【係りの者からいただいてください】
昔、発言にやたら「・・・させていただく」と連発し、マスコミなどでから分かれた高名な政治家がいた。
政治家でも敬語をうまく使いこなせていないのだから、確かに敬語は難しい。とりわけ、「いただく」
というのは、厄介な言葉である。
たとえば、会社に来訪したお客様に渡す書類が手元にない場合だ。係りが書類を持っているからと、
「係の者に頂いてください」といったのでは、敬語になっていない。相手からも、顰蹙を買う事にもなり
かねない。
なぜなら、「いただく」には謙譲の意味があるからだ。謙譲語というのは、動作の主体をへりくだらせることで
動作の相手に敬意を表そうというものだ。
「いただく」は「受け取る」の謙譲表現だから、自分が「いただく」なら問題はない。受け取る時分をへりくだらせて、
相手を立てているからだ。
ところが、「係りの者に頂いてください」では話が違うのだ。お客様より自分の会社の係りに敬意を払っては、
お客様は憤慨ものだ。
こんな時は、「いただく」という謙譲ではなく、「受け取る」の尊敬語を使う事だ。
つまりは、「係りの者からお受け取りください」と言えば、丸く収まるのである。
やたら(矢鱈) (1)胡乱,随便,任意。(みだり。むやみ。)
矢鱈(に)金を使う。/随便花钱。
(2)非常,过分。(非常に。)
矢鱈(に)眠い。/困得要命。 顰蹙(ひんしゅく)颦蹙,皺眉。(不快に思って顔をしかめること。まゆをひそめること。)
世人の顰蹙を買う。/招世人嫌弃。