咖啡日语论坛 咖啡日语学习资料 咖啡日本新闻 咖啡日语工作 咖啡日语博客 咖啡日语商场 联系我们
资料首页 语法问题 词汇学习 商务日语 日语考试 学习精华 听力训练 日本文学 翻译习作 其他文章 专题 搜索
现在位置:首页 >> 日本文学 >> 日文轻小说 >> 悪霊シリーズ第1巻 悪霊がいっぱい
最新文章
普通文章  日语情话
普通文章  オフィスに関する言葉
普通文章  料理に関する言葉
普通文章  台所に関する言葉
普通文章  日语你我他说法详解
普通文章  人の気持ちや様子を表す
普通文章  与食品有关的比喻
普通文章  顔色
普通文章  中国历史文化专有名词对照表
普通文章  软件开发类
 
     
悪霊シリーズ第1巻 悪霊がいっぱい
作者:    出处:咖啡日语    发表时间:2007-09-20    浏览次数:     

【悪霊がいっぱい!?】
          小野不由美

 

 プロローグ


 真っ暗な部屋。青いペンライトの光がボウと浮かぶ。部屋全体を照らすにはあまりに小さな光。青い光に照らされて浮かぶのは、ペンライトを持つ女の子の顔だけだ。
 おりしも外では雨が降ってる。どこかさびしい雨音に、低い女の子の声がかぶる。
「……これは前に、あたしの伯父《おじ》さんから聞いた話なの。
 伯父さんがね、夏に友達と山に行ったの。で、ある山の頂上を目ざして歩いてたんだって」
 彼女はちょっと言葉を切った。
「……それがね、その日は天気もよくて、山だって何度も来たことのあるところなのに、道に迷ってしまったんだって。
 三時間くらいで頂上に着《つ》くはずなのに、いくら歩いても頂上に着かないの。
 おかしいなぁと思って、それでも歩いて行くと、全然知らない尾根の上に出て、自分たちがどこにいるのかわからなくなっちゃって。とにかくもどろうってことになって、来た道を引き返したんだけど、しばらく歩くと同じ場所に出てしまうの。
 何度歩いても同じ尾根に出てしまって、そのうち日も暮れて、しかたないからその場所でキャンプすることになったんだって」
 誰《だれ》も口を開く者はいない。
「夜になって、たき火を囲んで話をしてたら、人の声がしたの。誰かが助けを求める声。伯父さんたちは、ふたりで探したんだけど、声の主《ぬし》は見つからないの。こっちから呼んでも返事はないし。
 気のせいかと思ってすわると、また声がするんだって。今度は前より近くから、また探したんだけど、やっぱり誰もいないの。
 何度もそれをくりかえしているうちに、声はどんどん近くなって、最後にはたき火のすぐ近くで声がするようになったんだって。息づかいや足音や、服がこすれる音まで聞こえるのに、誰の姿も見えないの。さすがに気味が悪くなって、伯父さんの友達が『なむあみだぶつ』って唱《とな》えたの。そしたら音がピタッとやんだんだって。
 でね、その夜は眠れなくて、夜が明けるのをふたりで待ったの。したら、前の日には全然気がつかなかったのに、キャンプのすぐそばにケルンがあったのよ」
「けるん?」
「うん。山でね、人が死んだとき、その場所にお墓のかわりに石を積むの。それがケルン。
 ――そのケルンは、人の背丈ぐらいあって、絶対に気がつかないわけがないんだって。なのに、前の日、伯父さんたちは全然気がつかなかったのよ。
 きっと死んだ人がさびしがって、伯父さんたちを呼んだんだろう……って。
 伯父さんは、友達が『なむあみだぶつ』って言ってくれなかったら、あのあと、何が起こったんだろうね――って、今も言ってる」
 祐梨《ゆうり》が口をつぐむと、あたりはしーんとして、雨の音だけがさびしい。
 彼女は静かにペンライトの光を消した。
 部屋の中に残っている明かりは、あとふたつになった。
「次、麻衣《まい》だよ」
 恵子が闇《やみ》の中からうながす。
 あたしは、ひと呼吸してから口を開いた。
「……これはあたしが、小学生のころに聞いた話なんだ。
 ある女の人が、夜の道を家に帰ろうとしてたんだって。でね、それは秋のもう肌《はだ》寒いころで、途中でトイレに行きたくなったんだとさ。ちょうど公園にさしかかって、だから、公園の公衆トイレを使うことにしたんだ。
 夜の公衆トイレって気味悪いじゃない? 明かりだって暗いし。
 その人はいやだな、と思いながら、トイレに入ったのよ。そしたら、どこからともなく声が聞こえるんだって」
 あたしは細い、震《ふる》えるような声をつくった。
「赤いマントをかぶせましょうか……」
「いやっ!」
 誰《だれ》かが悲鳴をあげる。
「その女の人はびっくりして、あわててトイレを出ようとしたんだって。
 でも、なぜだかトイレのドアが開かない。
 ドアをゆすってるとまた声がするんだ……『赤いマントをかぶせまょうか……』って。思いっきり叩《たた》いたけど、ドアは開かないのよ。それで、三度目に声が聞こえたとき、その人は『いやです』って答えたの。そしたらドアがすっと開いたんだって」
