【部長の佐藤様はおられますか】
上司や先輩に休日はどうしているのか尋ねられた時、どう答えたらいいだろう。
「家でゴロゴロしております」と言えば、内容はともかく、敬語としては一応合格。
ただし、これと同じ一本調子で敬語を使っていると、しくじることがある。
この場合、相手に対して尊敬の気持ちを払ったつもりかもしれないが、まったく逆の印象を与えてしまう。
確かに目上の人相手に、「私は家におります」というのは正しい敬語の使い方だが、それが正しいのは
「おります」という動作の主体が自分だからだ。「おります」というのは「いる」の謙譲語で、「いる」
自分をへりくだらせ手、相手に敬意を払っているわけである。
最近は、「昔、あるところに猟師がおりました」のように「おる」にはへりくだるニュアンスがなくなり、
一つの改まった言い方として認められつつあるという意見もある。
しかしその一方、少し前に文化庁が行った全国調査では、駅のアナウンスなどでの「おりましたらご連絡ください」
という言い方は、半数以上の人が気になると答えている。その「おります」という動作の主体を自分ではなく、
目上の人である得意先の相手にしたら、どうなるだろうか。へりくだる側になるのは得意先の人間の方で、えらい
のは「おられますか」と尋ねている自分自身になってしまう。これでは本末転倒であり、相手を不愉快にさせてしまう。
そうならないためには、相手に対して謙譲語ではなく尊敬語を使うことだ。言い方は簡単である。「いる」の尊敬語
である「いらっしゃる」で聞けばいい。
「部長の佐藤様はいらっしゃいますか」と尋ねれば、周囲をひやひやさせることもないのだ。
しくじる(1)失败,失策。没成功,没办好。搞砸〔失敗する。〕
(因过失等)被解雇,被解职。会社をしくじった。/被公司解雇了。
猟師(りょうし)猎人
ひやひや发凉,发冷,感觉寒冷。(肌につめたく感じるさま。)
担心,害怕,提心吊胆。落ちはしないかと冷や冷やした。