先週、芥川龍之介の短編小説「鼻」を読んだ、禅知内供さんの鼻はこういう風の鼻でしょうね。
長さは伍、六寸あって、上唇の上からあごの下まで下がっている。形は元も先も同じように太い。いわば細長い腸詰めのようなもの、ぶらりと顔の真ん中からぶらさがっている。
このような鼻を持っているのは本人には大変迷惑になるに違いない。鼻の長いのが不便ばかりか、回りからの見下ろした目つきにも堪えないでしょう。
小説の中に、作者は傍観者の利己主義を批判しました。傍観者の利己主義というのは、人は他人の不幸には同情しますが、もしその人が不幸を切り抜けると、物足りなくなります。
読めば読むほど、内供さんに同情してたまらない。自分はそのような傍観者になってはいけません。