 誰もが口を開かない。聞こえるのは少し荒い息の音と、雨の音。
 あたしは続ける。
「女の人はあわててトイレを出て、もうこわくてこわくてひとりでは帰れなくて、そしたら、巡回してるおまわりさんのふたり組を見かけたんだって。
 それでその女の人はおまわりさんに声をかけて、事情を話して家までついてきてもらおうと思ったわけ。事情を言うとおまわりさんは、『それはチカンでもトイレのどこかに隠れていたんだろう。つかまえなきゃいけない』って言って、もう一回トイレを調べてみよう、ってことになったの。
 トイレに行くと、おまわりさんは女の人に中に入るように言って、『また声が聞こえたら、はい、って言ってごらんなさい』って言うんだって。
 それでその女の人はドアの外で待ってると、少ししてトイレの中から『赤いマントをかぶせましょうか……』っていう、気味の悪い声が聞こえたんだ。そうして、女の人が『はい』って答える声。そして次の瞬間にものすごい悲鳴が聞こえたんだって」
 あわててトイレのドアを開けたら、そこには女の人が死んでたの」
 雨の音。雨の音……。
「女の人は、まるで赤いマントかなんかをかぶってるみたいだったって。
 血で真っ赤に染まってね。その体は、コンパスの針みたいなもので突《つ》かれたように、全身小さな穴だらけだったんだって……」
 みんなが悲鳴をあげた。
「やだ!」
「いや!」
 あたしは悲鳴をしりめに、ペンライトの明かりを消した。
 残った明かりは、あとひとつ。
 たったひとつ残った青い光に照らされて、ミチルが口を開いた。
「あたしはこの学校の話をするね……」
 ミチルの白い顔に髪がかかって、そこに青い光。
「麻衣、旧校舎の話、知ってる?」
 あたしを振り向く。あたしは首を振る。
「知らない。
 旧校舎って、あれでしょ、グラウンドの反対側にある木造の建物。半分崩れた」
「……そう。
 あれは、崩れてるんじゃないの。取り壊そうとして、あそこまでで工事がストップしちゃったの……」
「なぜ……?」
 ミチルは幽霊《ゆうれい》みたいな笑顔をつくった。
「たたり……」
「たた――り?」
「そうよ。……そもそも……。
 あの校舎を使ってる間、この学校には変なことが多かったんだって。毎年、先生が死んだり、生徒が死んだり……。おまけに、火事とか事故とか、本当にイヤなことだらけだったのよ……」
 旧校舎、あれを見たのは入学してすぐだった。半分崩《くず》れた古い建物。割れたガラスや壁《かべ》にからまったツタ……。たしかに、気味の悪い建物だ……。
「新校舎ができたのが十年ちょっと前。
 そのとき、旧校舎を取り壊そうとしたんだけど、工事を始めると不思議《ふしぎ》なことが起きるの。機械は止まるし、作業員は病気に事故。それでもムリに西側の壁を壊したとき、屋根が落ちたの。二階ごと。一階の部屋で作業をしていた人は、みーんな死んだわ……」
 病気、けが、事故……。
「それで、工事はいったん取りやめ。長いこと西側がすこし崩れたままで、放っておかれたの。
 それからだってイヤなこと続きだったわ。近所の子供が旧校舎の中で死んでいたり、中に入った先生が三日後に自殺したり……。
 ……体育館を立て直すんで、旧校舎を取り壊そうと工事が再開されたのが去年。でも、旧校舎の半分を壊しただけで中止になったの。前のときと同じよ。機械は壊れる。作業員は……」
 ……げー。
「一度なんか、工事のトラックが急に暴走して、グラウンドで体育の授業をしてるところに突っこんだの。あのときは、二人が死んで七人が大ケガ。新聞にも載《の》ったくらいよ」
 ……これは……イヤだなぁ。
 ミチルは、低い声でさらに続ける。
「クラブの先輩の友達は、旧校舎で人影を見たって……。
 白い人影が、旧校舎の二階から、のぞいてたんだって。夜、学校の近くを通って……ホラ、旧校舎の塀ぞいに道があるじゃない。あの道で犬を散歩させてて、視線を感じたんだって。振り向くと、半分壊れてる教室の窓に白い影が……」
「うそぉ……」
 恵子が声をあげる。
「ホント。……で、その人影が、手をあげてね、手招《てまね》きするんだって。
 それを見たとたん、旧校舎の中に行かなきゃ、って気になって、フラフラと歩き出していたんだって」
「そ、それで……?」
「それだけよ。歩き出したら、急に犬がすごい勢いで鳴き出して、それで我《われ》にかえったんだって。あらためて見たら、もう人影はなかった……って」
「ひゃー……」
「……消すよ」
 ミチルが静かに言う。部屋の中はまた、しんと静まりかえった。
 かすかに音がして、ミチルのペンライトが消えた。あたりは闇《やみ》と雨の音に包みこまれる。
 恵子が闇の中でかすかな声をあげる。
「いち……」
 声は震《ふる》えている。こうして怪談をしながら明かりを消していって、最後に数を数えると、ひとりふえると言う。ふえたひとりは霊なんだと。
 祐梨の声。
 
