【あの人が林さんです】
「あの」とか「この」という言葉をしきりに使い始めたら、頭が固くなってきた証拠などとよく言われる。
確かに「あの」や「この」は便利な言葉でつい多用してしまうのだが、これはビジネスの場では十分に
注意したい言葉でもある。
たとえば、林氏という人物が来訪し、課長に会いたいとあなたに告げたとする。あなたは、その旨を課長に取り次ぐ。
林氏は受付で待つことしばし、間もなく課長がやってくる。
そこで、あなたは課長に、「あの人が林さんです。」と言っては、課長に小言の一つもらうことになるだろう。
そもそも「あの」とか「この」という言葉は、大切な相手をさしてつかう言葉ではない。
相手は、大切なお客様である。そのお客様を「あの人」では、お客に対して失礼である。
たとえば、デパートで商品を買って、包装してもらうとき、店員さんがよこで「この包装は、あの人が買われた商品よ」
などを言っていたら、むっとするだろう。お客なのに「あの人」余張りでは、誰だってむっとするのだ。
というわけで、この場合は、「あちらの方が林さんです」といいたい。「あの」よりも「あちら」、
「人」よりも「方」のほうに敬意が込められている。これなら、上司の小言をもらうこともない。
証拠:证据,证明。(証明の根拠。事実認定のよりどころ。あかし。証左。裁判所が法律を適用すべき事実の有無を確定する材料。)
しばし:暂时,片刻,不久。(ちょっとの間。しばらく。)
小言:(1)申斥,责备。(細かいことをいちいち取り立ててしかること。)
(2)(发)牢骚,怨言。(不平。文句。)