实际情况。

米国の著名な歴史家アーサー・シュレジンジャー氏から、「歴史は国家の応援団ではない」と聞かされたのを思い出す。かく言う氏も、盟友ケネディ元大統領の失政には甘かったようだ。教訓としつつ、歴史を見る目を養いたい。

想起了从美国著名历史学家Arthur Meier Schlesinger, Jr.那里听到的“历史不是国家后援团”的话。说过此话的他，好象也支持过自己人——原总统肯尼迪的错误领导（指越战）。在接受教训的同时，也希望大家能培养出看清历史的眼睛。