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『野村美月』文学少女 txt日文版 连载1
时间:2009-07-16 13:06:27  来源:  作者:

 嘘! そんなことって!

 お父さん! お母さん! 聡史! どうして !?  どうしてそんなことしたの !?

 ねぇ、嘘でしょう? お正月には、そっちへ行くから、みんなでゆっくり過ごそうねって、電話で話したじゃない。お父さんとお母さんが頑張って働くから、夕歌はあまり無理をしないように、発表会の前なのだから、バイトもほどほどにして、風邪を引かないように喉を大切にって。夕歌の好きな干し柿を送っておいたよって。早く、会いたいね、また家族で暮らせるようになるといいねって。大丈夫だよ、きっと、いつかそうなるよって。お父さんも、お母さんも、笑っていたのに! 聡史も、新しい学校で友達ができて楽しいって。お姉ちゃんも歌を頑張れって。

 なのに、どうして! 聡史はまだ、中学生だったんだよ!

 みんなで暮らすために、私、たくさん仕事をしたのに。

 初めてお客さんに会ったとき、ごはんを食べて、ちょっと話をするだけだよって言われて、なのにホテルであんなことされて、すごく恥ずかしくて、怖くて、痛くて、嫌だった。

 自分が真っ黒に汚れてしまったみたいで、もう誰の目もまっすぐに見れないし、このまま秘密を隠し続けて、怯えながら生きなきゃならないんだって思ったら、頭がぐらぐらして、死んじゃいたかった。

 トイレで何度も吐いて、タオルと石鹸で、皮膚がむけるほど体をごしごしこすって、けど、私がそれをしたっていう記憶は消えなかった。

 それでも、お金をもらえたから。そのお金があれば、お父さんが借金取りの人たちに、殴られたり土下座したりせずにすんで、聡史の授業料も払えるって思ったから。

 私には、それしかできなかったの。みんなが、前みたいに、普通に幸せに暮らせるなら、もう私は普通じゃなくなっちゃっても、いいって思ったの。

 そのあとも、嫌なお客さんがたくさんいたし、本当に惨めで気持ち悪くて、毎日端っこから少しずつ切り刻まれているみたいで、嫌な匂いのする黒い泥が体の上にどんどん積み重なって、その中に埋もれてしまいそうで、いつかバレるんじゃないかって、びくびくしてばっかりだった。

 テレビで、援交をした警察官が逮捕されたってニュースが流れたとき、ななせが、『相手の女も信じられない。まだ十六歳でしょう。あたしだったら、好きでもない人と、そんなこと絶対できないよ』って言うのを聞いて、息が止まりそうだった。

 彼に抱きしめられたとき、苦しくて申し訳なくて、思わず突き飛ばしてしまって、哀しい顔をさせてしまった。

 けれど、お父さんたちのためなんだって思うと、まだ大丈夫って思えたんだよ。

 それに、私には天使がいたから。天使に、会えたから。

 だから辛くても平気だったのに。耐えられたのに。

 もう、私も賛美歌を歌えない!

 神様なんて信じられない!

 心だけは清らかであろうと願っても、無駄だった。神様は、穢れた私に微笑んではくれない。私を闇の世界に追いやった。

 いずれ、彼も、ななせも、私は失うだろう。

 天使も、こんな絶望を味わったの?

 歌わなきゃ。私には、それしか残っていない。彼とななせが去ったとき、死を選ばずに立っていられるように。

 泣いちゃいけない! 歌うの! 歌い続けるの!

 神様を賛美する歌ではなく、戦いを挑む歌を。

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