36．「～ところだ・～（た）ばかりだ」

●「～ところだ」の意味用法

動作が今どのような状態にあるかを問題にする文法形式をアスペクト（相）と呼び
ます。「ところだ」は動詞の辞書形、「ている」形、タ形に接続して、動作がどの
ような状態にあるかを表します。

１）「動詞辞書形＋ところだ」

　（１）今から寝るところだ。

　（２）私も帰るところです。

「動詞辞書形＋ところだ」はその動作が今すぐ起こる状態を表します。

（１）（２）はそれぞれ「今から寝る」「私も帰ります」でも意味は同じです。

ただし、「今まさに起こる、する」という点が強調された言い方になります。

２）「動詞ている＋ところだ」

　（３）今書類を見ているところです。

　（４）今考えているところだ。

「動詞ている＋ところだ」はその動作が今行われている最中であることを表します。
（３）（４）はそれぞれ「今書類を見ています」「今考えている」と意味は同じです。
ただし、動作が進行中であるという点が強調された言い方になります。

３）「動詞タ形＋ところだ」

　（５）今仕事が終わったところです。

　（６）たった今空港に着いたところだ。

「動詞タ形＋ところだ」はその動作がたった今終了したことを表します。

（５）（６）はそれぞれ「今仕事が終わった」「今空港に着いた」と意味は同じですが、動作がたった今終わったという点が強調された言い方になります。

「～たところだ」では、（５）（６）のように、時を表す副詞には、「今」

「たった今」などがよく使われます。

●「～（た）ばかりだ」の意味用法

　「ばかりだ」は種々の意味用法があります。ここでは、「ところだ」と

よく似た働きを持つ「動詞タ形＋ばかりだ」を取り上げます。

４）「動詞タ形＋ばかりだ」

　（７）今仕事が終わったばかりです。

　（８）今空港に着いたばかりだ。

（７）（８）を見ると、「動詞タ形＋ばかりだ」と（５）（６）の「動詞タ形＋ところだ」は、ほとんど変わりがないように見えます。「動詞タ形＋ところだ」が、「その
動作がたった今終了したこと」に焦点が置かれるのに対し、「動詞タ形＋ばかりだ」は、「その動作が終了して、あまり時間がたって

いないこと」に焦点が置かれます。

「動詞タ形＋ばかりだ」は「～ばかりで」「～ばかりなので」「～ばかりだから」「～ばかりなのに」という形で、理由や逆接を表すことが多いです。

　（９）３か月前に日本に来たばかりで、まだ何もわからない。

　（10）Ａ：ケーキ、どうぞ。

　　　　Ｂ：さっき昼ご飯を食べたばかりなので、あとでいただきます。

　（11）あの新人社員は入社したばかりなのに、大きな顔をしている

「～たばかりだ」では、時を表す副詞には、「さっき」「今」がよく使われます。

顶一下

回首页