「にぃ……」
 あたし。
「さん」
 ミチルの声は低い。
「し……」
 あたしたちは全員で四人。五人めの声が聞こえるか。
 あたしたちは耳を澄《す》ました。雨の音。雨の……。
「ご」
きゃああっ!!
 あたりは悲鳴の渦《うず》になった。周章狼狽《しゅうしょうろうばい》、阿鼻叫喚《あびきょうかん》。
 な、なによーっ! 今の声はーっ!!
 恵子たちがしゃにむに抱きついてくる。
「いやーっ、いやーっ!」
 そのとき、パッと暗い明かりがついた。
 部屋のドアの近くにある非常灯だ。
 小さなグリーンの光の下で見える、無愛想な机の群れ。学校の地下にある視聴覚教室。 あたしたちが振り向くと、ドアのところに背の高い男のコがたたずんでいるのが眼に入った。
 壮絶にキレイな顔。夜よりも暗い髪と、闇《やみ》よりも深い眼と。似合いすぎる黒い服。薄明かりの中、闇にとけこむようで、顔と手だけが月光のように白い。
 制服じゃない。転校生だろうか。
 恵子が声をあげた。
「い……、今『ご』って言ったの、あなたですか?」
「そう……悪かった?」
 静かな、よくとおる声。
 ミチルが浮かしかけた腰をおろす。
「あー、おどろいたー。腰がぬけるかと思ったぁ……」
「失礼。明かりがついていないんで、誰《だれ》もいないと思ったんだ。なのに、いきなり声がするから、つい……」
「そんなぁー! いいんですよー!」
 恵子が黄色い歓声をあげて、
「転校生ですか?」
 彼はすこし間《ま》をおく。
「……そんなものかな……」
 なんだ、この間は?
「一年生?」
「……今年で、十七」
 妙な答え方をするやつだ。
「じゃ、あたしたちより、一年先輩ですね」
 そう言う恵子の声ははずんでいる。……こいつってば、メンくいだからなー。
 たしかに見てくれはいい。背は高い。足も長い。再度言うが、顔もいい。
 ……しかしあたしは、なーんとなく不穏《ふおん》なものを感じた。単なるカンだけど、こいつとは気が合わない。カンだけどね……。
 ミチルも、おとっときの笑顔をつくっている。
「こっちこそ驚かせてゴメンナサイ!
 ……あたしたち怪談をしてたんです」
「へえ」
 彼は言って、それからわらった。
「仲間にいれてくれない?」
 みんながうれしげな悲鳴をあげた。
「どーぞ、どーぞっ。すわってください」
 ミチルが彼の腕を引っ張った。

[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [13] [14] [15] [16] [17]
责任编辑:Mashimaro

上一篇: NHKにようこそ!

下一篇: 2007-2008年度 JTEST考试安排